子供を育てるのにかかるお金はいくら?
子供が生まれてから独り立ちするまでにかかるお金は、ウン百万、ウン千万円かかるといったことを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。実際、子供を育てるにはお金がかかり、兄弟は飽きらめてしまう人も多いのではないでしょうか。子供を育てるには、かなりのお金がかかることは事実です。
しかし、子供が生まれる前に子供にかかるお金を知っておくことで計画的に貯金ができ、子供にかかる学費などのお金を用意することもできます。この記事では、子供1人あたりにかかるお金について説明します。
平均は2400万~3000万円
子供が生まれてから独り立ちするまでにかかってくるお金は、1人あたり2,400万円から3,000万円と言われています。この金額には、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校、大学でかかってくる学費、制服代、給食、積立金などすべてが含まれている金額です。しかし、子供の進学パターンによっては、600万円程の差がでてきます。
では、同じ子供にかかるお金でも進学パターンで生じる600万円の差の原因とは、どのようなものなのでしょうか。詳しく説明していきます。
進学パターンによって費用は変わる
子供が中学校を卒業するまでにかかるお金は、平均で1,740万円と言われています。子供が高校、そして大学に進学する場合にかかる生活費は、中学と同等の場合、年間45万円です。つまり、7年間であれば315万円となります。中学校までにかかるお金の1,740万円と、高校と大学の学費を除いた生活費をプラスすると、2,055万円です。
この金額に高校と大学の学費をプラスすると、公立高校や国立大学に進学した場合は約377万円、私立高校や私立理系大学に進学した場合は約842万円です。公立高校や国立大学の場合は2,432万円程度、私立高校や私立理系大学の場合は2,897万円程度が必要です。
また、自宅から電車などを使って通学した場合は交通費、下宿生となると更に費用がかかってきます。このように、進学パターンによって費用に差が出てきます。
子供を育てるのにかかるお金【出産】
まず、子供ができた場合には、必ずかかってくる出産にかかるお金について説明していきます。子供ができると出産費用はもちろんのこと、通院費、健診費、ベビーグッズやマタニティーグッズなどを買いそろえるといった費用がかかってきます。決して安くはない出産にかかる費用だからこそ、前もって費用を知っていく必要があります。
出産費用は全国平均で50万円
国民健康保険中央会が発表しているデータによると、出産にかかる全国費用の平均は約50万円です。この出産にかかる費用の平均も、年々上昇している傾向にあります。出産にかかる費用は決まっておらず、住んでいる都道府県や出産予定の産婦人科によって、出産にかかる費用も差がでていきます。
できるだけ出産にかかる費用を抑えたい場合は、産婦人科に直接問い合わせて、出産にかかる費用を確認しておくといいでしょう。
マタニティ・ベビー用品は13万円
子供が生まれた家庭にかかったマタニティー、ベビー用品の費用は、平均で約13万円と言われています。出産後にかかってくるお金も多いので、出産前にできるだけ揃えられるものは揃えておきたいものです。しかし、あれもこれも買ってしまうと、必要なかったということも起きてしまいます。そのため、必要最低限の買い物に留めておきましょう。
マタニティ用品で最低限必要なものは、マタニティウェアです。しかし、マタニティウェアはワンピースで代用することもできます。妊娠するとお腹周りやバストが大きくなるので、マタニティ用の下着も揃えておくと安心です。
ベビーグッズに関しては、肌着、ベビードレス、おむつ、おしりふき、お風呂グッズがあれば、退院後に困ることはありません。
子供を育てるのにかかるお金【保育園・幼稚園】
次は、保育園、幼稚園で子供にかかる学費やお金について説明していきます。保育園と幼稚園では、それぞれ子供にかかってくるお金に差が出てきます。また、認可制、認可外といった施設によっても、保育料に差があることから、費用に差が出てきてしまいます。では、保育園、幼稚園でかかる費用についてみていきましょう。
保育園に必要な金額の平均
保育園は、共働きの家庭や一人っ子といった家庭には欠かせない施設でもあります。保育園の場合、認可保育園、認可外保育園の2種類があり、どちらの保育園に通うかによって月の保育料に差が出てきます。認可保育園の場合の平均月額料は約2万円です。また、0歳から1歳の子供が通う場合は、費用が高くなります。
この費用は年齢を重ねると安くなっていきますが、2歳まではあまり差がないのが現状です。また、保育料は世帯の年収によっても変わり、母子家庭や父子家庭の場合は、申請を出せば保育料が半額になることもあります。
認可制・認可外の違い
認可外保育園の場合は、施設に空きがあればすぐに入園することができます。しかし、認可保育園と比べると、保育にかかる費用は倍近くかかってしまいます。例えば、0歳で入園した場合にかかる月額料は約2万5,000円で、施設によっては保護者会費としてプラス数千円かかる認可外保育園もあります。
認可外保育園の場合は、年収や母子家庭、父子家庭に関わらず、保育にかかる費用は同一料金です。また、土曜日は午前保育のことが多く、午前以降も預けたい場合は、時間外料金を支払う必要があります。
幼稚園に必要な金額の平均
幼稚園の場合、2年制と3年制があり、2年間通うのか3年間通うのかによって、かかってくる費用に差があります。また、幼稚園の場合は私立幼稚園と公立幼稚園があり、どこに入園するかによってもかかってくる費用が変わってきます。そのため、貯金をしておくのであれば、少し多めに貯金しておくといいでしょう。
私立の場合
私立の幼稚園の場合は、4歳から6歳までの3年間通うのが一般的です。私立幼稚園に3年間通う場合、入園にかかる費用で5万円以上かかってきます。また、月にかかってくる保育料は2万円ほどです。年間でかかる費用は150万円弱で、3年間で計算すると300万円近くお金がかかってきます。
公立の場合
公立の幼稚園の場合は、5歳から6歳までの2年間通うのが一般的です。公立の幼稚園に2年間通う場合、入園にかかる費用は1万円前後と、私立幼稚園に比べると大きな差があります。また、月にかかる費用は1万2千円から1万円前後のことが多いので、1万5,000円程度と思っておくと安心です。年間で計算すると、65万円前後のお金がかかります。
公立幼稚園に通う場合にかかる費用を2年間で計算すると、130万円前後と、私立幼稚園の半額以下に収めることができます。また、認可外、認可幼稚園問わず、保育料のほかに制服代、園バスを利用する場合は利用費、維持費などもかかってきます。
子供を育てるのにかかるお金【小学校】
次は、小学校で子供にかかる学費やお金について説明していきます。小学校でかかる学費は、私立小学校、公立小学校のどちらに通うかで差がでてきます。また、小学校になると学費以外にも習い事や学習塾にかかる費用も増えてきます。そのため、今までよりもお金がかかる時期に入ってくるため、計画的に貯金をしておく必要があります。
小学校の学費の平均
小学校の学費は、私立小学校、公立小学校によって差があります。文部科学省によると、私立小学校の3年間の学費の平均は約853万円、公立小学校の学費の平均は約183万円かかるというデータがでています。では、私立小学校、公立小学校にかかる費用について詳しく説明していきます。その他学校教育費には、修学旅行、学用品などが含まれています。
私立の場合
私立の小学校の場合、年間の授業料は約47万円、6年間で約282万円かかります。年間のその他学校教育費は約42万円、6年間で約250万円かかります。年間の学校給食費は約5万円、6年間で約28万円かかります。年間の学校外活動費は約60万円、6年間で約362万円かかり、これらの費用を合計すると年間約154万円、6年間では約921万円かかります。
公立の場合
公立の小学校の場合、年間の授業料はかかりません。そのため、6年間でも0円です。年間のその他学校教育費は約6万円、6年間で約36万円かかります。年間の学校給食費は約4万円、6年間で約26万円かかります。年間の学校外活動費は約22万円、6年間で約132万円かかり、これらの費用を合計すると年間約32万円、6年間では約193万円かかります。
学校外学習費など
校外学習費とは、習い事などでかかる費用のことです。校外学習費としてかかるお金のピークは小学校といわれていて、年間で9万5,000円程度のお金がかかることが予想されます。月額であれば7,900円程度です。習い事だけでもお金がかかることから、計画的に貯金をしておくのがおすすめです。
子供を育てるのにかかるお金【中学校】
次に、中学校でかかる学費やお金について説明していきます。中学校も小学校と同様に、私立中学校と公立中学校でかかってくるお金に差があります。また、部活なども始まることから、部活で必要になるものを揃えたりと、小学校では必要なかったお金が必要になることがあります。そのため、計画的な貯金が大切です。
中学校の学費の平均
中学校も小学校と同様に、私立中学校、公立中学校によってかかってくる学費やお金に差がでてきます。3年間でかかる学費は私立中学校の場合は約388万円、公立中学校の場合は約135万円です。私立中学校は、公立中学校の約2.8倍の学費がかかることがわかります。では、私立中学校と公立中学校でかかる学費について詳しくみていきます。
私立の場合
私立の中学校の場合、年間の授業料は約44万円、3年間で約131万円かかります。年間のその他学校教育費は約59万円、3年間で約176万円かかります。年間の学校給食費は約4,000円、3年間で約1万2,000円かかります。年間の学校外活動費は約31万円、3年間で約94万円かかり、これらの費用を合計すると年間約134万円、3年間では約402万円かかります。
公立の場合
公立の中学校の場合、年間の授業料はかかりません。そのため、3年間でも0円です。年間のその他学校教育費は約13万円、3年間で約39万円かかります。年間の学校給食費は約4万円、3年間で約12万円かかります。年間の学校外活動費は約31万円、3年間で約94万円かかり、これらの費用を合計すると年間約48万円、3年間では約145万円かかります。
学校外学習費など
中学校になると、高校受験も意識する人も多く、より塾に力を入れる家庭も多くなります。そのため、小学校同様、学校外学習費としてかかるお金も増えていきます。また、部活もやるようになることから、ユニフォームなどの部活で必要なものを揃えなければいけません。負担が大きくなるからこそ、あらかじめ計画的な貯金をしておくと安心です。
子供を育てるのにかかるお金【高校】
次に、高校でかかる学費やお金について説明していきます。高校ももちろん、私立高校、公立高校によって、かかってくる学費やお金に差が出てきます。高校になると、高校就学支援金制度という制度が利用できるようになります。この高校就学支援金制度は、親の所得によって受給できるかどうかが変わってきます。
高校の学費の平均
高校でかかる1年間の学費は、私立高校の場合は約104万円、公立高校の場合は約45万円かかってきます。高校の3年間でかかる学費を見てみると、私立高校が約290万円、公立高校が約115万円と、公立高校と比べると私立高校は約2.5倍高くなります。また、私立高校の場合は、入学時にかかる制服代や部活にかかるお金も公立高校より高くなります。
私立の場合
私立の高校に通う場合は、年間の授業料は約26万円、3年間で約78万円かかります。年間のその他学校教育費は約48万円、3年間で約144万円かかります。年間の学校外活動費は約26万円、3年間で約77万円かかり、これらの費用を合計すると年間約100万円、3年間では約299万円かかります。
公立の場合
公立の高校の場合、年間の授業料は約8,000円、3年間で約2万2,000円かかります。年間のその他学校教育費は約24万円、3年間で約71万円かかります。年間の学校外活動費は約17万円、3年間で約50万円かかり、これらの費用を合計すると年間約41万円、3年間では約123万円かかります。
高校になると給食費がかかりませんが、お弁当を作らなければいけません。そのため、食費としてかかるお金が上がる可能性が考えられます。
学校外学習費など
高校になると部活も本格化してくるため、学費以外にかかるお金も増えていきます。また、大学受験を控えている人の場合は、塾に通う人も多いので、高校になっても学校外学習費としてのお金が必要となってきます。そのため、高校に入学したあとでもお金がかかることから、より計画的な貯金が大切となってきます。
子供を育てるのにかかるお金【大学】
最後に、大学でかかる学費やさまざまなお金や子供が成人式を迎えるまでにかかるお金について説明していきます。大学でかかるお金の場合、公立大学か私立大学かによって学費や入学金などのお金も変わってきます。また、大学だけではなく、どの学部に進学するかも重要なポイントです。また、無事大学に入学したとしても、入学後が大変と言われています。
大学の学費の平均
大学の場合も、公立の大学、私立の大学に通うかによって、学費に大きな差があります。4年制大学に進学した場合の4年間の学費は、公立大学で約242万円、私立大学の文系で約389万円、私立大学の理系で約530万円かかるといわれています。では、公立大学と私立大学でかかってくる学費とその他かかってくるお金をみてみましょう。
私立の場合
私立大学の文系の場合、入学にかかるお金に約96万円、在学費に約150万円かかり、4年間在学した場合の費用は約600万円かかります。4年間で約700万円かかることになります。同じ私立大学の理系の場合では、入学にかかるお金に約120万円、在学費に約190万円かかり、4年間在学した場合の在学費は約760万円です。
私立大学の理系の場合は、4年間で約880万円かかることになります。また、医学部に進んだ場合は、1,000万円近くお金がかかると言われているので、医学部に進ませたい場合は、それなりの計画的な貯金が必要です。
公立の場合
公立の大学の場合、文系と理系ではあまり学費に差はありません。公立大学の場合の入学にかかるお金は約80万円、在学費は約101万円かかり、4年間在学した場合にかかるお金は約405万円です。全て足すと、大学の4年間で約480万円かかります。同じ文系に進んだ場合での私立大学と公立大学とでは、160万円もの差があります。
下宿など諸費用
自宅から大学まで通うのが難しい場合は、下宿をする必要があります。そうなると、大学にかかる学費のほかに、下宿先の家賃、光熱費、食費などの仕送りが必要となってきます。仕送りの平均は、5万円から10万円となっています。また、生活費に関しては1人1人によって、かかるお金にも差があります。
特に大学はお金がかかることから、いざというときに困らないように、しっかりと計画的な貯金がおすすめです。
成人式に必要な費用
子供が成人を迎えると、成人式という一大イベントがやってきます。成人式となると、女性の場合は着物、着付け、ヘアメイク、小物類といったものにお金がかかってきます。着付けの平均の金額は、レンタルで3万円から5万円程となっています。また、この金額にヘアメイクや小物類が含まれているかは、店舗によって変わってきます。
レンタルをする場合は、なるべく早めに予約するのがおすすめです。遅いと人気の着物は予約が入ってしまったり、レンタル料金が高い着物しかない場合があります。また、前撮りをする場合は、撮影料もかかってきます。
成人式の場合は、着物の予約、ヘアメイクの予約が必要になることから、早めに計画しておくようにしましょう。
子供を育てるのに心強い保険や制度
ここまで保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と子供が大きくなるまでにかかるお金について説明してきましたが、かなりのお金がかかることがわかりました。そのため、将来お金に困らないためにも、計画的な貯金が欠かせません。ですが、全ての家庭がここまで計画的にお金を貯めるのが難しい場合があります。
そのようなときに心強いのが、保険や制度です。現在では、保険料もお手軽なものも多いので、計画的な貯金と同時に、保険や制度の利用もおすすめです。
学資保険
子供を育てるために、ぜひ利用してほしいのが学資保険です。学資保険にはステップアップ型と満期型の2種類があり、それぞれシステムが変わってきます。ステップアップ型の場合は、子供の成長に応じて5年ごとにお祝い金が支払われるサービスです。お金がかかる入学式などのタイミングで、お金を受け取ることができます。
満期型の場合は、子供が20歳になるまで払い込むタイプです。子供が成人を迎えた20歳のタイミングでお祝い金を受け取ることができます。中には18歳までが満期となった学資保険もあり、大学受験をさせたい家庭におすすめです。
学資保険は、赤ちゃんの頃に加入すると保険料が安くなることが多いので、なるべく早い段階で計画するのがおすすめです。
就学援助制度
どうしても計画的な貯金が厳しい家庭の場合は、就学援助制度がおすすめです。就学援助制度は、就学が難しいと判断された児童や保護者に、市町村が経費の一部を援助してくれるサービスのことです。児童扶養手当の受給を受けている世帯や、国民健康保険を免除されている世帯が対象の条件です。
就学援助制度の内容は、市町村によって異なります。そのため、貯金が難しく、就学援助制度を計画したい場合は、各市町村に問い合わせてみましょう。
奨学金
よく耳にする奨学金制度ですが、奨学金とは学生が自立して学習することを支援するために、子供本人に渡されるお金のことをいいます。また、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校および大学院で学ぶ子供が対象となっています。奨学金には、無利息の第1種、利息がつく第2種、入学時特別増額の3種類があります。
また、海外に留学したい場合は、海外留学の奨学金もあります。奨学金は、これまで多くの人たちが利用していることから、子供を育てるうえで検討したいものです。
子供を育てるためには計画的な貯金が必要
子供が生まれてから成人するまでには、かなりのお金がかかることがわかりました。そのため、子供が欲しいと思ったら、計画的に貯金をしていく必要があります。ですが、子供を育てるための保険や制度も充実していることから、お金のことで子供を飽きらめてしまうのはもったいないのではないでしょうか。