「有終の美・有終の美を飾る」の意味とは?
「有終の美」には、何らかの終わりに素晴らしい結果や成果を残したという意味があります。そして、この言葉に「飾る」をつけて使うこと、更にその意味が広がります。
「有終の美を飾る」には、有終の美の持つ意味を立派に見せるという効果があり「最後までやり通し、立派な成果を上げる。」という意味の慣用句になります。有終の美・有終の美を飾るの使い方など紹介します。
「有終の美・有終の美を飾る」の対義語・類義語
「有終の美・有終の美を飾る」の使い方の前に、対義語・類義語(類語)に」触れておきます。対義語とは、意味が反対になる言葉や対称的になっている言葉を意味し、類義語(類語)とは、意味が似ている言葉を言います。
その様に「有終の美・有終の美を飾る」にも、それぞれに対義語・類義語(類語)があります。言葉の使い方や文書の流れで、対義語・類語の使い方があります。対義語・類語には、こんな意味があります。
有終の美・有終の美を飾るの対義語には、最初の勢いの割に結果が出ないという「竜頭蛇尾」や最後の仕上げが欠けた時の、それまでの努力が無駄になるという「仏作って魂入れず」という対義語があります。
また類語には、ことを立派に終えること・見事に終えることの意味を持つ「掉尾(ちょうび)を飾る」や物事の最後をきれいに終わらせるという意味の「立つ鳥跡を濁さず」があります。この他にも達成・栄光などの類語があります。
「有終の美・有終の美を飾る」の使い方・例文
「有終の美・有終の美を飾る」の言葉を使う場面は、様々あります。しかし、この有終の美・有終の美を飾るという言葉には、物事をやりつくしその達成感つながるという使い方が一般的の様です。
そのシチュエーションは、物事の終わりでもあり将来に向けたモチベーションへの期待感でもある様です。そんな有終の美・有終の美を飾るを使った参考例文を紹介します。
例文①
長い年月を滞りなく勤務を継続することができました。これも偏に上司や同僚皆様のおかげと感謝しています。この様に有終の美を飾れることは、次の人生への励みにもなります。
この様に、退職に際して職場への感謝と無事勤めあげたという達成感と将来のビジョンが感じられる内容の有終の美・有終の美を飾るを使った参考例文です。
例文②
長かった受験勉強もようやく終わろうとしています。その間の両親や家族の協力には、頭が下がる思いです。合格の通知を受けて、これからは有終の美を飾れるように努力していきます。
受験勉強の環境づくりに協力してくれた両親・家族への感謝の気持ちと晴れて合格した時の自身の固い決意と将来へのモチベーションが感じられる有終の美・有終の美を飾るを使った参考例文です。
例文③
経験の浅い私に、プロジェクトを任せていただき感謝しています。無事プロジェクトが成功いたしました。この様に有終の美を飾ることができたことは、メンバーの協力の賜物であり、これからの自信にもつながりました。
この様に、プロジェクトを任されたこととメンバーへの感謝の気持ちと成功に導けた成果などのことを言い表した有終の美・有終の美を飾るを使った参考例文です。
例文④
この度の皆様の絶大な協力は、目標達成に十分な力添えになりました。一抹の淋しさはありますが、有終の美を飾ることができたことは、これからの励みになります。これまでのご協力に感謝します。
この様に、引退への淋しさと目標達成への達成感やそれに至る感謝の気持ちが表れています。そして、自身の気持ちの高揚にもつながっている有終の美・有終の美を飾るを使った参考例文です。
達成感とモチベーションが共存する使い方
「有終に美・有終の美を飾る」を使った参考例文を紹介してきました。これ以外にも例文として、参考になるものは多くあります。この有終の美・有終の美を飾るという言葉には、人生の生き様も感じられるようです。
これまでの人生経験やキャリアは、正しく有終の美を飾るにふさわしい生き様の様に伺えます。そして、積み重ねたキャリアは、将来につながるモチベーションの証にもなります。
この様に、有終に美・有終の美を飾るという言葉には、物事を成し遂げたという達成感と将来へのモチベーションが共存する使い方があり、大切な言葉という意味の奥深さを感じます。
「有終の美・有終の美を飾る」と「達成」の違い
有終の美・有終の美を飾るとの類語でもある「達成」があります。この言葉には「物事に取り組み達成できた」「目標を達成した」などの使い方があります。
その意味には、有終の美・有終の美を飾るとは微妙な違いがあります。達成感というメンタル面での充実感は、同じ様に体感できる言葉ですが、結果に留まることと将来につながる結果の評価に違いがあります。
達成は「成し遂げる」という意味
有終の美・有終の美を飾るの言葉には、物事を成し遂げると同時に、将来に向けた継続的なモチベーションの期待感が伺えます。しかし達成には、ひとつの物事を成し遂げるという短絡的な意味が伺えます。
この様に達成には、有終の美・有終の美を飾るという様な「良い結果を残す」という意味がありません。仕事をやり遂げる、成果を上げるという事では同じ意味を持つ言葉ですが、微妙に違いがあります。
「有終の美・有終の美を飾る」を使う際の注意点
「有終の美・有終の美を飾る」には、使い方を間違うと全く違う意味になってしまうことがあります。そんな有終の美・有終の美を飾るを使う際の注意点があります。
そんな中で、最も注意しなければならないことは「有終」と「優秀」です。発音が同じで、聞き間違いから発生する漢字表記ですが「優秀の美」という使い方は、辞書にもありませんから注意が必要です。
「評価」や「結果」では使えない
有終の美・有終の美を飾るとは、最後に素晴らしい成果を残すという意味と紹介してきました。最後までやり通して美しく終わるという事で、この言葉を評価や結果には使えないという事があります。
成し遂げたことに対する意味では、同じですが「有終な結果」とか「有終な評価」という様には使いません。こんな場合には、前に触れた「優秀」の文字を使うことです。この様に結果や評価には使わない言葉です。
「有終の美・有終の美を飾る」の由来・歴史
「有終の美・有終の美を飾る」の語源をたどると、中国古代(紀元前771年から1100年頃)の周王朝にまで遡ると云われています。そんな古い時代から使われている言葉です。
そもそも日本語には、古い歴史に裏付けられた言葉が多くあり、古代中国の故事・史記などから伝わるというものがあります。そんな有終の美・有終の美を飾る語源にも由来・歴史があります。
由来
有終の美・有終の美を飾るの語源は、中国最古の詩集「詩経(しきょう)」に由来するといわれます。「初め有らざるはなし、よく終わり有るは鮮(すく)なし」の詩が由来と紹介されています。
その意味は、初めはやり遂げようとしても、実際にやり遂げる人は少ない。という意味があり「有終」の語源になったといわれています。そして、立派にやり遂げたという意味の「美」がついて、有終の美となった由来があります。
歴史
有終の美・有終の美を飾るの語源は、古代中国にまで遡り、詩経にあるという事を紹介しました。有終の美・有終の美を飾るの語源にも、長い歴に裏付けられた言葉の歴史が証明されています。
紀元前1100年頃の中国の周王朝(戦国時代の小国家)につくられたことから「周詩」とも呼ばれています。そんな時代に、詠まれている中国最古の詩篇に有終の意味する一篇に裏付けられているという歴史があります。
「有終の美・有終の美を飾る」の英語表記
有終の美・有終の美を飾るの語源をたどれば、どれほどの歴史に裏付けられた言葉なのかという事が分かりました。そんな有終の美・有終の美を飾る言葉には、こんな英語表記の仕方があります。
有終の美を英語表記すると、最後を飾る栄光という意味の「crowning glory」が有終の美と訳されます。His last game was a crowning glory(彼は、最後の試合を有終の美で終えた)という表記ができます。
また、成功で終わるという意味の「end successfully」が有終の美を飾ると訳せます。My Boss ennds his entire work successfuiiy(上司は、立派に業務を全うし有終の美を飾った。)という表記ができます。
「有終の美・有終の美を飾る」は立派な成果を上げるという意味
「有終の美・有終の美を飾る」という言葉には、その語源からして古くから使われている美しい言葉の響きがあります。物事の全てを成し遂げるという、精度が高くとても深い意味が言い表されている様です。
そんな、有終の美・有終の美を飾るは、将来に向けたモチベーションにもつながるというメンタル面にも大きな影響がある言葉です。有終の美・有終の美を飾るには、立派な成果を上げるという意味があります。