ステビアの安全性や効果・栽培方法を紹介!
砂糖の300倍甘いと言われているステビアの安全性とハーブとしての効果を紹介します。ステビアの植物としての特徴やダイエットに嬉しい効果を紹介します。ステビアは危険な植物といわれることがあります。
日本での基準と海外でのステビアの取り扱いをそれぞれ解説し、ステビアを摂取するのに気をつけるべき注意点を紹介します。ダイエットや虫歯予防にステビアは効果・効能があるといわれていますのでそれぞれ解説します。
また、ステビアは自宅でハーブとして栽培することもできる植物となっていますのでステビアの栽培方法を注意点とともに紹介します。育てたステビアはもちろん自宅で甘味料として使う事ができます。栽培したステビアの使い方を紹介します。
ステビアとは
ここでは植物としてのステビアの特徴や利用方法を紹介します。ステビアはキク科のハーブとして育てられ、主に甘い葉を甘味料として使用されています。カロリーはほとんどありません。甘いステビアの特徴を品種・甘味料・カロリーに分けてそれぞれ解説します
キク科のハーブ
ステビアはキク科ステビア属の多年草となっています。原産地は南アメリカです。50cm~100cm位までの高さに生長し、夏~秋の季節、先端に小さくて白い花をたくさん咲かせます。
成長点を摘む事で横に大きく茂らせる事ができます。寒さに弱いので日本で栽培する時には冬の扱い方がポイントとなります。寒さ以外にはこれと言って弱点のない植物となっていますのでハーブを初めて育てる人にもおすすめの種類となっています。
主な利用としては砂糖の300倍の甘さがあるので甘味料として使われたり、食品の甘味として添加される場合が多くなっています。原産地である南米の原住民は古くから医療用としても使われ、神聖な植物として崇拝の対象としている原住民族もありました。
甘味料として使用されている
ステビアはステビオシドなどの甘み成分を含んでいますので、甘味料として使われます。ステビオシオは砂糖の300倍の甘さを持ち、南米ではマテ茶の甘みに使われたり、薬草として古くから使われてきました。
日本では1970年代に醤油の甘み成分として使われはじめ、以降は清涼飲料水やコーヒーの甘味料としてカロリーを控えながら甘い味の食品、飲み物を摂取できる為、糖尿病食や生活習慣病予防にも広く使われる様になりました。
カロリーはほとんどなし
ステビアは甘味料として砂糖の300倍の甘みがあると解説しました。カロリーは砂糖のおおよそ1/100となっており砂糖の代替品として様々なカロリーオフの清涼飲料水や食品に甘い味の成分に使われています。その為、ダイエットや糖尿病食などに効果があります。
ステビア以外の甘味植物は?
ステビア以外にも甘味植物として食品に使われている植物があります。それは甘草(かんぞう)です。甘草は地中海原産、マメ科の多年草で甘味料としても使われる以外に乾燥させて生薬としても使われます。
ステビアと同じく甘い味がしますが、ステビアと比べて癖のある香りがします。ルートビアの甘みにも使われています。甘みは砂糖の50倍と言われていますが、副作用の危険性も指摘されています。
一部日本でも水耕栽培が研究されています。生薬としては緩和作用があるとし、様々な漢方薬に配合されています。またがん予防にも効果があるとされています。
ステビアは危険な植物?
ステビアは1970年代に販売される様になってから砂糖の代替品として使われてきました。安全性については主張がたくさんあり、日本での取り扱いと海外では取り扱いが異なる場合があります。
日本での安全性の認識と海外での認可の状況、またステビアを含む食品を食べる時に注意すべき事を解説します。
日本では安全性が確立されている
ステビアは過去、発がん性を指摘されたり、妊娠を阻害すると言われていた事がありました。現在、日本ではたくさんの研究結果により、副作用は否定されています。
しかし、ステビアが甘味料としての歴史が短いこともあり、出産前後の女性や子供が摂取した時の安全性を示すデータはまだ十分ではないようですので、心配な方はステビアの摂取量を加減したほうが良いかもしれません。
海外ではステビアの添加を認めていない国も
ステビアは先にも説明した様に過去、発がん性や妊娠の阻害の可能性を指摘され、ステビアを甘味料として危険である可能性を否定できない為、使用を認めていない国がありました。
現在ではインドネシアやEUでもステビアの利用を認めている国が増えてきています。未だ利用が認められていない国もあるかもしれませんので海外旅行でステビアのスティックシュガーを携帯する場合などは現地の法律を確認しておくと安心です。
キク科植物にアレルギーを持つ人は注意
ステビアは現在では研究の結果、危険性を否定し、安全な甘味料として日本をはじめ、多くの国で認可されてきています。
しかし、ステビアはキク科の植物となっており、過去にはキク科植物にアレルギーを持っている人がステビアが原因でアナフィラキシーショックを起こした事例もあります。
キク科植物にアレルギーを持つ人は注意しましょう。スギやヒノキのアレルギーといえば花粉症でピンとくるかもしれません。
他にもイカや小麦などは食品のアレルギーとして摂取が制限されたりと想像が付きやすいかもしれませんが、キク科植物のアレルギーと言われてもあまり想像がつきにくくなっています。
実はブタクサやヨモギなど普段は雑草としてしか認識していないような野草も花粉症の原因となっており、どちらもキク科の植物となっています。
キク科植物のアレルギーの人ということはブタクサやヨモギなどの花粉症にお悩みに人はステビアをたくさん摂るとアレルギー反応が出てしまう危険性がありますので不安な人は事前に専門医の受診を受けた上で適量のステビアを食に取り入れる様にしましょう。
ステビアの効果・効能
ステビアには健康に有効な効果・効能が多数認められています。過去には危険性を指摘されていたと先にも紹介しました。
しかし、現在では危険性は否定され、健康に有効だとの認識が多数を占めています。ここではダイエット効果、虫歯予防、血糖値、抗酸化活性作用にわけてそれぞれ解説します。
ダイエットや生活習慣病予防に効果
ステビアの効果・効能①は「ダイエットや生活習慣病予防に効果があるです」ステビアは砂糖と比較してカロリーがとても低いと紹介しました。
カロリーは低いのに甘みが300倍ある為、通常量を甘味料や甘い味として摂取する分にはほぼカロリーがありませんので、砂糖の代替品として置き換えることでダイエットや生活習慣病の予防に効果があります。
他にも糖分の制限を受ける糖尿病患者の食事に砂糖の代わりにステビアを甘味料として使い、糖分制限の必要のある糖尿病食の味の向上に貢献しています。
注意してもらいたいのは「ダイエット効果があるのはあくまでもカロリーを抑えて甘みを摂れるから」という事がダイエットの助けとなるだけです。ダイエットは適度な食事と運動、生活習慣からとなっています。
生活習慣の変え方
生活習慣病はその名の通り生活習慣に起因した病気となっています。運動不足や食生活、タバコやお酒の飲み過ぎが思い浮かびます。大切なのは悪習慣を少しずつ減らして、改善していくことが生活習慣病を予防する唯一の手立てとなっています。
ステビアを生活に取り入れただけでは完全な予防とはなりませんのでご留意ください。一気に体に悪い習慣を見直そうとしてもストレスが溜まるばかりで悪い習慣をまた繰り返してしまいます。大切なのは少しずつ改善して長く続けることが重要です。
例えば運動であれば「いきなりジョギングを始めるよりも生活の中で意識的に階段を使う様にする」タバコであれば「紙巻きタバコから加熱式タバコに変える」などです。
出来なさそうな目標を設定すると失敗した時にショックが大きく、悪い習慣から抜け出しずらくなります。ポイントは「少しずつ、無理のないように変えて行く」ことが重要です。
虫歯予防に効果
ステビアの効果・効能②は「虫歯予防に効果がある」です。ステビアは甘い味で甘味料としてたくさんの食品や飲料水につかわれていますが、砂糖と異なり、虫歯菌の栄養となる糖分が入っていませんので虫歯予防に効果的だといわれています。
ダイエットと同じ注意点となりますが、ステビアに糖分が入っていない為、虫歯の原因予防に有効となっていますが、ステビアと一緒に糖分のあるものを食べて、歯磨きをしなければもちろん虫歯の原因となってしまいますので気をつけてください。
血糖値を下げる作用
ステビアの効果・効能③は「血糖値を下げる作用がある」です。ステビアの甘い味の成分であるステビオシドには血糖値を下げる作用があると動物実験で結果が出ています。またインスリンの分泌にも一役買っている可能性を指摘されています。
抗酸化活性作用
ステビアの効果・効能④は「抗酸化活性作用」です。ステビアは甘い葉を甘味料として使われる事が多くなっていますが、茎に抗酸活性作用の効果があると言われており、葉と茎からの抽出液の中にカリウムなどを含む、抗酸化作用の効果が認められています。
抗酸化活性作用は人が生きていると避けられない老化を防ぐことに効果があります。酸化と言うのは人が生きていく上で必ず必要な酸素を使うと同時に活性酸素が体の中で発生します。
活性酸素は細胞を傷つけてしまい、がんやしわ、動脈硬化などの原因となってしまいます。活性酸素は年齢とともに増加する傾向にありますので抗酸化活性作用のある食品を積極的に採る様にすると老化防止に効果があるといわれています。
抗酸化活性作用のある野菜
ステビア以外にも抗酸化活性作用がある野菜はたくさんあります。緑黄色野菜が抗酸化活性作用の効果があるといわれており、トマトやほうれん草、ニンジン・ナス・ブドウが特に抗酸化活性作用が高いと言われています。
ステビアと同じハーブであればローズマリー、セージ、オレガノがおすすめです。ステビアと合わせて栽培してもいいですし、「野菜を育てるのはちょっと…」という人は食生活に意識して、積極的に摂るようにするとアンチエイジングに効果的です。
ステビアの栽培方法
ここまでステビアの植物としての特徴や安全性と危険と言われていた過去、ステビアの効果・効能を紹介してきました。ステビアはハーブとして植物を販売しているお店で苗を買う事ができます。
ここではハーブとしてのステビアの栽培方法を苗の購入からステビアを収穫する時期、夏・冬に注意すべきポイントとステビアの増やし方を解説します。
苗を購入
ハーブとしてのステビアの栽培方法①は「ステビアの苗を購入する事」です。ステビアの苗は園芸店や植物の苗を取り扱っているお店のハーブコーナーで販売されています。
近くのお店でステビアの苗が見つからない場合はネットで検索すると意外と多くのお店が取り扱っていますので利用してみてください。
植え方
ハーブとしてのステビアの栽培方法②は「ステビアの植え方」です。ステビアは鉢植えにも露地栽培にも適しています。ハーブとして一般的に売られている培養土を使うと良いでしょう。
原産地が南米なだけあって暑さや湿気にはつよいのですが、湿気がこもるとステビアが弱ってしまいますので気を付けましょう。植え付け前には元肥をしっかりと施し、追肥として定期的に液体肥料を与えると良く育ちます。
水やり
ハーブとしてのステビアの栽培方法③は「水やりの注意点」です。ステビアは極端な乾燥はあまり得意ではありません。土の表面がすこし乾いてきたくらいの頻度で水やりをするようにして下さい。季節によって水やりの頻度を変える様にしましょう。
収穫時期
ハーブとしてのステビアの栽培方法④は「収穫時期」です。ステビアを一気にまとめて収穫するのに一番適した時期は10月~11月の間に収穫する事をおすすめします。理由は甘みが一番増してくる時期にあたるからです。
それ以外にもステビアがある程度の大きさになれば随時、ハーブティーに入れたり、自家製の甘味料としてステビアを少しづつ摘み取って使えることも自家栽培のいいところとなっています。
夏の注意ポイント
ハーブとしてのステビアの栽培方法⑤は夏の注意ポイント「乾燥に気をつけること」です。ステビアの原産地は暖かい南アメリカとなっているので暑さには強くなっていますが、乾燥には弱い為、普段より水やりの頻度を増やすなど乾燥状態にならないように気をつけましょう。
冬の注意ポイント
ハーブとしてのステビアの栽培方法⑥は冬の注意ポイント「寒さ対策」です。冒頭でも紹介した様にステビアは多年草となっていますが、寒さには弱く、霜にまともにあたると越冬するのは難しくなります。
雪が降り積もるような地域では室内に入れるか、最低でも軒下に置いて風が当たらない様にしましょう。冬でも暖かい地域であれば株元にマルチするだけでも越冬する事が可能となります。
ステビアを増やすには?
ハーブとしてのステビアの栽培方法⑦は「ステビアの増やし方」です。ステビアは挿し芽で株を増やす事ができます。挿し芽用の土とポットを用意します。土は挿し芽に適した土を用意します。挿し芽はステビアの脇芽を切り、一番下の節にある葉を取り除き、葉を4~5枚残します。
茎を斜めに切り取り、1時間ほど水に浸けて事前に準備したポットに挿し芽を植え付け、3日程は直射日光を避けて管理しましょう。また成長点を摘芯した上で、脇芽をとることで親株のステビアは横に茂りますのでたくさんの葉を採ることができるようになります。
ステビアとコンパニオンプランツを混植しよう
ステビアのコンパニオンプランツはマリーゴールドとなっています。マリーゴールドの独特の匂いには虫を忌避する効果がありますので、ステビアに付きやすいハダニなどの虫がつく事を防いでくれるとともにマリーゴールドの可愛らしい見た目でガーデニングが華やかになります。
コンパニオンプランツとは?
コンパニオンプランツとは一緒に植えると互いに虫を避けたり、成長に良い影響を与え合う植物の事をいいます。コンパニオンプランツを近くに植える事を混植といいます。
例えばトマトとバジルなどの混植ではバジルの虫除け効果がトマトへの虫害を防いでくれるとともに、料理でも味の相性が良い為、一石二鳥のコンパニオンプランツとなっています。
基本的にはメインとなる植物を虫から避ける為に混植します。コンパニオンプランツを植えることで自家栽培の植物に農薬を使う量と頻度を下げることができますので、農薬の危険性を下げながら植物を栽培する事ができます。
ステビアとハーブの混植もおすすめ!
コンパニオンプランツとして以外にもハーブをたくさん寄せ植えしたり、ポットに種類ごとに植えるとハーブティーや料理の風味づけに便利です。
ステビアの他には先ほど紹介したバジル以外にもミント・イタリアンパセリなどの葉物のハーブからカモミール・チャイブなどの花をつけるものまでたくさんの種類のハーブがあります。
種から育てると大量の株を取ることができますが、品質のばらつきがあったりしますので、初めての人は苗から育てると手を掛けなくても驚くほど元気になハーブが育ってくれます。
ステビア以外にもハーブの栽培をしてみてはいかがでしょうか?毎日の食卓が潤ったり、お手製のアロマを作ったりと生活が華やぐこと間違いありません。
ステビア農法
ステビアが肥料としての働きをする農法があります。その名も「ステビア農法」です。ステビア農法はその名の通りステビアの葉を出荷した後に残る茎を堆肥の元に使い、肥料とする事でブドウやみかんが甘くできることから発見された農法となっています。
ステビア農法で育てられたブドウは甘みが増してブドウの1玉の大きさも通常の育て方よりも大きくなるといわれています。また日持ちも良くなるといいことづくめの農法となっています。
ステビアの使い方
ステビアの栽培方法を解説しましたが、ここでは自分で育てたステビアの使い方を紹介します。甘いステビアは自家製の甘味料としてたくさんの使い方をすることができます。
砂糖の代わりに使うとカロリーを控え、ダイエットにも効果がありますので積極的に自家製ステビアを使ってみましょう。
お菓子のシロップに活用
ステビアを刈り取って自家製シロップを作り、お菓子作りに活用すると甘いのにカロリーオフのお菓子を手作りすることができます。ステビアのシロップの作り方は意外と簡単です。
水500mlに対してステビアの葉を30枚程度入れて、量が減るまで煮詰めましょう。煮詰めた液をさらしなどで濾して、消毒したビンなどに詰めて冷蔵保存しましょう。
砂糖の変わりに甘味料として使うと効果的にカロリーコントロールでき、ダイエットや生活習慣病、虫歯予防に効果のあるステビアを食卓に取り入れることができますのでおすすめです。
お茶に葉を入れて甘い味を堪能
ステビアは原産地ではマテ茶の甘みを足すために使われていました。コーヒー、紅茶をはじめアルコールにも溶けるのでカクテルにもおすすめとなっています。ステビアの自然な甘みを堪能する使い方となっています。
ステビアを栽培して楽しんでみよう!
ステビアは甘味料として過去は発がん性の危険性や妊婦さんへの危険性が言われていましたが、近年の研究でステビアの危険性は否定され、多くの国で使われる様になってきました。しかし、ブタクサ花粉にお悩みの人は同じキク科植物のステビアの摂取量には注意しましょう。
ステビアにはダイエットや生活習慣病に効果があるといわれていますので砂糖の変わりに使うと健康効果を見込むことができます。ステビアは植物を取り扱っているお店であれば苗コーナーで販売されていることが多くなっていますので気になる人は覗いてみましょう。
夏に強く、冬に弱いので季節によって注意ポイントを気にしながら育ててみてはいかがでしょうか?自家製の甘いステビアは自家製の甘味料におすすめです。シロップを作ってみたり、コーヒー・紅茶に甘い味をプラスするのに使ってみましょう。