メールの宛名を複数にしたい
同じ内容のメールを複数の人に一斉送信する際に「CC」や「BCC」の機能を使用すると、簡単にメールを一斉送信することが出来て、非常に便利だと言えます。しかし、特にメールの宛名が複数・連名の場合、メールの内容や送る会社の名前、役職または敬称を間違えてしまうと、間違った内容のメールが複数人に送信されてしまう為、注意が必要です。
仮に取引先の会社の名前や、前株・後株などに間違いがあると、当然のことながら相手の会社に対し失礼にあたります。従って、メールの一斉送信する際には、先ずは正しいビジネスメールの書き方をマスターする必要があると言えるでしょう。
メールの宛名を複数にする際にもマナーがある
メールの機能には、メールの宛名(TO)の他、同じ内容のメールを複数の人に同時に送信することが出来る、「CC」と、「BCC」 という機能があります。「CC」の機能を使いメールを一斉送信した場合、宛名の方に「このメールの内容は複数の方に一斉送信をして共有しています。」と情報を共有していることを知らせる場合に使われます。
例えば、社内のメールのやり取りで社員がに上司が2人以上など複数いる場合など「CC」の機能で、直属の上司である〇〇課長の他に△△部長といった複数の上司にも、このメールの内容を共有していることを知らせる為に使われます。
一方で、「BCC」は送信した内容のメールを複数人で共有していることを、メインの宛名の方に知られたくない、あるいは知らせると良くないケースで使われます。
新入社員などは特にメールを宛先に送信する際に、メールの内容に問題がないかどうかを上司や先輩社員にチェックしてもらうために「CC」の機能を使い、情報を共有することが多いと言えるでしょう。しかしこの場合、本当に全てのメールに「CC」を使って、上司や先輩社員に情報を共有するべきなのかという事を、一斉送信の際には考える必要があります。
何故ならば「CC」で情報を共有してくるということは、それなりに重要な内容だと認識され、上司や先輩社員は一々内容を確認しなければならないという手間がかかる為です。勿論、クライアントに提出する資料や、プレゼンテーションの資料などは重要事項として認識されるので「CC」で情報共有する必要があります。
しかし、全てのメールに「CC」を付けて送信するのは、先述した「読む手間がかかる」という観点から見ると、迷惑にもなりかねないので、上司からの指示が特にない場合は無暗に「CC」を使い情報を共有するのは控えた方が良い場合も考えられます。
また、ビジネスメールの基本として、メールの宛名以外で「CC」を使って、複数の人に一斉送信をする際にも、各宛名に役職や敬称を忘れずに書くようにしましょう。
メールの宛名の書き方
ビジネスメールを書く場合、基本的に宛名、挨拶、名乗り、伝えたい内容、結びの挨拶、署名を書くのが基本とされています。挨拶は基本的に社内の場合は「お疲れさまです。」のようなものが自然で、取引している会社などに対しては「いつもお世話になっております。」のような1行で終わる簡単なもので問題ありません。
名乗りも「株式会社〇〇の□□で御座います。」のように分かり易く、一目で分かるようなものが適していると言えます。署名に関しては、色々なサイトで簡単に作成することが出来ますので、なるべくビジネスに適したようなデザインのものを自作するのも良いでしょう。
会社名・部署名・担当者名を書く
宛名を書く場合、宛名はメールの一番上に左寄せで書くのが一般的です。そして、会社名・部署名・担当者名をそれぞれ1行ずつ分けてか書きましょう。役職がある場合は、担当者名の前に役職も忘れずに書くようにしましょう。また、後述で詳しく説明しますが〇〇部長様という表現は「二重敬語」になってしまい、日本語として正しくない為、注意しましょう。
メールの宛名の書き方「社内メールの場合」
例えば、合同会議や送別会のようなのお知らせを社内の複数の部署に対して一斉送信する場合、宛名の書き方に特に共通の正しい書き方というものは無く、会社の規定によって変わってきます。例えば比較的年齢も近く、普段親しくしている上司に対し、「様」ではなく「さん」を使っても問題はありません。
但し、基本的に○○課(部)+役職+氏名+様(さん)のような形で書く事をおすすめします。同じ姓の人が複数いる場合は、キチンと分かり易くフルネームで書くことを忘れないようにしましょう。
各位の使い方
例えば、会社の創立記念日や新しい社長が就任した際の挨拶などのケースでは、部署や課全体、場合によっては会社にいる社員全員にメールを一斉送信するケースも考えられます。この場合、一々全ての社員の名前を宛名に書く必要はなく。会社全体の場合では「各位」、部署や課を限定する場合は「〇〇課各位」のように「各位」を使い一斉送信します。
メールの宛名の書き方「社外メールの書き方」
特に付き合いの長い取引先の会社や、新規の顧客として加わった会社に対しては慎重に失礼のないよう、宛名を書く必要があります。大抵のケースでは事前に一度会って名刺交換しているケースが多いと考えられるので、名刺に書いてある会社名、部署名、役職名、そして氏名を書くようにしましょう。
相手の役職も忘れず書く
社外にメールする場合、特に重要な取引先のような相手には、間違いのないように慎重に宛名を書くように心掛けましょう。先述の様に、名刺がある場合は、名刺に書いてある会社名、部署名、役職名、そして氏名を書くようにしましょう。役職名がある場合は、役職名も正確に記すようにしましょう。
メールの宛名が複数・連名の時の書き方
次に、メールを社外に送信する際に、メールの宛名が複数・連名の時の書き方を説明します。基本的な宛名の各場所は先述の通りメールの最初の一行目の左端から書きます。「CC」を使わずに、複数・連名で送る場合は、最初に会社名を書き、そして次に相手の名前を、〇〇様、□□様、△△様のように書きます。名前の順番は役職を配慮しましょう。
このように複数・連名でのメールの宛名の書き方は、横に並べてカンマで区切って書いても、縦に改行して1名ずつ順番に書いても、どちらでも問題ありません。
メールの宛名の順番に注意
取引先の会社などにメールを複数・連名で書く場合、大切な注意事項として相手の名前の書き方の順番として、「役職の高い順」から、〇〇様、□□様、△△様のように1行ずつ改行して順番に書きます。これは間違えると失礼にあたるので、名刺がある場合は名刺で確認して、分からない場合は上司などに確認を取ってから書くようにしましょう。
2~3名の場合
他の会社にメールを複数・連名で送信する場合、人数によって宛名の書き方が変わってくるので注意しましょう。先ずは、メールの送信先が2名〜3名の場合ですが、これは先述の様に「役職の高い順」から、〇〇様、□□様、△△様のように書きます。この場合も、書き方は横に並べてカンマで区切って書いても、縦に改行して1名ずつ書いても、問題ありません。
そして、メインの送信先は1人でも、他の担当者にも情報を共有する為に「CC」で送る場合は、メインの担当者の人に関しては、会社名、役職を先述の説明通り書き、その下に括弧(主に丸括弧が良く使われます。)で、「CC:□□様、△△様」のような書き方が一般的です。順番は会社名、メインの宛名、そして「CC」で送信する対象者の名前です。
4名以上の団体に送る場合・敬称
メールの宛先が4名以上の複数の場合、「御中」という言葉を使います。「御中」は「おんちゅう」と読み、会社などの複数の組織全体に対して使う敬称です。また、御中にはもう既に敬称の表現が含まれている為、御中様や御中殿は「〇〇部長様」と同様に「二重敬語」になってしまい、間違った使い方なので注意しましょう。
会社全体にメールする場合は、宛名に株式会社〇〇御中と記し、その会社の特定の部署や課に送る場合、株式会社〇〇人事課御中、あるいは、㈱市区会社〇〇第2営業課御中のような使い方をします。
大人数へメールを一斉送信する場合
次に、同じ内容の仕事を複数の会社で行っている状態で、その仕事内容に関してメールを一斉送信したい場合の説明をします。この場合「各位」という敬称を使います、「各位」という敬称は、複数の人全てに対してと思われがちですが、実際は「皆様方」という意味で、一人一人の個人に対して使われる敬称です。
この場合も株式会社〇〇各位御中、または株式会社〇〇各位様という宛名の使い方は「二重敬語」になってしまうい、ビジネスメールでのマナーに反する為、注意しましょう。
宛先が2社以上でかつ複数人の場合
最後に宛先が2社以上でかつ複数人の場合の宛名の書き方につて説明します。例えばメールを送る会社が3社(株式会社〇〇、△△、□□)あり、その3社の担当者各2名ずつに送るケースを仮定します。この場合、順番は会社の規模や自社との関係性の深さによって決めます。その上で、会社名、担当者2名、会社名担当者2名の順番で書きます。
書き方の例を示すと、上から株式会社〇〇と記し、改行して、担当者の名前2名、そして更に改行して、株式会社△△、担当者の名前2名、以下も同じです。担当者の名前に関しては、場合は横に並べてカンマで区切っても、改行して一人一人書いても問題ありません。但し、会社名と担当者を改行せずに並べて書くのは止めましょう。
メールの宛名が複数人の場合のTO・CC・BCCの扱い
メールの宛名が複数人の場合の「TO」・「CC」・「BCC」の扱いは、慣れていないうちはシステムを把握するのに少し大変かもしれませんが、このシステムはもう15年以上前から存在しており、現代社会に於いて、複数人に対して「TO」・「CC」・「BCC」の使い分け方を知っておくのは必須だと言えるでしょう。
TOが1人でCCが複数人なら
基本的に一番多いケースだと考えられるのが、「TO」が1人で「CC」が複数人のケースです。例えば、取引している他社にメールを送り、その内容を他社の担当者の他に自社の上司3名などに送るケースなどです。この意味は、他社の担当者に「この内容は自社の上司の了承を得ています」または、「複数の上司も確認しています」という意味合いで使います。
他にも、他社の担当者に対しメインの「TO」を使い、その担当者と同じプロジェクトのチームのメンバーに「CC」で送るケースでは、「この内容は同じ複数のチームの方々とも情報共有しています。」という意味合いで使われます。
宛先に「BCC」を使用してメールを送る場合
メールを送信する際に「BCC」の機能を使うのは、比較的レアなケースだと言えるでしょう。先述の通り、「BCC」の機能は、メインの宛先の「TO」で送った人以外にも、複数人に同時に送信しており情報を共有しているのですが、メインの「TO」で送られた人にはそのことを何らかの事情により、知らせない、または知らせたくない場合に使います。
複数人にメールを送る際によくある失敗
次に、複数・連名でメールを送る際によくある失敗の例をいくつか紹介します。これは複数の人にメールを送る場合だけではなく、上司や取引先の会社に対しメールを送る際によくあるミスで、特に「名前を間違える」などといった間違えは相手によっては非常に不快に思われてしまう場合があるので、書き終わったら見直しをしてから送信するようにしましょう。
名前を間違えた
メールを送信する際に相手の名前を間違えるというのは、比較的良く起きるミスであり、送信先が複数にもなると名前の間違える可能性も高くなります。そもそもビジネスのやり取りをしている最中に、取引先の会社の会社名や、担当者の名前を間違えて送ることを絶対に避けなければならないミスの1つだと言えるでしょう。
このミスをなるべく防ぐ為に、使っているメール機能のアドレス帳に、複数の取引先の担当者から名刺を頂いた際には、正確な会社名と、担当者の役職とフルネームを順番通り正確に登録する方法がミスを減らすことが出来ると考えられます。
メールを送信する際には必ず、会社名と担当者の役職、名前をアドレス帳で確認するように心掛けましょう。特に「前株」と「後株」の間違いは起きやすいので注意しましょう。
敬称の付け忘れや使い方を間違えた
ビジネスメールを送る際に「敬称」を付けることは必須ですが、特に課長や部長といった役職がある場合どのような敬称の書き方が正しいのか、未だに理解していない人も少なくないと言えるでしょう。例えば、相手の名前の前に役職名として「課長」と記した場合、この「課長」の中に既に「様」という敬称が含まれいるという認識が一般的です。
例えば、株式会社〇〇、△△部長様と宛名を書いたとします、厳密にいうとこの宛名の中には「部長」と「様」の敬称が2つ含まれていて、所謂「二重敬称」になってしまっていて正確なビジネスメールの宛名としては正しくないと言えます。
従ってこの場合は、株式会社〇〇、人事部長、△△様が正しい敬称の書き方になります。しかし、これに関しては厳密なビジネスマナーとして、未だ曖昧なケースであると捉えられており、正確にいうと前者の「△△部長様」という表現は正しくないのですが、多くの人が未だこの記入方法で宛名を書いているという現状があります。
特に複数・連名で出す場合は、敬称に関しての書き方の順番など、その会社ごとに規定があったりするケースもあるので、上司に確認してからメールを送信するのが無難だと言えるでしょう。
宛名忘れ
「CC」や「BCC」といった便利な機能でメールを一斉送信する際に、比較的多く見られる間違いとして、メールを送っている人数や、名前、敬称などは正しく記されているものの、肝心の宛名「TO」を入れ忘れてしまうことです。連名で送る場合など、肝心の宛名が無いと、誰に対してメインに送ったメールなのか分からなくなってしまうので注意しましょう。
TOとCCの間違い
特に、メールの宛名が複数・連名の場合に注意が必要なのは、あくまでメールを送るメインの相手に対して宛名である「TO」を使い、その内容を共有したい場合に、他人に「CC」の機能を使い一斉送信する、ということが大前提になりますので、注意しましょう。「TO」と「CC」の使い方を混乱して使い間違えてしまうと、受け取った相手も混乱してしまいます。
メールの宛名を複数人にする際は間違いに注意しよう
メールを送信する際に「CC」や「BCC」の機能は非常に便利ですが、使い方や敬称の間違い、また宛名が複数・連名の場合では相手の名前を書く順番などに注意しながら、これらの機能を使いましょう。またメールの宛名の敬称を書く上で、最も間違い易いのは、「部長様」や「御中様」などといった「二重敬語」になってしまう事だと言えるでしょう。
「二重敬語」に関しては、相手に対してそこまでの不快感を与えるものではありませんが、やはり届いた相手からは「まだビジネスマナーがしっかりしていないな。」という印象を与えてしまいます。
メールは手紙と同じ様なもので、その人の性格ががよく表れます。しっかりとしたビジネスマナーを身に着け、相手に好印象を与える事が出来るように常日頃心掛けましょう。