「お加減はいかがでしょうか」の意味
お加減はいかがですか?という言い廻し方を普段から使用することがありますか?お加減はいかがでしょうかという表現は話している相手に対して、最近の調子や具合を尋ねる際に使うようなフレーズです。
また、「加減」という言葉自体は単独でも使用し、よく料理や温度などの調整時にも使うことがあります。この加減という言葉の前に「お」が付くことで、また別なニュアンスが生まれています。
今回は、この「お加減はいかがでしょうか」というフレーズにこだわり、詳しい意味や使い方、注意点も含めてお送りします。またお加減はいかがでしょうかを活用した例文や類義語も併せてご紹介する特集です。
具合はいかがですかという意味
お加減はいかがでしょうかを別な表記で言い換えるとしたら、健康状態を伺う時によく使用する「具合」という言葉が適当です。日常生活の中で様々なシチュエーションで「具合が悪い」という言葉は頻繁に使われていますので、それだけでも健康状態についての伺い事であると分かります。
また病気だけに限ったものではなく、怪我の具合といった表現もできます。お加減はいかがですかと相手に聞く場合、その意味は「お体の具合はどうでしょうか」と尋ねている状態と言えます。
「お加減はいかがでしょうか」の類義語
お加減はいかがでしょうかという言葉と似たような表現の、別なフレーズにはどのようあものがあるのでしょうか?ここでは、お加減はいかがでしょうかと同じような類義語についてご紹介します。お加減はいかがでしょうかの類義語は、幾つか似たニュアンスのものが存在します。
調子はどうですか
お加減はいかがでしょうかというフレーズは、健康状態を確かめている描写であることは前述しました。その意味からの類義語としては「調子」という言葉もあります。
よく「体の調子が悪い」「怪我の調子がよくない」などの表現をすることや耳にすることも多いはずです。また、調子という類義語は、健康状態を伺う意味だけに限定された使い方ではなく、全くの無機質な対象にでも使うことができます。
お加減はいかがでしょうかという言葉が対人間での扱い方である反面、調子という言葉なら必ずしも人間ではなくても通用する類義語とされています。例えば「パソコンの調子が良くない」「エンジンの調子が悪い」といった表現をします。
コンディションはどうですか
お加減はいかがでしょうかという言葉には、健康状態はどうなのかと尋ねる意味がありますけど、その尋ね方を少しカジュアルにするとなれば、「コンディションはどうですか」という表現が適切です。
コンディション自体はその状態という意味があります。そもそもが英語ではありますが今では外来語として浸透しています。コンディションという言葉は生物、無生物に関係なく、その対象の調子や状態を尋ねる時に使えます。
お加減はいかがでしょうかという表現がちょっと堅いと思う場合にも使えます。もし若い人や子供に、お加減はいかがでしょうかと聞いても意味が通じないような時には、このコンディションという言葉で置き換えてみてもよいでしょう。
「お加減はいかがでしょうか」の敬語
お加減はいかがでしょうかという言葉そのものが、とても相手に対して敬うような姿勢が見えます。そもそも敬語というものは、相手を敬うために使う表現として日本語に欠かせない部分です。
敬語を大きく分けるとした場合には尊敬語、丁寧語、謙譲語の3つに区分されます。それぞれには違った意味合いや特徴、性質があります。ここでは、尊敬語と丁寧語という2つの敬語に沿った形で、お加減はいかがでしょうかというフレーズの扱い方や注意点を見ていきましょう。
尊敬語
敬語の種類の一つである尊敬語の場合は、人物とその動作、状態についてを敬う表現をする単語、及び言い方のことを指します。もしお加減はいかがでしょうかを尊敬語の文章に換えるとしたら、「お加減はいかがなさいますか」「お加減はいかがなさいましたか」という表現があります。
また注意点として、口語表現の際には上記の仏のフレーズではどことなくぎこちなく響いてしまいます。お加減はいかがでしょうかを少しアレンジして「お加減はどうなさいましたか」という使い方のほうが自然に聞こえます。
丁寧語
敬語の種類の一つである丁寧語とは、相手への敬意を表し直接的に交す表現方法です。一般的には動詞に「です」「ます」をつける方法が顕著です。実は、お加減はいかがでしょうかという表現そのものが既に丁寧語の部類となっています。
お加減はいかがでしょうかのやや違った丁寧語の使い方としては、「お加減はいかがですか」という言い換えもできます。どちらも丁寧な響きなので問題はありませんが、どちらかといえば、お加減はいかがでしょうかとしたほうが、目上の人をもう少し敬っているような表現に聞こえます。
「お加減はいかがでしょうか」の使い方
お加減はいかがでしょうかというフレーズを、あらゆるシーンにて使うとした場合には、どのような注意点やポイントに気をつけて活用すれば良いのでしょうか?
これは実際に、自分の目上の人物などに対した時に使ってみて実践するのが近道です。類義語なども踏まえて色々使い分けて慣れるということです。ここでは、お加減はいかがでしょうかの使い方や注意点などの具体的なところまで追っていきましょう。
やはり言葉の特性から職場など含めた生活環境の中で、お加減はいかがでしょうかというフレーズを上手に使う場合を想定し整理してみましたので、ぜひご参考にしてみてください。
ビジネスの場合
ビジネスの現場にて、お加減はいかがでしょうかと尋ねるシチュエーションというのは、あまり恒常的ではありません。ただし職場のメンバーが倒れてしまうという事態もあり得ます。そのような際にお加減はいかがでしょうかというフレーズが登場するシーンも想定されます。
病気療養後に復帰した上司、あるいはクライアントなどの目上の人々と、久しぶりに再会した時に使われる表現だと思えば良いでしょう。通常気心も知れている職場の人々であれば、口語表現をするので極端にかしこまり過ぎない使い方になるはずです。
例文としては、「お加減はいかがでしょうか、お大事になさってください」という表現が常套句として適切です。もっと丁寧にしたいのであれば「お加減はいかがでしょうか、くれぐれもお大事になさって下さい」と言えばほぼ完璧です。
年賀状の場合
年末になると年賀状を送るシーズンが到来します。もし長期療養などをしている方への便りを送ることになたっとしたら、短めのメッセージとして「お加減はいかがでしょうか」と付け加えてみるといいでしょう。
封書よりも年賀状などのハガキというのは気軽に送れることと、貰った相手も喜ぶという利点があるのでおすすめな使い方です。さりげなくお加減はいかがでしょうかというフレーズを添えてみましょう。
ただし内容の中での注意点は、お加減はいかがですかというフレーズと共にどのような文章を盛り込むか次第です。過大な表現を避けることや暗い印象の文体にしないという点、そして簡潔に短めな文章にすることもポイントです。
メールの場合
直接に対面できる相手となら会話でお加減はいかがでしょうかと交わせますが、入院中で休職している上司などの目上の人へのお見舞いという意味で、丁寧なメールを送って気持ちを伝えるという使い方もできます。
メールならば開封するタイミングも相手次第ですので、余計な気遣いがなくお互いに気楽に交せるというメリットがあります。なかなかお見舞いに行けない状況であれば、メールを送るだけでも相手は決して悪い気分にはならないはずです。
書く際のポイントは、メールの書き始めに相手の体調を窺う意味合いとして「お加減はいかがでしょうか」と一言添えて、締めくくりには相手の容体が回復することを願っているといった文章を書くと効果的です。
「お加減はいかがでしょうか」の例文
お加減はいかがでしょうかというフレーズやその類義語は、自分よりも目上の人に対しての丁寧な表現で、相手の近況を伺うための常套句として浸透しています。形式ばってはいますが、相手の体調を配慮して健康に気をつけて欲しいという意味を込めています。
ここでは、実際に例文を交えながら、お加減はいかがでしょうかという言葉の扱い方をご紹介します。例文は幾つかのシチュエーションを想定してあります。
怪我
怪我をされている方へのお見舞いを込めた使い方としては、相手が入院中なのかどうかによって多少のアレンジをして用いることをおすすめします。相手の近況をなるべく事前にリサーチしながら考えてみましょう。
もし入院している方へ伺う場合の例文としては、「心よりお見舞い申し上げます。経過は良好とのことでほっといたしました。お加減はいかがでしょうか。ゆっくりとご静養ください。まずはとり急ぎお見舞いまで。」がよいでしょう。
自宅療養中の場合の例文としては、「その後、お加減はいかがでしょうか。お見舞いになかなか伺えずお許しください。一日も早いご全快をお祈り申し上げます。」といった文体が適当です。
病気
相手方が病気になったという場合は、注意点として、病状の詳細はなかなか把握できないこともあるので慎重な言葉選びをすることになります。
入院中の場合の例文としては、「ご入院をされたと伺い驚いております。お加減はいかがでしょうか。お見舞いが遅れてしまいまして深謝申し上げます。一日も早く全快されますよう心からお祈りいたします。」というような主旨の内容にしましょう。
また自宅療養の場合の例文としては、「突然のご病気の報に驚いております。お加減はいかがでしょうか。ご無理をなさいませんよう十分ご静養ください。」といった簡素な内容にしておくことがよいでしょう。
風邪
風邪をひいて療養するという状態は、重症になることはほとんどないのであまり大げさな使い方をしないようにしましょう。軽い風邪でも出勤している職場の人に向けた例文としては、「お加減はいかがでしょうか。ご無理なさらないようにしてください。」という程度で十分です。
また直接会話をする機会がなければメールはおすすめです。メールで風邪のお見舞いをする例文は、「体調を崩されたとお聞きしましたが、その後お加減はいかがでしょうか。ご自愛ください。またお会いできることを楽しみにしております。」といった文章が適切です。
「お加減はいかがでしょうか」の注意点
ここでは、お加減はいかがでしょうかの使い方の注意点について言及していきましょう。 「お加減」という言葉に健康状態を尋ねる意味があることは前述したとおりです。
相手の心身的な状態が今現在どうなっているのかによりけりだと言えます。さらには「いかがですか」という敬語が使われているという点にも着目しましょう。
健康な人には使わない
お加減はいかがでしょうかという表現は、健康な相手に対しては原則として使用しないことが注意点の一つ目です。 今のところ病気も怪我もなく健康で毎日顔を合わせる相手に対して、わざわざ体の調子を尋ねたりはしません。それが目上の人であればなおさらだと言えます。
体調を崩したという風の便りを聞いたから、お加減はいかがでしょうかと尋ねてみるのが自然な流れということです。類義語でも同様で、怪我や病気をしたことが前提で取り扱う用語だということです。
どうでしょうかは敬語では無い
お加減はいかがでしょうかを使う場合というのは、目上の人に対する丁寧語になるわけです。なので「お加減はどうでしょうか」という尋ね方はしないように配慮することが注意点です。 「どうでしょうか」も丁寧語ではありますが、ニュアンスとしてやや砕けている印象を与えてしまいます。
お加減はいかがでしょうかと言えば心配しているニュアンスが含まれています。一方、「どうでしょうかという尋ね方では、ただ相手の状態を確認している意味合いに受けとられてしまいかねません。類義語とも含めて、取り扱いには配慮が必要となります。
「お加減はいかがでしょうか」は具合を聞くこと
お加減はいかがでしょうかという表現は、決して事象や無機物についてを尋ねることではありません。あくまでも人の健康状態、特に自分よりも目上に値する人物について尋ねる際の使い方ということです。
くれぐれも失礼な印象を与えないように、お加減はいかがでしょうかというフレーズや、それに付随した類義語などにも配慮をしていく必要があります。それに最も大切なことは、相手の病状や容体を自分は心から心配し、全快することを願っているという旨を伝えることに意義があります。
もちろん社交辞令的な常套句でもありますが、やはり主だった内容については、具体的に簡潔なセンテンスを心掛けるようにしましょう。