「心苦しい」の意味とは?
普段の会話のなかで、「心苦しい」という言葉を使ったことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、「心苦しい」を間違った使い方で使っていませんか。
「心苦しい」という言葉には、「申し訳ない気持ち」という意味があります。また、「心苦しい」には、「心が痛む様子」という意味も込められています。相手を思いやることで自分の心が痛むというときに使われます。
「心苦しい」という言葉は、古語では「心配」という意味があります。相手を気遣うときに使われていたことが多く、枕草子や竹取物語などの有名な書物でも、「心苦しい」という言葉はたびたび使われている言葉です。
「心苦しい」の類義語
「心苦しい」という言葉の意味がわかったところで、次に気になるのが「心苦しい」の類語です。「心苦しい」という言葉には、マイナスなイメージが多いです。
「心苦しい」の類語は、「心苦しい」と同じようにマイナスなイメージをもつ言葉が多いです。「心苦しい」の類語として、例えば「辛い、苦しい、悲壮感」といった言葉があり、不安や悩みを引き起こすという意味があります。
肉体的に痛みを伴う場合は、「有痛性 、甚い、悩ましげ」といった言葉が「心苦しい」の類語になります。では、日常的に使える「心苦しい」の類語について、例文と一緒に詳しくみていきましょう。
「申し訳ない」
「心苦しい」の類語には、「申し訳ない」があります。「申し訳ない」には、謝罪の意味もあり、自分がしたミスをお詫びする際に使われます。例文としては、「心苦しいのですが、今回の件はなかったことに」があります。
この「心苦しいのですが、今回の件はなかったことに」という例文を、「申し訳ない」に言い換えると、「申し訳ないのですが、今回の件はなかったことに」というようになります。「心苦しい」よりも堅苦しくなく使いやすくなります。
「恐縮至極」
「心苦しい限り」の類語には、「恐縮至極」という言葉があります。「この上なく恐れ入ること」という意味があり、お礼や謝罪で使われることが多いです。しかし、「恐縮至極」は堅苦しいイメージがあるので、使うシーンには注意が必要です。
「心苦しい」の使い方・例文
では、実際に「心苦しい」という言葉を使う場合、どのような使い方をすればいいのでしょうか。「心苦しい」の使い方と、「心苦しい」を取り入れた例文を紹介していきます。ビジネスシーンでも使える言葉なので、正しい使い方を知りましょう。
例文①
「心苦しい」という言葉の使い方の1つ目は、お詫びやお願いの気持ちを表すシーンです。特に、ビジネスシーンでのお詫びやお願いのシーンで使われます。
相手にお願いするときの例文として、「心苦しいのですが、よろしくお願いします」といった使い方ができ、相手を配慮する気持ちを表すことができます。お詫びのシーンで「心苦しい」を使う場合、どのような使い方ができるのでしょうか。
お詫びのシーンでの例文として、「○○様を裏切ることとなり、心苦しく感じております」といった使い方ができます。このような例文を使うことで、クレームや自分のミスをお詫びする気持ちを表すことができます。
例文②
「心苦しい」という言葉の使い方の2つ目は、お断りのシーンで使う使い方です。「心苦しい」は、「心苦しいのですが」といった使い方ができます。
「心苦しいのですが」という言葉には、相手の要望を断るシーンで使うことができます。「心苦しい」の例文として、「心苦しいのですが、ご要望にお応えすることはできません」という使い方があります。これだけで、断る気持ちが表せます。
相手の要望を断るだけであれば、「ご要望にお応えすることができません」といった伝え方もあります。しかし、手前に「心苦しいのですが」といった言葉を付け加えるだけで、より断ることで申し訳ない気持ちを表すことができます。
例文③
「心苦しい」という言葉の使い方の3つ目は、ビジネスメールなどのメールで使う使い方です。「心苦しい」は、ビジネスメールで使われることも多いです。
ビジネスメールなどのメールでは、相手の顔が見えない状態での会話のやりとりの為、より丁寧な言葉で相手に伝える必要があります。そこでおすすめなのが、「心苦しいところではありますが」といった「心苦しい」という使い方です。
ビジネスメールで「心苦しいところではありますが」と伝えることで、より丁寧にお詫びや依頼の気持ちを伝えることができます。「心苦しいところではありますが」のほかに、「大変心苦しいのですが」といった使い方もおすすめです。
例文④
「心苦しい」という言葉の使い方の4つ目は、「この上ない様子を表す」といった使い方です。「心苦しい」は、「心苦しい限りです」といった使い方ができます。この「○○限りです」という言葉には、「限度いっぱい」という意味があります。
ここでの「心苦しい限りです」という言葉には、「心苦しい気持ちでいっぱい」という意味があります。例文としては、「ご要望にお応えできず、こちらとしても心苦しい限りです」や「いただいた恩を返すことができず、心苦しい限りです」です。
「心苦しい」を使う際の注意点
「心苦しい」は、謝罪などで相手に申し訳ない気持ちを伝えるときに使われる言葉ですが、場合によっては「心苦しい」と使い方が違う場合があります。そこで、「心苦しい」の注意点や間違った使い方の例文を紹介します。
特に、文脈や話し方、話し方のトーンによっては、「心苦しい」という言葉を使ってしまうと、相手にとって白々しく聞こえてしまう場合があるので注意が必要です。では、どのような使い方をするとNGになってしまうのでしょうか。
ぶっきらぼうな言い方では使えない
「心苦しい」という言葉は、前置きとして使われることが多いです。しかし、例文として「心苦しいのですが、この書類は受理できません」といったような使い方の際に、ぶっきらぼうな言い方で伝えてしまうのはよくありません。
「心苦しい」は、相手に謝罪の意味を込めて使われるため、「心苦しい」という言葉の意味にあった態度と表情が必要になることがあります。そのため、「心苦しい」という言葉は、どんなときでも使えるというわけではないので注意が必要です。
「心苦しい」の由来・歴史
「心苦しい」には、申し訳ない気持ちを伝える謝罪の意味があることがわかりましたが、そもそも「心苦しい」の由来とはどのようなものなのでしょうか。「心苦しい」という言葉は、なんと平安時代から使われていた言葉なのです。
由来
「心苦しい」には、相手に対して気の毒である、いたわしいといった意味もあります。また、心に苦痛を感じる、心配といったような意味もあります。
「心苦しい」という言葉は、上記でも説明したように昔からある作品の源氏物語、竹取物語、宇津保物語といった作品にも使われています。そのため、「心苦しい」という言葉は、かなり昔からある言葉ということがわかります。
「心苦しい」という言葉は、今の時代では相手に自分の謝罪の気持ちなどを伝えるときによく使われています。しかし、源氏物語、竹取物語、宇津保物語などで有名な平安時代では、相手のことを思うことで心が痛む意味がありました。
「心苦しい」の英語表記
「心苦しい」という言葉を英語で伝えたい場合、どのように伝えればいいのでしょうか。「心苦しい」という言葉はビジネスメールで使うことも多い言葉の為、「心苦しい」の英語表現を知っておけば、ビジネスでのやりとりも広がります。
「心苦しい」の英語表記は「Feel sorry for」
「心苦しい」を英語で伝えたい場合は、「Feel sorry for」という英語で伝えることができます。「Feel sorry for」という英語には、「心苦しく思う」「申し訳なく思う」という意味があります。では、「Feel sorry for」の例文を紹介します。
「Feel sorry for」つまり「心苦しく思う」「申し訳なく思う」といった意味を取り入れた例文は、「I feel sorry for asking mother to do this kind of thing.」です。「このようなことを母親に言うなんて心苦しい」という意味があります。
「心苦しい」は「申し訳ない気持ち」という意味
ここまで、「心苦しい」の意味、類語、使い方などについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。「心苦しい」を使うことで相手に謝罪の気持ちを伝えることができます。また、場合によっては類語を使ってもいいでしょう。