「時節柄」の意味と使い方を解説!ビジネスシーンで使える例文もチェック!

「時節柄」の意味と使い方を解説!ビジネスシーンで使える例文もチェック!

手紙などの文末で「時節柄」という結びの挨拶を目にします。かしこまった手紙の定型文として「時節柄」が使われますが、いざ自分が使う際、使い方がわからないという人も多いでしょう。特にビジネス文では使い方を誤ると、失礼にも当たるので、使い方など例文を挙げて紹介します。

記事の目次

  1. 1.「時節柄」の意味とは?
  2. 2.「時節柄」の類語
  3. 3.「時節柄」の使い方・例文
  4. 4.「時節柄」と「季節柄」の違い
  5. 5.「時節柄」を使う際の注意点
  6. 6.「時節柄」の由来・歴史
  7. 7.「時節柄」の英語表記
  8. 8.「時節柄」は「今の時期は」という意味

「時節柄」の意味とは?

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「時節柄」の意味は「今の季節」や「今のご時世」です。「今の季節」という意味では日本には春夏秋冬の四季があり、それぞれの季節に沿った挨拶となります。

季節の挨拶としてではなく、「今のご時世」の意味で使う場合は、そのときの社会情勢などに関連した心づかいの挨拶となります。この時の情勢というのは誰もが知っているような事象であることが前提です。

年賀状や暑中お見舞い、今ではメールが主流にはなりましたがビジネスシーンにおいてよく使われる結びの挨拶文なので、基礎知識として身につけておくことが必要です。

「時節柄」の類語

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「時節柄」の類語としていくつかの言葉が挙がってきます。最も意味の近い言葉は「折柄(おりから)」です。「折柄」は「時節柄」と同様に季節だけでなく情勢も含んで使われる言葉のため、類語として挙げられますが、一般的には季節を指して使われることが多い言葉です。

その他の類語に「時候」があります。「時候の挨拶」は聞いた人も多いでしょう。「時候」の意味は「春夏秋冬それぞれの季節、或いは気候」で、「時節柄」のように情勢などには使われません。

「時節柄」を別の言い方に置き換えた類語についてもいくつか紹介しますので、こちらも知識として持っておくと、違った表現ができて一本調子にならず、レベルが上がります。

季節に関しては「祭りの季節なので、町が活気づいています」、世の中の動き、情勢については「最近は物騒なので」、手紙文などでよく使われるのが、「寒さ厳しい折、風邪など召されませんように」とそれぞれ置き換えられる表現です。

「時節柄」の使い方・例文

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「時節柄」の使い方のパターンはそれほど多くありません。なので以下に挙げる例文を参考にしながら「時節柄」を使った挨拶文を作成すれば、大抵の場合は問題ないと言えます。

初めに紹介したように、「時節柄」の使い方がよくわからないという人は以下の例文を見て、知識として持っておけばビジネスにおいても「時節柄」の使い方を誤って恥をかくこともないでしょう。

例文①

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「時節柄、お風邪など召されませんようご自愛ください」は冬の寒い時期で、風邪などが流行っているのでご注意くださいのように使われます。

逆に暑い夏場の挨拶では、「時節柄、熱中症など十分にお気をつけてください」などと、その季節に関係のある病気などを挙げることが一般的な使い方です。

例文②

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前の例文、「時節柄、お風邪など召されませんようにご自愛ください」の「ご自愛ください」の前に「くれぐれも」をつけると、自分の思いがより強いことを伝える意味になります。「くれぐれも」をつけるかどうかは次のように考えると良いでしょう。

冬の時期、一般的に風邪が流行りやすいというだけであれば、上の例文の通りで良いでしょう。しかし、全国的に風邪が流行しているのが連日ニュースなどで耳にするような状況の場合には、「くれぐれも」をつける方がより相手に対して思いが伝わります。

例文③

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ビジネスにおいて、年度末や年度初めのいろいろと忙しくなる時期によく使われる表現です。「時節柄、ご多用のことと存じますが、数日中にお返事をいただけると助かります。」

この場合の「時節柄」は年度の変わり目はどこもいろいろと忙しいであろうことを前提にした使い方です。もう少し具体的に言い換えれば「年度の変わり目なのでいろいろな実務などがあるこの時期なので」といった言い回しになります。

例文④

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「時節柄」の意味のところでも紹介した、季節ではなく「情勢」に触れた挨拶の文例です。「時節柄、韓国への入国手続きが厳しくなっているようです。」

この例文は韓国との国際関係が悪化しているのは周知の上で、その影響として韓国への入国手続きが今まで以上に厳しくなっていることを「時節柄」で伝える使い方です。

「時節柄」と「季節柄」の違い

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「時節柄」に似た言葉として「季節柄」が挙げられます。類語として紹介しているものもあります。「時節柄」と「季節柄」の大きな違いは「時節柄」が季節だけに限定されず、社会情勢などについても使われるのに対し、「季節柄」は季節のみに用いられて情勢は含まれていません。

もうひとつ、使い方の違いがあります。それは2つの言葉の深さです。これは前に説明した「くれぐれも」を使うか使わないかの違いと似ています。

「季節柄」とすると、例えば冬であれば一般的に風邪が流行るため、「季節柄、風邪などに留意してください」と「季節柄」を使えます。

しかし、インフルエンザが流行しているなどの事実がある場合には、単に冬という季節だからではなく、「この冬はインフルエンザが全国的に流行っているので、特にご留意ください」という意味を込めて「時節柄」を使います。

「季節柄」は「この季節は」という意味

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「季節柄」は季節についてのみと説明しましたが、もうひとつ、「時節柄」とは使い方に違いがあります。それは使う時期の違いです。

例を挙げて説明すると、「夏は季節柄、食べ物が傷みやすいのでご注意ください」はたとえ今が夏ではなくても使えます。つまり、夏以外の季節に使っても「夏は」と限定することで意味として問題ありません。

しかし、「時節柄」は「今」の時期を指す意味なので、上の例文の「季節柄」をそのまま置き換えることはできません。「季節柄」は「この時期は」という意味で使うことができるのです。

「時節柄」を使う際の注意点

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言葉に関する知識を持っていないと葉に関する知識を持っていないと使い方を失敗してしまいます。前にも少し触れましたが、「時節柄」を「時代・時期・ご時世」などの意味で使う場合、その内容は相手も知っていることが前提になります。

そのため、ローカルな情報や個人的な事柄について「時節柄」を使うと、相手は「なぜそんなことを言っているのだろうか」と不思議に思うばかりです。

その他はこれまでの内容に含まれている、「季節だけではない範囲の広さ」や「使うタイミングが今に限定」についても理解しておけば、誤った使い方をすることは無いでしょう。

「お体にご自愛ください」では使えない

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「時節柄」のあとに続くよく使われる言葉は「ご自愛ください」ですが、たまに間違った使い方をしているのを見かけるため、ここで紹介しておきます。

間違った使い方は、「お体をご自愛ください」です。どこが間違っているのでしょうか。それはお分かりかもしれませんが、「お体を」を「ご自愛」の前につけていることです。

「ご自愛」はそれ自体、「自分をいたわる」、「自分の体を大切にする」とすでに「からだ」のことを指しているため、この前にさらに「お体を」とするのは「お体を、お体を大切にしてください」という言い方になってしまいます。

特にビジネスメールなどでこの使い方をしていると、お客様に対して恥をかくことにもなるため、きちんと理解しておいてください。

「時節柄」の由来・歴史

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「時節柄」についての由来や歴史をさかのぼって調べてみましたが、明確なものはなく、どのようにして生まれたのか、また、現在までにどのように使い方が変化していったのかは分かっていません。

ただ、「時節柄」を使った挨拶文はアメリカなどの手紙には見られない独特の表現なので、分かっている範囲で紹介します。

由来や歴史についての知識としてよりも、「時節柄」を正しく使えるようになるためのものとして読み進めていただければ幸いです。

由来

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日本では昔から手紙文を書く際、一通り要件を伝えたあと、文末に相手やその周辺の人たちのからだのことを気遣ったりする文面を付け加えるという文化がありました。

そのひとつの定型文が「時節柄、ご自愛ください」のような文面です。「時節柄」の他にも「末筆ながら」で始まり、同様に相手の健康などを気遣う言葉を添える定型文があります。

これは味気ない要件を伝えるだけの手紙では物足らない人が、要件を書き記した後に相手との距離を縮めるために「時節柄」を書き足したのではないでしょうか。

幸い日本では春夏秋冬の四季折々の風情があるため、これを書き加え、それに相手を気遣う一言を付け加えるようになったのでしょう。

歴史

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初めは「時節柄」は季節に関する内容だけであったのが、世の中が複雑化していくと、時世や情勢などについても触れられるように変化していきました。

つまり、世間で話題になっていることに対して、あなたはどうされていますか?などという問いかけや、どのような状況でしょうか?などと季節以外の事柄についての挨拶もするようになりました。こうした変化を経た結果、現在のような形式になったものと考えられます。

「時節柄」の英語表記

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「時節柄」という言葉は季節の挨拶として使われる際には、四季がはっきりしている日本ならではの言葉なので、類語的なものはあっても、ピッタリしたものはありません。

一番近い英語は"seasonable"(季節の、季節にふさわしい)です。季節の意味で使われる時の例文は"seasonable weather"(時節柄の・季節にふさわしい天気)となります。

「時節柄」のもうひとつの意味である「情勢」に当てはまる英語表記は"in these times"です。例文は"Let be careful of cold in these times."(時節柄、風邪に気をつけましょう)です。

「時節柄」は「今の時期は」という意味

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以上、「時節柄」について意味から使い方、類語や由来・歴史といろいろ紹介してきました。ビジネスにおいても正しい使い方を知識として身につけていただけたことでしょう。

「時節柄」という言葉自体は古びた言葉という印象がありますが、手紙やメールでは個人同士だけでなく、ビジネスにおいてもお客様相手に使われる、今も現役の活きた言葉です。

ただ単に要件を伝えるのではなく、そのときの季節や情勢に沿った、「今の時期は」に続く思いやりの言葉で相手に対する心づかいを示すのに、「時節柄」の挨拶は大きな意義があります。

それだけにあやふやな理解ではなく、きちんと理解した上で、正しい知識と使い方を身につけておくことが大切です。

jack.masami
ライター

jack.masami

在宅で記事作成のお仕事を中心にしています。記事作成においてはいろいろなジャンルにチャレンジし、その都度詳しく調べながら完成させて行っています。また、調べた内容を記事にするのは、お仕事ということ以上に楽しい作業で、さらにその結果が自分の知識となっていくのは自分の知識の幅を広げるのに役に立っています。

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