不手際の意味
ビジネスでは、特にお詫びの際などによく見られる「不手際」という言葉ですが、実は読み方を知らなかったり、ちゃんとした意味を知らないまま使っていないでしょうか。お詫びや謝罪の時に使われることが多い言葉ですので、使い方を誤っていると、誠意が相手に伝わらないといったことにもなりかねません。
この記事では、「不手際」の読み方や意味、類義語に加え、例文を使用した「不手際」の使用例や、英語表現について解説します。ビジネスシーンで使用しても恥ずかしくないように、「不手際」の正しい意味と使い方を理解してください。
手際が下手なこと
「不手際」とは、漢字をそのまま分解すると「不」と「手際」に分けられます。「不」には打ち消しの意味がありますので、手際を打ち消すという意味で、手際が下手なこと、良くないことといった意味になります。
ちなみに、打ち消しの接頭辞(言葉の頭に付ける言葉)には他に「無」「非」「未」があり、これらが言葉の前に付いている場合は、後に続く言葉の良い意味を打ち消していたり、否定していますので、合わせて覚えておいてください。
物事の処理や出来が良くないこと
手際の意味は「物事を処理する腕前。手腕。技量。手並。」と広辞苑に書かれています。また、別の意味として「よい出来栄え」というものもあります。その手際に「不」が付いていますので、「不手際」の意味としては「物事を処理する腕前が良くないこと、あるいは出来栄えが悪いこと」といった意味になります。
手際の意味として、広辞苑に書かれている意味を例として挙げましたが、その他の国語辞典でも、他に特別な意味は書かれておらず、基本的には上記の意味と理解して問題ありません。
読み方は「ふてぎわ」
ここまであえて漢字表記だけとしてきましたが、「不手際」の読み方を間違えず、正しく読めているでしょうか。「不手際」の読み方は「ふてぎわ」となります。漢字が組み合わさっても特別な読み方とはならず、「不」と「手際」の読み方がそのまま合わさって「ふてぎわ」という読み方です。
「手際」も特別な読み方ではありませんので、「てぎわ」の読み方さえ覚えてしまえば、頭に「不」が付いてもあまり混乱せずに「ふてぎわ」と読めます。
不手際の漢字を分けた意味
不手際の意味と読み方については以上ですが、熟語の意味を覚えるためには、まずその熟語がどのような意味の言葉から成り立っているかを知ることが近道です。「不手際」という熟語の漢字を分解して、その意味を見ていきます。
「不手際」を構成している漢字を分解すると、「不」「手」「際」になります。それぞれの漢字の意味から、「不手際」の熟語の意味を覚えてください。
「不」の意味
「不」は上でも述べたように、打ち消しの意味を持つ接頭辞(言葉の頭に付ける言葉)です。「不可能」という言葉があるように、何かができるという意味の「可能」という言葉に、「不」が付くことで、「できない」という意味に変わります。
後に続く言葉が持つ意味を否定したり、打ち消したりする役割を持つのが「不」という言葉になります。
「手」の意味
続いて「手」という言葉は、体の一部である手を示すのはもちろんですが、それ以外にも様々な意味があります。たとえば「取っ手」のように物を掴む場所を示したりもします。
多くの意味を持つ「手」ですが、「不手際」の場合の「手」が示す意味は、仕事や作業そのもののことを指します。
「際」の意味
最後の「際」は、一般的に境界や物の端を意味しています。「波打ち際」というと、水と砂浜の境界になりますし、「窓際」というと、窓に近い場所になります。
ですが、「不手際」の「際」が示す意味は上記とは異なり、才能などの程度や物事の程度を表しています。
「手際」の意味
最後に、「手際」という言葉の意味ですが、「仕事や作業の程度」ということになります。しかしながら、「手際」だけでは、「仕事や作業の程度」が良いのか悪いのかは分かりません。
そこで一般的には、「手際が良い」というように、仕事や作業の程度が優れているという意味にするために、手際の後に別の言葉を付けます。あるいは、今回紹介している「不手際」のように、手際の前に言葉を付けることで、手際の意味をネガティブにしています。
不手際の類義語
不手際の漢字を分解したときの、それぞれの意味について紹介しました。続いては不手際と意味の似ている違う言い回しの言葉、いわゆる類義語を紹介します。不手際の類義語は、意外にも多くの種類があります。これは、不手際が解釈次第で広い意味を持ち、それぞれの意味に対して類義語が存在するためです。
類義語を知っておけば、文章的に不手際を使うと違和感がある場合に、類義語に置き換えるとしっくりくることも多くあるため、不手際が持つそれぞれの意味の類義語をしっかり覚えておきましょう。
手落ち
まず最初の類義語は「手落ち」です。手落ちの意味は、「方法や手続きなどに不十分な点があること。または、その不十分な点」というものです。ちなみに読み方は「ておち」です。
不手際の意味である「やり方や出来が悪いこと」とほとんど同じ意味を持っていますので、どちらを使用しても同じように意味は通じます。ただ、不手際のほうが言い回しとしてかしこまっているため、ビジネスにおける謝罪としては、不手際のほうが適しているでしょう。
不始末
続いての類義語は「不始末」です。不始末の意味は「後始末をよくしないこと。処置がだらしないこと」となります。先程の類義語「手落ち」の意味と似ていますので、当然「不手際」とも似たような意味となります。こちらの読み方は「ふしまつ」となります。
ただし、「不始末」は後始末や処置の方法に問題がある時に使用しますので、たとえばそもそも何かをやり忘れてしまった時については、不手際のほうが適しています。
不行き届き
「不行き届き」という言葉も、不手際の類義語となります。意味は「注意が行き届かないこと。気がきかないこと」となります。「監督不行き届き」といったように、主に自分の部下への注意が行き届いていないことによって生じた問題に対して、謝罪する時に使用する言葉です。読み方は「ふゆきとどき」です。
不手際となぜ類義語かというと、不手際は自分だけではなく、部下や同僚のミスを謝罪する時にも使用するからです。そういった場合は、不行き届きと同様、他者のミスによって生じた問題を謝罪する時に「部下の不手際により~」というように使用します。
不調法
「不調法」の意味は、「手際が悪いこと、不始末をしでかすこと。」です。不手際と同じ意味を持つことは明確です。ちなみに読み方は「ぶちょうほう」です。
一般的に不調法は、何か軽はずみから生じた失敗や問題の場面で使用します。そういった場面で不手際を使用することは間違いではありませんが、明らかに軽はずみの作業や判断が原因である場合は、不調法を使いましょう。
その他の類義語
「やり方や出来が悪いこと」の類義語として、他にも「手違い」や「落ち度」といった言葉もあります。これらは比較的ビジネスでも目にする言葉ですが、もっとくだけた表現としては「下手(を打つ)」や「ヘマ(をする)」も、不手際の類義語となります。ここまでくだけると、話し言葉としてでもビジネスには不適ですので、注意しましょう。
あまり聞き慣れない類義語では「遺漏」という言葉もあります。読み方は「いろう」です。これは「手落ちがあること」という意味なので、先ほど例を挙げた「手落ち」と同じ意味であり、不手際の類義語となります。
このように、ある言葉と同じ意味をもつ別の言い回しが多くあるため、類義語の数も必然的に多くなっていきます。
不手際と類義語の使い分け
上で述べたように、不手際には多くの類義語が存在しますが、不手際はミス全般を指す便利な言葉となっています。これに対して、類義語の中には特定のシーンを示すものも存在します。
ミスを犯した状況が明確にわかっていて、それを指す言葉が別にある場合は、そちらを用いたほうが良い状況もあります。
手違いを使う方が適した場面
手違いの意味は「手順を誤ること、手配を誤ること。」です。自分や会社が、手順や手配を誤ってしまったことで相手に迷惑をかけた場合は、不手際よりも手違いを使用した方が適しています。読み方は「てちがい」です。
例えば、契約を取り交わす際に本来踏まなければいけない手順を失念してしまい、相手側に迷惑をかけてしまった、という場合は、不手際よりも手違いを使用しましょう。
不備を使う方が適した場面
不備の意味は「必要なものが十分に備わっていないこと、不完全であること。」です。本来用意しなければ行けない書類を準備できなかった、あるいは記入しなければいけない内容に漏れがあった場合は、不手際よりも不備を使用した方が適しています。読み方は「ふび」です。
例えば、本来は契約を交わす際は5枚の書類に記入が必要にも関わらず、4枚だけに記入して提出してしまった場合は、不手際よりも不備を使用した方が適しています。
場面に応じてより適した言葉を使おう
不手際はミス全般を表現できる便利な表現です。何が原因かは分からないものの、相手に迷惑を掛けていることが発覚した場合は、その謝罪をまず行うために不手際を使用することは良い方法です。ですが、迷惑の原因が明確に分かっている場合は、その原因の内容に応じた言葉を使うと、相手に誠意が伝わりやすいことも事実です。
不手際が便利だからといって、深く考えずに使用するのではなく、言葉にはそれに適した場面があるということを意識して使うようにしましょう。
不手際を使う場面
不手際の類義語と、類義語を使う方が適した場面の紹介は以上です。続いては不手際の使い方について見ていきましょう。ここでは、いくつかの場面に分けて、不手際の使い方を紹介します。
いずれの場合も、確認漏れや作業ミス、あるいは誤った方法によって相手側が不利益を被ったり、不快な思いにさせた時に使用します。上で述べたように、不手際はミス全般を指す便利な言葉ですので、多くの場面で使用することができます。
商品の納期・発送の遅れ
まず最初の使い方は、商品の納期が何らかの理由によって遅れてしまった時です。輸送中の事故など、自分ではどうしようもない場合を除いて、商品の納期が遅れてしまうことの原因は、連絡漏れや勘違い、作業ミスにあることが多いです。
また、発送作業の遅れにより、商品の到着が遅れてしまった場合でも、不手際は使えます。作業効率が悪かったり、注文が立て込んで処理がうまく回せなかったりする場面も、不手際の使い方としては適しています。
サイズ違い商品の間違い
洋服や靴など、サイズを決めて購入する場合に、店側が誤って異なるサイズの商品を渡すといった場面でも、不手際は使えます。この場合は店側が謝罪する場合に使用します。
商品の梱包時やタグ付け時点で商品サイズが誤っていることになりますので、「不手際によって異なるサイズの洋服を渡してしまった」という場面は、不手際の使い方に適しています。
従業員・部下の行動の非礼
最後の使い方は、従業員や部下が、相手に対して失礼な行動をとった時に謝罪する使い方です。監督不行き届きと同様、自分や会社の教育が正しくできていないから迷惑をかけてしまった、あるいは部下のミスにより迷惑をかけてしまった時に、不手際を使って謝罪します。
この場合の使い方は、「不手際」をしたのは部下や従業員になるため、「部下の不手際により~」といった使い方になります。
複数の要因で相手に迷惑を掛けた場合
相手に迷惑を掛けてしまう原因はいつも1つであるとは限りません。不幸は重なる、という言葉があるように、いつもはしないようなミスであっても、1つのタイミングに重ねて起こってしまうことがあります。
そういった場合にも、不手際は使えます。書類の不備や発送の手違いなどが重なって、商品の到着が遅れてしまった場合は、それぞれを説明しているとどうしても言い訳がましくなってしまうため、「当方の不手際により~」といったように複数のミスを1つに集約してしまったほうが、簡素に表現できます。
不手際の使い方と例文
続いては、不手際を使った実際の例文を紹介します。不手際の使い方としては、具体的なミスの内容や過失を、くどくどと説明する必要はありません。「不手際」という言葉で、ミスや過失があったことを表現しているためです。
いずれの例文も非常に簡素な文章ではありますが、不手際によるミスや非礼を詫びたいという気持ちは伝わります。
例文:ミスを犯した意味での使い方
まず最初の例文は、ミスを犯したことを謝罪する場合の使い方です。ミスの内容を具体的に説明するのではなく、「不手際」という言葉に集約してしまって、簡素な文章でお詫びの気持ちを伝えるような文章としましょう。
例えば「この度は弊社の不手際により多大なるご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。」という例文では、どういったミスがあったのかには触れていません。あくまで「ミスがあったので申し訳ない」という気持ちを伝えることを目的としています。
他にも「この度は誤った個数を発送しましたこと、お詫び致します。今後はこのような不手際を起こさぬよう、再発防止に努めます。」という例文では、先程とは逆に、ミスの内容を簡単に伝えています。その上で、後の文章で不手際という言葉でミスを再度起こさないという決意を伝えています。
例文:不快にさせた意味での使い方
続いての例文は、相手を不快な気持ちにさせたことを謝罪する使い方です。部下が取引先で無礼な態度を取ったり、店舗のスタッフの応対が悪く、顧客を怒らせてしまった場合などを想定した例文です。
1つ目の例文は「社員の不手際により不快なお気持ちにさせてしまったことを深くお詫びいたします。」というものです。部下が取引先の相手に失礼な言動をとった場合の使い方です。
もう1つの例文は「この度は当店スタッフの不手際により、◯◯様に不快な思いをさせてしまったこと、深くお詫び申し上げます。」というものです。店舗スタッフのミス等で、顧客に迷惑をかけてしまった場合の使い方です。
例文:遅延による謝罪の意味での使い方
最後の例文は、遅延による謝罪を行う際に使うものです。入力ミスや勘違いにより、発送手配が遅れてしまったり、到着指定日を誤ってしまった場合などを想定した例文です。
1つ目の例文は「この度は、こちらの不手際によって納品が遅れてしまい、誠に申し訳ありませんでした。」というものです。発送手配に誤りがあり、納品日が予定よりも遅くなってしまった場合に、それを謝罪する使い方です。
もう1つの例文は「配送手配の不手際により商品の到着が遅れてしまい誠に申し訳ございません。」というものです。こちらも発送時のミスにより、到着が遅れてしまうことを謝罪する場合の使い方です。
不手際の使い方【ビジネスシーン】
不手際を使った例文について紹介しました。実際に不手際を使った文章のイメージはつかめたでしょうか。続いては、ビジネスシーンにおける不手際の使い方について紹介します。
何かトラブルが起こった場合に、何でもかんでも不手際を使って謝れば良い、というわけではなく、不手際を使用する際のポイントがあります。まずはそのポイントを抑えましょう。
こちらに非がある場合の謝罪
不手際を使った謝罪は、基本的にこちら側に非がある場合になります。ミスを犯してしまったり、自分の不注意で問題が発生してしまったりといった場合に、不手際を使います。
反対に、トラブルが発生したものの自分に非がない場合は、不手際を使うのに適していません。商品の到着が遅れる理由が、こちらの手配ミスであれば不手際を使いますが、輸送中の事故などで届かない場合は不手際を使いません。
謝罪と説明を混在させない
不手際を使うような謝罪をする場合は、真っ先に謝る姿勢を見せることが重要です。くどくどとなぜ不手際が起きたのかを説明すると、謝るどころか言い訳に終始しているように受け取られかねません。
すでに不手際の原因がわかっていればその内容を、まだわかっていなければ調査中であることを、謝罪の後に伝えるだけで、第一報としては十分です。必要に応じて、その後に改めて報告書などを提出すれば良いでしょう。
繰り返しになりますが、不手際を詫びる謝罪の際に、説明を混在させないようにして、言い訳がましくならないように注意しましょう。
今後の前向きな姿勢を見せる
謝罪のセオリーとしては、「今後は同様のことを起こさない」という前向きな姿勢を見せることも重要です。不手際の原因がわかっているのであれば、簡単に再発防止策を伝えることで、相手の納得感を得られやすくなります。
まだ原因がわかっていない場合であれば、原因究明に全力を上げる旨を伝えると良いでしょう。いずれの場合でも、再発防止か原因究明に消極的であるかのような文章には気を付けましょう。
自分より低い相手に対しては使わない
不手際には謙譲語としての役割があります。ミスを犯して謝罪する相手が目上の人であったり、顧客である場合は不手際を使用しますが、例えば社内の同等以下の人に対しては、不手際を使用するのは適していません。
「こちらに非がある場合」か「相手が目上の人かどうか」に不手際を使いますので、「問題の責任は誰にあるか」「誰に対して不手際を使うのか」をよく考えてから使用するようにしましょう。
小さな不手際が大きなトラブルになる前に謝罪を
不手際は、会社が傾くような不祥事であったり、人命に関わるような重大な問題ではなく、比較的軽いミスを犯した場合に使用します。何かミスによって問題が発生した場合は、その影響や重大度を考えて、不手際で済まして良いかどうかを判断しましょう。
とはいえ、小さな不手際でも、何度も同じようなミスを犯したり、ミスを犯した際の謝罪が適当であったりすると、顧客からの信用を失ったり、大きなトラブルの原因にもなりかねません。
不手際という言葉で済ますことが出来るうちに、誠意を持った謝罪をし、同様のことが起こらないような対策を講じることで、かえって相手からの信頼を得ることもできます。「ピンチはチャンス」という言葉もあるように、問題が起きたときこそ、きちんとした対応を取るように心がけましょう。
不手際の英語表現
ここまで、不手際に関する日本語の意味や例文、使い方について紹介しました。最後に、不手際を英語表現する場合について紹介します。
不手際を辞書で引くと、いくつかの英語表現を見つけることが出来ますが、中には少しニュアンスの異なる英語表現も見られます。
今回紹介した日本語の意味と、辞書に出てきた英語表現の意味とを見比べて、なるべく同じニュアンスのものを使うようにしましょう。
英語の場合は簡潔に表現
不手際の英語表現は、実は非常にシンプルなものです。単語自体も、中学レベルのもので十分意味は通じます。辞書によっては「clumsy」「awkward」が同じ言葉として出てきますが、いずれの単語も意味は「不器用な、不自然な」ですので、不手際のニュアンスとは異なります。
なお、英語表現でも、日本語の場合と同じく、あまり回りくどい言い方はしません。単刀直入に、「失敗しました、ごめんなさい」ぐらいの文章とするのが一般的です。
あまり耳慣れない単語を無理に使うのではなく、誰もがよく知っている英語表現で不手際を表現することはできますので、そちらを見ていきましょう。
mistake
不手際の英語表現として適したものは「mistake」です。直訳すると「ミスを犯す」あるいは「間違い、誤り」です。不手際の持つ意味とほとんど同じになります。
日本語での不手際は、解釈によっていくつか意味が分かれましたが、英語表現であるmistakeは、多くの人が上で述べたような意味を連想するでしょう。不手際の英語表現としては、もっとも適した言葉となります。
英語表現の例文としては「I apologize for the mistake.」となります。簡単に訳すと「ミスをお詫びします」となります。ビジネスにおいてはより丁寧な謝罪を伝える意味で、sorryではなくapologizeを用いましょう。
error
続いての英語表現は「error」です。「error」も「mistake」と同様、「間違い、誤り」という意味があります。mistakeと違うのは、mistakeは動詞の意味も持っていますが、errorは名刺の意味だけとなります。
先ほど紹介した「I apologize for the error.」でも、先ほどと同じに意味になります。mistakeをerrorに置き換えただけですが、どちらも英語表現としては問題ありません。
wrong doing
wrong doingの本来の意味は、悪行や罪となりますが、「間違ったことをしてしまった」という意味で、不手際と同様に使うことが可能です。mistakeやerrorに置き換えて「I apologize for the wrong doing.」として問題ありません。
なお、より深い謝罪の意を表したい場合は、「大変、深く、重ねて」という意味を持つ「sincere」「sincerely」でapologizeを修飾すると良いです。次のような例文となります。「I sincerely apologize for the wrong doing.」
I'm sorry about my mistake
I apologizeではなく、I'm sorry とすると、比較的くだけた言い回しの英語表現となります。ビジネスシーンではapologizeを、近しい人や友人などに非を詫びる場合はsorryを使用すると良いでしょう。
「I'm sorry about my mistake.」という英語表現で、十分に謝罪の意は伝わります。こちらも、mistakeの代わりにerrorやwrong doingを使用しても、英語表現として問題有りません。
unskillful
ここまでの英語表現では主に「失敗」という意味にフォーカスを当てて、英語表現を紹介しました。ただ、不手際には、失敗以外にも「物事の出来が良くない」という意味があるため、こちらの英語表現についても存在します。
「unskillful」は、「下手な、不器用な」という意味があります。名詞にすると「unskillfulness」です。これらも「不手際」の英語表現としては適切になります。
ミスや失敗という意味ではなく、方法が良くなかったという意味で不手際の英語表現を使う場合は、格式ばったunskillfulが良く使用されます。
「不手際」は物事の処理や出来が良くないこと
以上が、不手際の意味、読み方と類義語、不手際を用いた例文や英語表現の紹介でした。改めて不手際の意味を復習すると「物事の処理や出来が良くないこと」です。これに起因して、相手に迷惑を掛けたり、不快な思いをさせた時に、謝罪の言葉として使用します。
また、「こちらに非がある場合」に使用する言葉であり、さらに不手際には謙譲語としての役割もあるため、「謝罪の相手が目上の人」である場合に使用する言葉となります。
不手際がミスを表す便利な言葉だからといって無闇に使用せず、状況をよく考えて使用するように注意しましょう。