丸印と角印はどう違う?会社に必要な印鑑の使い分けも分かりやすく解説!

丸印と角印はどう違う?会社に必要な印鑑の使い分けも分かりやすく解説!

会社になくてはならない丸印と角印の2種類の印鑑はそれぞれ使い方にどのような違いがあるのでしょうか。丸印と角印の使い方から、使い分けを必要とする理由、そして作り方のポイントまで紹介します。又、同じく会社に必要な銀行印についても併せて説明しましょう。

記事の目次

  1. 1.丸印と角印の違い
  2. 2.丸印とは
  3. 3.角印とは
  4. 4.角印を会社実印として利用したい場合
  5. 5.丸印と角印の作り方
  6. 6.銀行印について
  7. 7.丸印と角印は使用用途で使い分けよう!

丸印と角印の違い

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日本は海外とは違い、大事な書類にはサインではなく印鑑を使用します。中でも会社は社内で行われる様々な契約、通常業務内でも何かのチェックの際や請求書等の書類に対して、印鑑を押すことが多い場所と言えます。会社でよく使用される印鑑が丸い形の「丸印」と四角形の「角印」です。では、それぞれの印鑑はどのような違いがあるのでしょうか。

使用用途が違う

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丸印と角印は使用用途が違います。使える場面等にそれぞれ違いがある為、間違えて使用してしまうと問題になることもあります。日本では印鑑の効力はとても強い為、丸印と角印それぞれの印鑑が持つ効力や使用用途の違い等を理解して使い分けをしなければいけません。丸印と角印の特徴と共にそれぞれの使用用途についてしっかり学びましょう。

公文書には角印では認められない場合がある

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公文書とは国や地方公共団体の機関である市役所や区役所等の場所で作成される文書のことです。この公文書に印鑑を押す際に角印だけの押印では認められない場合があります。その為、公文書には角印と共に丸印も一緒に押します。大事な公文書を間違えてしまうと大変です。そうならない為にもそれぞれの印鑑の違いを知っておきましょう。

印影・サイズが違う

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丸印と角印の大きな違いの一つは押した際に出る印影です。それぞれの印影は丸印と角印の印鑑の形からも見て取れます。

丸印は中央に「代表取締役印」や「取締役印」、「理事長印」等と役職が表記され、その周りに会社名が刻まれる物が一般的です。役職名が記載されていることから、誰が押したのかが一目で分かるのが特徴です。

角印は押印すると四角い印影です。四角い枠の中に押した際に縦書きで右から字が読めるようになっており、「○○株式会社之印」と会社名が刻まれている物が多くなります。サイズは丸印が18mm〜20mm、角印が20mm〜30mmと角印の方が少し大きいです。印鑑の形と名前が連動している為、使用用途以外で間違えてしまうことは少ないでしょう。

丸印とは

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それぞれの簡単な違いが分かった所で更に詳しく丸印と角印の使用用途や使い分けについて紹介していきましょう。まずは丸印からです。店頭でもよく見かけるシャチハタ等と形は似ていますが、大きさや印鑑の持つ効力には大きな違いがあります。先述した通り、印影は丸く、丸い淵の中に文字が刻み込まれています。

丸印の使用用途

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丸印は会社や法人の設立を登記した際に法務局に登記をした実印です。そうしたことから実印のことを、「丸印」や「代表社印」と呼ぶこともあります。

丸印は会社の実印にあたる大事な印鑑です。法人にあなたの会社はちゃんとした企業、会社であると認めてもらう為に作られます。大事な印鑑である為、個人の実印の場合は印鑑証明は各市区町村で発行されますが、法人の場合は法務局が発行します。

丸印はそのような大事な印鑑であることから、会社の代表者が決定した大事な取引や手続きで使用されます。又、契約書等に捺印した場合は個人の実印と同じように、印鑑証明書も併せて提出しなければいけません。それだけ重要な印鑑であることから、捺印する際にも文字に掠れ等がないように気を付けて押すようにしましょう。

法務局に登録すれば会社実印として使える

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丸印は法務局にて登録することで会社の実印として使用できるようになります。法務局に登録をすることによって丸印は初めて正式に会社の実印として認められることになります。法務局は法務省の地方支分部局であり、日本国内にいくつか配置されており、更に細かく地方法務局や出張所等も各都道府県に配置されています。

角印とは

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次に角印について詳しく紹介しましょう。角印のように四角形の印鑑は手紙やイラスト等で使われるようなかわいらしいデザインのハンコ以外にはあまり見られません。日常よく使用されるシャチハタも銀行印も丸印のような丸形の物ばかりです。この普段見慣れない四角形の角印はどのような使用用途があり、どのような効力があるのでしょうか。

角印の使用用途

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角印も丸印と同様に大事な印鑑には違いありません。先述した通り、角印には「○○株式会社之印」といったように会社名が刻まれていることが一般的の印鑑です。その為、領収書や請求書、見積書等といった自社で発行した日常よく使われる書類に押印されます。書類の確認等で使用される為、丸印に比べて使用頻度が高くなります。

角印は会社の認印

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会社名が刻まれ、日常使いをされる角印は会社にとっての「認印」となります。丸印と比べると効力の重さは低くはなりますが、それでも重要な印鑑の一つです。

請求書等に角印を押印する際には文書中の会社名や会社の所在地が記された箇所の右横に角印を押すのが一般的です。しかし認印としての性質がある為、押印の仕方も会社によって違いがあることがあります。自分の会社のルールは知っておかなければいけません。

角印は会社の認印として悪用されることも多くあります。丸印を押印する機会よりも日常で使用する頻度の多い印鑑の為、多くの人の目にも触れやすい印鑑です。使用頻度の高い認印だからこそ、会社内で押印に関するルールや押印記録の作成をするのが無難でしょう。そうすればもし偽造やスキャンされた場合も速やかに対処できます。

角印を会社実印として利用したい場合

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丸印は会社の登記の際に登録をし、正式に実印としての使用が認められます。では、角印は丸印と同じように実印として使用する方法はないのでしょうか。角印は認印としての性質がある為、重要性に劣り登録できないのでは、と危惧してしまいます。角印の実印登録の可否を紹介していきましょう。

大きさによっては印鑑登録可能

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角印も丸印と同様に実印として登録することは可能です。しかし、角印の実印登録の為にはある条件があります。

その条件は、印鑑の大きさです。辺の長さが1cmの正方形に収まること。又は、辺の長さが3cmの正方形に収まらない物は認められないということ。この2点が角印を丸印同様、実印登録できる条件になります。

その為、会社の実印と認印をどちらも角印にしても問題はありません。しかし、今でもほとんどの会社は昔からの週刊に基づき、実印は丸印、認印は角印と使い分けている所が多いです。又、書類や印鑑その物の効力を簡単に判断する為に、実印と認印を同じ物にしてしまうよりは、丸印と角印でしっかり使い分ける方が好ましいでしょう。

丸印と角印の併用は避ける

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会社登記の際に実印として認められた丸印と実印登録を行った角印を併用して使用することはよくありません。

法律での規定が特にあるわけではありませんが、会社にとって重要な実印が認印としての使用をされることにより多くの人の目に触れることになります。そうすれば自ずと情報の漏洩や印影のコピーのリスクが高まります。

会社同士の取引には大きなお金が動く契約や、会社の経営に関わるものも多く存在します。印影が悪用され、会社が大きな損害を被り、最悪の場合倒産する可能性もゼロではありません。そういったリスクを回避する為にも、実印には丸印、認印には角印と2種類の印鑑を作り使い分ける方が良いでしょう。

丸印と角印の作り方

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丸印と角印の使用用途の違いや注意しなければならない点について紹介してきました。では、実際に丸印と角印を作ろうと思った場合、どうすれば良いのでしょうか。サイズや書体、素材等、どういった物にすれば良いのか、初めて印鑑を作る時は分からないことだらけです。丸印、角印それぞれの印鑑を作る際のポイントについて紹介します。

サイズ

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まずはサイズです。実印となる丸印と認印となる角印と共に、会社設立時には銀行印も作らなければいけません。3種類の印鑑のサイズのバランス感も大事になります。

実印となる印鑑は1辺の長さが10〜30cmの正方形に収まる物でなければならないと決まってします。それ以外に特に規定はありませんが、印鑑には会社の発展を祈願したり、会社に対しての安定や信頼を示す意味で、個人の印鑑よりも大きめに制作するのが一般的です。

又、丸印、角印、銀行印の3種類の見分けを付けやすくする為に、銀行印が1番小さく、角印が一番大きく、丸印はその間ぐらいのサイズにするのが一般的です。おすすめとされているサイズは、銀行印が16.5mm、認印となる角印が21mm若しくは24mm、実印となる丸印が18mmです。

書体

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次に書体です。書体は読み辛く、威厳のある物にします。その為に一般的に使用されるのが、篆書体(てんしょたい)と印相体です。

歴史のある篆書体は、現在印鑑として使用されている多くの書体の派生となっている書体です。堂々とした威厳のある雰囲気が会社の印鑑として相応しく、又、会社名が読みやすいことから印相体よりも篆書体がよく選ばれます。

印相体はその篆書体を元にして作られた書体で、印相学に於いて、開運効果が期待できる書体と言われています。その為、縁起を担ぐという意味で人気のある書体です。どちらもアルファベットにも対応している書体の為、例え会社名が英語であっても全く問題はありませんのでご安心下さい。

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又、篆書体や印相体以外に篆書体から派生した八方篆書体や吉相体といった書体も角印を作る上で人気の書体の一例です。吉相体にも印相対と同じく開運効果が期待できると言われています。又、読みやすい陰影にしたい場合は、古来印章でも使用されている隷書から変化した古印体という書体がおすすめです。

素材

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次に素材です。丸印や角印は長く使う物ですので、耐久性の高い素材を選ぶようにしましょう。認印として使用頻度が高くなる角印は特に耐久性が重要視されます。

人気がある素材は、チタン、象牙、黒水牛です。チタンは機能性や耐久性が抜群に優れており、傷も付きにくく手入れのしやすい素材になります。又、重みがある為、書類等に捺印する際に綺麗に印字することができます。

昔から高級品として有名な象牙で印鑑を制作すれば、持っているだけで会社に高いステータスを感じさせてくれる素材と言えます。黒水牛は印鑑を制作する際に比較的安く作ることができる素材として人気です。ですが、耐久性には定評がある為、気軽に会社の印鑑を制作したい場合におすすめの素材と言えます。

購入場所

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購入できる場所は丸印、角印共に印鑑を扱っている実店舗とネット通販で購入できます。しっかり目で見て素材を触って判断したい方は実店舗で、価格を抑えたい方には、ネット通販での購入がおすすめです。ネット通販は大量発注により素材等の仕入値が安い為、実店舗よりも低価格で購入することができます。

銀行印について

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丸印や角印と同様に、会社設立時に作っておくべき印鑑が「銀行印」です。銀行印は銀行等の金融機関で口座を解説する際に印影を登録する印鑑のことを指します。又、会社であれば小切手や手形に押印する際にも使用されます。特別に作らず実印である丸印と銀行印を兼用にすることも可能ですが、あまり良しとはされません。

実印の丸印と銀行印を分ける理由

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実印である丸印と銀行印は兼用しても問題はありません。ではどうして実印である丸印と銀行印を使い分けなければいけないのでしょうか。

一つは丸印と角印を使い分ける理由と同じく、リスクです。併用するということはそれだけ多くの場面に流通することになる為、悪用される機会も増えます。併用にしているとその印影が悪用する人間に渡った場合、全ての契約等に大きな悪影響が出る為です。

又、紛失してしまった場合に再度丸印を実印登録しなければならず、その上口座開設をした金融機関に出向き銀行届出印の変更届の提出も必要となり、2倍の労力がかかります。その他、銀行からの融資を受ける際に銀行印に加えて実印登録した丸印も必要となってくる為、どのみち実印と銀行印をそれぞれで用意しておかなければならなくなります。

銀行印の作り方

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では会社用の銀行印はどのように作れば良いのでしょうか。個人の物であれば、シャチハタとゴム印でなければ基本的にはどんなものでも構いません。つまり、100円均一で売られている印鑑でも銀行の開設は可能です。ですが大量生産されている商品の為、悪用もされやすいことから、個人の銀行印であっても本当はオーダーメイドにするのが望まれます。

印面の文字

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実印である丸印は外側に会社名、内枠の中には代表取締役之印等と役職を刻みます。銀行印の場合も仕様は実印の丸印とほとんど同じで、外側に会社名を入れます。内枠の中の文字が丸印とは違い、「銀行之印」の文字を彫り制作します。実印と同じ丸印の為、パッと見ただけでは区別がつかない為、印鑑のサイズで差別化を図り使い分けます。

丸印と角印は使用用途で使い分けよう!

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会社の設立時に必要な丸印と角印、そして銀行印。それぞれ併用することが可能な場合もありますが、大事な会社を守る為にはそれぞれ使い分けをしておくことが望まれます。それぞれの印鑑にはそれぞれの役割があり、その役割をしっかり理解することが必要です。大事な会社の為、手間を惜しまずしっかり3種類の印鑑を制作し使い分けるようにしましょう。

sadah
ライター

sadah

エレクトーンやピアノを演奏する音楽大好き人です!たまに弾き語りもやります。聴くのが好きなのはロック、演奏するのはディズニーや映画・ドラマ音楽などを中心にいろいろ演奏します♫演奏をして音楽を届けるように、様々な楽しい記事をお届けできるように頑張ります!

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