オアシスの意味とは
一般的に「オアシス」と訊くと、砂漠などの乾燥地帯にある小さな泉や湖といった物理的な意味でのオアシスと、砂漠などの厳しい環境の中にポツンとある恵みの泉を、慌ただしい日常生活の中に於いて「癒し」や「くつろぎ」の意味を比喩表現として用いる2つの意味があると認識している人が多いと言えるでしょう。
実際に、慌ただしい都会の中でリラックスできるような場所を、「都会のオアシスのようだ」などと、日常会話でも頻繁に使われていることから、「オアシス」という言葉はとても身近に感じる人も少なくないでしょう。
今回は、「オアシス」の語源や、「オアシス」の比喩的表現方法としての使い方、また後半では仕事や恋愛に関する時に用いる「オアシス」の意味や表現方法などを紹介します。
意味①砂漠の中で水がわいている場所
先述した通り「オアシス」の実際の意味は、「砂漠の中で水がわいている場所」のことを指します。世界には様々な形態をしたオアシスが存在しており、日本では砂漠の中にある、泉や小さな湖と認識されがちですが、語源から考えると、実際は「沃地」(良く肥えた土地)という意味の和訳の方が適切だと言われています。
やはりオアシスを最初に見た時、「何故こんな乾燥地帯に水があるのだろうか。」と純粋に疑問に思う人は少なくないでしょう。簡単に説明すると、オアシスは砂漠の周りの山に降った雨や雪が長い時間を経て砂漠の地下水となり、それらの水が湧き出る事によってオアシスが出来ます。この一連の現象を「クールアイランド」と呼びます。
因みに、砂漠は地球上の面積の6分の1を占めおり、世界で最も大きなオアシスはアフリカ大陸のナイル川にあり、大きさは実に22,000平方キロメートルにも及びます。これは東京都全体の面積の約10倍の面積にあたります。
意味②疲れを癒して安らぎある場所
オアシスを比喩的表現で使う場合、「疲れを癒して安らぎある場所」などの使い方をします。オアシスを比喩的表現で使う場合、ポジティブな意味で使われます。例として、「この緑の多い公園は都会の中のオアシスのようだ。」また、癒し系のオーラを出している人に対し「彼女はオアシスのようだ。」のような使い方も出来ます。
オアシスの意味の語源
オアシスの意味の語源を知るには今から約2800年程昔の、古代ギリシア時代まで遡ります。ちょうど日本という国が誕生したと言われている時期です。その頃からギリシア語では砂漠にある水が比較的多くある都市を「オアシス都市」と呼ぶようになりました。オアシス都市は砂漠を渡る商人たちとって、唯一水があるに大切な場所を意味していました。
従ってオアシスの語源はオアシス都市から来ており、砂漠から湧き出る水が語源ではないことは意外と知られていません。当時オアシスの語源になったオアシス都市は砂漠のあるゆる場所に存在し、商人たちの「くつろぎの場」とされていました。
オアシスの語源には、このように「くつろげる場所」、「安心して休める場所」などといった意味も含まれています。
古代ギリシャ語から存在
通常、古代ギリシア語から派生した語源の単語は、ラテン語を経て発音もスペルも変化するのものですが、オアシスに関しては、「オアシス」という語源が誕生した約2800年ほど前から現在まで、英語、スペイン語、またフランス語でも「Oasis」と綴り、それぞれ多少アクセントは異なるものの、同じ読み方をし、意味も同じままです。
このような語源が非常に古い単語を現代まで使っている例は非常に珍しく、如何にその時代から現在に至るまで「水」という存在が人間にとって特別なものを意味していたのかが伺えます。
商人達の中継地点であった都市が関係
オアシス都市は、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、カラクム砂漠、イラン砂漠など古代中央アジア・西アジアの砂漠地帯に点在しており、当時中国とヨーロッパを結んでいたシルクロードに多数存在していました。当時キャラバンと呼ばれていた商人たちのグループはラクダやロバに乗って砂漠を渡り、金や岩塩をそれらのオアシス都市を経由して売買していました。
当時オアシス都市が無ければ、文化の交流や文明の発達も遅れていた可能性もあったと言えるでしょう。その為、このような重要で文化の発展に貢献してきたオアシスという言葉は、現代でもやはり特別なものとして捉えられています。
その様な経緯から、オアシスはただの砂漠に出来た水溜まりという意味の他に、ポジティブな表現として使われています。
オアシスの類義語
ここで、比喩的表現として、しばしば使われるオアシスの類義語を例文を織り交ぜながら、使い方も含め、いくつか紹介します。先述の様にオアシスは会話や文章の中で「疲れを癒して安らぎある場所」という意味で使われます。これは、先述したオアシス都市の役割と似ており、やはりオアシスはいつの時代でも人類にとって大切なものであることが分かります。
心が和む
オアシスの類義語の一つに「心が和む」という表現があります。「和む」の読み方は「なごむ」です。和むの意味は、気持ちを穏やかにする様子や心や、気持ちをゆったりさせるという意味があります。例文として、「この丘から見る景色いつも心を和ませてくれる。」また、「ここのカフェはいつ来ても心が和む。」のような使い方をします。
避暑地
オアシスの類義語として「避暑地」も挙げられます。「避暑地」とは、夏などの暑い時期に、暑さから逃れるために訪れる土地のことを指します。夏でも涼しい場所である必要があるので、比較的標高の高い地域や、緯度の高い地域が選ばれます。最近は青森県にある「奥入瀬渓流」や、秋田県にある「元滝伏流水」などが人気があるようです。
勿論、昔から避暑地として良く知られている軽井沢や北海道も未だ人気のある避暑地です。オアシスの類義語である避暑地を使った例文は「今年は特に暑いので、避暑地に行って少しでも暑さから逃れたい。」または「滝や緑が多い場所が多い避暑地に行くと、心も癒される」といった使い方が出来ます。
その他のオアシスの異義語と意味
「安息の地」という言葉もオアシスの類義語だと言えるでしょう。「安息」は「あんそく」と読み、意味は「心身を安らかにし、心配もない状態で静かに休むこと。」という意味です。「安息の地」は穏やかで静かに過ごせる場所、を指します。使い方は「収束する様子の無い戦争地域の人々は、安息の地を望み日々生きている。」のような例文があります。
終の棲家
「終の棲家」という言葉もある意味オアシスの類義語だと言えるでしょう。「終の棲家」の読み方は「ついのすみか」で他にも「終の住み処」また、「終の栖」とも書きますが、何れも意味は同じです。「終の棲家」の意味は「これから死を迎えるまで生活する住まい」や「最期に落ち着く所」を意味します。
この言葉はポジティブな意味を持つオアシスの類義語ではなく、死を連想させる為、対義語の部類ではないのかと感じる方も少なくないでしょう。しかし大抵の人には心の何処かで「人生の最期を迎える時には心身を安らかにし、静かな場所に居たい」という欲求があると考えられます。
そして、特に忙しく働き続けた人ほど、人生の最期の場所は正にオアシスのような穏やかな環境で迎えたいという心理が働くと考えられるでしょう。その様な意味合いがある為、「終の棲家」は「オアシス」の類義語にあたるとされています。
その他にも、オアシスの類義語として考えられるものでは、「安らぎの地」、「癒し空間」、「くつろげる空間」など様々な類義語が考えられます。
オアシスの使い方
ここまでの説明で「オアシス」には、「リラックスできる空間」、「穏やかな気持ちになれる空間」のような意味で使う場面が多いことが分かりますが、実際の日常生活でオアシスという言葉の使い方を説明します。特に慌ただしく働いていたり、心配事が色々と多い方にとって「オアシス」という場所はユートピアのように感じられると言えるでしょう。
一息つける場所に移動した際に使用
例えば、真夏の炎天下の中、外回りの営業をしている会社員がクーラーの良く聞いたカフェで少し休憩する場合も、「まるで此処はオアシスのようだな。」のような使い方が出来ます。特に営業職のような、クライアントに対して気を遣い、常に緊張感があるような仕事をしていて、その緊張がほどけた瞬間にいる空間がその人にとってのオアシスだと言えます。
また、子育てと仕事を両立して生活している女性にとって、休日に子供を実家に預け、普段溜まっている疲れを癒すためにマッサージに行く場合も、その女性にとってその瞬間はオアシスのような時間だと言えるでしょう。
オアシスという言葉の表現方法は人によって異なると言えます。普段から苦労なく、何もせずに家で引き籠ってる人にとっては、オアシスという概念は存在しないと言えるでしょう。
男性が求めるオアシス
男性が仕事をしている上でストレスを感じるという事は、最近では特に多くなってきていると言えるでしょう。そんな慌ただしい仕事の現場の中で「癒し」を求めて、見た目が良く、優しく、また気遣いのできる女性社員を「彼女はこの職場のオアシスのようだ。」と表現するケースもあります。
実際にそのような職場の「癒し」になるような女性がいる事によって、職場が和み、多少社員のストレスが軽減されるとい効果があるケースも少なくないと考えられるでしょう。
仕事の場合
女性の場合も同じで、ダイバーシティーという言葉が浸透しつつある昨今でも、仕事をする上で何かしらのストレスを我慢しながら働いているというケースは少なくないと言えるでしょう。「オアシス」という表現はそのような女性が男性に求める理想像として使われることもあります。
例として、「〇〇課長は誰に対しても公平に優しく接してくれる、まさに砂漠の中のオアシスのような存在ね。」のような使い方が考えられます。
このようなケースでの比喩的表現としての「オアシス」使い方には、やはり「癒し」や「心が安らぐ」という意味が強く含まれていると言えるでしょう。女性社員の中には、職場のパワハラやセクハラで悩んでいる女性も少なからずいるのが現状です。そのような状況の中で、やはり女性も仕事の現場で「癒し」を求めていると言えるでしょう。
笑顔に癒される
職場の中にいるステキな女性・男性社員の笑顔によって癒され、その結果ストレスを軽減できる可能性もあります。実際に「女性から癒しを感じるのはどのような時か」という2018年にネットで行われたアンケートでは、「常に笑顔でいる女性」と答えた男性は約34%程いました。
その理由は、「常に相手の女性が笑顔だと、こっちも笑顔になり良い気分になる」または、「常にニコニコしている女性と一緒にいると癒される」のようなものが多く、やはりステキな女性からの笑顔は男性にとって何よりの「癒し」になると言えるでしょう。
かわいらしい人がいる
職場に見た目がかわいらしい女性がいると、大抵の男性は仕事に対するモチベーションや、そのようなじょせいが居るだけでも職場が少し和やかな雰囲気になると感じている人は少なくないと言えるでしょう。この様なケースでも「彼女はこの職場のオアシスのような存在だ。」のような使い方で「オアシス」という言葉が用いられることもあります。
よく面接の際に「顔採用」という言葉が使われて、一部の人からは差別的に捉えられています。しかし、当然企業側にも「顔採用」を実施する正当な理由があります。社員を顔で採用する理由として、社員のモチベーション向上が考えられます。職場に素敵な女性やイケメンがいれば、毎日憂鬱に感じている出勤が楽しみに変わる効果が期待できます。
このように、「顔採用」には社員のモチベーションの向上が図れると同時に、職場での癒しの効果が得られるという理由があります。「顔採用」は特に大手の大企業に多く見られる傾向があります。
恋愛の場合
恋愛に於いても「オアシス」という言葉は用いられます。シンプルな例では「キミはボクのオアシスだ」のように、相手の女性を表現する使い方が出来ます。恋愛に於いて、男女共通していることとして、お互いに「心のオアシス」を恋愛を通じて求めていることが多いと言えるでしょう。
人の気持ちに敏感
特に日常生活の殆どの時間を仕事に費やしている男性などは、恋愛に通じて「心のオアシス」と呼べるような、一緒にいて癒されるような女性を好むケースが多いと言えるでしょう。その為、女性からすると彼氏やタイプの男性にとって「心のオアシス」のような存在になれるかどうかが大切なポイントとだと言えます。
勿論、恋愛は双方の合意の基で成り立つので、男性側からそのような要求を一方的に求めるのはNGです。女性も男性と同じように恋愛を通じて「癒し」を求めている場合もあります。女性が男性に対し、「心のオアシス」なるにはどのような要素が必要なのでしょうか。
先ず考えられるのが、相手の喜びや悲しみなどを共有できる存在になる事だと言えます。これは、言い換えると相手に気持ちを敏感に読み取る力とも言えます。
押しつけではないやさしい心
恋愛はお互いがお互いの気持ちを労り続けていくような関係を持続させることだ大切です。例えば、何かトラブルが起きた際に、すぐに相手のせいにして、喧嘩をしてしまうような雰囲気を作ってしまう恋愛は「心のオアシス」とは程遠いものです。何かトラブルがあった場合、互いに助け合い、原因の理由を二人で考え、解決策を見つけるのが大切だと言えます。
オアシスとは疲れを癒す安らぎある場所を意味する
今回は「オアシス」の意味や使い方を、語源を始め、オアシスを比喩的表現で使う上での意味や使い方、またオアシスを必要としてる人の心理などを、通常生活、仕事、また恋愛などのケースでまとめました。普段の生活で何らかのストレスを感じている人は、何処かでオアシスを見つけることにより、ストレスフリーの生活を目指してみるのも良いでしょう。