「掲題」の意味とは?
今回は、「掲題」という言葉について解説します。「掲題」という言葉は、主にビジネスシーンでのメール文章送付時に使用されることが多いです。メール文章のタイトルを指す意味で使用されることが多いです。
「掲題」には、意味の似ている言葉や類語がたくさんあります。それぞれの意味と違い、使い方における注意点を例文を紹介しながら解説していきます。また、「掲題」を英語で表現したときのフレーズについても併せて紹介していきます。
「掲題」の対義語・類義語
まず、「掲題」という言葉の対義語、類語について紹介します。「掲題」の対義語としてしっくりとくる言葉はあまり一般的には存在しません。あえて挙げるなら、「掲題」がタイトルや件名という意味を表すので、「内容」あるいは「本文」という言葉が近いと言えます。
「掲題」の類語は、いくつか挙げられます。「標題」や「首記」、「首題」などがその代表例です。いずれも意味はほとんど「掲題」と同じで、メール文章の最初に使用されれば、メール文のタイトルや件名を表す言葉になります。
「掲題」の使い方・例文
続いて、「掲題」という言葉の使い方をいくつかの例文を通して解説していきます。「掲題」という言葉は主にビジネスシーンの電子メール送付時に頻繁に使用されています。目上、目下関係なく広く利用できる便利な冒頭のフレーズとして多用されています。
使い方の例文では、主にビジネスシーンのメール文における例文を紹介します。ビジネスメールの送付時、最初の定型文として、毎回使用するパターンとして決めておくなどすると、迷うことなく文章を作成することができるので便利です。
例文①
「掲題」という言葉の使い方の例文の一つ目は、社内の連絡用に電子メールを送信する場面を想定しています。「掲題」という言葉は、比較的様々な場面で使い分けることなく使用することができるフレーズです。
「件名:本日のプレゼンテーションの資料送付の件 掲題に関しまして、本日開催予定のプレゼンテーションの際に使用する資料を添付にて送付いたしました。各自プリントアウトして持参していただきますようよろしくお願いします。」
例文②
「掲題」という言葉の使い方の例文の二つ目は、企業内の複数の事業部合同の会議を行なう際の事前連絡をメールで送付する場面を想定しています。「掲題」は、上下関係を気にすることなく送信することができるので、このような場面でも非常に役立ちます。
「件名:3/21 社内合同会議のご案内 掲題に関し、社内合同会議の連絡をいたします。関係各所及び参加予定者への周知徹底をよろしくお願いします。」メールの添付として関係資料を送付するのもよくある手段で用いられます。
例文③
「掲題」という言葉の使い方の例文の三つ目は、お得意先との打ち合わせに関する連絡を行なう場面を想定しています。こちらも電子メールで連絡する形式になります。「掲題」は、電子メール送信の際に非常に幅広く役立ちます。
「件名:新規案件に関する打合せの件 いつも大変お世話になっております。掲題に関しまして、予定しております新規案件に関する打合せに関してご案内いたします。下記日程にて実施させていただく予定になっております。」
例文④
「掲題」という言葉の使い方の例文の四つ目は、大事な得意先との飲食接待に関する案内をメールで送信する場面を想定しています。得意先や社内の同僚などを気にせずだれにでも使える点で「掲題」は使いやすい万能な言葉です。
「件名:3/21 会食に関するご連絡 毎度格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。掲題に関しまして、先日口頭で予定を取り決めました3月21日の御会食に関しまして、時間帯と場所など詳細をご連絡いたします。」
「掲題」と「表題」の違い
「掲題」を使用した例文を紹介してきました。続いては、「掲題」と「表題」との違いについて説明をします。「掲題」と「表題」とは類語として分類され、似たような意味を持っていますが、使える場面などにおいて差があります。
場合によっては、「掲題」を使用すると先方に対して失礼にあたるケースも考えられます。使用する場面を良く考えて、「表題」など他の類語と区別して使い分けられるようになりましょう。
「表題」はメールなどのタイトルという意味
「表題」の意味とは、メールなどで記載されるタイトル・件名のことです。「掲題」も全く似た意味を持っていますが、使用できる場面がお互い違う点に特徴があります。「掲題」は、どちらかといえば造語に近く、実は正式な言い方ではありません。
一般的に広く利用されているので違和感はありませんが、正式な言い回しではありません。公式文書などで「掲題」を使うのは避けておいた方が無難です。公式文書を作成する場合は、「表題」などと表現することをおすすめします。
「掲題」を使う際の注意点
続いて、「掲題」を使用する際の注意点について紹介をします。「表題」との違いを説明した前述の部分でも説明した通り、「掲題」は正式な言い方ではないというのが正しい認識の仕方となります。
どんな場面でも「掲題」を使用していると、先方に対して失礼にあたってしまうこともあり得ますし、正式で公的文書に使うことは避けるべきです。
公式なビジネス文書では使えない
「掲題」を辞書で調べると、記載されていないことも多いです。「掲題」自体はどちらかといえば日常的な運用の中で生まれた造語であるとされています。そのため、公式文書や正式な契約書などビジネス文書では使用しない方が無難です。
メール文を送付する際などは問題なく使ってもかまいませんので、使用する場面を考えて失礼にならないように気をつけましょう。違いをよく理解していない方も多いですが、細かく理解している方にとっては、間違った使い方をされると失礼に感じるケースも考えられます。
「掲題」の由来・歴史
続いて、「掲題」という言葉の由来や歴史についての紹介をします。「掲題」とは、「題として掲げる」と分解することができます。このままの意味では、件名やタイトルを掲げることになり、「掲題の件」とつなげると、題名・タイトル・件名の件ですが、とつなげやすくなります。
「掲題」という言葉を掲載していない辞書もあることから、「掲題」という言葉自体が正しくないと判断している方もいるといわれていますが、それは間違いです。辞書に載ってないからと言って必ずしも正しくないという結論に至ることはできません。
由来
「掲題」という言葉の由来について紹介します。「掲題」という言葉は、ほかの類語と比較すると正式な言い方ではありません。辞書に載っていないケースも少なくなく、公的な文書においては使用を控えたほうが無難です。
ただ、現在のビジネスシーンでは広く使用されていて、普及しているので誤りということはできません。辞書に載っていないから間違いということは難しく、「掲題」のように常用言葉としてこれほど普及しているフレーズを誤りとすることは現実的ではありません。
歴史
続いて、「掲題」という言葉の歴史について紹介します。「掲題」という言葉が使われ始めたのは比較的最近のことです。「掲題」という言葉自体が確立していなかったということもできます。「掲題」という言葉が日常のビジネスシーンで使用されるようになったのは、ほんの数十年前のことだとされています。
今では、特にビジネスシーンにおいて電子メールの送信時に広く利用されています。文章の最初に冒頭の言い方として広く普及していて、違和感なく利用されています。
「掲題」の英語表記
最後に、「掲題」という言葉の英語表現について紹介します。「掲題」に代わる英語の表現はいくつかありますが、最も一般的な表現としては「掲題」を「title」に置き換える方法です。「掲題」という言葉が件名やタイトルという意味を表す点から、適切な訳語といえます。
「掲題の件」は、英語で「Title of the matter」となります。ただ、英語のメールを送信する際に、あまり「Title of the matter」という表現は用いません。「As for~」として、「~に関しては」と書き出したほうが分かりやすく一般的な表現になっています。
「掲題」はタイトルという意味
以上、「掲題」という言葉について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。類語の紹介と例文を用いた使い方の解説、英語表現や似た言葉との使い方の違いについて紹介しました。
「掲題」と「表題」との違いをよく理解し、それぞれ適切な場面で使用できるよう、十分に理解しておき、区別できるようになっておくと安心です。