オミットの意味
「オミット」と言う言葉はどのような意味で使われているのか、使い方を解説します。普段の会話で「オミット」と言う言葉を使うことはないと思いますが、今でも業界によっては使われている言葉です。
オミットの意味や使い方を理解すればシーンによっては使うことが可能です。ただ、一般的に聞き慣れない言葉なので意味を知らない方がほとんどです。これが「オミット」と言う言葉が使われない主な理由です。
また、最近某CMで有名になった「結果にコミットする」の「コミット」という言葉について、言葉の響が似ているので「オミット」と同じような意味だと思っている方もいるようです。「オミット」と「コミット」の違いも解説させていただきます。
意味・除外する
「オミット」とは聞き慣れない言葉だと思いますが、「除外する」や「省く」という意味で使われます。「オミット」の語源は「omit」という英語で、「省く」や「抜かす」と言う意味です。英語、日本語どちらも同じような意味で使用します。
オミットを会話で使用する場合、例えば、部下が上司に企画を提案した際、上司からの回答で「今回の企画は面白いと思うけど、予算が合わないのでオミットすることにする」というように使用します。この例文は企画の内容は面白いけど予算オーバーのため除外するよという意味です。「除外する」というよりも柔らかい表現として使用されるのが一般的です。
オミットとコミットの違いとは
「オミット」と「コミット」は言葉の響が似ているので同じような意味だと思われることがあります。ですが、言葉の意味も違いますし、使い方も全く異なります。
「コミット」と言う言葉は「コミットメント」の略で「責任の伴う約束」や「目的目標に対して積極的に関わる」という意味です。「オミット」に比べて一般的にも日常会話やビジネスシーンで使われることが多い言葉です。
この「コミット」の意味と使い方を知っている方はたくさんいますが、「オミット」と言う言葉の意味と使い方を知っている方はあまりいません。ここでは「コミット」の意味や使い方を説明させていただきます。
コミットは対義語
「オミット」の対義語は「コミット」と言う言葉になります。この対義語は英語ではCommitment(コミットメント)と表記し、省略した言葉が「コミット」です。意味は「責任の伴う約束」や「目的目標に対して積極的に関わる」と言う意味のため、「オミット」の対義語と言われております。
ビジネスシーンでも最近よく「コミット」と言う言葉を使うようになりました。某有名なCMのフレーズ「結果にコミットする」は「結果を出すことを約束する」という意味ですが、ビジネス以外に使用することも増えております。
「コミット」という言葉の方が有名なため、「コミット」の対義語が「オミット」という方が「オミット」という言葉の意味を理解するのは簡単です。
オミットをコミットに変えると真逆の意味になる
「コミット」はオミットの対義語だと先ほど説明しましたが、対義語の意味は意味が反対となる語です。某有名CMの「結果にコミット」するという表現はダイエットジムのテレビコマーシャルでもっとも耳にする言葉ですが、対義語の「コミット」を「オミット」に変えると真逆の意味になります。
「結果をオミットする」にすると、結果を除外する、つまり結果が伴わないということです。このように対義語に変えると文章も真逆の意味になってしまいます。
また言葉が対義語のため「コミット」はポジディブな意味で使用されることが多く、「オミット」はネガティブな意味で使用されることがほとんどです。
オミットの使い方
「オミット」という言葉はどのようなシーンで使われるのか、その使い方を解説します。「オミット」と言う言葉は業界によっては今でも使われている言葉だと冒頭でもお話ししました。実際にどのような業界で使われているのでしょうか。
「オミット」の意味だけを考えると「除外する」、「省く」と言う言葉を違う言葉で使っている業界はたくさんありますが、そのまま「オミット」と言う言葉で会話する業界もあります。今回はIT業界、音楽業界、テレビ業界の3つに分けて使用例を紹介していきます。
①IT業界で多く使われる
「オミット」という言葉はカタカナ語を頻繁に使用するIT業界で多く使われる傾向があります。IT業界では頻繁に使われる言葉のため当然のように日常会話にも出てきます。しかし他業界の人や日常生活で使用しても相手が「オミット」を知らないことがほとんどです。
IT業界に勤めている方は社内では使用することがあっても社外ではあまり使用しません。相手が「オミット」の意味を知らない場合「オミット」の意味から説明を始めないといけないので使い方には注意しましょう。最初から相手が分かりやすい「省く」や「抜かす」と表現した方がいいときもあるでしょう。
②音楽用語「オミットコード」
音楽業界での「オミット」はどのように使われているのでしょうか。音楽業界では「オミットコード」という言葉があります。この言葉は音を省略するという意味を持っています。
「omit3(オミット・サード)」と楽譜に表記されている場合、メジャーコードの1〜3度の「3度」を省略するという意味になります。
「Comit3」は音楽業界で代表的な表記例で「Comit3」の「C」というコードは1度が「ド」3度が「ミ」5度が「ソ」で構成されています。この場合Cコードの3度を省略するという意味なので3度が「ミ」を省略して1度と5度の「ド」と「ソ」を残してコードを引くということになります。
③テレビ業界で使用「オミットシーン」
テレビ業界での「オミット」という言葉は「オミット」という言葉単体では使われることが少ないです。テレビ業界では「オミットシーン」という言葉があります。
別名では「カットシーン」とも呼ばれており、こちらの方が馴染みのある言葉ですが、撮影した映像や声を編集で消したり切り取ったりすることを意味します。この言葉の意味から「オミットシーン」は映画やドラマの撮影はもちろん、声優のアフレコ時にもよく使われる言葉です。
オミットという言葉を使い過ぎるとカッコ悪い
IT業界の人はカタカナ用語を多用します。例えば「リスケ」という言葉はリスケジュールを省略した言葉です。簡単にいうと一度決まっていた予定を再度調整するという意味ですが、IT業界に限らず使われる言葉です。
オミットもその一つで、このカタカナ用語のやりすぎは注意が必要です。「オミット」という言葉はIT業界で頻繁に使われますが、日常会話で「オミット」を多用するとあえてカタカナ用語を使っているように聞こえてしまいます。一見カッコ良く聞こえる「オミット」ですが、使いすぎると逆にカッコ悪いです。日常会話では「除外する」と表現しましょう。
オミットの例文
業界によっては今でも頻繁に使われている「オミット」という言葉。今回は「オミット」を使った例文をご紹介します。ここまで「オミット」の意味や使い方を紹介させていただきましたが、実際にどのように使われるか、例文を紹介します。
例文は「ゲームに関する不具合を排除した」「芸能人が番組から省かれた」「出した結果を無かったことにする」という3つの具体例で説明します。普段の会話で「オミット」という言葉をどのように使うのか、この例文を参考にしましょう。
①ゲームに関する不具合排除
ゲーム業界ではゲームに関する不具合に対しての例文を使用して説明します。「ゲームに不具合が見つかったので、止む無く問題箇所をオミットした。」というのが例文です。
ここでの「オミット」は、主にゲームに不具合を起こす部品など「物」を排除した、ゲームに不具合を起こす「機能を削った」など複数の意味で使われます。
ここでは、ゲームに不具合が見つかったので不具合を起こすゲームの「機能を削った」という意味になります。ゲーム業界で「オミット」という言葉はよく使われますが、他にも「今回のシリーズはあのモンスターがオミットされた」など前回登場したモンスターが除外されたという意味で使われることもあります。
②芸能人が番組から省かれる
TV業界での「オミット」はどのように使われているのか紹介します。例文は「不祥事を起こした芸能人のドラマ放送シーンが全てオミットされていた」芸能人が番組から省かれるという例文です。
最近では不祥事を起こした芸能人が出演している映画、ドラマ、バラエティなど放送シーンがカットされることはよくある事ですが、ここでのオミットは必要だったものが全て省かれたというようにネガティブな表現で使われております。ここでは、不祥事を起こした芸能人が番組から全て省かれたという意味になります。
③出した結果を無かった事にする
ここでは出した結果を無かった事にするという例文を使って説明します。「この企画はオミットする方向で進めます。」ここでの「オミット」は「除外する」という意味の使い方です。
「この企画は不採用の方向で進める」という意味になります。一度出した結果を無かったことにするということです。しかし、打合せ中に「オミット」という言葉を聞いたことがない人は話についていくことができません。
意味を聞いてもらえれば良いですが、部下や取引先の担当者が知っているふりをしていた場合、話が理解できないまま打合せが終わってしまう可能性もありますので、シーンによって使い方に気をつけましょう。
オミットは死語?
普段の会話であまり聞くことがない「オミット」という言葉。知っている人も少ないため利用するシーンがあまりないのも事実です。そのせいか、「オミットは死語だ」という考えもあります。死語とは既に使われなくなった言葉という意味です。
たしかに使う機会は少ないですが、前項で説明した通り業界によっては頻繁に使われている言葉なのも事実です。会話だけでなく、「オミットコード」や「オミットシーン」など業界用語にも使用されております。業界によって「オミット」という言葉を使っている人がいる以上死語とは言えません。
日常会話では使われない
「オミット」という言葉は、たしかに日常会話で使われることはあまりありません。それは、「オミット」という言葉を知っている人が少ないことが一番の理由です。ですが、前項でも説明した通り業界によっては頻繁に使われる言葉の1つです。
IT業界や音楽業界、ゲーム業界に勤めている方は日常会話で使用することもありますし、今でもビジネスシーンで使用される言葉です。「オミット」という言葉を知らない人が多い結果、死語であると言われておりますが、業界によっては使われる言葉のため死語ではないと言えるでしょう。
オミットの類語
オミットの類語と関連語を紹介します。オミットは英語で書くと「omit」で動詞と名詞形も存在します。今回は動詞のオミットを中心に解説しておりますが、オミットの名詞にオミッションという言葉があります。若干意味や使い方が変わってきます。また、他にもオミッションエラーという言葉についても紹介させていただきます。
オミッション
オミットとは違いビジネスシーンで使うことはありませんが、オミッションという言葉があります。オミット「omit」が動詞であるのに対してオミッション「omission」は名詞形の類語です。
オミッションの意味は「省略、削除、怠慢」という英語からきたカタカナ語です。ちなみにオミッションビールというものがありますが、これは「mission(使命)」と「omit(省く)」を合わせた造語です。
オミッションエラー
オミッションエラーとは、代表的なものは「近動行動」と言われるもので、やるべきことをやらないためミスが発生することです。やらなければならなかったことをうっかり忘れてしまったというニュアンスも含みます。本来ならやならければならない過程を省いてしまうことで、オミッションエラーが起こりやすいとされています。
オミットは除外するという意味で使われている
ここまで「オミット」という言葉についてご紹介させていただきました。今までご紹介した話をまとめると、オミットは「除外する」「省く」という意味で使われます。ビジネスシーンでも使用される言葉ですが、一般的に日常会話で使うケースが少なくあまり聞き慣れない言葉のため、死語だという考えもあります。
ですが、今でもIT業界や音楽業界、ゲーム業界で頻繁に使われている言葉で、業界によっては日常会話でも使用される言葉です。使い方と意味が分かれば十分使える言葉なのですが、話す相手が理解していない場合、逆に会話にならないこともあるので気をつけましょう。
いつかIT業界や音楽業界、ゲーム業界など「オミット」という言葉を使う業界が取引先になったり、または転職時に知っておくと役にたつ言葉なので、ぜひ覚えておいてください。