thread(スレッド)の意味とは?
thread(スレッド)という英語を見聞きした覚えはありますか。thread(スレッド)には複数の意味があり、使い方によって意味が異なってきます。
日本では、「1つのトピックに関するまとまり」という意味でよく使われています。元々は2chなどの電子掲示板で見られる使い方でしたが、最近ではメールやSNSでも似たような使い方がされています。そのため、thread(スレッド)の意味の中で一番身近なものです。
しかし、IT業界では別の意味で使われることが多いです。「プログラムの処理を実行する単位」を意味しています。
今回は、この2つのthread(スレッド)の意味を詳しく解説していきます。また、意味だけでなく使い方の例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
メールでの意味
メールでは、thread(スレッド)は「1つのトピックに関するメールの集まり」という意味で使われています。メールを受け取った場合、多くの人はメールを新規に作成するのではなく、返信機能を利用して返事をします。
1通目のメールと返信機能を利用して書かれたメールは、1つのthread(スレッド)としてまとめられます。thread(スレッド)のおかげで、メールでのやり取りを簡単に時系列で見返すことができます。
逆にthread(スレッド)がないと、メールでのやり取りの流れを確認するには、件名や送受信の時間をいちいち調べないといけません。多くの人はthread(スレッド)を意識していませんが、意外とthread(スレッド)の恩恵にあずかっているものです。
IT業界での意味
一般的には、thread(スレッド)は「トピックのまとまり」という意味で使われています。メールならメールのまとまり、インスタグラムやツイッターなら投稿のまとまりです。
しかし、IT業界では「トピックのまとまり」とは異なる意味で使われます。「プログラムの処理を実行する単位」という意味です。
コンピュータにはCPU(中央処理装置、または中央演算処理装置)があります。CPUはデータを処理するのが役割で、コンピュータの頭脳と呼ばれることもあります。thread(スレッド)とはCPUで同時に実行できる処理の数です。
IT業界やパソコンに詳しい人の間以外では、処理の実行単位という意味でthread(スレッド)が使われることはありません。そのため、IT業界では少し違う意味合いがあると覚えておくだけで十分です。
thread(スレッド)の由来
thread(スレッド)の意味の1つは、「特定のトピックについてのまとまり」です。しかし、和製英語やカタカナ語は、本来の英語とは異なる意味の場合があります。そのため、由来である英語のthread(スレッド)がどういう意味なのかを確認しましょう。
英語のthread(スレッド)の意味
英語のthread(スレッド)は「糸」を意味する言葉です。「糸」と言われて多くの人が思い浮かべるのは、細い糸をねじり合わせてできるより糸です。しかし、thread(スレッド)はもともと、より糸を構成している1つ1つの細い糸を意味する英語です。
ここから派生して、同時進行する出来事の中の1つを表す言葉として使われるようになりました。IT業界では主にこの意味で使われています。
現在では、「特定のトピックについてのまとまり」という意味でもthread(スレッド)が使われるようになりました。メールやインスタグラムでも同様の意味で使われているため、日本では最も一般的な使い方です。
thread(スレッド)の使い方
thread(スレッド)には大きく分けて2つの意味があることを確認しました。通常は、「トピックのまとまり」という意味で使われることが多いです。IT業界では、「プログラムの処理を実行する単位」として使われます。
IT業界でのthread(スレッド)は専門用語のため、パソコンに詳しくない人との会話で使っても意味が通じないことが多いです。
そこで今回は、一般的な意味のthread(スレッド)を中心に使い方や例文を確認していきましょう。メールや2chなどの電子掲示板でthread(スレッド)という言葉を見かけても、これでばっちりです。
例文①
まずはメールに関連したthread(スレッド)の使い方を見ていきましょう。thread(スレッド)の意味の1つは、「あるトピックに関するメールの集まり」です。
よくあるのは、パソコンのメールソフトで見かける「メールをスレッド表示する」といったボタンや機能を説明したメッセージです。メールソフトで特定のボタンを押したり操作をしたりすることで、メールをトピックごとにまとめることができるという意味です。
メールソフトの機能の説明で使われるので、ユーザーよりもソフトを提供する企業がこの意味でよく使います。
例文②
2chなどの電子掲示板では「スレッドを立てる」という言葉がよく使われます。「スレ立て」と略されることも多いです。掲示板をよく利用する人なら身近な言葉です。
thread(スレッド)は「トピックのまとまり」という意味です。電子掲示板では、「特定のトピックについて話すためのページ」のことを言います。
thread(スレッド)ごとに話のテーマが定められているため、発言する場合はthread(スレッド)のタイトルや1番目の投稿を確認してからにしましょう。
例文③
ツイッターやインスタグラムなどのSNSでも、スレッドという言葉は使われています。「スレッドを作成する」という使い方をされます。
SNSでのthread(スレッド)も、「トピックのまとまり」という意味です。ツイッターでは「複数のツイートを1つにまとめたもの」、インスタグラムでは「投稿とコメントをまとめたもの」と覚えておきましょう。
SNSによっては、thread(スレッド)ではなくトピックという名称の場合もあります。名前は違っても意味は同じなため、「このトピックってスレッドとはどう違うの?」と混乱する必要はありません。
例文④
最後にIT業界での使い方も見ていきましょう。IT業界でのthread(スレッド)は、「プログラムの処理を実行する単位」という意味です。
CPUの性能指標の1つに「スレッド数」があります。「スレッド数」が高いほど同時に実行できる処理の数が多いため、処理効率が高いです。
「シングルスレッド」、「マルチスレッド」という用語もあります。「シングルスレッド」はシングルという言葉どおり、1度に実行される処理は1つだけであることを意味しています。「マルチスレッド」は複数の処理を同時に実行できることを意味しています。
「マルチスレッド」は1度に複数の処理を実行するため、「シングルスレッド」よりも複雑です。1つの処理のミスが他の処理に悪影響を与えてしまうこともありますが、「マルチスレッド」でも問題がないように作られていることを「スレッドセーフ」といいます。
thread(スレッド)の使い方の注意点
thread(スレッド)には大きく分けて2つの意味があり、一般的な使い方とIT業界での使い方では意味が異なることを確認しました。また、「トピックのまとまり」という意味でも、メール、2chなどの電子掲示板、インスタグラムなどのSNSでは詳細は異なります。
本来の「糸」という意味で使われることもあります。さらに、雪上で使う「ソリ」を意味するsled(スレッド)という英語もあります。
そのため、自分はメールのthread(スレッド)について話しているつもりだったけど、相手はIT業界のthread(スレッド)について話していたという可能性もあります。
どうにも話がかみ合わないと思ったら、何についてのthread(スレッド)なのか確認してみることをおすすめします。
thread(スレッド)は「トピックのまとまり」という意味
今回は、thread(スレッド)の意味を解説しました。メールやインスタグラムなどのSNSでは、「トピックのまとまり」という意味で使われます。元々は2chなどの電子掲示板で使われていましたが、今ではインターネットで幅広く使われている言葉です。
IT業界では「プログラムの処理を実行する単位」という別の意味で使われますが、あまり一般的ではありません。そのため、「トピックのまとまり」とだけ覚えておけば十分です。