夏の大三角はどうやって見つけるの?
小学生の授業で夏の大三角の勉強をした記憶があるように、小学生でもわりと簡単に見つけることができます。ちなみに夏の大三角は星座ではありませんので覚えておきましょう。夏の大三角の見つけ方のポイントはどんなことがあるのでしょう。夏の大三角について詳しくご紹介します。
夏の大三角の見つけ方や覚え方、3つの星座の詳しい特徴などを知って夏の大三角をマスターしてみませんか。夏の間に夏の大三角を満喫して天体観測を楽しみましょう。夏の大三角の魅力に引き込まれること間違いありません。
夏の大三角とは
夏の大三角と呼ばれているように、夏の夜空に見られる3つを結ぶ星が夏の大三角と言われます。夏の夜空を見たときに一番明るく輝く色の星ベガ(こと座)、東にデネブ(はくちょう座)、右下のアルタイル(わし座)の3つの星を結ぶのが夏の大三角になります。
夏の夜空の代表的とも言える夏の大三角ですから、天気のいい日は夜空を見上げて夏の大三角を探してみましょう。ここでは、夏の大三角を結んだ三角形の星ベガ、デネブ、アルタイルについて詳しくご紹介していきます。
ベガ・アルタイル・デネブを結んだ三角形
夏の大三角といえば上記でもご紹介したように、ベガ・アルタイル・デネブを結んだ三角形の星です。3つの星でも明るく輝く色の星がベガ、ベガの右下に下がっていくとある星がアルタイルです。ベガの左下に見える星がデネブとなり、この3つの星を結ぶと夏の大三角となります。
こと座・ベガ
夏の大三角で一番輝く明るい色の星「こと座・ベガ」は、夏の夜空に輝く代表的な星座です。日本ではおりひめと呼ばれる有名な星です。こと座は名前通り琴を表し、ベガはアラビア語では急降下するワシを意味します。こと座の琴は日本の長い琴ではなく、西洋の琴を指しています。
ベガは約13時間の高速で自転していて生まれてから5億年となる恒星です。5億年と聞くと長く感じますが、私達の太陽系は46億年前からあるのでベガは若い恒星となります。ベガはまだ恒星としてはっきり作られていないとも言われているそうです。
はくちょう座・デネブ
はくちょう座・デネブは地球からとても遠い場所にあるのに、とても明るい色に見える恒星です。大きさの半径は太陽の108倍もあり、なんと明るさは太陽の54400倍以上もあるので、地球から遠い場所にあるデネブはとても明るい色に見えます。大きさ明るさ共に驚きの恒星です。
デネブは200〜300万年とまだ若い恒星ですから、寿命が短いと言われています。数年後にはデネブは爆発してしまって、ブラックホールになると考えられているそうです。デネブは天の川の中に見られる星なので、あまのがわぼしと素敵な名前がつけられています。
わし座・アルタイル
わし座・アルタイルも肉眼でよく見える恒星で、太陽の11倍の明るさを持ちます。ベガと同様に約9時間の高速自転をしている恒星です。ちなみに太陽は約25日かけて自転するので、アルタイルは1日に3回も回っているのです。日本ではひこぼしと言われ親しまれている恒星です。
アルタイルがひこぼし、ベガがおりひめと日本では呼ばれています。どちらも高速に自転する恒星でとても似ています。アルタイルはアラビア語で飛ぶワシと言われており、わし座の名前の通り大きな翼を広げて飛んでいるワシをイメージできるのではないでしょうか。
こと座・ベガ(織姫星)とわし座・アルタイル(彦星)の伝説
夏の大三角ベガ・デネブ・アルタイルは織姫や彦星、天の川と七夕に関わりのある星座でした。夏の大三角のこと座・ベガ(織姫星)とわし座・アルタイル(彦星)の七夕の伝説を紹介していきます。日本や中国に伝わる有名な伝説です。昔機織の上手な織姫という働き者の娘がいました。
そんな働き者の織姫に天帝は、牛飼いの真面目な青年彦星を引き合わせました。織姫と彦星は恋に落ち結婚しますが、遊んで暮らすようになってしまいます。そんな二人を見た天帝が怒り、織姫と彦星を離ればなれにしました。二人は悲しみに暮れて泣いてばかりいたそうです。
天帝はそれを知り、これから真面目に働いて暮らすならば1年に1度だけ天の川を渡り二人が会うことを許しました。この伝説はとても有名で、ご存知の方が多いでしょう。実際には二人の間は14.4光年も離れていますが、七夕の7月7日は夏の大三角として楽しんでいる行事です。
夏の大三角の見つけ方
夏の夜空に輝く代表が「夏の大三角」と呼ばれますが、英語では「The Summer Triangle」と呼ばれます。天の川を挟んで見られる夏の大三角は、大人から子供まで楽しめる天体観測の代表です。そんな夏の大三角の見つけ方のポイントはあるのでしょうか。
見えやすい時期や時間帯、見えやすい方角などのポイントを知って夏の大三角を観察してみましょう。ここでは、夏の大三角の見つけ方について、詳しくご紹介していきましょう。夏の大三角の見つけ方に詳しくなること間違いありません。
見えやすい時期
夏の大三角と言われているので、もちろん見えやすい時期は夏になります。夏の時期でも7月上旬〜9月上旬に夏の大三角は見えやすく、七夕の時期はもちろん見えやすい時期です。ただ七夕は7月7日でまだ梅雨の時期なので、梅雨が開けていないので見えにくいかもしれません。
天気が良く町の明かりがなく暗い場所の夜空であれば、ベガとアルタイル、その間を挟む天の川のデネブが見えるでしょう。7月7日の七夕に夏の大三角が見れたらとても素敵です。織姫と彦星が無事に会える夏の時期を夜空を見上げて楽しんでみましょう。
見えやすい時間帯
星空が見えるのは暗くなってからですので、もちろん夏の大三角が見える時間帯は夜です。見えやすい時間帯は夜の20時〜22時頃の時間帯と言われています。確実な見つけ方は、夏の大三角をこの時間帯に見ることが最適でしょう。この時間帯であればお子さんと一緒に楽しめます。
見える方角
夏の大三角を見ようと夜空を見上げたが、見つけ方はどの方角を見るのがいいのでしょう。夏の大三角が見える方角は時期によって多少変わります。7月上旬であれば東の空の方角を見ましょう。夜空の高い位置を見上げると見つけられます。9月頃は天頂近くの方角に位置しています。
8月〜10月頃には東の空から南の空へ、南の空から西寄りの空に夏の大三角が見える方角が変わってきます。見る時期によって見る方角が変わってきているので、見つけ方の方角を知っておくとすぐに夏の大三角を見つけることができるのではないでしょうか。
夏の大三角の探し方
夏の大三角が見えやすい時期や時間帯、方角を知ることができましたが、夏の大三角を探すポイントなどはあるのでしょうか。ここでは、夏の大三角を探す方法があるので詳しくご紹介していきます。見つけ方のポイントを知って夏の大三角を探してみましょう。
最初に一番明るい色のこと座・ベガを探す
見つけ方のポイントとして最初に夏の大三角を探す際には、何度か上記でもご紹介した一番明るい色の星「こと座・ベガ」を探すことです。ベガの星は白色で明るく輝いているので、とても見やすいです。7月頃は東の空を見ると一番明るく青白く輝いているので見つけやすいでしょう。
わし座・アルタイルの探し方
ベガ(織姫星)の白色の明るい星を見つけることができると、わし座・アルタイル(彦星)を見つけやすいでしょう。見つけ方は、南東の方角を見るととても輝く色の星があるので、それがアルタイルです。もっと簡単に行える見つけ方は、ベガよりこぶし3.5個分の場所にあります。
夜空に腕を伸ばして、こぶしでアルタイルのある場所を見つけてみるのも面白いでしょう。南東がどっちの方角か分からないなんて時は、携帯のGPSコンパスやアプリなどを使うと便利です。アルタイルの特徴は、とても輝いているということです。
はくちょう座・デネブの探し方
はくちょう座・デネブの見つけ方は、ベガ(織姫星)とアルタイル(彦星)を結んでいる直線を基準にすると見つけやすいでしょう。ベガ(織姫星)とアルタイル(彦星)の間は天の川があるとご紹介しましたが、天の川を飛ぶようにデネブは位置しています。
ベガとアルタイルの直線をゴールテープとすると分かりやすく、白鳥がゴールテープを目指して天の川の上を飛んでいる状態を想像するといいでしょう。あまのがわぼしと呼ばれているだけあって、天の川の中心部に位置するのがはくちょう座です。
もう一つ簡単な見つけ方は、ベガからこぶし2個分の位置にある明るい星がデネブとなります。デネブの星の色はベガやアルタイルに比べると暗い色に見えますが、ベガやアルタイルが見つかればすぐに見つけることができるでしょう。
夏の大三角の星座の覚え方
夏の大三角の星座は3つありましたが、忘れてしまいそうな星座の名前ではないでしょうか。そこで夏の大三角の簡単な覚え方があるのでご紹介していきます。これは大人だけではなく、お子さんが覚えるのにも役立つ覚え方にもなります。語呂合わせで簡単な覚え方なのでおすすめです。
語呂合わせで覚える
早速ですが、夏の大三角の語呂合わせをご紹介していきます。「わしが歩いていたら、デブの白鳥がやってきて、こりゃおりひめが大変だべが。」とても面白い語呂合わせになっています。わしが歩いていたらの部分は、わし座のアルタイルとなります。
デブの白鳥がやってきての部分は、はくちょう座のデネブです。おりひめが大変だべがの部分は、こと座のベガ(おりひめ)です。しかもこの語呂合わせは、名前と星の位置関係も覚えられるのでおすすめです。時計回りに覚えるのがポイントです。
冬の大三角の語呂合わせの覚え方
夏の大三角があるように、冬には冬の大三角が夜空で楽しめます。せっかくですから、冬の大三角の語呂合わせも一緒に覚え方を知っておきましょう。冬の大三角は、こいぬ座・プロキオン、おおいぬ座・シリウス、オリオン座・ペテルギウスの3つの星座で構成されています。
語呂合わせの覚え方は「こいよ、おーい、オリオン」「冬のプロは調べてる」です。こいよの部分はこいぬ座、おーいの部分はおおいぬ座、オリオンはそのままオリオン座です。冬のプロの部分はプロキオン、調の部分はシリウス、べてるの部分はペテルギウスになります。
覚え方のポイントは夏の大三角とは逆で、反時計回りと覚えておきましょう。冬の大三角の星座も忘れそうな名前が多いので、この語呂合わせで覚えておくとパッと名前が出てくるのではないでしょうか。ぜひ覚えて冬の大三角の観測に役立てみましょう。
2020年の6月の天体について
今年2020年の6月の天体について詳しく見ていきましょう。夏のイベントといえば夏至ですが、2020年6月の夏至についてご紹介していきます。一番日照時間が長い都市なども調べていきますので、覚えておきましょう。
夏至は6月21日
2020年6月の夏至は6月21日になり、この夏至が過ぎると本格的に夏が始まってきます。夏の天体イベントといえば夏至が代表的な日になり、太陽が1年で一番高い位置に昇ると言われている日です。ですから夏のような本格的な暑さを感じれらる日とも言えるでしょう。
夏至とは
2020年6月21日が夏至となりますが、そもそも夏至とはどのような現象なのでしょう。夏至とは1年の中で一番昼間が長く、夜が短い日となります。太陽暦では月の満ち欠けを周期にしていて1年を二十四等分して分けていて、二十四節気という季節の呼び方になります。
この二十四節気が季節の変わり目を表しているのです。毎年二十四節気の日付が変わりますが、例年夏至は6月21日〜22日とされています。夏至の日は日本各地で様々な行事やイベントが行われているので、ご自分の地域の行事やイベントをチェックしてみましょう。
一番日照時間が長い都市は?
夏至は国内でも地域によって日照時間や日の入時間が変わってくるのはご存知でしょうか。毎年微妙に時差はありますが、最も一番日の出と日の入時間が早いのは、北海道の札幌になります。ですから札幌は一番日照時間がとても長いと都市と言えるでしょう。
次に仙台、東京、横浜、千葉と続き国内で一番短い時間が沖縄になります。これは夏至の当日だけではなく、夏至の1週間前後は日照時間が長いと言われています。夏至は冬至と比べると5時間程も長くなるので、昼間の長い夏の時間を楽しむことができます。
夜空を見上げて夏の大三角形を探してみよう!
夏の大三角は織姫や彦星天の川と七夕にまつわる伝説がありました。私達の身近な行事にも関わっていて、興味深いと感じた方は多いのではないでしょうか。夏に楽しめる夏の大三角ですから、ぜひ今回ご紹介した星座の見つけ方や覚え方を参考に夏の夜空を見上げて観察してみましょう。
もちろん天体観測は夏の大三角だけではなく、冬にも冬の大三角が楽しめます。夏の大三角を観察してみるのを機会に夜空に輝く星座を調べてみるのもいいかもしれません。星座には素敵な伝説が多くあるので、とても魅力的に感じることでしょう。