「アテンションプリーズ」の意味とは?
「アテンションプリーズ」は、空港や飛行機の機内で耳にするフレーズで「お知らせいたします」や「こちらに注目して、聞いてください」という意味です。
「アテンションプリーズ」は英語で「attention(アテンション)」に「please(プリーズ/どうぞ)」をつけて丁寧な表現にした言葉です。英語で「attention」は「注目」や「気を配る」という意味の単語です。
つまり「アテンションプリーズ(Attention please)」は「どうぞ注目してください」という意味で、空港や飛行機の機内だけでなく、大勢の人が集まる騒がしい会場で注目を集める意味で使用される言葉です。
「アテンション」の意味とは?
「アテンションプリーズ」はアナウンスなどでよく聞くけれど、「アテンション」の意味は?と問われると正しく答えられる人は少ないのではないでしょうか。英語では「attention(アテンション)」は日常的によく使われる単語です。
日本では空港や飛行機のアナウンスで聞く以外は、あまり想像がつかないかもしれませんが、最近ではビジネスシーンでも使われることがあります。商談やビジネス会話で登場することもあるので「アテンション」の意味や使い方をしっかり押さえておきましょう。
「アテンション」は「注目」や「注意」「気配り」という意味なので、広告業界では「宣伝ポスターは、アテンションを引くように目にとまる場所に貼ることが肝心です」のように使います。
また「キャンペーンで予想を上回るアテンションを得ることができたのは、商品の良さもさることながらポスターのデザインやアピール度などで宣伝効果が上がったからです」のように「注目を得る」という意味で「アテンション」を使います。
ビジネスシーンでは「アテンションを高める」「アテンションミス」などの言葉も時々使われるようになりました。「アテンションミス」とは、注意が足りないことによるうっかりミスを意味します。
「アテンションを高める」とは、ミスを減らすために注意力を高めるという意味です。このように日本のビジネスシーンでも「アテンション」を使う場面があるので意味をしっかり把握しておきましょう。
「アテンションプリーズ」と似た意味の表現
「アテンションプリーズ」は空港などで、重要なお知らせがある時にアナウンスで「注目して、よくお聞きください」という意味でよく耳にするフレーズです。
日本では空港や飛行機の機内などの限られた場所で使われますが、英語で「attention(アテンション)」は様々な場所で日常的に使われます。それでは「アテンションプリーズ」と似た意味で「attention(アテンション)」を使った英語表現の使い方と例文を合わせて紹介します。
「ペイアテンション(pay attention)」の意味
「pay(ペイ)」はお金を支払うという意味でよく使われますが、英語では注意や気を使う場合にも使います。
英語で「attention(アテンション)」は「注目」や「気を配る」という意味なので、「pay(〜を払う)」という動詞をつけた「pay attention(ペイアテンション)」は「注意を払う」「気にとめる」という意味になり、アテンションプリーズと似た意味の表現になります。
しかし、アテンションプリーズは、呼びかけ言葉なので文の頭に使用します。「pay attention」の使い方は、文章中で「pay attention to〜(〜に注意を払って)」を使って「You should pay attention to these.(あなたはこれらのことに留意すべきです)」のように使用するのが一般的です。
また「I won't pay any attention to someone like that.(私はそのような人を相手にしません)」「He didn't pay any attention to my warning until he had that accident.(彼はあの事故にあうまでは、私の注意に全く耳を貸さなかった)」のように「respect(リスペクト)」と似たニュアンスがあります。
文頭に使う場合は「Pay attention to details.(細かいところに注意を払いなさい)」「Pay attention to his advice.(彼のアドバイスに留意しなさい)」「Pay more attention to your work.(仕事にもっと集中しなさい)」のように命令形としての使い方があります。
「サンクスフォー・ユアーアテンション」の意味
「Thanks for your attention(サンクスフォー・ユアーアテンション)」は日常会話でよく使用される言い回しで「気遣いありがとう」「注目してくれてありがとう」という意味です。
「Thanks」という単語は、かなり砕けたカジュアルな表現なので、ビジネスなどフォーマルな場面では失礼にあたるので不適切です。どうしても使いたい場合は「Thanks for」を「Thank you for」に言い換えるようにしましょう。
例文では「That's all I wanted to say. Thanks for your attention anyway.(言いたいことはそれだけです。聞いてくれてありがとう)」のように使います。
「Thanks for your attention」 を「Thank you for your attention」に変えると「ご静聴くださりありがとうございます」のようにフォーマルで丁寧な表現になります。英語ではちょっとした単語の使い方で丁寧さが変わるので注意しましょう。
このほか「アテンションプリーズ」と似た意味の表現に「careful attention(ケアフルアテンション/気配り)」「close attention(クローズアテンション/細心の注意)」「attention degree(アテンションディグリー/注目度)」などがあります。
「アテンションプリーズ」と「ビーケアフル(Be careful)」の意味と違い
「ビーケアフル(Be careful)」は「気をつけてください」という意味でよく使われる英語です。「アテンションプリーズ」も「お知らせします、注目してください」という意味でよく似ています。どこに違いがあるのでしょう。
それでは使い方・例文で検証してみましょう。「I will be more careful.(もっと気をつけるように反省しています)」「I must be careful of someone or something.(念には念を入れて、注意すべきです)」のように使います。
また「Be careful not to get sick!(風邪をひかないようにね!)」「Be careful not to eat too much!(食べ過ぎには注意しましょう!)」のように優しい命令形で注意を促す時に使います。
「アテンションプリーズ」は、空港内や飛行機の機内などで注意をひく呼びかけとして使いますが、「ビーケアフル(Be careful)」は日常会話の中で様々なシーンで使われるフレーズです。使うシーンが「ビーケアフル(Be careful)」の方が幅広く日常的に軽く使うところに違いがあります。
「アテンションプリーズ」の使い方・例文
「アテンションプリーズ」の使い方で最も多いのが、空港の中で登場ゲートの変更や欠航・遅延の案内、探し物や人を探す時のアナウンスです。
また大勢の人が集まるパーティーや集会で、司会者が注目を集める呼びかけや、学校の授業中に生徒が騒がしい時などに注目を集める手段として「アテンションプリーズ」が使われます。
それでは空港や飛行機の中、パーティー会場などシチュエーションに合わせた「アテンションプリーズ」の使い方を例文を交えて紹介します。
例文①
「アテンションプリーズ」を空港内で使う場合は、かなり大勢の人がごった返しているので「アテンションプリーズ」を2度繰り返して使う場合が多々あります。2度繰り返すことにより注目度を高めることができます。重要なお知らせなどの時によく使われます。
「アテンションプリーズ」に続いて「〇〇航空ニューヨーク行き408便の登場ゲートが、B搭乗口よりC搭乗口に変更されました。お間違いの無いようにご注意ください」の例文のように重要な情報がアナウンスされます。
その他、飛行機の出発(departure)や到着(arrival)時間の変更などもアナウンスされるので、「アテンションプリーズ」に続く情報には注意しましょう。もちろん海外の空港では英語だけでアナウンスされることがあるので英語は勉強しておきましょう。
飛行機の機内でCAがアナウンスすることが多いのは、離陸・着陸時のシートベルト着用の案内です。国内線では「みなさまご案内いたします。この飛行機はまもなく離陸いたします。着席の上シートベルトの着用をお願いします」の例文のようにアナウンスします。
国際線の英語例文では「Ladies and gentlemen , we wii be takeing off shortly.(この飛行機はまもなく離陸いたします)」のようにアナウンスをし「Attention please(アテンションプリーズ)」は機内では通常は使いません。
「アテンションプリーズ」は命令形のニュアンスが強い口調なので、機内の通常のアナウンスでは使いません。使うのはアクシデントなど緊急を要する時で、必ず聴いてほしい情報をアナウンスする場合に限られます。
また、到着後お客様が飛行機を降りる際には「Thank you for flying with us today.(本日のご搭乗ありがとうございました)」や「we’er looking forward to seeing you on bored again.(また機内でお目にかかれることを楽しみにしております)」の例文のように感謝のセリフをアナウンスします。
例文②
式典やパーティー会場で、歓談中にスピーチなどを入れる時に「アテンションプリーズ、ご歓談の途中ですが本日のパーティーの主役である〇〇ご夫妻に、ここで花束の贈呈を行いたいと思います。どうぞ中央のステージにご注目ください」の例文のように司会者が使います。
英語では「Attention please(アテンションプリーズ)」より「Ladies and gentlemen(レディース&ジェントルマン)」の方がよく使われます。
「Attention please(アテンションプリーズ)」は命令形の意味合いを含んでいるので、パーティーなどの華やかな場面では「Ladies and gentlemen」の方が使い方としてはふさわしいようです。
また学校の授業などで、生徒が騒がしくて収拾がつかない時に先生が「アテンションプリーズ」と言って注目を集め騒ぎを収め、先生の言葉を聞いてもらいたい時に使います。
また大事なコンサートや式典などのリハーサルで、PA(音響)がマイクのテストをする時に「アテンションプリーズ」を使うことがあります。マイクで「テスト、テスト」と繰り返すよりスマートでかっこいいので「アテンションプリーズ」が使われるようです。
「アテンションプリーズ」の注意点
「アテンションプリーズ」は「どうぞご注目ください」という意味ですが、英語の「attention(アテンション)」には「注目」「注意」「気を配る」という強い意味があります。
そのために「please(どうぞ)」という単語をつけて柔らかい表現にしています。しかし「アテンションプリーズ」には「注目してください」という命令的なニュアンスを含んでいるので、使う場所には注意が必要です。
つまり重要な情報で、どうしても聞いてもらう必要がある場合に使われる表現なので、空港内での変更情報などのアナウンスに「アテンションプリーズ」が使用されますが、パーティーや機内アナウンスで「Ladies and gentlemen(レディース&ジェントルマン)」が使われる理由はそのためです。
「アテンション」単独では使わない
日本語の感覚で「アテンションプリーズ」の代わりに「attention(アテンション)」を単独で使うと、非常に強い命令形の語調になるので、よほどのことがない限り必ず「please」をつけるようにしましょう。
もちろん「please」をつけても、使う場面は注意しなければなりません。たとえ親しい間柄でもマナーは大切です。日本語では少しの意味の違いでも英語では大きく意味が違う場合があります。人間関係に影響することがあるので言語の意味の特性には留意するようにしましょう。
「アテンションプリーズ」は「ご注目ください」という意味
「アテンションプリーズ」は「ご注目ください」という意味で、空港などでフライト情報などで重要な変更などがあるときに「お知らせがあります。ぜひ注意して聞いてください」という呼びかけのアナウンスに使う言葉です。
「アテンションプリーズ」は英語の「attention(アテンション)」に「please(どうぞ)」という言葉をつけて丁寧な表現にしていますが、もともと「attention」には「注目・注意」という強い意味があり、「アテンションプリーズ」も使う場所によっては命令的な強い意味を持ちます。
ここまで紹介した内容を参考にして「アテンションプリーズ」と「アテンション」の使い方と意味を理解して、適切なシチュエーションで正しい使い方をするようにしましょう。