カモミールの育て方は?植え方から注意するポイントまで徹底解説!

カモミールの育て方は?植え方から注意するポイントまで徹底解説!

リラックス効果のあるハーブとしても人気のカモミール。代表的な品種には一年草のジャーマンカモミールと多年草のローマンカモミールの2種があり、特徴や育て方に少しずつ違いがあります。植え付けの時期やお手入れのコツ、注意点など、カモミールの育て方を徹底解説します。

記事の目次

  1. 1.カモミールの育て方のコツや注意点を紹介!
  2. 2.カモミールとは
  3. 3.カモミールの育て方【種類】
  4. 4.カモミールの育て方【準備】
  5. 5.カモミールの育て方のコツ
  6. 6.カモミールの育て方【苗から始める】
  7. 7.カモミールの育て方【種から始める】
  8. 8.カモミールの育て方【日々のお手入れ】
  9. 9.カモミールの増やし方
  10. 10.カモミール栽培の注意点
  11. 11.カモミールの育て方は家でもできるほど簡単!

カモミールの育て方のコツや注意点を紹介!

Photo by La.Catholique

カモミールの育て方をご存じでしょうか。カモミールはキク科の植物で、ハーブとしても親しまれています。一年草のジャーマン・カモミールと多年草のローマン・カモミールが代表的な品種で、特徴や育て方などに少し違いがありますが、コツさえ掴んでしまえばどちらも育て方はそれほど難しくはありません。ガーデニング初心者にもおすすめです。

花を収穫した後には、ジャーマン・カモミールのハーブティーを楽しんだり、ローマン・カモミールでアロマオイルや入浴剤を作ったりすることができます。自分で育てれば、楽しみ方はいろいろです。

この記事では、カモミールの品種別の特徴や育て方のコツ、植え付け時期、注意点などをまとめてご紹介します。カモミールを育ててみたいと考えている方は、ぜひ最後までじっくりとご覧ください。

カモミールとは

Photo by matsuyuki

ハーブとしても人気が高く、ハーブティーやアロマオイル、入浴剤などにも利用されているカモミール。小さくて可愛らしい花を咲かせる一方で、「逆境に耐える」や「逆境で生まれる力」といった力強い花言葉を持ち、踏まれれば踏まれるほど丈夫に育つといわれています。

注意すべき点もありますが、コツを掴めば初心者でも育てやすいハーブの一つで、ベランダやプランターでも簡単に育てられます。では、カモミールの育て方のコツや注意点をご紹介する前に、まずはカモミールがどんな花なのかということをご紹介しておきましょう。

キク科に属する一年草

Photo by mkreul

カモミールはキク科に属する花で、キク科シカギク属の一年草の「ジャーマン・カモミール」とキク科ローマカミツレ属の多年草の「ローマン・カモミール」が代表的な品種です。単に「カモミール」とだけ呼ぶ場合には、一般的にはジャーマン・カモミールを指します。

ジャーマン・カモミールはヨーロッパから西アジアを原産とし、ローマン・カモミールは西ヨーロッパや北アフリカを原産としていますが、現在では世界中の至る所で栽培されています。和名は「カミツレ(加密列)」で、日本でも大人気のハーブです。

Photo by grassrootsgroundswell

キク科の花は、舌状花だけで構成される種類、管状花だけで構成される種類、舌状花と管状花で構成される種類の3種類に分類されますが、カモミールの花は舌状花と管状花で構成されています。周りの舌状花は白、中心の管状花は黄色で、花が咲き進むと管状花の部分がこんもりと盛り上がってくるのが特徴です。

カモミールの語源は、古代ギリシア語の「カマイ・メロン」という言葉に由来します。カマイ・メロンは「地上のリンゴ」を意味する言葉で、その語源が表す通りリンゴの果実に似た甘い香りが特徴です。

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カモミールの歴史はとても古く、4000年以上前のバビロニアですでに薬草として使われていたという記録も残っています。ヨーロッパ最古の民間薬とされており、様々な効果効能があることから、「マザーハーブ(母の薬草)」とも呼ばれています。日本には19世紀初めにオランダから伝わりました。

また、「植物のお医者さん」とも呼ばれていて、人間だけでなく植物を元気にする働きもあるとされています。コンパニオンプランツとしても利用されていて、キャベツやタマネギなどの野菜の近くの場所に植えると、病害虫の予防にもなります。

カモミールの育て方【種類】

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それでは、ここからはカモミールの育て方についてご紹介していきます。まずは、カモミールの代表的な品種であるジャーマン・カモミールとローマン・カモミールの特徴を確認しておきましょう。

ジャーマン・カモミールとローマン・カモミールは、同じキク科であっても別属で、特徴や育て方にも少し違いがあります。簡単な見分け方としては、花床を切断したときに中が空洞になっているのがジャーマン・カモミール、空洞になっていないのがローマン・カモミールです。では、それぞれの特徴を見ていきましょう。

ジャーマン・カモミールの特徴

Photo by matsuyuki

最初に、ジャーマン・カモミールの特徴をご紹介します。ジャーマン・カモミールは、キク科シカギク属の耐寒性一年草です。単にカモミールやカミツレというときには、ジャーマン・カモミールのことを指します。

茎は直立性で枝分かれしながら育ち、草丈は30cm~60cm程度になります。開花時期は3月~6月で、茎の上部に散房花序を作り、白い花弁に黄色い花芯の花を多数咲かせます。花の直径は2cm程度です。

Photo bycongerdesign

花が咲き進むと花芯の部分はこんもりと盛り上がってきて、摘まむとリンゴの果実のような甘い香りがするのが特徴です。葉には香りはありません。

ハーブティーには花が使われるのが一般的で、花芯の部分が盛り上がってきたら収穫の時期です。一年草なので、花が咲き終わったら枯れますが、こぼれ種から再び芽を出します。

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ジャーマン・カモミールには様々な効能効果が期待でき、心身をリラックスさせてくれるハーブです。4000年以上前のバビロニアで、すでに薬草として使われていたという記録も残されています。

ヨーロッパでも古くから民間薬として利用されてきました。属名の「Matricaria」はmatrix(子宮)が語源で、婦人病の薬に使われていたことが由来になっています。日本へは、江戸時代にオランダによって紹介されました。

ジャーマン・カモミールの園芸種には、黄色い花を咲かせるのが特徴の「ダイヤーズ・カモミール」、パイナップルのような香りが特徴の「コシカギク」などがあります。

ローマン・カモミールの特徴

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次に、ローマン・カモミールの特徴をご紹介します。ローマン・カモミールは、キク科ローマカミツレ属の多年草です。成長前はジャーマン・カモミールとよく似ていますが、茎は地面を這うように伸び、草丈は10cm~25cm程度までしか伸びません。

背が低く、踏みつけに強いのが特徴で、海外ではグラウンドカバーとしても栽培されています。枝分かれはあまりせずに、ジャーマン・カモミールよりもやや大きめな花を咲かせます。開花時期は5月~6月です。冬には枯れますが、多年草なので春になると再び芽吹きます。

Photo byzerin117

ジャーマン・カモミールと違い、茎や葉にも香りがあるのが特徴です。ただし、苦みが強く、飲用も可能ですが、ハーブティーにはあまり向きません。精油を多く含むため、アロマオイルや化粧品、入浴剤などに多く使われています。

古代エジプトでは、ローマン・カモミールの優れた治癒力が崇拝され、太陽神への捧げものとしても用いられていました。また、古代ギリシャでは、熱病や婦人病の薬草としてローマン・カモミールが使われていました。

ローマン・カモミールの園芸種には、八重咲きの花が特徴の「ダブルフラワー・カモミール」、花が咲きにくいのが特徴の「ノンフラワー・カモミール」などがあります。

カモミールの育て方【準備】

Photo bycocoparisienne

カモミールの育て方として次にご紹介するのは、準備についてです。カモミールを自宅で育てるのであれば、まずはどの場所に植えるかということを決めます。

そして、どの場所にカモミールを植えるか決まったら、必要な物を揃えます。カモミールを育てるときには、カモミールの苗や種の他に、土や肥料などが必要です。鉢植えの場合には、鉢やプランター、鉢底ネット、鉢底石なども用意します。必要に応じて、ジョウロやスコップ、育苗ポットなども購入しておきましょう。

苗の場合は3~5月に店頭で購入

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苗を購入する場合には、園芸店やホームセンターの園芸コーナーなどで購入することができます。いつでも購入できるというわけではなく、カモミールの苗は3~5月頃に店頭に並びますので、その時期に購入しに行きましょう。

カモミールを育てた後にハーブティーとして楽しみたいならジャーマン・カモミール、アロマオイルや入浴剤として利用したいならローマン・カモミールがおすすめです。種類を間違えないように注意して、茎や葉が健康なものを選びましょう。

種からでも難しくはない

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カモミールは、種から育てることもできます。種も園芸店やホームセンターの園芸コーナーなどで購入することができますので、種から育てたい場合には種を購入しに行きましょう。苗と比べると値段が安い上に、一袋にたくさんの種が入っているのがメリットです。

種から育てるのもそれほど難しくはありません。種から育てる場合には、直接花壇やプランターにまくのではなく、まず育苗ポットなどで苗を育ててから決めておいた場所に移植すると管理しやすいです。

カモミールの育て方のコツ

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カモミールの育て方として次にご紹介するのは、育て方のコツについてです。コツを掴めば、カモミールは園芸初心者の方にも育てやすいハーブといわれています。

植物を育てるときには適した環境で育てることが基本となりますが、カモミールにはどんな環境が適しているのでしょうか。せっかく購入した苗や種が無駄にならないように、カモミールの育て方のコツをあらかじめ確認しておきましょう。

水はけの良い土を選ぶ

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カモミールの育て方のコツ、1つ目は水はけの良い土を選ぶということです。カモミールは水はけの良い土を好むので、カモミールを地植えで育てる場合には、苗を植える2週間程度前に植える場所の土作りを始めるのがコツになります。植える場所の土を掘り起こし、掘り起こした土の3割程度の腐葉土と少量の緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきましょう。

また、カモミールは酸性に傾いた土を苦手としますが、雨が多い日本では土が酸性に傾いていることが多いです。苦土石灰などを混ぜて、pHの調整も行っておきましょう。鉢植えで育てる場合には、自分でブレンドするのではなく、市販のハーブ用の培養土でも大丈夫です。

日当たりの良い場所に置く

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カモミールの育て方のコツ、2つ目は日当たりの良い場所に置くということです。カモミールを育てるときには、日当たりの良い場所で育てるのがコツです。ただし、耐暑性はありませんので、夏の時期の暑さには注意しなくてはいけません。地植えする場合には、夏の時期は午前中に日が当たり、午後には日陰になる場所に植えるのも大事なコツになります。

カモミールは寒さには強いため、暖地であれば特別な対策をしなくても冬を越すことは可能です。冬の時期に土が凍結する地域の場合には、ビニールなどで株の根元を覆ってマルチングしておきましょう。

苗と苗の間を20〜30cm開ける

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カモミールの育て方のコツ、3つ目は苗と苗の間を20~30cm開けるということです。カモミールは繁茂しやすいのが特徴ですが、株が繁茂すると風通しが悪くなり、株元が蒸れやすくなるので注意が必要です。

株元が蒸れると、腐敗の原因になったり、病害虫が発生しやすくなったりします。そのため、カモミールの苗を植えるときには、株が密集しないように苗と苗の間を20~30cm開けるのがコツになるのです。特に夏は要注意です。種を直まきする場合にも、芽が出たら間引きして苗と苗の間の間隔をあけるようにしましょう。

カモミールの育て方【苗から始める】

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カモミールの育て方として次にご紹介するのは、苗からの育て方についてです。カモミールは、日当たりと水はけが良く乾燥気味の場所で育ててあげれば、鉢植えと地植えのどちらでも育てることができます。

カモミールはアブラナ科の植物と寄せ植えすると、お互いの生育が促進され、風味がよくなるともいわれています。ぜひ寄せ植えにもチャレンジしてみましょう。

また、カモミールはハーブティーとしても楽しむことができますので、同じくハーブティーに使える他のハーブと一緒に植えるのもおすすめです。レモングラスやレモンバーム、ステビアなど、相性の良いハーブを選ぶのが寄せ植えのコツです。ミントなどの繁殖力の強い植物と寄せ植えすると、カモミールが枯れてしまうので注意しましょう。

植え付け時期は苗によって異なる

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苗を購入するときには、まずは見た目をチェックして、キレイな緑色をした葉がたくさんついていて、茎がしっかりしているものをピックアップしましょう。そして、次に苗が植えられているポットを持ち上げて、軽く揺さぶってみて、根の張り具合も確認しましょう。

苗で購入した場合には、購入したらすぐにお目当ての場所に植え付けます。植え付け時期は品種によって異なり、ジャーマン・カモミールの植え付けに最適な時期は3~4月、9月中旬~10月中旬、ローマン・カモミールの植え付けに最適な時期は3〜6月です。

鉢植えでの育て方

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では、カモミールの鉢植えでの育て方をご紹介しましょう。カモミールの苗を鉢植えで育てる場合には、まずは大きめの鉢を用意します。1株ずつ植えるなら6号鉢、2~3株ずつ植えるなら65型プランターなどを用意するとよいでしょう。

鉢やプランターを用意したら、まず鉢穴をふさぐように鉢やプランターの底に鉢底ネットや鉢底石を敷きます。ハーブ用の培養土を4分の1程度入れて、ポットから苗を取り出したら、苗についた土を崩さないようにに鉢に置きます。鉢の上部2cm程度のところまで土を入れたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。

Photo bycongerdesign

ハーブ用の培養土がない場合には、野菜用や花用でも大丈夫です。土に肥料が含まれていない場合には、緩効性の化成肥料も混ぜ込んでおきましょう。自分で土をブレンドする場合には、赤土玉6:腐葉土3:パーライト1程度の割合でブレンドします。

植え付けが終わったら、日当たりが良い場所で管理します。夏の時期は、午前中だけ日当たりが良い場所に置き、午後は直射日光が当たらない場所に移動させます。

地植えでの育て方

Photo byStockSnap

続いて、カモミールの地植えでの育て方をご紹介しましょう。カモミールの苗を地植えで育てる場合には、苗を植える2週間程度前から土作りを始めておきます。苗を植える場所の土を30cm程度掘り起こし、掘り起こした土の3割程度の腐葉土と苦土石灰を混ぜ込んで、よく耕しましょう。元肥として、少量の緩効性の化成肥料も混ぜておきます。

土を2週間程度寝かせておいてから、周囲の土の高さよりも高くなるように苗を植え付けるのがコツです。周囲の土よりも低く植えてしまうと、水が溜まりやすくなってしまうので注意しましょう。複数の苗を植え付ける場合には、苗と苗の間を20~30cm開けて植えます。

カモミールの育て方【種から始める】

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カモミールの育て方として次にご紹介するのは、種からの育て方についてです。ジャーマン・カモミールはこぼれ種からも育つほど繁殖力が強いです。そのため、種から育てることもできます。

一方で、ローマン・カモミールは、種から育てるのは一般的ではありません。種から育てられないわけではありませんが、ローマン・カモミールは苗から育てる方がおすすめです。

種まき時期

Photo bycastleguard

カモミールを種から育てる場合にも、直接地面やプランターに植えるのではなく、育苗ポットで苗を育ててから移植しましょう。カモミールの発芽適温は15~20℃程度なので、種まきは春と秋にすることができますが、開花までの期間が長くなる秋まきの方が株が大きく育ち、花もたくさん咲きます。9月中下旬〜10月頃にまくのがおすすめです。

もし春にカモミールの種をまく場合には、開花時期までの期間が短くなってしまいますので、2月頃にまいて室内で育てておくとよいです。春まきで外で育てる場合には、3月中旬〜4月頃にまきます。

種まき方法

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それでは、カモミールの種まき方法をご紹介しましょう。カモミールを種から育てる場合には、カモミールの種の他に、種まき用の土や育苗ポットなどを用意しておきます。

育苗ポットは市販のものではなく、いちごパックや2Lのペットボトルをカットしたものを代用しても大丈夫です。その場合は、容器の底に穴をあけておきましょう。準備が整ったら、育苗ポットに種まき用の土を4~5cm程度入れます。

霧吹きなどで土を湿らせておいて、重ならないように種をパラパラとまいたら、土をかぶせます。土を厚くかぶせてしまうと発芽しないので、薄くかぶせるかまったくかぶせないのがコツです。

Photo bysrauscher1011

土の上から軽く押さえて土となじませたら、日当たりの良い場所で管理します。土が乾いたら、種を流したり苗を倒したりしてしまわないように霧吹きで水を与えます。底面給水でもOKです。発芽の適温である15~20℃の時期に種をまけば、1~2週間程度で発芽するでしょう。

種が小さいので、発芽後の成長速度は遅めです。発芽して葉と葉が軽く触れあうようになったら成長の遅い芽を間引きします。3週間程度経って本葉が5~6枚程度になったら、お目当ての場所に植え替えましょう。

カモミールの育て方【日々のお手入れ】

Photo by_Alicja_

カモミールの育て方として次にご紹介するのは、日々のお手入れについてです。カモミールの苗を庭やプランターなどに植え付けた後の水やりのタイミングや肥料の施し方などをご紹介します。

さらに、花が咲いた後の収穫の方法についても併せてご紹介します。特別な管理をしなくてもすくすくと育ち、時期が来れば花を咲かせますので、初心者の方でも安心です。

水やりのタイミング

Photo byMabelAmber

カモミールの水やりのタイミングについてですが、地植えの場合には、苗を植え付けたとき以外は基本的には水やりは必要ありません。夏の時期に、晴天が続いて強く乾燥したときだけ早朝の涼しい時間帯に水やりをします。カモミールは乾燥を好み、根腐れを起こしやすい植物なので、やや乾燥気味に管理するのがコツです。

鉢植えの場合には、土の表面が乾いたら、水やりをします。常に水を与えていると、根腐れの原因になりますので注意しましょう。土が乾燥したら、その状態を数日程度維持してから水やりをする方が、カモミールの成長にはよいです。

水を与えるときには、鉢の底穴から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。鉢底の通気性をよくするために、受け皿に溜まった水は必ず捨てましょう。

肥料の施し方

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カモミールの肥料の施し方についてですが、ジャーマン・カモミールの場合には、植え付けの前の土作りのときに緩効性の肥料を土に混ぜ込んでおけば、追肥は必要ありません。肥料を与え過ぎると、花の香りが弱くなる可能性があるので要注意です。

ローマン・カモミールの場合には、植え付けのときに緩効性の肥料を土に混ぜ込んでおき、後は収穫や切り戻しの後に薄めた即効性の液体肥料を追肥として与えます。

カモミールの花が咲いた場合

カモミールでハーブティーを作りたい場合には、ジャーマン・カモミールの花を使います。ローマン・カモミールの花をハーブティーに使うと、苦みが強くなるので注意しましょう。ジャーマン・カモミールのハーブティーは飲みやすいです。

花を収穫したい場合には、花が咲いたらすぐに収穫するのがコツになります。ジャーマン・カモミールは白い花びらに黄色い花芯の花を多数咲かせますが、花が咲き進むと黄色い部分が盛り上がって、花びらが反り返ります。そうなってから収穫すると、花の香りが薄くなってしまうのです。

Photo byhpgruesen

花の黄色い部分がふくらみ始めたら、花びらが反り返る前に、黄色い部分を収穫しましょう。収穫した花は、すぐにフレッシュハーブティーにして楽しむか、乾燥させてから保存します。花を収穫したら水洗いし、風通しの良い日陰でザルなどに入れて1週間程度乾燥させます。乾燥させたものは密閉容器や保存袋などに入れて、冷蔵庫で保存します。

開花までの期間は、春まきなら3ヶ月程度、秋まきなら翌年の春です。苗の高さが15~20cm程度になった頃に、茎の先端を摘心すると大きく育ち、よりたくさんの花を咲かせてくれるようになります。

カモミールの増やし方

Photo byCouleur

次に、カモミールの増やし方についてご紹介しましょう。一年草のジャーマン・カモミールは、種を取っておけば、毎年種をまいて育てることができます。

多年草のローマン・カモミールは、挿し芽をしたり株分けをしたりすることで増やすことができます。

Photo by Lauren Finkel Photography

ジャーマン・カモミールは一年草なので、花の時期が終わると、真夏になる前に枯れてしまします。夏を超えることはできませんが、春に花が咲くと種を収穫することができますので、その種で翌年も花を楽しむことができます。

カモミールの種を収穫したい場合には、花が咲いても収穫しないで、そのままにしておきましょう。一輪だけでも十分な量の種が採取できますので、種を収穫したい分だけを残して、後の花は収穫してしまっても構いません。花びらが枯れて、花の中央の黄色い部分が銃弾の形のように盛り上がって茶色くなってきたら、種ができた証拠です。

カモミールの種は細かくて、ちょっと触っただけでも落ちてしまいます。種が落ちないように注意しながら、丁寧に花茎から切り取って、種を収穫しましょう。

Photo by damien_farrell

地植えにした場合には、地面に落ちた「こぼれ種」からも自然に芽が出ます。そのため、種を収穫しなくても、そのままほうっておけば翌年も花を楽しめます。たくさんの種がこぼれ種になった場合には、群れをなして咲く花を見られるかもしれません。

とはいえ、先ほども説明しましたようにカモミールの種はとても小さいので、風や雨などで運ばれて、思わぬところから芽を出すこともあります。そのときは、掘り上げて、花壇やプランターなど好きな場所に移植しましょう。

挿し芽

Photo bySarahRichterArt

ローマン・カモミールは、挿し芽で増やすことができます。ローマン・カモミールの挿し芽の方法は、横に伸びている茎から元気な物を選び、10cm程度に切ります。下の方の葉を取り除いて、葉を取り除いた部分が土に埋まるように挿します。

明るい日陰に置いて、土が乾いたら水をあげて発根させましょう。土は挿し芽専用の培養土を使うとよいでしょう。

株分け

Photo by graibeard

ローマン・カモミールの最も簡単な増やし方は株分けです。多年草のローマン・カモミールを鉢植えする場合には、鉢の中で根詰まりしやすいので、1年に1~2回は植え替えをします。植え替えを行うときに、同時に株分けも行いましょう。

株を掘り上げたら、手やハサミなどで株を切り分けます。鉢に4分の1程度の量のハーブ用培養土を入れて、切り分けた株を植えます。鉢の上部2cm程度のところまで土を入れたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。

カモミール栽培の注意点

Photo byPeggychoucair

最後になりましたが、カモミール栽培の注意点についてもご紹介しておきましょう。カモミールは、ガーデニング初心者にも育てやすいですが、栽培する際にはいくつか注意すべき病気や害虫もあります。

カモミールは丈夫な植物で、比較的病気は少ないですが、湿度が高くなると「うどんこ病」が発生することがあります。うどんこ病は、うどん粉のようなカビが生える病気です。見つけたら、すぐに患部を摘み取り、薬剤を散布しましょう。

アブラムシがつきやすい

Photo by briannaorg

また、リンゴのように甘い香りのするカモミールは、アブラムシがつきやすいです。放っておくと大量に発生してしまうので、見つけたらすぐに駆除しましょう。

アブラムシの他には、ハダニにも注意しましょう。葉の裏側に寄生しますが、水に弱いので、葉水をすると予防できます。

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カモミールの育て方は家でもできるほど簡単!

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カモミールの品種別の特徴や育て方のコツ、植え付け時期、注意点などをご紹介しました。カモミールティーは、リラックス効果が期待できることから、女性を中心に大人気となっています。仕事や家事の合間に、一息つきたいときにもピッタリなハーブティーです。

自分でカモミールを育てれば、購入するよりもお手軽にカモミールティーを楽しむことができます。レモンバームやステビアなど他のハーブと寄せ植えして、自分好みのブレンドティーを楽しむのもおすすめです。

いくつか注意すべき点もありますが、コツを掴んでしまえば、自宅でもカモミールを簡単に育てることができます。まだカモミールを育てたことがないという方も、ぜひカモミールの栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

Chiko
ライター

Chiko

隙間時間にライターをしています。収納やDIY、節約などに興味があります。自分自身も学びつつ、皆様の生活に役立つような記事を提供していきたいです。よろしくお願いします。

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