「あくまでも」の意味とは
「あくまでも」という言葉を聞いたことがあるという人は多いですが、日常生活の中で「あくまでも」という言葉を良く使うという人は少ないです。また「あくまでも」という言葉の意味を良く知らないため使わないという人も多く、「意味を知っている」という人も実はちゃんと意味が分かっていないという場合もあります。
良く使われるようであまり頻繁に使われることがない「あくまでも」という言葉の意味からご紹介していきます。
①限定的という事を強調
「あくまでも」という言葉の意味は主に三つあります。まず一つ目は「限定的ということを強調する」という意味です。「あくまでも」という言葉は「あくまでも私的見解ですが」などという使い方をすることがあります。これは「自分の見解だ」と、限定的だということを強調する意味を持った使い方です。
「あくまでも」という言葉を前につけることによって「自分の考え方はこうだということであって、他の人の考え方を否定するわけではない」という意味も持たせた使い方になります。
②徹底的な決意表明
「あくまでも」の意味はまだ他にもあります。二つ目は「徹底的な決意表明」です。「我々はあくまでも闘い続ける」といった使い方をする場合「徹底的な決意表明」の意味になります。「我々はあくまでも闘い続ける」は「我々は断固として闘い続ける」と言い換えることもできます。「あくまでも」はとても堅い決意を意味する使い方もできるということです。
「あくまでもこの仕事を頑張り続ける」といった使い方をすると「この仕事に対する真摯さ」や「本当にやる気に満ちている」という意味を含めることもできますので、自分のやる気を伝えたい時などにも使えます。
③とどまることなく続く
「あくまでも」の意味の三つ目は「とどまることなく続く」という意味です。「あくまでも深く青い海」といった使い方をする場合「とどまることなく続く」という意味での「あくまでも」の使い方になります。空や海といった、どこまでも続くものを表現する時に「あくまでも」を「どこまでも続く」といった意味で使うことができます。
「どこまでも続く」と表現できるものは空や海の他、宇宙など「無限」と言えるものですので、そういったものを表現する時に「どこまでも続く」の代わりに「あくまでも」が使えます。
「あくまでも」の類語の言い換え
「あくまでも」という言葉には、「あくまでも」を言い換えることができる類語がいくつかあります。先に「断固として」という言葉を挙げましたが、他にも「あくまでも」を言い換えることができる言葉があります。「あくまでも」の類語は「あくまでも」と似た意味を持っていて、言い換えができる言葉です。
「あくまでも」と意味が似ていて「あくまでも」を言い換えることができる類語をいくつかご紹介しましょう。
①頑として
「あくまでも」を言い換えることができる類語の一つ目は「頑として」です。「頑として」は「人の意見を頑として聞き入れない」といった使い方をする言葉です。これを「人の意見をあくまでも聞き入れない」と言い換えても全く違和感はありません。なので「頑として」は「あくまでも」の類語と言うことができます。
「あくまでも」には「徹底的な決意表明」の意味もありますので、頑固さを表す「頑として」の類語と言え、「頑として」と同じように使うことができます。
②どこまでも
「あくまでも」を言い換えることができる類語の二つ目は「どこまでも」です。これは先に「あくまでも」の意味の所でご紹介した「とどまることなく続く」と同じ意味です。「あくまでも広い空」を「どこまでも広い空」と言い換えることができますので、「どこまでも」は「あくまでも」の類語と言えます。
空や海など果てがないと言えるものを「どこまでも広い空」などと言いますが、こういった「どこまでも」が使える文章には「あくまでも」を代わりに使うことができます。
③徹底的に
「あくまでも」を言い換えることができる類語の三つ目は「徹底的に」です。「徹底的に戦う」は「あくまでも戦う」と言い換えることができますので、「徹底的に」は「あくまでも」の類語だと言うことができます。「あくまでも」の意味には「徹底的な決意表明」もありますので「徹底的に」は「あくまでも」の類語になります。
「徹底的に抗戦する」を「あくまでも抗戦する」と言ったり「我々は徹底的に抗い続ける」を「我々はあくまでも抗い続ける」と言ったりすることができますので、「徹底的に」は「あくまでも」の類語と言うことができます。
「あくまでも」の使い方
それでは次に「あくまでも」の使い方をご紹介します。「あくまでも」の意味や類語がわかれば使い方も自然に理解できますが、それでも使い方を間違ってしまう場合もあります。「あくまでも」は「徹底的な決意表明」や「とどまることなく続く」といったかなり強い意味もありますので、使い方を間違えると失礼になることもあるので注意が必要です。
「あくまでも」という言葉を目上の人に対して使っても良いのか、どういった場面で使えば良いのかをご紹介します。
①目上の人に使う場合
「あくまでも」の使い方の一つ目は「目上の人に使う場合」です。目上の人に「あくまでも」という言葉を使う場合には、「あくまでも」に続く文章が大切です。上司や先輩などと話をする時に相手に対して「あくまでもこだわる人ですね」などという使い方をすると、相手を侮辱するような表現になってしまいます。
こういった言い方をすると「あくまでも」は相手を「頑固な人」だと言っているように受け取られかねないからです。気分を害して怒ってしまったりすることもあるので、目上の人に対して「あくまでも」を使う時には注意が必要です。
自分が仕事に対する決意表明をする時に「まだ力不足なので無理かもしれませんが、私はあくまでもこの仕事をやりぬきます」などという風に、自分自身に使うことは出来ます。
②限定的な意味で使う
「あくまでも」の使い方の二つ目は「限定的な意味で使う」ということです。「あくまでも私の意見ですが」というように「私の意見」であることを強調する使い方です。自分の考え方は他の人の考え方と違うけれど、他の人を否定するわけではないという場合にこのような「あくまでも」の使い方をします。
ここで「あくまでも」を文頭につけないと「私の意見ですが」となり、「私の意見」をごり押しするように受け取られかねません。
「あくまでも」をつけることで「間違っているかもしれないけれど自分はこういう意見です」と前置きすることができますので、相手も話を聞いてあげようという気になるということです。
③クッション言葉として使う
「あくまでも」の使い方の三つ目は「クッション言葉として使う」ことです。先に挙げた「限定的な意味で使う」という使い方と同じように「あくまでも私個人の考え方です」といった使い方をすることで「私の考えが正しいとは言い切れない」「他の人の方が正しいかもしれない」という意味を含めたクッション言葉になります。
先に「限定的な意味で使う」の所でも触れましたが、「あくまでも」を使うか使わないかで相手の受け取り方は大きく違ってきます。
「あくまでも」という言葉は自分の行動を押し通したい場合にも使いますが、「あくまでも」の後に続く文章によっては、自分を一歩下げたような言い方になります。「あくまでも」を限定的に使うとクッション言葉として使えるということです。
「あくまでも」の例文
次に「あくまでも」を使った例文をいくつかご紹介します。ここまでにも「あくまでも」を使った例文をいくつか挙げてきましたが、その他にも「あくまでも」を使った例文はあります。「あくまでも」の三つの意味「限定的という事を強調する」「徹底的な決意表明」「とどまることなく続く」を使い分けた例文をご紹介しましょう。
①日常生活で使う場合
「あくまでも」を使った例文の一つ目は、日常生活で使う場合の例文です。「これはあくまでも私の経験上だけど」という例文は「限定的という事を強調する」意味です。また「あくまでも私は上京して一人暮らしする」という例文は「徹底的な決意表明」を、「あくまでも広い海だね」という例文は「とどまることなく続く」を意味します。
ですが、日常会話において「あくまでも」を使う人はとても少ないです。そして「あくまでも」という言葉を使って「あくまでも私の意見だけどね」などという言い方をする人は頭が良く我が強いタイプだという傾向にあります。
使い方にもよりますが、「あくまでも」という言葉を多用する人に対して良い印象を抱く人はそう多くありませんので、使い方には注意が必要です。
②ビジネスシーンで使う場合
「あくまでも」を使った例文の二つ目は、ビジネスシーンで使う場合の例文です。「これはあくまでも私の個人的見解ですが」という例文は「限定的という事を意味する」使い方で、「あくまでも給与引き上げを要求する」という例文は「徹底的な決意表明」の意味の使い方になります。
「あくまでも」という言葉は日常生活内よりむしろビジネスシーンで使われることが多いです。それは上司に自分の意見を言う場合や、取引先に条件を提示する場合などです。
「あくまでも」を正しく使うことによって、「あくまでも」という言葉が適所できちんと使える社会人であるということを証明できることにもつながりますので、ビジネスシーンで「あくまでも」を使う時は慎重に効果的に使うことをおすすめします。
「あくまでも」の英語表現
次に「あくまでも」の英語表現をご紹介します。「あくまでも」には絶対にこれが対応すると言える英語はありません。「あくまでも」は色々な意味を持った言葉なので、日本語の「あくまでも」に対応する英語は、その前後の文章によって「あくまでも」と意訳できる英語です。ひと言の英語の直訳で「あくまでも」になるわけではありません。
①あくまでも参考
「あくまでも」の英語表現の一つ目は「あくまでも参考」と訳する「That is just a suggestion」です。「just」は「ちょうど」「正しい」といった意味があり、この英語は「それはちょうど参考程度」といった意味で「限定的」であることを示します。なので「just」は「あくまでも」の英語であると言えます。
②あくまでも目安
「あくまでも」の英語表現の二つ目は「あくまでも目安」を意味する「That’s only a guide」です。「only」という英語は「~だけ」という意味で、対象を限定する言葉ですので「あくまでも」の意味である「限定的という事」に当てはまります。ですから「only」は「あくまでも」の英語であると言うことができます。
③意見を変えない
「あくまでも」の英語表現の三つ目は「意見を変えない」という意味の「stick to one’s opinion」です。「自分の意見を変えない」なら「stick to my opinion」となります。「stick to」という英語は「くっつく」「こだわる」「固執する」といった意味で、「あくまでも」の「徹底的な決意表明」の意味に対応する英語になります。
「あくまでも」の多用に注意
ここまで「あくまでも」の意味や使い方などをご紹介してきましたが、決して「あくまでも」をたくさん使った方が良いとおすすめしているわけではありません。確かに今までぼんやりとしかわからなかった「あくまでも」の意味や由来などを知ったら使いたくなっても不思議ではありません。
ですが「あくまでも」「あくまでも」と何にでも「あくまでも」をつけて使ってしまうと、人におかしな誤解をされてしまう恐れもあります。
「あくまでも」を使いすぎるとあまり良い見方をされないこともある
「あくまでも」という言葉は「限定的という事を強調する」「徹底的な決意表明」「とどまることなく続く」という意味があり、日常生活の中で使う事もできますが、「あくまでも私の意見だけど」「あくまでも頑張るから」などと「あくまでも」を多用しすぎると「知識をひけらかす人間」だと誤解される場合もあります。
また「あくまでも」の意味の一つが「徹底的な決意表明」だと知っている人が、他の人から「あくまでも」を何度も言われると「この人は頑固な人」だと勘違いしてしまう可能性もあります。
「あくまでも」は「あくまでも」時折使ってこそ効果のある言葉ですので、あまり多用しすぎないように注意しましょう。
「あくまでも」の意味は主に限定的な場合に使われる
「あくまでも」の意味や類語、「あくまでも」を使った例文などをご紹介してきましたが如何でしたか?「あくまでも」を日常生活でよく使うのは主に限定的という事を表す場合です。使いどころを間違えて相手に失礼な言い方をしたりしないように、そして使いすぎないように気をつけて「あくまでも」という言葉を適度に正しく使いましょう。