ゆで卵は冷凍できる?
賞味期限が迫った卵、一気にゆで卵にしてみたものの食べきれない、こんな経験は多くの方がお持ちでしょう。そんな時は、作り過ぎたゆで卵の冷凍保存がおすすめです。ゆで卵を美味しく冷凍保存するコツを知っていれば、その他のレシピにもアレンジできて重宝します。
ゆで卵の冷凍保存には注意が必要で、そのまま冷凍してしまうと白身の水分が抜けて固くなり、食感が悪く食べられたものではありません。そこで、ゆで卵の上手な冷凍保存の方法と、おすすめレシピをご紹介します。
ゆで卵は下処理して冷凍がベター
ゆで卵をたくさん作ってみたものの食べきれない、そんな時に活躍してくれるのがゆで卵の冷凍保存です。ゆで卵を上手に冷凍保存するためには、下処理が必要です。
例えばゆで卵を卵フィリングやタルタルソースなどへ、少々手間はかかりますが半調理して冷凍保存すれば、長い期間の保存が可能で味も変わらず、お弁当などに使うときにもとっても重宝します。
フィリング
ゆで卵の冷凍保存に、最もおすすめなのが卵フィリングです。「フィリング」とはもともと詰め物具材の意味で、サンドイッチなどの間に挟んだものを指しています。ちなみに、トーストの表面にバターやジャムなど、表面に塗るものは「スプレッド」と呼びます。
卵フィリングのレシピはとても簡単、固めに作ったゆで卵の殻をむきボウルに入れフォークで細かく潰します。そこにマヨネーズと塩コショウを加え味付けすれば、サンドイッチやサラダに使う卵フィリングの完成です。
そして、ジップロックなど密閉袋や容器に入れて冷凍庫に保存するだけで完了です。また、小分けしてラップで包んだり、シリコンカップに入れるなどして冷凍しておくと、一回分ずつお弁当などに使えてとても便利です。
タルタルソース
ゆで卵をタルタルソースにする方法もおすすめです。ゆで卵をタルタルソースにするレシピもフィリング同様に簡単です。ここでもポイントは「固めのゆで卵」、それをボウルに取りフォークで細かく潰します。
そこへ、みじん切りした「玉ねぎ、きゅうり」を加えマヨネーズと塩コショウで味を調えれば、自家製タルタルソースの完成です。エビフライや白身フライとの相性が抜群のタルタルソース、解凍していろんなレシピに使うことができます。
さらに、アクセントとしてピクルスやポン酢、ウイスターソースなどを加えるのもおすすめです。また、卵フィリングにもカレー風味やワサビ風味など、いろいろなアレンジを加えれば飽きずに食べられてサラダやフライのお弁当にもとっても便利です。
下処理後の冷凍保存の注意点
冷凍保存したこれらゆで卵の半調理品は、少しでも美味しく食べたいものです。そこには、期間を長く美味しく保存するコツがあるのでご紹介します。ゆで卵の半調理品を冷凍保存する際の注意点は次の通りです。
①ゆで卵は必ず固ゆでにする。②出来るだけ空気を抜く、出来るだけ空気を抜くことで食感が保たれます。③タップ+ジップロックなどで二重にする、二重にすることで保存ダメージから守れ、空気も入りにくくなります。
そしてゆで卵の下処理後は、なるべく低温で速やかに冷凍保存することがコツとなります。保冷剤を乗せたり、金属のバットを敷いたりなど工夫すると美味しく保存が出来るので、試してみましょう。
ゆで卵をそのまま冷凍した場合
ゆで卵をそのまま冷凍庫に入れて保存した経験はありますか?それは基本的にNGです。ゆで卵をそのまま冷凍してしまうと、黄身の部分は変わらずも白身の部分は水分が抜けてしまい、すき間の空いたスポンジのような状態になり食感が悪くなります。
これでは「まずいゆで卵に変化させた」となってしまいます。そのため、美味しさを保つ冷凍保存には下処理が欠かせなく、ゆで卵の冷凍保存にはサンドイッチの具材として使われるフィリングにするか、ひと手間加えてタルタルソースにして冷凍保存するのが最適です。
下処理したゆで卵の保存期間と解凍方法
ゆで卵は、下処理すれば冷凍保存が可能で味の変化も防げ、長い期間を保存できることが分かりました。また、上手な冷凍保存の方法もお伝えしました。ここからは、下処理したゆで卵を美味しく食べるための「保存期間」と「解凍方法」について詳しくご紹介します。
保存期間
ゆで卵の保存方法は3通りあります。それぞれ賞味期限が違いますので注意してください。保存方法は次の通りになります。その①常温保存する場合、ゆで卵が殻付きでヒビが入っていない、日の当たらない涼しいところに保存、この条件でも賞味期限は1日以内です。
その②冷蔵保存の場合、ゆで卵は雑菌の繁殖を防ぐためにも殻つきが良いでしょう。この場合の賞味期限は3日以内です。その③冷凍保存の場合、お伝えした通り美味しさや食感の面から、ゆで卵はそのままの冷凍保存には向いていません。
しかし、卵フィリングなど下処理した状態なら美味しさも食感も保ちながら冷凍保存が可能です。このように半調理をした状態での冷凍保存は約1ヵ月持ちます。賞味期限が迫った卵がある、長期間留守にする場合などはゆで卵を下処理して冷凍する保存をおすすめします。
解凍方法
卵フィリングやタルタルソースに下処理して冷凍したゆで卵、その解凍方法は自然解凍が一番です。電子レンジを使用しても良いですが、加熱しすぎると美味しさを損なってしまいますので、下処理した冷凍ゆで卵は、冷蔵庫で解凍するか自然解凍を選ぶと良いでしょう。
ゆで卵を下処理した冷凍卵は自然解凍で頂けますが、解凍後すぐに食べない場合は、雑菌の繁殖を防げるので冷蔵庫で解凍するのがベストです。また、パンに挟んでサンドイッチで冷凍したものは、そのままランチのお弁当などに持っていくことが出来るので便利です。
ゆで卵を冷凍するため下処理する際には、マヨネーズは少なめに入れるようにしましょう。それは、マヨネーズは冷凍すると分離してしまうことがあるためです。解凍後にお好みでマヨネーズを足して、粉チーズ・マスタードなどでアレンジすると飽きずに食べられます。
下処理したゆで卵を冷凍するメリット
お鍋に入れるだけで簡単に出来るゆで卵、それを卵フィリング状態にして冷凍すれば、1か月ほど保存が可能です。特売の時にまとめて買った卵を全てゆで卵に、そして下処理して冷凍保存しておくのもおすすめです。ここではゆで卵の冷凍保存するメリットを解説します。
調理の手間が省ける
ゆで卵を下処理して冷凍保存するには、固ゆでがコツです。固ゆで卵には12~13分ほどかかります。手間いらずですが、忙しい朝や時間の無い時はけっこう面倒でしょう。ですので、休みや週末など時間の有る時に作っておけば調理の手間を省けます。
また、卵フィリング作りには、茹でて殻を抜き潰して混ぜる工程があり手間がかかるものです。そのため時間のある時に作り置くことで、忙しい時の調理の時短にもなります。お惣菜のフライにタルタルソースを付けるだけで、食材が少し豪華になります。
忙しい中で作る朝ご飯には、冷蔵庫に移しておいた卵フィリングと食パンでサンドイッチやサラダがサッと作れます。また、お昼のお弁当に使っても手早く出来ます。忙しい主婦には調理の手間が省けて、朝ご飯やお弁当作りにポイントの高い嬉しい食材となります。
長期保存が可能
行きつけのスーパーマーケットで購入した生卵、冷蔵庫での保存が可能な期間はおおよそ2週間と言われます。ゆで卵にすると期間は生卵より短くなり、殻付きの状態で約3日です。殻を剥いたゆで卵の賞味期間は、衛生上からその日の内に食べてしまいましょう。
ゆで卵を卵フィリング状にして冷凍保存をすれば、その保存期間は約1か月と長期保存が可能となります。ゆで卵をたくさん作ったけど食べきれない、卵の賞味期限が近い、旅行に出るので保存したい、こんな時ゆで卵の冷凍保存の仕方を覚えておけば安心です。
ゆで卵の冷凍を活用したレシピ
ここからは、ゆで卵の冷凍を活用した解凍レシピをご紹介します。保存期間も長く解凍方法も簡単な冷凍卵フィリング、冷凍庫にこれがあるだけでいつもの料理がよりおいしく、バラエティーに富んだ食卓の演出が出来て家族から喜ばれるでしょう。
それは食卓を華やかにしてくれること間違いなし、会話も弾むことででしょう。どれも冷凍保存した卵フィリングを解凍して簡単に作れるレシピなので、お食事やお弁当に是非チャレンジしてみて下さい。
ゆで卵のフィリングでポテトサラダ
まずは、子供にも喜ばれる「卵たっぷりポテトサラダ」をおすすめします。レシピは簡単、茹でたジャガイモをボウルに取り細かく潰します。そして、スライスしたキュウリ、小さく切ったハムやカニカマ、解凍して置いた卵フィリングをボウルに入れよく混ぜます。
この時、きゅうりはスライスしたら軽く塩でもみ、水分をよく抜くようにして下さい。最後に、マヨネーズと塩コショウでお好みの味に調えたら完成です。
ゆで卵のフィリングでサンドイッチ
次に、行楽やレジャーに持っていくお弁当に最適な卵フィリングのサンドイッチをおすすめします。今回おすすめするのは、卵とツナ野菜のサンドイッチです。きゅうりと人参は薄く千切にして塩を振り、その後軽く水洗いしてよく水切りをします。
それをボウルに取ったら好みの量のツナを入れ、塩、酢、マヨネーズを混ぜ合わせます。パンは子供にはバターを大人にはマスタードを塗ってその面にハムをおき、その上に卵フィリングと混ぜたツナ野菜をのせ、パンでサンドしたら完成です。行楽のお弁当に最適です。
タルタルグラタン
ここでは、卵フィリングと冷蔵庫にある野菜で作る「タルタルグラタン」のレシピをご紹介します。野菜もたっぷり、卵のたんぱく質も取れる栄養価の高いグラタンです。野菜が苦手な子供や男性でもパクパク食べられるのでおすすめです。
材料は下茹でしたブロッコリー、細切りベーコン、短冊切りしたエリンギなどが用意できれば十分でしょう。これらをフライパンでバター炒めにします。そしてグラタン皿にバターを塗り炒めた材料を入れ、解凍したタルタルソースをかけます。
その上に、とろけるチーズとパン粉を少々のせてトースターで焦げ目がつくまで焼いていきます。最後に乾燥パセリをのせたら完成です。他にも冷蔵庫にストックされてある残り野菜や、シーフードミックスを使っても美味しく頂けます。
えびカツとタルタルソース
最後におすすめするレシピが、えびカツとタルタルソースです。えびカツに合うソースはタルタルソース以外にないと言われるくらい、絶品で相性のいいコンビです。まず、えびカツを揚げるか用意しておきましょう。
あらかじめ冷凍した卵フィリングは、冷蔵庫で解凍しておきます。解凍した卵フィリングにみじん切りした玉ねぎやきゅうりを混ぜ合わせ、お好みでマヨネーズを加え、えびカツにかければ「えびカツとタルタルソース」の完成です。
また、玉ねぎやきゅうりの他に、みじん切りした「らっきょう・ピクルス」などを加えることで、アクセントの利いた味となりおいしく頂けます。こちらもチャレンジしてみてください。
生卵や卵料理を冷凍した場合は?
実は、生卵はゆで卵と違って簡単に冷凍保存ができてしまいます。ちっとしたコツをマスターすれば長期保存というより、旨味を凝縮させて冷凍前より美味しいと評判です。さらに卵焼きなど調理した卵の冷凍保存も可能、旨味や食感などの劣化も無く美味しく頂けます。
生卵の冷凍
「生卵は冷凍すると美味しくなる」こんな噂を耳にしたことは無いでしょうか?それは事実です。レシピも簡単で一晩冷凍した生卵を、電子レンジで解凍するだけ。それを卵かけごはんにしてみると黄身はねっとり、白身はみずみずしくサラットした絶品となります。
また、見た目もかわいくて食べやすいサイズの「目玉2個焼き」もおすすめです。レシピは簡単、冷凍卵の殻を取り凍ったまま真ん中から半分に切って、そのまま焼けば完成です。女性や子供にはうれしいピッタリサイズに出来上がり、お弁当のアクセントにも最適です。
冷凍生卵の解凍方法は自然解凍が良いでしょう。卵のフライやてんぷらに使うには、水を張ったボールに浸けるか流水にあてながら殻取りしましょう。冷凍生卵の保存期間は、ゆで卵の冷凍保存期間と同じく1か月です。
炒り卵・錦糸卵
家庭用の冷凍冷蔵庫で卵を保存するならば、殻付きのまま冷蔵保存するのがベストとされています。でも加熱料理した卵料理なら長期の冷凍保存が可能です。冷凍保存の賞味期間も1か月と長期ですので便利です。
新鮮な卵にしっかり火を通した「炒り卵・錦糸卵」にしておけば、朝食やお弁当作りで忙しい朝、食事に栄養と彩りが欲しい時などとっても重宝します。解凍方法は電子レンジを使いましょう。散らしずしや混ぜご飯、炒め物、ポテトサラダの具などに最適です。
玉子焼き
お弁当のおかずに欠かせないのが「卵焼き」です。毎朝作るのにはけっこう手間と時間が掛かるので、美味しく冷凍保存できたらとても助かります。冷凍しても、あのフワッとした食感を維持させ美味しい卵焼きにするには、水分を少なめにする必要があります。
そのために、だしは顆粒タイプを、甘みは砂糖を使いましょう。片栗粉を入れると、冷凍しても食感が保てます。解凍した時の「ふんわりした柔らかさ」を保つにはマヨネーズを入れると良いです。
焼き具合は、半熟は避けてしっかり焼くようにして下さい。冷凍の賞味期限や解凍方法は、炒り卵・錦糸卵と変わりません。ゆで卵を下処理した卵フィリングなどと合わせて使うことで、卵料理のレパートリーが広がり調理の時短も可能、積極活用をおすすめします。
ゆで卵の冷凍はアレンジ次第でお弁当に使える!
ゆで卵はフィリングにして冷凍保存がおすすめです。卵フィリングを常備しておくと、サンドイッチ、グラタンやサラダにも使えてとても便利。調理の時短にもなって忙しい主婦には本当に助かります。栄養たっぷりな卵、正しく冷凍保存して、美味しく頂きましょう。