「月並み」の意味とは?
言葉には個々に異なる意味を持っており「月並み」もまた独自の意味があります。特に日本語には類語や対義語などの種類も豊富で、シーンにより使い方や表現方法が変わることも多々あります。
日本語の正しい使い方を身につけるためには、その言葉の意味を深く理解することが大切です。
言葉の意味を理解することで、日常会話やビジネスシーンでも恥をかくことなく使うことができるというメリットがあります。
今回は「月並み」という言葉について、基本的な意味を理解することから正しい使い方を身に付けていきましょう。
「月並み」の意味は「新鮮味がない・平凡である」
「月並み」とは「つきなみ」と読みます。「新鮮味がない・平凡である」という意味を持っています。
「月並み」は「月」と「並み」というふたつの単語を組み合わせた表現になります。つまり「月」と「並み」には個々に意味があり、組み合わせることにより「月並み」というひとつの言葉となり「新鮮味がない・平凡である」という意味を持ちます。
「月」の意味
「月」とは、音読みで「がつ・げつ」訓読みで「つき」といったように、いくつかの読み方があります。「月」の意味としては「つき(月)/天体の種類のひとつ」または「としつき・ねんげつ(年月)/1年を12に分けた期間」となります。
「並み」の意味
「並」とは、音読みで「へい」訓読みで「なみ・ならべる」といったように、いくつかの読み方があります。「並み」の意味としては「世間一般的に平凡であること・ふつうであること・ありふれていること」となります。
「月並み」とは、「月が並ぶ」つまり「同じものがいくつも並んでいるさま」から「平凡である・普通である・ありふれている・新鮮味がない」といったニュアンスを持つ表現としての使い方が正しいです。
「月並み」の対義語・類語
日本語には類語や対義語などの種類が豊富であると紹介したように、「月並み」という言葉にもたくさんの類語・対義語があります。
日常会話やビジネスシーンでは、それぞれのシーンに合わせて言葉を選び使うことが大切です。「月並み」の類語・対義語の意味もしっかり理解することで、使い分けができるようにしましょう。
「月並み」の対義語①奇抜
「月並み」の対義語としてまず挙げられる言葉は「奇抜」です。「奇抜」は「きばつ」と読みます。
この「奇抜・きばつ」というのは、「他の人が思いつかないこと」「他の人より優れていること」を意味する言葉です。「新鮮味がない・平凡である」の意味を持つ「月並み」と比較してみると、全く正反対の意味を持つ対義語であることがわかります。
「月並み」の対義語②非凡
「月並み」の対義語として次に挙げる言葉は「非凡」です。「非凡」は「ひぼん」と読みます。
この「非凡・ひぼん」というのは、「非凡でないこと」「普通より優れているさま」を意味する言葉です。「ありふれている」「普通である」といった意味の「平凡」という言葉の対義語が「非凡・ひぼん」という言葉です。
「新鮮味がない・平凡である」の意味を持つ「月並み」と比較してみると、こちらも全く正反対の意味を持つ対義語であることがわかります。
「月並み」の対義語③風変わり
「月並み」の対義語としてほかに挙げる言葉は「風変わり」です。「風変わり」は「ふうがわり」と読みます。
この「風変わり・ふうがわり」というのは、「普通と変わっていること」を意味する言葉です。様子や行動、正確などが普通とは変わっている・違っているシーンで使う言葉です。
「新鮮味がない・平凡である」の意味を持つ「月並み」と比較してみると、「風変わり」も正反対の意味を持つ対義語であることがわかります。
「月並み」の対義語④その他
「月並み」の対義語は、紹介した言葉以外にもたくさんの言葉があります。「月並み」の対義語を、意味と共にいくつか紹介します。
「特別・とくべつ」の意味は、「ほかとは異なる状態」です。「異色・いしょく」の意味は、「異なる色合い」「ありふれた物とは違う」です。「並外れ・なみはずれ」の意味は、「普通から外れている」です。
「稀有・けう」の意味は、「とても珍しいこと」「めったにないさま」です。「卓越・たくえつ」の意味は、「ほかよりはるかに優れていること」です。
「月並み」の類語①ありきたり
「月並み」の類語としてまずあ挙げられる言葉は「ありきたり」です。この「ありきたり」というのは、「ありふれていること」「工夫がないこと」「同じであること」「珍しくないこと」「新鮮味がないこと」などの意味があります。
「新鮮味がない・平凡である」の意味を持つ「月並み」と比較してみると、「ありきたり」も全く同じ意味を持つ類語であることがわかります。
「月並み」の類語②陳腐
「月並み」の類語として次に挙げる言葉は「陳腐」です。「陳腐」は「ちんぷ」と読みます。
この「陳腐・ちんぷ」というのは、「ありきたりでつまらないこと」「古くさいこと」を意味する言葉です。「新鮮味がない・平凡である」の意味を持つ「月並み」と比較してみると、「陳腐・ちんぷ」全く同じ意味を持つ類語であることがわかります。
「月並み」の類語③凡庸
「月並み」の類語としてほかに挙げる言葉は「凡庸」です。「凡庸」は「ぼんよう」と読みます。
この「凡庸・ぼんよう」というのは、「平凡なこと」「優れた点がない」「凡人」を意味する言葉です。「新鮮味がない・平凡である」の意味を持つ「月並み」と比較してみると、「凡庸・ぼんよう」も全く同じ意味を持つ類語であることがわかります。
「月並み」の類語④その他
「月並み」の類語は、紹介した言葉以外にもたくさんの言葉があります。「月並み」の類語を、意味と共にいくつか紹介します。
「普通・ふつう」の意味は、「ありふれたもの」「他と異なる点がないこと」です。「人並み・ひとなみ」の意味は、「普通の人と同じさま」です。「ありふれた」の意味は、「珍しくない」です。
「一般的・いっぱんてき」の意味は、「広く認められ行き渡っている」です。「何の変哲もない・なんのへんてつもない」の意味は、「どこにでもある」「平凡である」です。
「月並み」の使い方・例文
「月並み」という言葉は、日常的なシーンからビジネスシーンにおいても用いられることが多い言葉のひとつです。
よく見聞きする言葉だからこそ、正しい使い方を身につけることが大切です。「月並み」という言葉の意味を理解出来たら、次は紹介する例文を参考にしながら使い方をマスターしていきましょう。
「月並み」の例文①
例文の1つ目として紹介するのが「月並みな表現にはなりますが、皆さまのご活躍心よりお祈りしております。」「月並みで恐縮ですが、これからもお元気でお過ごしください。」「月並みですが、より一層精進いたします。」です。
「月並み」は「新鮮味がない・平凡である」という意味です。「月並みですが」という表現を付け足すことで、気持ちが込められた言葉と受け取ることができます。
「月並み」の例文②
例文の2つ目として紹介するのが「君の意見は月並みだな」「彼のアドバイスは月並みだ」「あの先生の指導は月並みだ」です。
「月並み」は「新鮮味がない・平凡である」という意味です。類語を使い言い換えてみると、「君の意見は平凡だ」「彼のアドバイスは普通だ」「あの先生の指導はありきたりだ」となります。どの表現も皮肉が込められているように受け止められます。
「月並み」の例文③
例文の3つ目として紹介するのが「優勝するためには月並みな努力では到底無理なことだ」です。
「月並み」は「新鮮味がない・平凡である」という意味です。類語を使い言い換えてみると、「優勝するためには人並みの努力では到底無理なことだ」となります。
「月並み」の語源
「月並み」は日常的なシーンからビジネスシーンにおいても用いられることが多い言葉のひとつですが、実はその語源は日本の俳人である正岡子規(まさおかしき)が関係していると言われています。
「月並み」の意味や正しい使い方を身につけるだけでなく、語源を知ることでより深く理解することができます。
語源
「月並み」の語源は、正岡子規が関係していると紹介しました。「月並み」とはもともと「毎月」「月ごとに」「毎月決まって行うこと」などの意味を持つ言葉でした。
毎月行う和歌や俳句の月例の会は「月並みの会」「月並俳諧」と呼ばれていました。日本の俳人である正岡子規が、変わりばえしない「月並調(月並俳句)」と批判したことで、「新鮮味がない・平凡である」という意味として使われるようになったと言われています。
「月並み」の英語表記
「月並み」を英語表記すると「commonplace」が一番近いでしょう。「commonplace」とは、「ありふれた」「凡庸」「平凡」という意味があります。ほかに「normal」「indifferent」「boring」などの英語表記があります。
「月並み」は「新鮮味がない・平凡である」という意味
「月並み」は「新鮮味がない・平凡である」という意味です。もともと「毎月」などの意味がありましたが、語源の項で紹介したように正岡子規の影響により使われ方が変化しました。類語や対義語を踏まえて、正しい使い方をしましょう。