親展の意味とは?
家に届く手紙や封書の中に「親展」の印や印刷がされていることがあります。家族あての手紙だからと何も考えずに開封しているひとも少なくありませんが、ここでしっかり手紙や封書に「親展」と書かれている意味を押さえておきましょう。
また、お仕事をされている人であれば「親展」の印字が必要な手紙や封書を郵便で送ることもあります。その際に、どのような使い方や注意点があるのかも合わせてご紹介します。意味を知っていれば応用もでき、ビジネススキルもアップします。
親展の意味は「宛名の本人に開封してもらいたい」
そもそも「親展」にはどのような意味があるのでしょうか?「親展」の文字から考えてみましょう。まず「親」ですが、これは「両親」という意味を思い出しますが「自ら」という意味もあるそうです。そのためめ「親展」の手紙が来ても、宛名の両親には関係ありません。
続いて「親展」の「展」の意味ですが、これが「開ける」という意味があります。この2つの意味を合わせると「自ら開ける」という意味になり「宛名の本人に開封してもらいたい手紙」という意味になることがわかります。
親展の類義語
郵便で送られてくる「親展」には法的な拘束力などはないため。本人ではない人が開封をしても処罰を受けることはありませんが「本人に開封して欲しい」と書かれていることには、それなりの意味や理由もあるのも覚えておくと良いのかもしれません。
親展の意味が「宛名の本人に開封してもらいたい手紙」ということはわかりましたが、他の言葉で代用することはできるのでしょうか?ここで「親展」の類義語についても紹介します。
同じ意味で使われる「親披 ・直披 」
「親展」と同じような意味を持つ言葉には「親披 (しんぴ) 」や「直披 (じきひ・ちょくひ) 」というものがあります。親展に比べてほとんど聞いたことがない言葉かもしれません。どちらも「宛名の人が自分で送られてきた封書や手紙を開封して読んでください」という気持ちを表す言葉です。
親展の使い方・例文
「親展」の意味がわかったところで「親展」の正しい使い方を例文と一緒に見ていきましょう。特にビジネスで郵便物を送る場合に「どのような場合が親展になるのか?」もわかっていないと、トラブルやクレームの原因になるかもしれません。そこまではいかないにしても「常識機がない」なんて思われてしまうのはマイナスになってしまいます。
例文①郵便物での使い方
「親展」の手紙や書類は、ほとんどの場合で「封筒」に入れておくることになります。その際、封筒の種類によって「親展」を書く場所が異なります。一般的には「縦書き封筒」は宛名の左下に縦書き。「横書き封筒」は宛名の左下に横書き。となっています。
実際に送られてくる親展の郵便をみると、特に「はがきタイプ」郵便の場合に切手の下に「親展」が入っている場合もあります。
「封筒」でも「はがき」でも親展を書いたら四角で囲むのを忘れないようにしましょう。もし、親展の郵便を送る機会が多い場合にはすでに「親展」が印刷されている封筒を買っておいたり、スタンプを準備しておく方法もあります。
「親展」の郵便は、封筒以外でも「メール便」や他の宅配業者の発送サービスを使って送ることができます。また、発送についても、通常の郵便を出すのと同じように、封筒のサイズにあった切手を貼って郵便ポストに投函すれば完了です。
例文②メールでの使い方
「親展」の手紙は封筒に入れて郵便で送るのが一般的ですが、メールで「親展」を送ることはできないのでしょうか?答えを先にだすと、メールサービスを運営している会社とメールを送受信しているソフトによって、変わります。
例えば、Googleが展開しているGメールをブラウザを経由してやり取りしているような使い方をしている場合は「親展」というフラグや印を付けたメールのやりとりは、この記事を公開した時点ではできません。
しかし、マイクロソフトが展開しているOffice365のOutlookを使った場合に「秘密度」を指定できるのでそこから「親展」を選び、親展のメールを送るという使い方ができます。それでも、受信側が対応していない場合や送り側のメールサービスによっては意味がないので、親展のメールという使い方はやらないほうがいいかもしれません。
親展と信書の違い
「親展」の郵便物と間違えられやすいものに「信書」があります。当然ですが、使用目的も違いますし、ビズネスシーンで間違って送ってしまえば、大変なトラブルに繋がりかねません。また、送るための手続きや利用できる発送サービスも変わっています。そこで、ここからは「親展」と「信書」の違いを説明していきます。
信書とは特定の人が開封することを通知する文書という意味
信書とは「宛先の人に開封して欲しい」という差出人の意思を伝えている郵便物という意味があります。これだけをみると親展と大きな差はないように感じます。しかし、「信書」には取扱いについて法的な拘束力があります。親展については、法的な拘束力はないので、ここで大きな違いがでてきます。
信書となる郵便物の内容で多いのが、領収書や契約書、履歴書、健康保険証などがあります。主に個人情報であったり、お金に関わることになってしまうので、仮にも第三者が開封するとトラブルの原因となることもありますので、注意が必要です。
また、利用できる郵便サービスも限られていますので、親展の郵便物と混同しないように注意をしましょう。なにより、信書で発送するべきものを親展て発送してしまうというトラブルにも注意が必要です。
信書で送るかを調べるには?
信書の郵便物は取り扱いのための法律があることがわかりましたが、先ほど挙げた「領収書や契約書、履歴書、健康保険証」意外にどのようなものが信書となるのでしょうか?この点については「総務省」のホームページの中でも詳しく紹介されています。
主なものとして。書状、請求書の類、会議招集通知の類、許可書の類、証明書の類、一部のダイレクトメールが含まれます。会議招集通知の類には「結婚式の招待状」も含まれるようです。くわしくは、「総務省」のホームページも確認してみてください。
親展を使う際の注意点
親展の郵便物には「宛先の人に開封して欲しい」という送り主の意思が示されていましたが、法的な強制力はないので、本人以外が開封してしまっても、責任を問われるなどの大きな問題になることはありません。
しかし、信書の場合には取り扱いの法律があり、本人以外が開封した場合には、刑法133条の「正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。」が適用されてしまうかもしれません。
もし、間違って自分以外の人宛の信書を開封してしまったため、隠したり破って捨ててしまうなどの行為をした場合には、刑法263条の「他人の信書を隠匿した者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」が適用されます。
親展の英語表記
封筒に「親展」とかいて四角で囲めば「親展」の郵便物が完成し、発送することができますが。相手が外国人であったり、海外に送る場合にはどのように書けばよいのでしょうか?そもそも、海外において「親展」という考え方も一般的なのでしょうか?
英語で「親展」の封書を送る時には「CONFIDENTIAL」と表記をすることができます。また「PERSONAL」「PRIVATE」という表記もできます。書く場所は、封筒の左中央あたりです。
それぞれの英文の意味
「CONFIDENTIAL」には「極秘」という意味があります。「極秘」というと、すこし違和感があるかもしれませんが、他の人が開かないようにという希望を伝えるのには最適かもしれません。
「PERSONAL」や「PRIVATE」にも「私有の、個人の、個人的な」という意味になるので、他の人に開封されたくはない郵便であることを伝えることができます。
親展は「宛名の本人に開封してもらいたい」という意味
ここまで「親展」の意味や使い方について見てきましたがいかがでしたか?親展の郵便物には「宛名の本人に開封してもらいたい」という差出人の希望が込められているのを知ることができました。
本人以外の人が間違って開封してしまっても法的に訴えられることはありませんが、「親展」と書かれていることに意味があるということを覚えておいて、自分以外の親展の手紙を受け取ったらそのまま本人に渡すようにしましょう。