「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語の意味
ビジネスメールなどで時々「お忙しいところ恐縮ですが」という言い回しを目にすることがありますが、「お忙しいところ恐縮ですが」が敬語だというのはわかっていても、その意味は正確にはわからないという人もいるでしょう。ビジネスメールなどで「お忙しいところ恐縮ですが」と入っていると困惑する人もいます。
「こちらが忙しいと分かっているのになぜメールを送ってくるのか」などと勘違いする人もたまにいるでしょう。ですが「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語は、日本人ならではの繊細で複雑な意味を持つ敬語で、結構深い意味があります。
「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語にはどんな意味があるのか、「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語の意味についてご紹介しましょう。
「恐縮ですが」は「申し訳ないけれど」という意味
「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語の「恐縮ですが」の意味は「申し訳ないけれど」という意味です。なので「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語の意味は「お忙しいところ申し訳ないけれど」という意味になります。「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語は、本当に相手が忙しくても忙しくなくても使われます。
相手は忙しいかもしれないし忙しくないかもしれないけれど、相手が忙しかったら自分のために手間をかけさせてしまうであろうということを気遣って、「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語を使うということです。
「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語は、相手を気遣う日本人独特の習慣などに基づいた、深い意味を持つ敬語の言い回しの一つだと言えます。
「お忙しいところ恐縮ですが」の正しい使い方
「お忙しいところ恐縮ですが」という敬語の意味についてご紹介しましたので、次は「お忙しいところ恐縮ですが」の正しい使い方についてご紹介します。ビジネスメールなどで「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉が使われることは結構多いですので、「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方は大体わかるという人が多いでしょう。
ですがニュアンス的に理解しているだけで正しい使い方はわからないという人もいるでしょう。「お忙しいところ恐縮ですが」の正しい使い方についてご紹介しましょう。
「お忙しいところ恐縮ですが」はクッション言葉として使う
「お忙しいところ恐縮ですが」の正しい使い方の一つ目は、クッション言葉として使うという使い方です。「お忙しいところ恐縮ですが」の意味について先にご紹介しましたが、「お忙しいところ恐縮ですが」という言い回しは相手を気遣う意味で使われることがあり、その場合はクッション言葉として使われていることになります。
相手が忙しくても忙しくなくても「お忙しいかもしれませんが」という気遣いの意味を込めたクッション言葉として、「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉を使うということです。
「お忙しいところ恐縮ですが」は謝罪の意味としても使う
「お忙しいところ恐縮ですが」の正しい使い方の二つ目は、謝罪の意味としても使うという使い方です。ビジネスメールなどを送る相手が本当に忙しいであろうと推察される場合などには、忙しい所を邪魔することに対する謝罪の意味を込めて「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉を使うこともあります。
ですが基本的には「お忙しいところ恐縮ですが」は、相手が忙しくても忙しくなくても相手を気遣って使うことが多いですので、覚えておくと良いでしょう。
「お忙しいところ恐縮ですが」の類語
「お忙しいところ恐縮ですが」の正しい使い方についてご紹介しましたので、次は「お忙しいところ恐縮ですが」の類語についてご紹介します。「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉はたくさんの単語が連なってできている言葉ですので、「お忙しいところ恐縮ですが」の直接の類語と言える類語を探すのは難しいと言えます。
ですが「お忙しいところ恐縮ですが」の中の言葉を分割すれば、それぞれに対応する類語はちゃんと存在していますので、それらの類語は「お忙しいところ恐縮ですが」の類語であるとも言えます。
「お忙しいところ」の類語
それではまず、「お忙しいところ恐縮ですが」の中の「お忙しいところ」に対応する類語についてご紹介します。「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉の直接的な類語は、「お忙しいところ」と「恐縮ですが」のそれぞれの類語を合わせた言葉になると言えます。まずは「お忙しいところ」という言葉の類語についてご紹介しましょう。
「ご多忙中」
「お忙しいところ」の類語は「ご多忙中」です。「お忙しいところ」は実は少し砕けた敬語ですので、ビジネスメールなどでは「お忙しいところ」ではなく「ご多忙中」という言葉を使うことが多いです。「ご多忙中」は他に「ご多忙のところ」「ご多忙の折」などと言い換えることもできます。
口頭で伝える場合には「ご多忙中」は少し堅いイメージになってしまうためあまり使われません。口頭では「ご多忙中」ではなく、「お忙しいところ」が使われることが多いです。「ご多忙中」は「お忙しいところ」の類語ですが、使う場面が少し違うと言えます。
「恐縮ですが」の類語
次に「恐縮ですが」の類語についてご紹介します。「お忙しいところ」にも「ご多忙中」という類語があるように、「恐縮ですが」にも類語があります。「恐縮ですが」というのは敬語表現ですので、「恐縮ですが」の類語も敬語表現の言葉になります。それでは「恐縮ですが」の類語についてご紹介しましょう。
「恐れ入りますが」
「恐縮ですが」の類語は「恐れ入りますが」です。「恐縮ですが」の意味は先にもご紹介したように「申し訳ないけれど」という意味です。ですがこの意味そのものは「恐縮ですが」の類語にしては少し軽いイメージです。なので「恐縮ですが」の類語として、「申し訳ないけれど」より堅いイメージの「恐れ入りますが」が挙げられます。
先にご紹介した「お忙しいところ」の類語である「ご多忙中」と、「恐縮ですが」の類語「恐れ入りますが」を合わせると「ご多忙中恐れ入りますが」となり、この「ご多忙中恐れ入ります」は「お忙しいところ恐縮ですが」の類語になるとも言えます。
「お忙しいところ恐縮ですが」の日常での使い方と例文
次に「お忙しいところ恐縮ですが」の日常での使い方と例文についてご紹介します。ビジネスメールなどの中で日常的に使われている「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉ですが、まだ社会人になっていないため使い方が良くわからないという人もいるでしょう。「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方は実はそう難しくありません。
就職活動などで「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉をきちんと使うことができれば、採用担当者などから好印象を持ってもらうことにつながることもあります。それでは「お忙しいところ恐縮ですが」の日常での使い方と例文についてご紹介しましょう。
「お忙しいところ恐縮ですが」のメールでの使い方・例文
「お忙しいところ恐縮ですが」の日常での使い方と例文としてまずは、ビジネスメールなどメールでの使い方と例文をご紹介します。「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉は、ビジネスメールなど様々な場面で使われますので、就職活動における企業へのメールなどにも役立ちます。
「お忙しいところ恐縮ですが」は相手を気遣う意味を持つ言葉ですので、使いこなすことによって人間関係を良くすることも可能です。逆に「お忙しいところ恐縮ですが」を使わないと、相手から好感を抱かれない場合もあります。
それでは、「お忙しいところ恐縮ですが」をビジネスメールなどのメールで使う場合の使い方と例文をご紹介しましょう。
問い合わせメール
まず問い合わせメールでの「お忙しいところ恐縮ですが」の日常生活での使い方の例文をご紹介します。「お忙しいところ恐縮ですが」の問い合わせメールでの使い方の例文として、「お忙しいところ恐縮ですが、来月のご予定をお伺いできますでしょうか」という例文が挙げられます。
取引先とのビジネスメールなどにおいて、打ち合わせの日程などを決定するために、相手の予定を問い合わせることも結構ありますが、この例文はそういう場合に使うことができる例文です。
お願いメール
次に、お願いメールをする場合の「お忙しいところ恐縮ですが」の日常生活での使い方の例文です。「お忙しいところ恐縮ですが」のお願いメールでの使い方の例文として、「お忙しいところ恐縮ですが、面接の日程を変更して頂けませんでしょうか」という例文が挙げられます。
就職活動をしていると、いくつもの会社の面接が重なるという場合もあります。そういった時にはこのようなお願いメールを先方に送ってスケジュール調整をお願いしなければなりません。このようなお願いメールにも「お忙しいところ恐縮ですが」を使うと良いでしょう。
「お忙しいところ恐縮ですが」のビジネス会話での使い方
「お忙しいところ恐縮ですが」のメールでの使い方と例文をご紹介しましたので、次は「お忙しいところ恐縮ですが」のビジネス会話での使い方と例文についてご紹介します。ビジネスメールの場合、「お忙しいところ恐縮ですが」より「ご多忙中恐れ入りますが」が使われることが多いですが、会話では「お忙しいところ恐縮ですが」が使われることが多いです。
「お忙しいところ恐縮ですが」のビジネス会話での使い方も、メールでの使い方同様そう難しくはありません。それでは、「お忙しいところ恐縮ですが」のビジネス会話での使い方と例文についてご紹介しましょう。
「お忙しいところ恐縮ですが」の電話での使い方
「お忙しいところ恐縮ですが」のビジネス会話での使い方の例文として、電話での使い方の例文をご紹介します。「お忙しいところ恐縮ですが」の電話での使い方の例文として、「お忙しいところ恐縮ですが、営業部のA様に取り次いでいただけますでしょうか」という例文が挙げられます。
大きな会社なら各人の専用番号がある場合もありますが、電話受付の係の人が代表番号にかかってきた電話を受けて、指定された相手に回すことも多くあります。そのような時には電話受付の係の人に対して気遣う意味で「お忙しいところ恐縮ですが」を使います。
ビジネスメールと同じように電話でのビジネス会話の中でも、「お忙しいところ恐縮ですが」は相手を気遣う社交辞令のような形で良く使われます。
「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方ポイント
ここまで「お忙しいところ恐縮ですが」の意味や使い方などについてご紹介してきましたが、「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方にはポイントがあります。難しいポイントではありませんが、「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉を使う上で少し気をつけなければならないポイントです。
「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉は、メールや電話などの相手を気遣う敬語表現ですが、だからといってむやみやたらに使って良いというわけでもありません。「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方のポイントについてご紹介しましょう。
「お忙しいところ恐縮ですが」と感謝(謝罪)を言い要件は簡潔に
「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方のポイントの一つ目は、「お忙しいところ恐縮ですが」と感謝あるいは謝罪の言葉を言った後、用件は簡潔に伝えるということです。「お忙しいところ恐縮ですが」と相手を気遣っておきながら、長々と用件を述べてしまうと折角の気遣いが気遣いになりません。
「お忙しいところ恐縮ですが」と相手を気遣うなら、その後の用件は出来るだけ簡潔に伝え、相手の時間や手間を取らせないというのが「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方のポイントの一つです。
「お忙しいところ恐縮ですが」を使えば何を言ってもいいわけではない
「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方のポイントの二つ目は、「お忙しいところ恐縮ですが」を使えば何を言ってもいいわけではないということです。「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉の後にお願いの言葉を続けることも多いですが、その場合「して下さい」などというような言い方をしてはいけません。
「お忙しいところ恐縮ですが」の後には「して頂ければ幸いです」というように、相手に対する配慮がうかがえる言葉を続けましょう。「お忙しいところ恐縮ですが」を使うなら、それに続く文章も相手を気遣う文章にしなければならないというのも大切なポイントです。
「忙」は忌み言葉だがビジネスの場では使っても良い
「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方のポイントの三つ目は、「忙」は忌み言葉だけれどビジネスの場では使っても良いということです。「忙」の文字には「亡」というパーツが入っていますので、「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉はいくら敬語であっても冠婚葬祭には使ってはいけません。
「忙」は忌み言葉なので冠婚葬祭には使ってはいけませんが、ビジネスの場では使っても良いです。ですがビジネス関連であってもお悔やみのメールなどには使ってはいけません。これも「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方の大切なポイントの一つです。
「お忙しいところ恐縮ですが」はビジネスメール(シーン)の定型文
「お忙しいところ恐縮ですが」の意味や類語や使い方の例文などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「お忙しいところ恐縮ですが」はビジネスメールやビジネスシーンでは当たり前に使われる定型文ですので、「お忙しいところ恐縮ですが」の意味や使い方を理解して正しく使いましょう。