ディスクブレーキ搭載のクロスバイクを選ぶメリットは？初心者向けに解説！

通勤時や日常使いもできるクロスバイク。このクロスバイクのブレーキの一つ、「ディスクブレーキ」が搭載されたクロスバイクが気になっている方は多いのではないでしょうか。この記事では、ディスクブレーキ搭載のクロスバイクについて、初心者の方にも分かりやすく紹介します。

ディスクブレーキが搭載されたクロスバイクについて紹介する前に、まずはクロスバイクにはどのようなブレーキの種類があるのか、代表的な3つのブレーキについて見てみましょう。それぞれのブレーキの特徴を知った上で、ディスクブレーキを選ぶメリットや、選ばれる人気の理由を学びましょう。

まずクロスバイクに搭載されるブレーキの一つ目は、「リムブレーキ」です。リムブレーキはクロスバイクの中でも最も代表的なブレーキの一つです。

リムブレーキは、ブレーキをかけた時にブレーキパッドという部分が、タイヤのホイールのリムと呼ばれるタイヤの銀色の部分を挟み込んでブレーキをかけるブレーキです。その為、リムブレーキ用のタイヤホイールの銀色のリムのサイド部分には、細かな溝が入っているのが特徴と言えます。

この部分の溝がないと表面積が減ってしまい、ブレーキのかかりが弱くなります。こうした特徴のあるブレーキがリムブレーキですが、近年その存在が消えつつあると言われています。一部のブランドでは、既にリムブレーキが搭載されていなかったり、先細りだと考えるメーカーもあります。

しかし、リムブレーキはシンプル且つ軽く、値段も手頃だというメリットもある為、初心者の方にも手を出しやすいブレーキとも言えます。ブレーキ力に関しては、ディスクブレーキよりも劣りますが、古くからのユーザーにとっては何ら問題もなく、未だに人気のあるブレーキです。

そうしたリムブレーキの中にもいくつかの種類が存在します。クロスバイクに多く搭載されているブレーキは、Vブレーキ、ロードバイクに多く搭載されているブレーキは、キャリパーブレーキが主です。この他にも、カンチブレーキやダイレクトマウントブレーキ等があります。

次に紹介するクロスバイクのブレーキは、「ハブブレーキ」です。このブレーキは、クロスバイクに乗ったことのない方も馴染みのあるブレーキです。

その理由は、ハブブレーキの種類の一つの「バンドブレーキ」と呼ばれるブレーキは、シティサイクルや、ママチャリ、子供用の自転車といった日常的に1番乗る機会の多い自転車の、後輪のブレーキとして使われているからです。又、交換も簡単にできるのがこのブレーキの特徴と言えます。

このブレーキは、ブレーキをかけるとタイヤに付いているブレーキドラムの周りを囲むバンドがぎゅっと引っ張られ、ホイールの軸に直結している円盤が掴まれることでブレーキをかけます。交換をする時は、部品の一部を交換するよりも総取替する方が、価格の面でもおすすめです。

このブレーキのデメリットとなる部分は、ブレーキが劣化してしまったり、雨の日になると、「キー」と音をたててしまうということです。しかし、これはある意味ではこのバンドブレーキの仕方のない部分でもあり、すぐにブレーキの交換を余儀なくされるものではありません。

ハブブレーキはバンドブレーキ以外にも種類があります。それが、バンド部分がローラーとゴムパッドになった「サーボブレーキ」と、バンド部分がいくつかのローラーになっている「ローラーブレーキ」です。ブレーキ力は、ディスクブレーキよりは劣りますが、親戚的な存在でもあります。

そして最後に、これから紹介する「油圧ディスクブレーキ」です。油圧ディスクブレーキはオイルによる圧力を使って、ブレーキパッドを押し出しブレーキをかけます。

ブレーキを握る力が軽くてもブレーキが作動するので、女性や初心者の方にもおすすめです。ブレーキの軽さは、下り坂等の長い時間ブレーキをかけることにストレスが少なくなります。基本的には、1年から1年半程度でメンテナンスによってブレーキパッドとオイルの交換が推奨されています。

クロスバイクに搭載されるいくつかのブレーキの種類を知った所で、ここからは本題の「ディスクブレーキ」について詳しく紹介します。まずは、ディスクブレーキの基本の基となる、ディスクブレーキの特徴について紹介しましょう。ディスクブレーキにはどのような特徴があるのでしょうか。

ディスクブレーキのクロスバイクの特徴の一つが、スルーアクスルだという点です。スルーアクスルとは、ホイールとフレームを固定する方式のことを指します。

ディスクブレーキのクロスバイクのほとんどにこのスルーアクスルが採用されていて、ホイールの位置がぴったり合うことから締め付けが簡単なことも特徴の一つです。又、曲がったりねじれたりすることに対する力が高く、歪みにくいという点もこのスルーアクスルのメリットと言えます。

この歪みに強いという点は、クロスバイクの走法の一つの「ダンシング」という走法をした際にも活かされます。ダンシングとはつまり、立ち漕ぎのことを指します。立ち漕ぎは座ってる時よりも歪みを感じやすくなりますが、ディスクブレーキのスルーアクスルによってその歪みが抑えられます。

ディスクブレーキのクロスバイクの特徴の二つ目は、クロスバイクにかかるメンテナンスのコスト面に於いて、低価格で済むという点です。

乗り方や、乗る人の体重によって多少の変化はありますが、ディスクブレーキのクロスバイクはメンテナンスで交換する部品の交換時期が、他のクロスバイクに比べて長いことが特徴と言えます。部品の交換時期が長いとはイコール、メンテナンスの頻度が少ない為、コストの低価格に繋がります。

ブレーキパッドのメンテナンスを例にとって紹介しましょう。まず毎日クロスバイクに乗った時のブレーキ装置のシューの交換は、リムブレーキの場合は2、3ヶ月の間に3回程交換が必要ですが、ディスクブレーキの場合は、3ヶ月程度持つとされていて、この点で既に全然違うことが分かります。

週末にサイクリング程度の利用であれば、ディスクブレーキのクロスバイクは1年に一度程度の交換メンテナンスで構いませんが、リムブレーキの場合は半年に1回交換が必要です。このようにディスクブレーキのメンテナンスにかかるお金が他のブレーキに比べて少ないことは、メリットと言えます。

ディスクブレーキのクロスバイクの三つ目の特徴は、ホイールの自由度が高いということです。ホイールの自由度が高いとはどういうことなのでしょうか。

ディスクブレーキには、どれだけ走行中や走行途中にやってくる下り坂にブレーキをかけても、スピードのコントロールがしっかりできるという特徴があります。これはクロスバイクに乗ってスピードを競うような、トライアスロン等の競技の際にはとてもありがたい特徴と言えます。

しかし、カーボンホイールを例に挙げると、カーボンホイールはしっかりブレーキをかける力、つまり制動力が弱い為、長時間ブレーキを使う場面では変形をしたり、パンクの原因となることがあります。通常の走行時でも制動力が弱い為、大きな負荷に耐えられなくなるということです。

ディスクブレーキのクロスバイクの特徴が分かったところで、次はディスクブレーキのクロスバイクを選ぶメリットについて紹介します。ディスクブレーキの特徴の中にも、ディスクブレーキを選ぶメリットが含まれていましたが、その他にもディスクブレーキには次のようなメリットがあります。

ディスクブレーキのクロスバイクの一つ目のメリットは、制動力が高いという点です。このメリットに関しては、先程の特徴でも少し触れましたが、ディスクブレーキの制動力はピカイチです。

制動力とは先程述べた通り、ブレーキがしっかり利く力のことを指します。ブレーキの利き目に関しては、クロスバイクに限らず全ての乗り物にとって最も重要です。ブレーキの利き目が悪いと、そのまま乗る人の命に直結します。ディスクブレーキは、その制動力でしっかり乗り物を止めます。

しっかりとブレーキが利くということは、日常でもツーリングでも、レース場に於いても安心して乗ることができるという素晴らしいメリットです。又、ディスクブレーキは先述したように軽い力でブレーキがかかる為、女性でも簡単に楽にブレーキをかけられる為、おすすめです。

ディスクブレーキのクロスバイクの二つ目のメリットは、雨の日でもしっかり止まってくれるという点です。ピカイチの制動力を誇るディスクブレーキは、雨の日にもその力を発揮します。

例えばリムブレーキの場合は、ブレーキのゴム部分とリムの部分が雨等によって濡れてしまうと、滑ってしまいしっかりとブレーキが利かなくなってしまいます。クロスバイクに限らず雨の日の乗り物の走行は、特に気を付けなければいけません。そうした時に、ブレーキが利かないと危険です。

しかし、ディスクブレーキは雨等によって例え濡れてしまったとしても、ピカイチの制動力は衰えることなくしっかりと作用してくれます。基本的には雨の中のクロスバイクや自転車の走行はできれば避けるべきですが、ディスクブレーキのクロスバイクであれば安心して乗ることができます。

ディスクブレーキのクロスバイクの三つ目のメリットは、リムのカスタマイズを自由にできるという点です。リムとは、ホイールの外枠の部分のことを指します。

例えばリムブレーキの場合は、ブレーキ装置の一部のシューが当たってしまう箇所にヤスリをかける、所謂面出しや加工等を必ずしなければ行けません。しかし、ディスクブレーキはその必要がない為、好きなように自由にカスタマイズができます。カスタマイズを楽しむ方には最高のメリットです。

施すカスタマイズによって、リムの性能やクロスバイクそのものの性能も上がります。リムブレーキはカスタマイズという点に関して、難しくなってしまう為、そうした高性能を楽しむことも難しくなります。カスタマイズが自由にできる点を活かして、好きなカスタマイズを楽しみましょう。

ここまでは、ディスクブレーキのクロスバイクの特徴的な部分と、メリットの部分を紹介してきましたが、ここからはディスクブレーキ搭載のクロスバイクの注意点について見ていきます。初心者の方にもおすすめで、メリットの多いディスクブレーキですが、次のような注意点があります。

ディスクブレーキのクロスバイクの一つ目の注意点は、コーナリング時の音です。ディスクブレーキのクロスバイクは、回転部品の軸付近やその辺りの部品となるハブにくっつき一緒に回転をするローター部分と、ディスクブレーキを構成するブレーキパッドとの隙間が狭くなっています。

その為、コーナリングする際のスピードが高速の場合、両者が擦れてしまい「シャッシャ」という音が鳴ることがあります。これはディスクブレーキの中の油圧式の油圧ディスクブレーキでよく見られます。通常は気にならないかもしれませんが、ふとした時に煩わしく感じてしまいます。

ディスクブレーキのクロスバイクの二つ目の注意点に関しても、油圧式ディスクブレーキに関する注意点です。それは、オイル交換やメンテナンスに手間がかかるということです。

まずは、先程から少し登場しているディスクブレーキの機械式と、油圧式のブレーキについて説明します。まず機械式のディスクブレーキはワイヤー式とも呼ばれ、ブレーキのレバーを引くことでワイヤーが引っ張れ、そのワイヤーが制動力を発生させるキャリパーを引っ張ります。

そしてそのキャリパーがピストンを押し出すことでブレーキをかけます。対して、油圧ディスクブレーキは、ブレーキレバーを引くとオイルが押し出され、そのオイルがピストンを、ピストンがブレーキパッドを、そして最後にそのパッドがローラーを挟むことで回転が止まり、ブレーキがかかります。

機械式ディスクブレーキの場合、メンテナンスで交換する部品はワイヤー部分です。この交換は少し慣れれば簡単に交換メンテナンスができます。

まずブレーキ部分からキャリパーを外してからワイヤーを外します。外した所に新しいワイヤーを入れ、キャリパーの部分まで通したら狩りで一旦固定します。その状態でなじませ、初期伸びを取ります。そしてワイヤーの長さを調整し、余分なワイヤーはニッパーで切っておきます。

最後に切った先の部分にキャップをします。ただキャップをするだけではキャップが取れてしまう恐れがあるので、ペンチやニッパーを使ってしっかり止めます。これで機械式のディスクブレーキのワイヤーの交換は完了です。では油圧ディスクブレーキのオイル交換メンテナンスはどうでしょう。

先程のワイヤー交換は比較的簡単ですが、油圧ディスクブレーキのオイル交換メンテナンスはそれほど簡単にはできません。それが油圧ディスクブレーキのメンテナンス上の注意点です。

まず用意するものは、ボトル、チェーンを洗浄するスプレータイプのディグリーザー、チューブホルダー付きの注射器、油を拭き取る為の雑巾、ブリードスペーサー、オイルファンネル、スパナ、Y型ヘックスレンチ、ミネラルオイルと、機械式ディスクブレーキよりも多くのものを用意します。

まずはオイルファンネルをねじ込み、キャリパーから注射器を使ってミネラルオイルを注入していきます。するとオイルファンネルからオイルが出てくる為、気泡ができなくなるまで続けます。そして各場所にある気泡を全部取り除いて、最後にしっかりキャップをして終わります。

簡潔に説明すると油圧ディスクブレーキのオイル交換メンテナンスはこのような形ですが、簡潔に説明をしても工程の難しさを感じます。それほど油圧ディスクブレーキのオイル交換メンテナンスは難しく、面倒だということです。油圧ディスクブレーキのクロスバイクを選択する時は注意しましょう。

では最後に、人気のあるおすすめのディスクブレーキ搭載のクロスバイクをいくつか紹介します。油圧ディスクブレーキの注意点はあっても、やはりディスクブレーキのクロスバイクには多くのメリットが存在する為、人気のおすすめ機種をチェックして、クロスバイク購入時の参考にしてください。

ディスクブレーキ搭載、人気のおすすめクロスバイクの二つ目は、台湾が本拠地のブランド「ジャイアント」の2020年モデル「ESCAPE R DISC」です。

サイズは、430mm、465mm、500mmの物があり、重さは465mmの物で12kgです。変速は24 Speed、カラーバリエーションは、マットイエロー、シルバー、ブラックトーンの3種類があります。新型軽量フレームが採用されていることから、こちらも軽量のクロスバイクです。

又、油圧ディスクブレーキが採用されており、その油圧ディスクブレーキの種類は制動力が高く、雨の日でも安心して乗れる安定感とコントロール性で人気の高い、シマノ製の物が使われています。グリップはテにフィットして疲れにくい形状、タイヤも快適で軽く安定性のある物が使用されています。

ディスクブレーキのクロスバイクは人気が高まってきており、各ブランドもこぞって搭載するブレーキとなってきました。これからクロスバイクに乗ってみたいという方はもちろん、買い替えを検討している方は、紹介したディスクブレーキの特徴やメリット、人気のモデルを参考にしてください。