忌引きとはどんな意味？休暇日数や連絡方法・マナー・注意点も紹介！

学生の頃はあまり耳にしたり目にしたりしませんが、社会人になると結構良く聞いたり見たりするようになる言葉の中に、「忌引き」という言葉があります。まだ社会人になったばかりの人にとってはあまり馴染みのない「忌引き」という言葉の意味がわからないという新社会人も少なくありません。

というのは、「忌引き」という言葉が使われるシチュエーションは、人生においてそう多いわけではないからです。なのでまだ若い人が「忌引き」という言葉の意味を知らなくても不思議ではないと言えます。

若い人にはあまり馴染みのない「忌引き」という言葉には一体どういう意味があるのか、「忌引き」の意味についてご紹介しましょう。

「忌引き」の意味は「喪に服して故人を悼む（いたむ）こと」という意味です。親戚や知人などが病気や事故その他で亡くなるというのは、日常生活の中では滅多にあることではありません。なので「忌引き」という言葉を使う機会はほとんどないと言えるでしょう。誰かが亡くなった時、喪に服して故人を悼むのが「忌引き」の意味です。

「忌引き」の意味は「喪に服して故人を悼むこと」という意味ですが、「喪に服して」という意味がわからないという人もいるでしょう。身の回りの誰かが亡くなるということ自体、非日常的な出来事ですので、「忌引き」という言葉を聞いたことがないという人も少なくないでしょうし、「喪に服して」の意味が分からない人もいて当然です。

「忌引き」の意味「喪に服して故人を悼むこと」の「喪に服して」とはどのような意味なのかについてもご紹介しましょう。

「喪に服して」の意味は「個人の死を悼み身を慎むこと」という意味です。誰かが亡くなったら、「あの人は本当に優しい人だったね」などというように、その人の思い出を語り合ったりすることが多いですが、これも「喪に服している」ということになります。また、故人のことを思い出して涙するといったことも「喪に服している」ことになります。

平安時代に帝（みかど）が亡くなった時には、その妃たちは長い間喪に服していました。帝の妃たちは年齢的に若かった場合が多く、そのため再婚することもできましたが、喪に服している間は婚活などはできませんでした。このような状態を「身を慎む」と言います。

帝が亡くなったら長い間妃たちは喪に服し、喪が明けてから婚活をして再婚をするといったことが多かったと言われています。

「忌引き」の意味についてご紹介しましたので、次は「忌引き」と「忌中」の違いについてご紹介します。「忌引き」の意味を知らないという人の中には、「忌引き」と「忌中」の違いがわからないという人もいますが、実は「忌引き」と「忌中」とでは大きな違いがあります。

「忌引き」と「忌中」とではどのような違いがあるのか、「忌引き」と「忌中」の違いについてご紹介しましょう。

「忌引き」の意味は「喪に服して故人を悼む」という意味ですが、「忌中」の意味は「四十九日間喪に服す期間」という意味で、「忌引き」とは違います。「忌中」も「忌引き」と同じように喪に服すことを表しますが、その日数が全く違います。「忌引き」の場合亡くなった相手によって日数が違いますが、「忌中」は四十九日と決められています。

四十九日の読み方は「よんじゅうきゅうにち」ではなく「しじゅうくにち」で、この「忌中」の四十九日の間は外部との接触を断ったりお祝い事などを避けるといった具合に喪に服します。

現代では四十九日もの間外部との接触を断つことはほぼ不可能ですが、昔は死には穢れ（けがれ）があると思われていたため、このように喪に服していました。

次に「忌引き」の休暇日数についてご紹介します。「忌引き」の休暇日数は「忌中」とは違いますのでそう長くはありません。その上、「忌引き」で休暇を取る人にとってどのような関係の相手が亡くなったのかによってもその日数は違ってきます。実は「忌引き」休暇は、友人などが亡くなった時には使えません。

亡くなった相手が本人とどのような関係であったかによって違う、「忌引き」の休暇日数についてご紹介しましょう。

「忌引き」の休暇日数の一つ目は、配偶者が亡くなった場合の休暇日数です。配偶者が亡くなった場合の「忌引き」の休暇日数は大体10日前後です。配偶者が亡くなった場合、喪主を務めることが多いですので、色々な届出などに時間を取られることが多く、そのため「忌引き」の休暇日数も多くなります。

ですが会社などによっては、配偶者が亡くなった場合でも10日も「忌引き」休暇を取れないということもあります。会社によって「忌引き」の休暇日数は異なりますので、この点では注意が必要です。

「忌引き」の休暇日数の二つ目は、自分の父母が亡くなった場合の休暇日数です。自分の父母が亡くなった場合の休暇日数は、大体7日から10日前後である場合が多いです。自分自身が喪主を務める場合には10日前後で、そうでない場合には7日前後の休暇日数になることが多いと言えます。

こちらもやはり「喪主を務めるかどうか」がポイントになってきますが、自分自身が喪主を務めるのであっても10日も休暇をもらえない会社もあります。会社によって「忌引き」の休暇日数が異なるというのも注意点のひとつです。

「忌引き」の休暇日数の三つ目は、自分の子供が亡くなった場合の休暇日数です。自分の子供が亡くなった場合の「忌引き」の休暇日数は、大体5日程度ですが、こちらも場合によって異なることがあります。シングルマザーである場合などは、母親が喪主を務めなければならないため、もう少し長く休暇をもらえることもあります。

ですがこちらもやはり会社によって決まりが異なりますので、会社での「忌引き」の休暇日数がどのように定められているのか注意が必要です。

「忌引き」の休暇日数の四つ目は、自分の兄弟や祖父母が亡くなった場合の休暇日数です。自分の兄弟や祖父母が亡くなった場合の「忌引き」の休暇日数は、大体3日程度です。3日というのは、通夜や葬儀に参列するだけである場合を想定しての日数ですので、条件によっては長く取れる場合もあります。

自分の兄弟や祖父母であっても、自分自身が喪主を務めるといった場合には、3日程度ではなくもう少し長く「忌引き」の休暇を取れることもあります。こちらもやはり、会社の決まりによって異なりますので注意しましょう。

「忌引き」の休暇日数の五つ目は、配偶者の父母が亡くなった場合の休暇日数です。配偶者の父母が亡くなった場合の「忌引き」の休暇日数は、大体3日程度です。こちらもやはり、通夜と葬式に参列するだけの場合を想定した日数ですので、喪主を務めるといった場合には異なってきます。

配偶者の父母が亡くなり、自分が喪主を務めなければならなくなったという場合には、もう少し長めの休暇が取れる場合もありますが、やはり会社によってそれも異なってきますので注意が必要です。

「忌引き」の休暇日数の六つ目は、配偶者の兄弟や祖父母が亡くなった場合の休暇日数です。配偶者の兄弟や祖父母が亡くなった場合の「忌引き」の休暇日数は1日程度です。こちらは告別式に参列するだけの場合が多いですので、「忌引き」の日数も他の場合と違って少なくなります。

ですがこちらもやはり、配偶者が喪主を務めなければならなくなった場合や、自分自身が喪主を務める場合には異なってきます。喪主を務めるかどうかが、「忌引き」の休暇日数を左右すると言うことができます。

「忌引き」の休暇日数についてご紹介しましたので、次は「忌引き」休暇の連絡方法についてご紹介します。「忌引き」で休暇を取る場合、会社で働いている社会人であるか、学生であるかで連絡する相手や連絡する方法なども異なってきます。連絡する相手を間違えると、後でトラブルになることもあります。

特に会社で「忌引き」の連絡をする場合には注意が必要です。それでは、「忌引き」休暇の連絡方法についてご紹介しましょう。

「忌引き」休暇の連絡方法の一つ目は、会社に勤めている場合の連絡方法です。会社は学生とは違い、働いている人達がそれぞれ色々な役割を果たしていますので、「忌引き」休暇の連絡方法もきちんとしていなければなりません。「忌引き」で長く休暇を取ったりすると、自分のやるべき仕事を他の人にやってもらわなければならないこともあります。

なので、単に「忌引き」で休暇を取るといってもそう単純なことではない場合もあります。会社に勤めている場合の「忌引き」休暇の連絡方法のマナーや注意点などについてご紹介します。

会社に勤めている場合の「忌引き」休暇の連絡方法としてまず、連絡相手は誰を選ぶかが挙げられます。「忌引き」休暇の連絡は直接上司にするのがマナーです。誰に連絡して良いかわからない人の中には、会社に電話をして事務員に伝えてしまうという人もいますが、これはマナー違反になります。

自分の直接上司が課長である場合には課長に、係長である場合には係長に直接連絡するのがマナーですが、業務上別の部署などにも連絡する必要がある場合には、そちらにも連絡をしましょう。

「忌引き」休暇の連絡相手は直接上司ですが、その連絡方法は口頭がマナーです。勤務中に家族などから連絡が入った場合には、上司に直接口頭で伝えますが、家にいる時に訃報を受けたりした場合には電話で伝えても構いません。ですが、「忌引き」の連絡方法としてメールという方法を選ぶのはマナー違反です。

「忌引き」休暇の連絡は必ず、直接対面であれ電話であれ、口頭でするのがマナーです。昨今上司とメールで連絡を取るという人も多いですが、「忌引き」休暇の連絡は必ず口頭でしましょう。取り急ぎメール連絡した後、電話で伝えてもOKです。

「忌引き」休暇の連絡方法の次に、「忌引き」休暇を取った場合に準備するものについてご紹介します。「忌引き」で休暇を取った場合には、その後必要書類を提出するのが一般的です。その休暇が本当に「忌引き」に当たるのかどうかを証明するための書類が必要だということです。

「忌引き」休暇の必要書類には、訃報や死亡診断書、火葬許可証や会葬礼状などがありますが、このすべてを提出する必要はありません。自分自身が喪主の場合は死亡診断書や火葬許可証を提出できますが、告別式に参列しただけではこれは入手できません。

自分が喪主ではない場合は、通夜や葬式に参列した時にいただく会葬礼状を提出すれば「忌引き」として認められます。

「忌引き」休暇の連絡方法として次に、公務員の場合の連絡方法が挙げられます。公務員であってもやはり連絡相手は直接上司で、連絡方法はメールではなく口頭がマナーです。国家公務員の場合、「忌引き」休暇の日数は配偶者や両親で7日、子供や孫で5日、祖父母や兄弟姉妹で3日、叔父叔母で1日と定められています。

「忌引き」休暇の日数は国家公務員と地方公務員とでは違い、地方自治体の「忌引き」休暇日数は各自治体によって異なることもありますので注意が必要です。

次に、小中学校や高校の「忌引き」休暇の連絡方法についてご紹介します。まだ学生の子供がいて、親族が亡くなったりした場合には学校に「忌引き」休暇の連絡をする必要がありますが、学校への「忌引き」休暇の連絡にもマナーがあります。子供が通っている学校に「忌引き」休暇の連絡をする場合のマナーについてご紹介しましょう。

小中学校や高校に対して「忌引き」休暇の連絡をする相手は、担任の先生です。昨今では担任の先生の電話番号などを保護者が知っているということも多いですので、担任の先生の電話番号を知っているなら、直接担任の先生に電話をして「忌引き」休暇が取りたいということを伝えましょう。

担任の先生に直接つながる電話番号を知らない場合は、学校に電話をしても構いません。ですが担任の先生がいない場合もありますので、その場合には事務員に伝えてもマナー違反にはなりません。

小中学校や高校に「忌引き」休暇の連絡をする場合の連絡方法もやはり、電話など口頭でするのがマナーです。子供から見てどのような関係にある相手が亡くなったのかということを伝えるのはもちろんのこと、通夜や葬儀などでいつからいつまで欠席するのかなど、できるだけ細かく伝えましょう。

かなり遠方で葬儀などが行われることもありますが、その場合移動時間がかかるため休暇日数が増えます。こういった場合にもきちんと担任の先生に伝えるのがマナーですが、出席日数が内申点に響くこともありますので、出席日数の確認も必要です。

出席日数が足りなくなる恐れがある場合などは、「忌引き」休暇の連絡をするとともに、何日までなら休めるのかも相談しておきましょう。

「忌引き」休暇の連絡方法についてご紹介しましたので、次は「忌引き」休暇申請時のマナーについてもご紹介します。ある日突然やってくる身内の不幸に心痛めるのは当然のことですが、それでも「忌引き」休暇を申請する時にはきちんとしなければならないことがいくつかあります。

悲しみや動揺を抑えて、きちんとした「忌引き」休暇の連絡をしなければなりません。それでは「忌引き」休暇申請時のマナーについてもご紹介しましょう。

「忌引き」休暇申請時のマナーの一つ目は、出来る限り直接上司に申し出ることです。「忌引き」休暇の連絡方法の所でもご紹介したように、「忌引き」休暇の申請は直接上司にするのがマナーです。そして許可をもらったら、その後はメールでこと細かいことを伝えるのもマナーのひとつです。

「忌引き」休暇の許可をもらったら、亡くなった人と自分の関係や通夜や葬儀の日程、いつからいつまで休暇を取るのかをメールで伝えておきましょう。「忌引き」休暇の連絡は口頭で、許可をもらったらメールで詳細を伝えるというのがマナーです。

「忌引き」休暇申請時のマナーの二つ目は、業務の引継ぎをしておくということです。会社をしばらく休むということは、普段自分がやっている仕事を他の人にお願いすることになります。また、まだ途中までしかできていない仕事に期限がある場合、そちらも他の人に続きをお願いしなければなりません。

身内の不幸でやむを得ず急きょ休暇を取らなければならなくなった場合には、周囲の人に迷惑をかけることもありますので、業務の引継ぎは必ずやっておかなければならないというのも、大切なマナーのひとつです。

それでは次に、「忌引き」休暇明けのマナーについてもご紹介します。きちんとした手順を踏んできちんと「忌引き」休暇をもらって故人とのお別れをしてきても、「忌引き」休暇はそれで終わりというわけではありません。「忌引き」休暇明けにどうするかというのも、「忌引き」休暇の大切なマナーになります。

「忌引き」休暇明けにはどのようなことをすれば良いのか、「忌引き」休暇明けのマナーについてご紹介しましょう。

「忌引き」休暇明けのマナーとして、休暇明けに挨拶するのはとても大切だと言えます。自分が喪主を務めた場合、お香典を頂いた相手に香典返しのご挨拶をするのがマナーです。直接上司からお香典を頂いた場合には、休暇明けに上司にもきちんと香典返しのご挨拶をしましょう。お礼の品を添えて、休暇をもらったことへの感謝などを述べます。

何日も休んでしまったことへのお詫びの言葉と、休暇をもらったことへの感謝、自分が抜けた穴を埋めてもらったことへの感謝など、「忌引き」休暇明けに言わなければならないことはたくさんあります。

上司以外にも、社内で仲の良い相手などからお香典を頂くこともありますので、そちらにも上司に対するのと同じようにお詫びと感謝の気持ちを伝えましょう。

「忌引き」休暇明けには上司などにお詫びや感謝の言葉を述べて挨拶するのがマナーだとご紹介しましたが、これを怠ってしまうと今後の仕事に影響することもあります。何日も休暇を取れば周囲の人達に迷惑をかけることになりますが、これに対して謝罪の言葉も感謝の言葉もないようでは、人間関係が悪くなる可能性もあります。

「忌引き」で休暇を取るには、周囲の人達の協力が必要です。なので「忌引き」で休暇を取る場合には、周囲の人への感謝の気持ちを忘れてはなりません。

次に「忌引き」の注意点についてご紹介します。「忌引き」休暇に関するマナーなどについて色々とご紹介してきましたが、「忌引き」休暇を取るうえで注意すべき点がいくつかあります。「忌引き」休暇の日数には何が含まれ何が含まれないのか、「忌引き」休暇の注意点についてご紹介しましょう。

「忌引き」休暇の注意点の一つ目は、「忌引き」休暇は土日も日数に含まれるという点です。「忌引き」は亡くなった日もしくはその翌日から起算しますが、土日祝日を挟んでいる場合もあります。この場合には土日祝日も「忌引き」に含まれますので、土日祝日が含まれる「忌引き」休暇には注意が必要です。

「忌引き」休暇の注意点の二つ目は、移動するための日数は含まれないということです。遠方の葬儀に参列する学生が「忌引き」休暇を申請する場合には日数を増やすこともできますが、社会人の場合は移動日には有給を当てるのが一般的です。移動に時間がかかる場合にはどうすれば良いのか、会社や学校に相談してみましょう。

「忌引き」の意味や「忌引き」休暇の連絡方法、「忌引き」休暇申請時のマナーなどについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「忌引き」とは喪に服して故人を悼むことを意味するということの他、「忌引き」休暇の連絡方法などについてもしっかりと覚えておきましょう。