「お申し出」の意味や使い方とは?正しい敬語・類語・言い換えも紹介!

「お申し出」の意味や使い方とは?正しい敬語・類語・言い換えも紹介!

「お申し出」の正しい意味と使い方とは?敬語としてよく使われるビジネス場面やビジネス英語で理解を深めましょう。また類語もご紹介!意味を理解して正しく「お申し出」を使える人は、敬語も仕事も「できる」印象を与えます。日本人として恥じないビジネス家に!

記事の目次

  1. 1.「お申し出」の意味
  2. 2.「お申し出」の類語・言い換え
  3. 3.「お申し出」の類語でも同じ意味で使えない言葉
  4. 4. 「お申し出」のビジネスでの使い方
  5. 5. 「お申し出」の英語
  6. 6. 「お申し出」の注意点
  7. 7.「お申し出」は相手の意見や主張を伺うこと

「お申し出」の意味

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「お申し出」という表現を耳にしたことがあるでしょう。日常生活では飲食店やホテルなどの接客員が使用してくるはずです。そしてビジネスシーンではあなたが使う側になる可能性もあります。そんな「お申し出」の意味を正しく理解し使えているかについて、英語や類語も混じえて学びましょう。

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まず「お申し出」とは、「言う」の謙譲語である「申す」に「出る」という動詞が付いた接続動詞「申し出る」が名詞化し「申し出」となったところへ、尊敬語の接頭語である「お」が付いたものです。ただの接頭語の「お」は丁寧語ですが、「お〜になる」「お~する」と使う場合は尊敬語となります。

「申し出る」は自分が目上の人に対して意見や提案をすることです。しかしその「申し出」という名詞に「お」という尊敬の接頭語が付くだけで、「お申し出」という「相手から自分への提案」を示す敬語になる点に注意しましょう。

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お客様や目上の人の意見・主張を伺う

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次は例文ですが、すべて丁重に扱うべき高い立場の相手に用いています。「先方からのお申し出があったので取り次ぎました。」「なんなりとお申し出ください。」「この度のお申し出、ありがとうございます。」これらはお客様やクライアントといったビジネス場面で使われる言葉です。

接客で耳にするのも、ビジネスで使うのも、「お申し出」を「使う側より使われる側の方が立場が上」だからです。「お申し出」はまさに「お客様や目上の人の意見や主張を聞く」という場面にぴったりの敬語です。

相手の行為に対して使用できる敬語

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「申し出」単体では「言う側の立場が低い」状態で使い、自分に対して使うこともできます。しかし、「お申し出」は目上の方やクライアントに対して使用し、自分に対しては使えません。これは「尊敬語自体が自分よりも身分の高い相手に使う敬語だから」です。

なので、「お申し出」は大きく分けて2通りの状況で使う言葉となります。その状況のうちひとつは、「お申し出」の意味でも触れたように、「立場の高い人に対して何か意見を言うとき」です。そしてもうひとつは、「自分より立場が上の相手へと、さらに立場が上の相手からの伝言を伝えるとき」となります。

例文としては、次の2パターンのような形です。「何かございましたら、気兼ねなくお申し出くださいませ。」「部長、先方から〜とのお申し出がありました。」

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1つめの例文は、「立場の高い人に対して何か意見を言うとき」です。この場合は発言者である自分が意見を募集しているので少しわかりづらいですが、意見を聞く側、つまり意見を募集している自分の立場が低く、意見する側の立場が高いことを表しています。

2つめの例文は、「自分より立場が上の相手へと、さらに立場が上の相手からの伝言を伝えるとき」を表しています。

はじめは難しいように聞こえますが、読み進めるうちに「簡単だ!」と感じられると思います。ぜひ「お申し出」の使い時を習得して、ビジネスでも日本語の理解の深さでも周囲と格差をつけてください。

「お申し出」の類語・言い換え

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ビジネスシーンで特に口にする「お申し出」を使ったフレーズは、その類語や言い換え表現も知っておくことで、より造詣の深い表現ができるようになるでしょう。以下では、「お申し出」の類語をご紹介するとともに、使う場面や、ちょっとした注意点も解説いたします。たとえ類語でも敬語です。使い方には気をつけましょう。

①お申込み

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「お申込み」は契約を構成する意思表示を表す言葉です。「お申し出」よりも耳にする機会が多いのは、「お申込み」は何かの企画に申し込む側と募集する側の両方が使うのに対し、「お申し出」は何かの提案を受ける側のみが使うからでしょう。ただ、そんなよく耳にする「お申込み」も「お申し出」の類語なのです。

ただし「お申し出」はあくまで相手の行動に対して使う敬語であり、自分が申し込む側にいるときに「お申し出しました。」とは使わないので注意しましょう。

②おっしゃる

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「お申し出」のなじみのある類語はといえば「おっしゃる」でしょう。「おっしゃる」の意味は「言う」です。「お客様が○○とおっしゃっています。」との表現はよく耳にします。さらにこれは「お客様が○○とお申し出下さいました。」と言い換えることもできます。使いやすい類語といえるでしょう。

ちなみに「おっしゃる」を漢字で書くと「仰る」です。この「仰」という漢字は「仰(あお)ぐ」という言葉でも使われるように、下から上への方向をもつ漢字となります。「おっしゃる」は目下から目上の者に対する敬意を、漢字の段階で示す敬語なのです。

③プロポーズ

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「プロポーズ」の日本語での意味は、結婚の申し込みです。しかし英語では「申し出る、提案する」などの意味をもちます。結婚の話以外で使われることの少ない「プロポーズ」ですが、「お申し出」の類語として使えることも覚えておいて損はないでしょう。

ただ、突然「プロポーズ」と言っても相手には伝わらないかもしれないので、できれば「提案」という意味も覚えておきたいものです。

④ご要望

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「要望」は、物事の実現を強く望むという意味をもちます。それを叶える具体的な手段はわからないけれどこうなってほしい、というのが「要望」なのです。なので、お客様やクライアントから求められた「お申し出」が抽象的であったり曖昧であったりする場合には、「お申し出」と「ご要望」をほぼ同じ意味として使うことができます。

⑤オーダー

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英語の「オーダー」は命令する意味が強いです。しかし日本語の「オーダー」の意味は「注文する、発注する」が強くあります。従ってグローバル化する現代日本において「オーダー下さい。」というと、注文と命令の間のような意味となり「お申し出下さい。」の類語として使えます。

まだオーダーがお申し出の類語として浸透していないのは、英語よりも日本語の方が丁寧な気がするという日本の風潮によるものでしょう。また「オーダー」の意味がわからない方も少なくありません。しかし今後の世界の動向として、覚えておいて損はないでしょう。

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「お申し出」の類語でも同じ意味で使えない言葉

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「お申し出」と同じ意味、「お申し出」の類語と同じ意味でも、どうしても使えない言葉があります。意味がほとんど同じなので使ってしまいそうになりますが、使えない理由も解説いたしますので、誤って使ってしまわないようにお気をつけください。使ってしまうと、お客様やクライアントから睨まれてしまうかもしれません。

①要求

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「要望」とよく似た「要求」。これは「こうしてほしい」という具体的な事柄を示すので、お客様やクライアントから求められたことが具体的なものであった場合には「要求」が「申し出」の類語となります。ただ「要求」はとてもインパクトの強い言葉で敬語表現がないため、「お申し出の類語」として使われることはありません。

②クレーム

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日本語での意味では誤解されていて、「お申し出」という意味をもつ英語として「claim」「クレーム」があります。「お客様からのクレーム」というととても悪い印象がありますが、英語本来の意味では「主張」を表す単語です。

確かに「お客様のクレーム」といっても、お客様はご自身の主張をされているわけですから、それが悪印象となったのは理不尽な主張が多かったからとも解釈できるでしょう。

悪い印象があるために類語としては使えない「クレーム」ですが、英語本来の意味としては「主張する」というとても「お申し出」に近い意味をもっていることを理解していると、英語を話すお客様がご来店なさったときや、英語が要求されるビジネスの場では非常に有効です。プロポーズとともに「お申し出」の類語として覚えておきましょう。

「お申し出」のビジネスでの使い方

「お申し出」をビジネスで使う場合には、目上の人やお客様から提言をいただく場合か、その提言に対して感謝の気持ちを表す場合がほとんどでしょう。以下では例文とともに「お申し出」の使い方を、なぜ失礼にあたらないのかという理由も含めて解説いたします。ぜひビジネスで失敗しない「お申し出」の使い方をしてください。

①目上の人・お客様から提言を頂く場合

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目上の人から提言を頂く場合には「お〜になる」という尊敬語を用いて「お申し出になる」と使うことが多くあります。詳しい使い方や例文は以下に載せていますので、ご確認ください。またお客様相手の場合には、「いつでも声をかけてください」とお願いする意味で「お申し出ください」と使うことが多いです。

お申し出になる

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この使い方では、「部長、A社は〜とお申し出になっておりますが、いかが致しましょうか」などの、部長もA社も立てた文章での使い方がほとんどでしょう。A社の社内などから部長に連絡するときに重宝する使い方です。A社に失礼にならず、かつ部長にも敬語を用いています。

この型にはめて用いた場合には、自分より目上の人やクライアントに対するきちんとした敬語として安心できるでしょう。

お申し出ください

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お客様相手には、「お申し出」の後に「ください」と続けるのが一般的です。「お申し出をしてください。」という使い方はしません。「お申し出を」と使いたいのであれば、「お申し出をいただく。」のように変化します。「お申し出を受ける。」「お申し出を賜る。」のようにも使えます。いずれも目上の方やお客様からの提言をいただくときの使い方です。

②感謝の気持ちを表す場合

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「お申し出ありがとうございます。」は、「お申し出」をしていただいたことに対して感謝の意を表している言葉です。

英語でいうと「Thank you, 〜」「No thank you.」に当たるもので、この言葉の後にその申し出を受けるか断るかの文章が続きます。しかしながら、どちらにせよ最初に感謝の意を伝えていると礼儀正しく感じられ、たとえ断るとしても悪印象にはならないでしょう。

「お申し出」の英語

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ここまででもプロポーズやオーダーなどの英語は出てきましたが、「お申し出」をより丁寧に英語で表すならどんな表現となるのでしょう。グローバル化が進むビジネス業界ですから、ぜひ押さえておきたいものです。英語でも失礼のない「お申し出」の表現を知っておきましょう。

①「自ら望んで」を強調

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「Thank you for volunteering.」日本語訳すると「お申し出ありがとうございます。」です。「volunteer」とは、日本語ではボランティア活動を指す言葉として使われていますが、本来の英語の意味としては「自ら進んで」行動することを示します。「お申し出」を相手の積極的な行動として捉えると、このような英文も使えます。

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「Don't hesitate telling me (〜).」こちらは、日本語で「どうぞ(~について)お申し出ください。」という意味を表す英文です。

最もビジネスの場で用いられるのはこの文章でしょう。hesitateは「ためらう」という意味の英語ですが、Don't hesitateと使うことで「ためらわないで」つまり「何かあればなんでもおっしゃてください」という意味の、積極的な「お申し出」を表すことができます。先ほどとは違い、お申し出を聴く側の積極的な態度を表している点は要注意です。

また上の画像にもあるように、店に入ってきて迷われているお客様にかける英語表現があります。

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「How can I help you?」日本語で「何かお手伝いできることはありますか?」です。また道に迷っている外国人にかける言葉として「Can I help you?」もよく使われます。

恐らく1つめの表現が、アパレルなどの接客業では最も使われる英語表現でしょう。先ほどの「Don't hesitate~」は1対多数の講演会などで使われるのに対し、こちらは1対1で使用される英語です。

ビジネスとはいえ、相手がどこかの会社に所属しているわけではなくお客様としていらっしゃっている場合には最も重宝する英語です。そしてこちらから声をかけることで「あなたのお役に立ちたい」という積極的なこちら側の意志を伝えることができます。まさに「自ら望んで」お申し出を求めていることを表す、類語表現です。

②親切なお申し出

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「Thank you for your kind offer.」こちらは日本語訳で、「親切なお申し出ありがとうございます。」という意味を表します。

相手の「お申し出」を「親切な提案」として捉えた文章です。「お申し出」を「kind offer」、「親切なお申し出」と表現しています。「offer」は頼みごとや依頼を表す単語で、ビジネスでは特によく使われます。相手側の申し出を献身的に受け止めている表現です。

「お申し出」の注意点

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ただでさえ敬語か怪しまれ、誤解の多い「お申し出」です。だからこそ、使用する際にも注意するべき重要なポイントがあります。これを押さえているかどうかで、「お申し出」をきちんと使えるかどうかが分かれるともいえるでしょう。きちんとポイントを押さえ、正しい日本語の使える人になっておくと、あなたへの印象もアップすること間違いなしです。

「お」を外して使用しない

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「お申し出」の使い方で一番間違えやすく、そして間違えてはならないところは、「お」を外して使用しない、というルールです。「お」を外して「申し出て下さい。」などと使うと、自分を相手より上の立場とする敬語(自尊表現)となり、相手に対して大変失礼になってしまいます。

「お」を外さずに、「お客様からのクレーム」や「お客様からの苦情」などの言葉の代わりに「お客様からのお申し出」と使うことは、無礼な言動を回避する賢い手段です。「お申し出」という言葉を使うときには、「お」を外さずに使うことが最重要なのです。

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「お申し出」は相手の意見や主張を伺うこと

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「お申し出」は相手の意見や主張を「聞くこと、受けること」を指す敬語なのです。ここをしっかりと理解しておかなければ、使い方を誤ってしまいます。また敬語が重要なビジネスの場では特に、先方への失礼とならないよう、似た表現に引っかかりそうなときには類語も用いて、ミスをしないよう気をつけるようにしましょう。

はる
ライター

はる

日本語と医療分野の得意なライターです。よろしくお願いいたします。

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