退職の挨拶メールへの返信はした方が良い?
特に年末や3月末など、企業の年度が終わるタイミングで転職や定年を迎えて退職される方が多くいらっしゃいます。退職される方は、これまで業務上で接点のあった方々に退職の挨拶を行う場合がほとんどです。
退職される方が営業職の方だと、後任の方とともに退職と引継ぎの挨拶をして回ることも多くありますが、最近ではメールで退職の挨拶をすることも増えています。皆さんも退職の挨拶をメールでもらった経験が1度はあるのではないでしょうか。
退職の挨拶をメールでもらった際、皆さんはどのように対応したでしょうか。すぐに返信したこと、返信せずに時間が過ぎてしまったこと、メールを読んだらすぐに電話をした。いろいろな対応が考えられます。
今回は、その様な様々な対応の中から「退職の挨拶メール」が来た時にどの様に対処するのが良いのかを紹介します。誰が、どの様な関係値の方が退職挨拶のメールを送ってきてくれたのかにより、すべき対応は変わってきます。
例えば退職挨拶のメールを送ってくれたのが、お世話になった上司の場合、仲も良くて一緒に仕事をしてきた取引先の方の場合、その方が退職する理由に触れて良いのか、いけないのか。様々な状況により、どの様な返信メールを打つべきなのかは違ってきます。
その様な状況ごとに違ってくる、退職挨拶のメールに対する返信の書き方について、例文を用いて紹介します。退職メールは突然受け取ることも多いので、是非この記事をブックマークしておき、急な返信を要する際いつでも再確認できるようにしておきましょう。
返信したほうが良いケース
前から退職することを知っているケースもありますが、ある日突然、退職挨拶のメールを受け取ることもあります。突然受信したメールに返信すべきなのか否か、返信したいと思っても返信内容の書き方に悩んでしまうことがあります。
しかし、まず最初に考えたいのは『そもそも返信しなければいけないのか』『返信した方が良いのか』ということです。上司や取引先から退職挨拶のメールが送られてきた場合は特に悩んでしまいます。
しかし、退職挨拶のメールは絶対に返信しなければならないわけではありません。メールを送ってくれた方との関係値が最も重要ですが、特に最近ではBCCに宛先多数で一斉送信することも増えていますので、そのメールに返信するかはやはり個人の関係値によってきます。
上司の場合はさすがに返信した方が良いかもしれませんが、直属の上司であればむしろ、メールを返信するよりも直接会話した方が良いでしょうし、昔の上司でお世話になった方であれば、少なくとも電話をするなどの方が良いでしょう。
その様なわかりやすい状況でない場合は、次に紹介する3つのケースであれば、必ず返信しておいた方が良いでしょう。理由も含め、簡単に紹介してきます。
個人宛でのメール
上司からであろうと、取引先からであろうと、どの様な関係の人から退職挨拶のメールを貰ったとしても、それが個人宛に届いたメールであれば返信しましょう。
個人宛、もしくは数人単位の限られた宛先にだけ送られてくる退職挨拶メールは、その限られた人達だけの為に退職挨拶の書き方を考えて送ってくれています。
せっかく限られた人達だけの為に書き方を考えてくれたのですから、最後までその気持ちには応えたいですし、退職する方も気持ちよく新しい生活に向かっていけるでしょう。
退職者と仲が良い
次に、付き合いの長い方や個人的に仲の良い方から退職挨拶のメールを貰った場合も返信した方良いでしょう。仲の良い方宛の返信であれば多少は気楽に返信メールを打つことができます。
取引先の方であっても、在職中に一緒に手掛けた仕事の話題などに触れながら返信メールを打つのはまだ気楽でしょう。多少のマナー違反も許されるでしょうから気楽に、しかし、後で紹介する注意したい点を意識しつつ返信しましょう。
取引先と関係が続く
次に、取引先の担当者から退職挨拶メールを受け取った場合を考えてみましょう。退職挨拶メールをくれた方が退職しても、その企業とは引き続き取引が継続することがほとんどでしょう。
その場合も、出来る限りメールには返信するようにした方良いでしょう。先ほども紹介したように、これまで一緒にやってきた仕事内容にも触れつつ、これからも後任の方と一緒にかんばっていきます、というような内容にも触れておくと良いでしょう。
なお、取引先からの退職挨拶メールが送られてきた場合も、個人に対して送られてくるパターンと、会社宛もしくは部署宛に送られてくるケースがあります。
個人宛にメールが送られてきたら返信するのは先ほど紹介したとおりですが、例えば部署のメンバー全員にメールが届いたのだとしても、必ず返事はするようにしましょう。
退職の挨拶メールへの返信の書き方のポイント
退職メールを受け取った際、どの様な場合には必ず返信した方が良いかを紹介してきました。返信した方良いのはわかっているけど、どんな書き方をすれば良いのかが分からない、という方も多いかもしれません。
確かに、退職メールへの返信の書き方は、どの様な内容にするのかをしっかり考えて返信しなくてはいけません。ではここで、返信メールの書き方として適切な内容はどの様なものなかを考えてみましょう。
お礼の気持ちを込める
ここまでに何度か紹介してきましたが、返信内容には、仕事上お世話になった事や一緒に取組んだ思い出深い仕事について書き、そのうえでお礼の言葉を書きましょう。
これから退職される方に、自分はその方とこんな思い出がある、それに対してどれくらい感謝しているのかをしっかり伝える返信内容が適切です。
今後の幸せを祈った内容
感謝の気持ちを伝えつつ、退職後の新しい生活、新しい職場などでの幸せや活躍を祈っていることを伝えることも、退職メールへの返信内容の書き方として重要です。
退職される方の退職理由は様々です。転職や結婚を契機に退社される方、または定年を迎えて退職する方もいらっしゃいます。いずれの場合も、退職後にその方が思い描いているような(幸せな)生活を送れるようにと祈願する言葉を添えてあげるのが良いでしょう。
退職する理由は聞かない
ここまでは、退職メールへの返信内容に記載した方が良いことを2つ紹介しました。次に紹介するのは先ほどとは反対に「書かない方が良い」内容です。
まず『退職理由は聞かない』こと。退職理由は様々で、中には退職理由を伏せておきたいと考えている方も多くいらっしゃいます。退職メールの中に退職理由が書いていない/簡単に触れているだけの場合は、詮索されたくないと考えている可能性もあるので触れない方が得策です。
もう1つの注意点は『転職先の企業名を聞かない』こと。1対1で会って話しているときに聞くのは良いとして、返信メールで聞くのは相手も答えにくいので聞かない方が良いでしょう。
なお、関係値の良い上司や取引先担当者から、職場の人間関係や労働環境などへの不満を聞いたことがあるケースもあります。仮にそうだったとしても、退職メールへの返信に「退職が決まって良かったですね」「今よりも環境が良さそうですね」などと書いてはいけません。
可能性は低いかもしれませんが、退職したことを知らない人からのメールを拾うために、退職者のメールアドレスをしばらくチェックする企業もあるかもしれません。その場合は自社を中傷するような内容が会社に知られることになり、トラブルに発展する可能性があるからです。
退職の挨拶メールの返信の例文【社内・上司】
退職メールへの返信の書き方を紹介しましたので、いよいよここからは具体的な返信メールの書き方を紹介します。退職メールを送ってくれた方が社内の上司だった場合を想定し、退職理由が不明、結婚や出産、定年退職するパターンのそれぞれの例文を紹介します。
必要に応じて、自分なりのアレンジを加えてフォーマット化しておくと、いざというときに便利です。上司の次は取引先の方が退職するパターンの例文も紹介しますので、ご活用ください。
退職理由が不明
例文1つめは「上司の退職理由が不明」な場合の例文です。通常のメールを書くように「〇〇さま」という宛先や「お疲れ様です」の様な定型部分は除いて例文を紹介します。実際には紹介する例文に定型句を入れて返信するようにしましょう。
お忙しい中、退職のご連絡をいただきありがとうございます。〇〇さんとご一緒させていただくようになったのは、私が入社してすぐの時からでした。同じチームで一緒に仕事をさせていただき、〇〇さんにはいつも親切に、時に厳しく指導いただきました。
ご指導のおかげで、何とか恥をかかずに済んでいます。本当にありがとうございました。〇〇さんなら次の職場でもきっと素晴らしい活躍をされることと確信しています。今後の素晴らしい活躍を祈念いたします。今まで本当にお世話になりました。ありがとうございました。
結婚や出産
続いては「上司が結婚・出産で退職」する場合の例文です。こちらも定型句は除いて紹介しますので、例文に定型句を加えて返信してください。
ご多用のところ、退職のご挨拶をいただきありがとうございました。〇〇さんには、時に厳しくもあたたかな指導をしていただき感謝しております。仕事の悩みだけでなく、プライベートな悩みも黙って話を聞いていただきアドバイスをいただいたこと、本当に感謝しています。
出産で退職されるのは聞いていましたが、改めて残念な気持ちで一杯です。退職後はお体にはくれぐれもお気をつけいただき、無事に元気なお子さんをご出産されるようお祈りいたします。今までお世話になりました。ありがとうございました。
定年退職
最後は、『上司が定年退職』する場合の退職メールへの返信です。長い間の会社勤めを終える上司に感謝の気持ちを込めて返信しましょう。
退職のご挨拶ありがとうございます。〇〇さんが定年退職される事を聞き、とても寂しい気持ちです。〇〇さんには、××(自社)で働くにあたって大切なこと、そして社会人として必要な様々な事を教えていただきました。
そんな私が、今は後輩を指導することができるのはすべて〇〇さんのおかげです。感謝しています。退職後は趣味の釣りを満喫されるかと思いますが、〇〇さんの影響で私も釣りにハマってしまいましたので、是非いつか釣りに連れて行ってください。
退職されても、お身体には気をつけてお過ごしください。長い間、本当にお疲れ様でした。まずはゆっくり体を休めてください。いままでありがとうございました。
退職の挨拶メールの返信の例文【社外】
社内の上司が退職される場合の返信メールの例文を紹介しましたが、いかがでしょうか。例文として紹介していますので、その方との思い出やプライベートなエピソードがある方は、その内容を反映するとより良い返信内容になります。
この様に考えると、やはり個人宛に退職の挨拶メールを貰った場合は必ず返信すべきと感じるのではないでしょうか。返信内容を考えるときも、その方との思い出を考えて返信します。同じように退職される方も、送り先の方の事を考えて文章を作っているはずです。
では次に、取引先の方が退職挨拶メールを送ってくれた場合の返信メール文例を紹介します。パターンは先ほどの上司の方のパターンと同様です。
退職理由が不明
では最初に『取引先の方の退職理由が不明』のパターンです。こちらもアレンジを加えながら返信メールを作成するようにしてください。
お忙しいなか、退職のご挨拶を頂きまして誠にありがとうございます。〇〇様がご退職されるという事でとても残念です。〇〇様には大変お世話になりまして感謝申し上げます。今後は引き続き御社ご後任の××様と協力して業務を推進してまります。
今後の〇〇様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。お身体にはお気をつけてお過ごしください。今まで大変お世話になりました。
結婚や出産
次に「取引先の方が結婚や出産で退職」される場合の返信例文です。ご多用のところ退職のご連絡いただきありがとうございました。〇〇さんには、私の力不足により多大なるご迷惑をお掛け致しましたこと、改めてお詫び申し上げます。
また、そのたびにフォローまでしていただきましたこと改めて御礼申し上げます。ご退職されることは以前より伺っておりましたが、改めて寂しさを感じております。ご退職後もお身体には十分お気をつけください。今まで大変お世話になりました。
定年退職
定年退職の御挨拶を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。こうしてご退職のご挨拶をいただきますと、寂しさが募る思いが致します。きっと充実した会社生活であったと推察いたしますが、長期にわたり誠にお疲れ様でした。
今後も○○様に安心していただけるよう、××の案件は私が責任を持って推進いたしますので、どうぞご安心ください。末筆になりますが、○○様とご家族のご多幸とご健康を祈念申し上げます。
退職の挨拶メールの返信を送るタイミング
退職挨拶のメールをいただいた際の、宛先と状況による例文を6パターン紹介しました。大きな構成はどれも同じですので、ご自身に合うと思う例文をベースにしていただき、ご自身なりのフォーマットを作っておくと便利です。
関係値が良く、仲が良い方であっても、口頭では挨拶等はしやすいものの、メールで文章にするととたんに書き方が分からなくなってしまうものです。その様なときにフォーマットを持っていると便利なので、これを機に是非フォーマット化してみましょう。
では最後に、退職挨拶のメールを受け取った後、どのタイミングで返信メールを送るべきなのかを紹介しておきます。せっかくの返信も、タイミングを間違うと意味の無いものになりかねません。
基本的には受け取ったらその日に送る
社内での退職挨拶メールは、最終日の夕方や退社直前に送信される場合がほとんどです。受け取ってすぐに返信しないと、退職する人が既に退社してしまっていて二度とメールが開かれることがないかもしれません。とにかく早く返信する事が大切です。
社外の方も、引継ぎ等で忙しくなってしまうことが予想されますので、いずれにせよ返信は早くするに越したことはありません。基本的に、退職挨拶メールをいただいたら、その日中に返信するようにしましょう。会社のメールアドレスは、退職と同時に使えなくなるケースが多い為です。
退職の挨拶メールの返信は感謝の気持ちを込めよう!
いかがでしたか。退職の挨拶メールをいただいたときに返信内容で困った経験のある方は、次のタイミングではこの記事を参考にすぐに返信メールを作成することが出来るのではないでしょうか。
いずれにせよ、せっかくいただいたご挨拶メールには、これまでの感謝の気持ちをしっかりと、自分の言葉で文章にすることが最も大切なことです。それが込められていれば、多少文章がヘタであっても何も問題ありません。文章であっても気持ちはきっと伝わっているはずです。