地図の書き方のポイント
誰かに自分の家を教える、あるいは顧客に対してお店や会社の場所を教える必要になったとします。そんな時はどうしますか。今はスマホのマップがありますが、例えば紙の媒体に掲載が必要になった場合、自分で地図を書く必要が出てきます。
それではどうやって地図を書けば良いのか、いざ書こうとするとどこからどうやって書けば良いのかと悩んでしまうでしょう。そこで今回は見やすい地図の書き方の方法をWordと手書きの両方について紹介します。出来るだけ簡単に書けるコツもお伝えしています。
起点を決める
地図の書き方のコツのひとつは「起点を決める」ことです。この場合の「起点」とは目的地の場所ではありません。来訪者が目的地まで来る際の、起点となる位置のことです。
つまり、公共交通機関であれば駅やバス停、自動車の場合は高速道路のインターチェンジや最寄りの国道などです。公共交通機関と自動車、どちらの起点もひとつの地図にまとめる必要が出てくる場合もあるでしょう。そのような時に気を付けるのは、情報量を多くし過ぎないということです。
ルートを決める
続いての地図の書き方のコツは「ルートを決める」ことです。「起点」からのルートはいつも利用している道でしょうか。自分が慣れている道でも来訪者には初めての道です。最短距離だからと言って曲がり角が多かったり、狭い道を通ったりするのは来訪者にはとても不親切です。出来るだけ大きな道、曲がり角が少ないルートを選ぶようにしましょう。
また、いつもは通れる道路でも時間帯によって進入禁止になったり、一方通行になったりする場合もあります。普段自分が利用しない時間にそのルートを使ってみて、問題なく通行できるのか確認しておきましょう。
目印を決める
地図の書き方のコツの最後は「目印を決める」です。いちども曲がり角を通らずに来訪するということはほぼ、無理な話なので、その角の目印を決めることはとても重要です。
また、ビルが立ち並ぶ中のひとつが目的地の建物だった場合も、目立つ目印を設定しておくことが必要です。この場合の目印は例えば公共施設や銀行など、建物自体が変わってしまったりなくならないようなものを選びます。
地図の書き方のコツ【手書き】
それでは実際に地図を書いてみましょう。まずは手書きの場合の書き方です。地図を読むのも苦手なのにまして書くとなると難しいのでは、と思われるかもしれません。ですが、コツさえ分かれば誰にでも簡単に書くことができます。手順を説明しますので、それに沿って書いてみてください。
手順①実際の地図を見る
いきなりなにも見ずに地図を書くのは、よほど慣れてない限り無理です。最初に実際の地図をよく見てみましょう。次にこのあとの作業を簡単にするために、地図上に目的地を見つけてマークしておきます。先ほど説明したように「起点」の方も忘れずにマークしてください。なお、地図は原則として上が北になります。注意してください。
手順②目的地までの道をしぼる
次に先ほどマークした起点から目的地までのルートを、地図を見ながら手書きをしていきます。この時、国道のような大きな通りと私道などの狭い通りでは幅を区別して書くのがコツです。
また、あまりにも情報量が多すぎる場合は、いっそのことあまり関係のない道を書かないでおきます。それでもまだごちゃごちゃしている時は差しさわりのない程度に、蛇行している道をまっすぐにさせるなどで見た目をすっきりさせるのもひとつの方法です。
手順③ランドマークと道筋を描く
道路が出来たところで、目印となるランドマークを手書きしていきます。最初に説明したように、このランドマークはなるべく公共施設や銀行などを書くのがコツです。もちろん、目的地にたどり着く際、曲がり角に必ずそのような施設があるわけではないので、臨機応変でいきましょう。
ランドマークは簡単で良いですからイラストで分かりやすく書きます。建物だけでなく、踏切や目印となる信号があればそれも書いておきます。すべてを書き終えたら、起点から目的地までを分かりやすい色で道筋をつけておきます。
手順④文字で付け足して完成
最後に最寄り駅やランドマークの名前を地図に書きます。線路や道路にはどの方面に行くのか矢印を使って書いて、分かりやすくします。地図の上の方には忘れずに方位も書いておきましょう。先に説明したように、地図は基本的に上側が北になります。
ランドマークの名前はあまりごちゃごちゃと書き込まず、なるべくシンプルに簡単にするのがコツです。また、駅やバス停から徒歩で来訪する人のために、「×駅から徒歩で〇分」と記しておくと親切です。
Wordで作る簡単な地図の書き方
それでは次にWordを使って地図を書く方法をご紹介します。地図を書くというとやはり、ドローイングソフトを想像してしまいますが、Wordでも地図を書くことができます。まずは道路を組んでみましょう。
Wordで地図を作る際はまず、画面表示を変え、グリット線が出るようにします。これは道路等のパーツを配置する際の目安とするためと、ラインを引くときにまっすぐな線が書けるからです。次にやり方を説明します。
地図作成の準備
『ファイル』から『ページ設定』を選択するとダイアログボックスが開きます。『文字数と行数』タブにある『グリッド線』というボタンをクリック、今度は『グリッド線』の詳細を設定するダイアログボックスになります。まず『グリッド線の設定』の文字グリッド、行グリッドともに間隔を1mmに設定します。
『線画オブジェクトをグリッド線に合わせる』をチェックし、『グリッド線を表示する』にもチェックを入れます。『文字グリッド線を表示する間隔』にチェックを入れて、『行グリッド線を表示する間隔』の数字と両方を1にします。
『OK』ボタンで元のダイアログボックスに戻り、『OK』で完了です。ツールバーにある『ズーム』ボタンから作業しやすい表示倍率を設定します。画面にグリッド線が表示されました。
道路パーツの作成
道路パーツは『図形描画』を使います。『挿入』タブから『図形』を選択し、『四角形』の中からいちばんシンプルな左端の四角形を選びます。そうするとカーソルがプラスの形に変わるので、マウスをドラッグして長方形を作ります。あとで微調整は出来ますが、だいたいの大きさをグリッドのガイドに合わせます。
色は図形をクリックすると出てくるタブの『書式』を選び、出てきた色から指定します。この時、『図形の枠線』の設定で『線なし』を選んでおくのがコツです。これによって長方形がぴったりとグリッド線に合います。これで道路パーツができました。
パーツの回転や組み合わせで道路を作る
続いて、今作ったパーツをコピーして、いくつか道路を作りましょう。元の長方形をクリックで選択をしてから、キーボードの[Ctrl]キーを押しながらそれを隣へドラッグします。先にマウスボタンを離し、[Ctrl]キーから指を離すとコピーができます。これを必要本数、繰り返します。
横向きの道路ばかりでは地図が成り立ちません。縦向きの道路を作る時は長方形をクリックすると上の部分に突起しているものが出てくるので、今度はそれをクリックします。
[Shift]キーを押しながら縦になるまで長方形を回転させましょう。[Shift]キーを押さなければ、斜めの角度も作れます。
こうやって出来た横と縦の長方形を組み合わせて道路が完成します。長方形をクリックして幅を調整すると、幅の太さで道路を区別することができ、より見やすい地図に仕上がります。
その他のソフトでの簡単な地図の書き方
これまで、Wordがあれば特別なドローイングソフトがなくても地図が書けることを説明しました。それでは他のソフトでも地図を書くことは可能なのでしょうか。ほとんどのパソコンにはWordのほか、Excel、PowerPoint、ペイントなどが入っています。これらの中からExcelを使って簡単に地図を書く方法を、なぜExcelなのかという点も含めて次に説明します。
Excelを使って地図を書く
なぜExcelを使えば地図が簡単に書けるかというと、Excelにはマス目が入っており、これがグリッド線の代わりに使えるからです。実際に説明をしましょう。
先ほどのように長方形を作ります。Excelのメニューの『挿入』から『図形』を選び、その中の『四角形』から左端の四角を選びます。Wordで作成した時と同じようにマウスをドラッグさせて形を作ります。この時にすでに背景にマス目があるので、それが大きさのガイドラインになります。以降、Wordと同様の作業をしてパーツを作っていきます。
地図の書き方で見やすくする方法
完成したけどなんだか分かりづらい、見づらくなったりした場合、それは書き込みが多すぎるのかもしれません。初めての来訪者にとって情報量が多いと道順に混乱を招いてしまいます。思い切ってすっきりとさせてみましょう。そうかといって必要な道路やランドマークまでそぎ落とさないように気を付けます。
直したあとは改めてルートを良く見て、来訪者が戸惑うところはないかを確認します。この時、目的地の色を変えたりマークしたり、目立つようにしておくことも大切です。
目印となる建物は大きめの建物が良い
目印となる建物だけ、それもやや大きめのものを書くのがコツです。例えば、最初に説明したように公共施設の他、病院や銀行、交番、特徴のあるビルなどです。銀行がいくつもある場合は名前を入れるのも良いでしょう。
また、目印はその建物を連想させるイラストにするというのもひとつの方法です。パンや本、コーヒーなどを簡単に描けばその場所が何のお店なのか分かります。
地図の書き方はポイントを押さえてわかりやすく書こう!
以上、手書きとWord、2種類の方法で描く地図の書き方でした。ポイントはどちらも共通で「起点」から「目的地」までのルートをなるべくシンプルに、それでいてランドマークは分かりやすく表示することでした。
地図が必要というのは初めての来訪者であることを忘れないで下さい。最寄りの駅やバス停に降りたことさえない人かもしれません。初めて走る国道を自動車でやってくるのかもしれません。自分自身は慣れた道であればなお、初めての目線で誰にでも分かりやすい地図を書いてみましょう。