年末調整で印鑑を押す意味とは?
サラリーマンの方は、毎年恒例となている年末調整。企業によっては11月くらいから年末調整の書類作成が行われます。
年末調整に必要な書類や情報など、たくさんありますが、日本の文化として、書類に印鑑を押印するという重要事項があります。
海外では、サインで十分ですが、日本では本人が作成した、または、確認した。という意味をかねて、押印をする文化が根付いています。本記事では年末調整の書類に、押印する印鑑は、シャチハタで認められるかについて記載してます。
書類を作成・確認した
年末調整には、3つの書類が必要です。①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、②給与所得者の配偶者控除等申告書、③給与所得者の保険料控除申告書、以上の3つの書類です。
厳密にいえば、税務署提出する書類は、他にはありますが、本気記事は、年末調整の書き方ではありませんので、ここでは除外します。
3つの書類全て、記入したでけでは、書類として認められることはありません。年末調整では、全ての書類で印鑑での押印が必要となります。
印鑑の種類
印鑑の種類についてご説明します。全部で、実印、銀行印、認印、三文判、シャチハタの5種類をご紹介ます。年末調整でも使用できる印鑑も、この中にあります。
全て同じだろ。と持っている方もいるかもしれませんが、それぞれ使う用途、意味合いが違ってきます。用途にあった印鑑を押さないと、書類として本人確認として、認められることはありません。
また誤記などをした場合、訂正として印鑑が必要となります。年末調整の書類にも使える、重要な内容です。しっかりと読んで、印鑑の種類を学んでください。
実印
印鑑の中で、最も重要といえるのが、実印です。市区町村役場にて、登録している印鑑のことを指します。一般的に複雑な刻印で作られているイメージですが、実はイラストなどが入った、可愛らしい印鑑でも認められることがあります。
市区町村役場にさえ登録が行えれば実印と呼ばれます。この実印は、非常に重要です。主に公正証書の作成、契約書、不動産取引、遺産相続などで使用します。他人へは差し出したりしないでください。
銀行印
銀行印とは、銀行や信用金庫などの金融機関へ、届け出をしている印鑑をさします。銀行印は、届出印とも呼ばれることがあります。印鑑を提出するのではなく、押印した印影を提出します。
銀行や信用金庫などにて、預貯金口座の開設や、口座にある預金の引出し、お預入れなどに使用します。取引を行う場合は、届け出た、銀行などの金融機関に認められた印鑑以外は、使用できません。預金者本人かを確認するために、必要となります。
認印
「みとめいん」と読みます。認印とは、市町村役場に印鑑登録していない印鑑のことです。言い換えれば実印以外の印鑑の事を指します。
普段使用する印鑑で、宅配などの押印を求められた時に使用します。またあまり重要でない書類などにも使用します。家庭に、会社に、それぞれ保管して必要な時に、使用してください。
実印を使用する以外の時は、朱肉をもちいて押印する認印を使用することを、おすすめします。年末調整にも使用できる印鑑です。
三文判
三文判とは、機械で量産された安価な印鑑、またはハンコの総称を指します。量産された印鑑の為、市役所などで、認められる実印には適しません。実印でないため、認印に含まれます。
安価なだけで、印鑑である事には変わりありません。100ショップなどでも販売していますが、世帯数が多い苗字の印鑑しか、販売していない場合があります。
余談ですが、三文とは、江戸時代のお金のことで、安物の比喩として三文が良く使われます。代表として、四文字熟語の「二束三文」があります。安価な印鑑ですが、年末調整でも使用できます。
シャチハタ
シャチハタとは、朱肉を使用せずインクで押印する印鑑全般を、シャチハタといいます。インク浸透印という名称が、正しい名称です。
シヤチハタ株式会社が、朱肉のいらない印鑑、「x(エックス)スタンパー」を製造・販売したことにより、なぜか、シヤチハタ株式会社が販売していない、インク浸透印もシャチハタと呼ばれる様になりました。
朱肉は不要で、印鑑のみで押印ができることが、一番の利点です。用途としては、認印として利用ができます。
年末調整でシャチハタが認められるケース
シャチハタは、基本的には、年末調整の書類などの市町村へ提出する公式書類には、認められていません。なぜ、認められないでしょうか。
理由は、ゴム印であるからです。ゴム印は誰でも簡単に、入手できます。公式書類は誰でもいいという書類ではありません。本人が作成・提出したという責任が必要となります。
その為、年末調整などの重要な書類には、シャチハタは利用できません。また、シャチハタは朱肉ではなく、インクを使用してます。
インクでは紫外線により劣化する欠点があり、押印しても消えてしまうことがあります。この理由からもシャチハタは、公式書類以外の書類等にも利用できないことがあります。しかし、年末調整にてシャチハタ印が認められる場合があります。次項でご説明します。
会社がシャチハタでも良いと認める
結論から言えば、勤務している会社がOKであれば、年末調整の書類はシャチハタでも認められます。年末調整の書類は、前項目でも紹介した三つの書類があります。
この三つの書類は、勤務している会社で保管することになっています。税務署から申請がない限り、社外へ提出することはありません。
社内の担当部署が、シャチハタでOKと言えば、シャチハタで問題ありません。ただし、シャチハタでもよいであって、シャチハタがいいではありません。認印を使用することをおすすめします。
年末調整でシャチハタが認められないケース
朱肉が不要で、簡単に押印できるシャチハタですが、社会人としては朱肉を使う認印を使用することをおすすめします。
前項目にて、会社が認められれば良いとお伝えしましたが、年末調整でシャチハタが認められないケースがあります。次項より詳しくご説明します。
年末調整の書類を税務署に持っていく場合
会社に勤務していても、ローン控除の申請等で、個人にて年末調整を税務署へ提出する場合は、シャチハタは認められません。
正確にいうと、年末調整などの公的書類は、シャチハタやゴムで出来た印鑑(ゴム印)は、一切認められていません。税務署へ提出しても、絶対に受理されないため、注意してください。
認印にて押印した場合のみ、正式書類として認められます。個人が直接税務署に持っていく場合には、必ず朱肉を使用する印鑑にて、押印してください。
年末調整以外にも公的書類はNG
本記事にて何度も、お伝えていますが、年末調整以外にも公的書類でも、シャチハタは使用できません。主な理由として、シャチハタは大量生産された印鑑であるからです。
大量生産されているため、同じ苗字の場合、同じ印影になってしまいます。重要な書類の場合、安易に押してしまうと、悪用される場合もあります。
シャチハタはハンコ面が、ゴムで出来ているため、使用をかさねていくと劣化して、印影が崩れる場合があります。その様な理由からも、公的書類ではシャチハタは認められていません。
シャチハタで押印した時の訂正方法
年末調整や公的書類など、シャチハタを使用してはいけない重要な書類で、うっかりシャチハタを押印してしまった場合の対処方法をご説明します。
人間、誰でも失敗はあります。落ち着いて訂正すれば問題はありません。次項より詳しくお伝えします。重要なのでメモのご用意を。
手順①訂正箇所に二重線
訂正方法は簡単です。まずは訂正箇所に二重線を引きます。二重線を書く場所は、シャチハタの印影の箇所の上です。修正テープや修正液による訂正は、行わないでください。二重線はボールペンで引いてください。色は指定が無い限り、黒色のボールペンを使用してください。
手順②訂正印を押す
二重線を引いたら、正式な印鑑、公的書類であれば実印で、二重線の上から押印してください。年末調整であれば、認印を押印してください。押印したら、修正箇所の上部に正しい印鑑を押印してください。上部に空白箇所が無い場合は、下部でも構いません。
訂正印の注意点
年末調整にかぎらず、公的書類は実印を使用することが原則です。実印は悪用された場合、借金の連帯保証人やローン等を勝手に実施される場合があります。
車や不動産の購入や売却を行われてしまうこともあります。悪用されるリスクがある為、実印を訂正印として頻繁に使用することは避けましょう。
年末調整はシャチハタより通常の印鑑が良い!
まとめますと、会社がOKであれば、年末調整にシャチハタは使用可能です。ただし年末調整を税務署へ、直接持って行く場合は、シャチハタは認められません。
年末調整にてシャチハタは認められるか、ご説明しましたが、基本的には朱肉を使う印鑑を求められることが多いです。年末調整などの書類等は、認印を使用すことをおすすめします。