「とばり」の意味まとめ!使い方・例文・類語や漢字の違いや使い分けも紹介!

「とばり」の意味まとめ!使い方・例文・類語や漢字の違いや使い分けも紹介!

あまり聞き馴染みのない『帳(とばり)』という言葉ですが、意外と身近な言葉と同じ意味を持っています。意味を説明しながら、例文と使い方をご紹介します。『とばり』だけでなく『夜の帳(よるのとばり)』の意味についてもご紹介します。

記事の目次

  1. 1.「とばり」の意味とは?
  2. 2.「とばり」の類義語
  3. 3.「とばり」の使い方・例文
  4. 4.「とばり」の意味と「カーテン」の意味の違い
  5. 5.「とばり」を使う際の注意点
  6. 6.とばりは「人や物事から隔てるもの」という意味

「とばり」の意味とは?

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今回は聞いたことがあるような、ないようなと感じる『とばり』についてご紹介します。『とばり』と聞いて始めに多くの人が浮かぶ言葉が『夜の帳(よるのとばり)』です。この『夜の帳』は昔と今では使い方や意味が異なります。

現代での『とばり』の意味は、簡単に言うと『カーテン』と同じ使い方がされます。昔に使われていた『とばり』は人から隔てる布のことを『帳(とばり)』と言っていました。それから物事などを隔てる場面にも『とばり』は使われます。

『とばり』と『カーテン』は意味が似ている類語なだけで全く同じものではありません。それと、もう一つの『とばり』の意味が『夜の帳(とばり)』です。

『夕方から夜にかけて、ベールのようにゆっくり変わっていく様子』を意味した言葉が『夜の帳(よるのとばり)』です。類語である『垂れ絹』の言葉の意味が使われています。

「とばり」の類義語

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『帳(とばり)』にはいくつかの類語が存在します。その中の一つが、生活に必須ともいえる『カーテン』です。カーテンは『日差しや人の視線から遮断する布』という意味を持っています。

もう一つご紹介する類語は『緞帳(どんちょう)』です。緞帳とは、よくホールやステージに設置してある舞台の幕のことで、『重くずっしりとした布』を意味する言葉です。

『帳(とばり)』の類語の中で一番、意味が似ているのが『垂れ絹(たれきぬ)』という言葉です。垂れ絹とは『上から下に下げた薄い布』のことを言い、とばりと同じ扱い方がされます。『とばり』を『垂れ絹』と言うこともあります。

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他にも『とばり』の様々な類語がありますが、時代によって言い方が代わり『緞帳(どんちょう)』という言葉の多くが『オペラカーテン』と呼ばれたり『垂れ幕』と呼ばれることが多いです。なので『帳(とばり)』も今では『垂れ絹』と言われることが多いでしょう。

なので『とばり』も今となっては『カーテン』と言われることが多いですが、『カーテン』はとばりの『類語』ということを覚えていってください。

「とばり」の使い方・例文

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『とばり』にはさまざまな使い方があります。小説を読んでると、よく『とばり』という言葉を見かけます。今回はその『帳(とばり)』と『夜の帳(よるのとばり)』の二つの意味の例文をそれぞれご紹介します。

例文①

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まず初めに『帳(とばり)』の使い方と例文をご紹介します。『もう日が暮れる。そろそろ帳が下ろされる頃だ。』という例文を用いた時、この『帳(とばり)』はカーテンと同様の使い方がされます。『日が暮れるため、どの家でも帳を下ろす頃』という意味になります。

夜になれば室内が見えないようにカーテンを閉めるのと同じで『とばり』を下ろします。なかなか『とばりを下ろす』とは言いませんが、日が暮れた時にカーテンが閉められる様子を見ながら『とばりが下ろされた』と心の中で思うのも風流でしょう。

例文②

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『用足しが終わる頃には夜の帳が下りてるだろうから懐中電灯を持っていこう。』という例文では『夜の帳(よるのとばり)』の意味が使われます。『用足しが終わる頃には夜になっているから、懐中電灯を持って出発しよう。』という意味の使い方です。

この時に使われる『夜の帳』の意味は『夜になる』という意味が使われます。他にも『夜の帳が落ちるために早く帰ろう』という使い方もできます。

例文③

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『帳(とばり)』にはさまざまな使い方がありますが、中でも季節や風景などに『とばり』をつけると奥ゆかしさや美しさが際立ちます。紅葉にとばりを付ければ『紅葉のとばり』となり、紅葉がゆっくり舞い降りる様子や、一面が染まった印象を与えます。

『夜露のとばり』と例文にすれば、夜の露がとばりに見立てられる光景になります。この時の『帳(とばり)』の意味は『上から下に垂れる布、もしくは垂れる絹』です。紅葉や夜露以外にも『霧雨のとばり』と付けても綺麗です。

『霧雨(きりさめ)』は漢字から察する通り、霧のように細かな雨をさします。音もなく降る雨で、霧のように細かく降るため『霧雨』と呼ばれています。雨のカーテンのように一面を覆うので、『とばり』と付けると綺麗な雨のカーテンが出来上がります。

例文④

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『夜の帳(よるのとばり)が落ちたら肝試しに行こう。』という例文での『とばり』の意味は『夜が更ける』です。『夜になったら肝試しに行こう。』の『夜になったら』を『夜の帳』と言い換えることで使うことができます。

『夜になったら』と言うよりも『夜の帳が落ちたら』ということで、さらに夜の深さや怖さが伝わります。肝試しなどの夜のイベントによって、場面に沿って使い分けても面白いでしょう。

「とばり」の意味と「カーテン」の意味の違い

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始めにご説明したように「とばり」と「カーテン」は異なります。帳(とばり)とは上から下に垂れ流す布のことで、人や物のシルエットが映るほど薄いものです。カーテンと明らかに違うのは「垂れ流す布」ではないことです。

カーテンはレールにつけられ、スライドすることで人の視線や日差しから遮断することができます。ロールカーテンなど、上から下に下げるものもありますがやはり「帳(とばり)」とは異なります。

「とばり」は人や物事から隔てるものであり、しっかりと遮断することはできません。「カーテン」はしっかりと遮断することができる優れものです。その違いの差は大きく、同じ用途をもっているとしても「違い」は明らかに出てしまいます。

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『カーテン』と『とばり』の意味が違っても、カーテンが閉じる姿は『とばりが下りる』と一緒なので、夜に閉じる光景を見た時は『とばりが下りる』と思っても間違いではありません。

カーテンは「日差しや人の視線から遮断するもの」という意味

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強い日差しが眩しい時、カーテンを閉じて光を遮断します。夜になれば人の視線を避けるためにカーテンを閉じて遮断します。「とばり」と違い「カーテン」は遮断できるものであって、用途が似ていても性能も使い方も「とばり」とは異なります。

布を垂れ流し隔てるのが「とばり」、布を閉じて遮断するのが「カーテン」という風に考えると違いも、言葉の選び方や使い方も分かりやすいです。

「とばり」を使う際の注意点

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ここで「とばり」という言葉を使う際の注意点をいくつかご紹介します。聞きなれない言葉で日常的にはなじみがありませんが、読書中や音楽鑑賞、映画鑑賞の際にもまれに出てくる言葉なので、ぜひ覚えてみてください。

「とばり」は伝わりにくいため会話の中では使えない

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よく読書したり映画鑑賞する方などは、意外にも「とばり」という言葉を聞く機会は多いでしょう。その理由の一つ目として「とばり」は会話などで使う言葉ではないからです。意味は「カーテン」に似ていますが、今の時代、カーテンを「とばり」という人は少ないです。

しかも日常的に使う機会は全くと言っていいほど、古文を学んでいたり、縁がない限りは使うことはありません。ですが文芸書などの物語、恋愛などを描いた楽曲などの歌詞には意外にも使われていることが多いです。

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気にして読んだり、聞いていると「帳(とばり)」という言葉は意外にも発見されます。しかし「とばり」が世間話などの会話で登場するかと聞かれれば、答えは「ノー」です。会話に出しても相手に伝わることは少ないでしょう。

物語の中でも登場人物が『とばり』を使って会話をすることはありません。あるのは場面の説明などで『とばりを下ろす』や『とばりが下りる頃』と言う風に世界観の説明がほとんどです。

それほど日常的に溶け込んでいない言葉なので、会話の中で使ってみることはオススメできません。「とばり」という言葉を話題にして話してみるのは、お互いに新鮮な気持ちが味わえるので、話題に使うにはとっておきな言葉です。

とばりは「人や物事から隔てるもの」という意味

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カーテンと同じ用途で使われる『とばり』ですが、カーテンとは異なり『遮断する』という意味を持っていません。しかし『帳(とばり)』という言葉は美しい光景を描くにはピッタリの言葉です。

ご紹介した『紅葉のとばり』や『霧雨のとばり』なども美しい世界を描いています。文芸などにもたびたび登場する『とばり』という言葉ですが、『物事や人の視線から隔てる』以外にも様々な使い方があります。

この機会に『夜が更ける様子』や『カーテンが閉められていく様子』『霧が視界を覆う様子』を目にした際には『とばり』という言葉を使ってみてください。

稀木瑞
ライター

稀木瑞

『好きなことを好きなだけ』をモットーに一日一日を過ごしてます。病弱のため人との交流や外に出かけることは多くありませんが、家の中でできる趣味や学びを楽しんでいます。楽器演奏や創作小説、外国語を覚えたりタロット占いを趣味としています。

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