軽率の意味とは?
「軽率な行動をとらないように」とか「軽率な発言は慎むように」などのような注意を受けたことはないでしょうか。しかし、「軽率」の意味をしらないと、これらの注意を理解することはできません。それでは、「軽率」とはどのような意味を持つのでしょうか。
「軽率」は、「けいそつ」と読みます。「軽率」とは、物事を深く考えずに軽々しく行うことや、そのさまを意味します。
「軽率」という言葉の意味を知らない子供であっても、遊びについ夢中になって道路に飛び出してしまうという「軽率」な行動をすることがあります。また、「軽率」という言葉の意味を充分に知っている大人であっても、職場の会議や日常会話などで「軽率」な発言をしてしまう恐れがあります。
このように、「軽率」という言葉は、その後に「行動」や「発言」などの言葉と結びつきやすいので、子供の時だけでなく、大人になってからも、私たちが生きていく限り、私たちの行動や発言に関連して使用される可能性がある言葉と言えるでしょう。
また、「軽率」という言葉は、学校や職場だけではなく、朝起きてから寝るまでの行動に関連し、広く使用される可能性がある言葉です。例えば、親しい自分の家族に対して親しいからこそ「軽率」な発言をしてしまうようなことも考えられます。
したがって、「軽率」の意味や例文だけではなく、類語や対義語や英語表現も含めて「軽率」という言葉についてしっかりと理解して行きましょう。
軽率の対義語・類義語
「軽率」という言葉には、対義語と類義語(以下、類語と記述します)があります。対義語とは、意味が反対となる語や、意味が対照的になっている語をいいます。類語とは、意味が似ている語をいいます。
「軽率」の対義語及び類語とそれらの意味を知ることによって、「軽率」という言葉をより深く理解して行きましょう。
軽率の対義語とその意味
「軽率」の対義語は、「慎重」です。「慎重」は、「しんちょう」と読みます。「慎重」とは、注意深くて、軽々しく行動しないことや、そのさまを意味します。例えば、「慎重な行動」、「慎重な発言」、「慎重な性格」などと使用できます。
なお、「慎重」の使い方・例文としては、「彼は、試験で毎回かなりの高得点を取っている。彼にその秘訣を聞いたところ、試験の問題は、最初に少なくとも3回読んで題意を充分に把握して、慎重に回答しているからかもしれないね、とのことだった」という例文を挙げることができます。
軽率の類義語とその意味
「軽率」の類語としては、「軽はずみ」(かるはずみ)、「軽軽しい」(かるがるしい)、「軽軽しく」(かるがるしく)があります。「軽軽しく」は、形容詞である「軽軽しい」の連用形です。
「軽率」の類語としての「軽はずみ」の意味は、よく考えないで行動したり、ものを言ったりすること、また、そのさまです。例えば、「軽はずみな行動」、「軽はずみな発言」などと使用できます。
「軽率」の類語としての「軽軽しい」の意味は、考えが浅く,言動が軽はずみである、ということです。例えば、「軽軽しい行動」、「軽軽しい判断」などと使用できます。
また、「軽軽しく」は、形容詞である「軽軽しい」の連用形ですので、「軽軽しく行動する」、「軽軽しく判断する」などと使用できます。
軽率の使い方・例文
以上のように、「軽率」の意味・類語・対義語について説明しましたので、「軽率」という言葉の理解が深まっているかと思われます。次は、「軽率」の使い方・例文について、六つの例文を具体的にチェックして、さらに理解を深めましょう。
例文①
「軽率」の使い方・例文①は、「花火大会の会場で迷子になったが無事に発見された小学生に対して、迷子になった原因を尋ねた。その結果、その小学生は雑踏の中で、軽率にも、自分の父親と勘違いして他人について行き、父親とはぐれて迷子になった、と判明した」という例文です。
例文②
「軽率」の使い方・例文②は、「冬の朝、若者と老人が湖に到着した時、湖は凍っていた。その若者は、氷の上を歩いて対岸まで渡ろうと提案した。しかし、老人は、この時期の氷はまだ薄いから、そのような行動は軽率であると注意した」という例文です。
例文③
「軽率」の使い方・例文③は、「今朝、彼は、自宅の最寄り駅の自動改札を通過できなかった。六箇月の長期の定期券を使用していたため、軽率にも、使用期限の最終日を忘れたままで今朝まで使用し続けていたためだった」という例文です。
例文④
「軽率」の使い方・例文④は、「彼女は、同じ年ごろの男性と親しく談笑していました。この様子を偶然にも目撃した彼女の友人は、その男性が彼女の恋人に違いないと直感しました。しかし、これは軽率な判断であることが、後に判明するのでした」という例文です。
例文⑤
「軽率」の使い方・例文⑤は、「女性社員二人は、オレンジワインについて会話していた。課長は、オレンジからワインが造れるの、と彼女たちに声をかけて笑われた。オレンジワインはオレンジを原材料として造ると思い込んでいた課長は、軽率な発言だったと後悔した」という例文です。
例文⑥
「軽率」の使い方・例文⑥は、「この平和な村では仲の悪いという者が誰一人としていなく、慧眼な読者が軽率にも想像されたに違いないないように、寒川家と寒原家が不和であるという不穏な考えは紛れもなく誤解であることを納得されたい」という例文です。
なお、上記の例文は、著作権が切れた、坂口安吾の「村のひと騒ぎ」という作品の冒頭の文章です。
軽率を使う際の注意点
上述のように、「軽率」とは、物事を深く考えずに軽々しく行うことや、そのさまを意味し、この意味と異なる第二の意味、第三の意味などはないと考えられてきました。
しかし、近年、ソーシャルネットワークサービス(SNS)などにおいて、上述の意味とは異なる意味で使用される場合があるようです。
気軽にという意味では使えない
近年、SNSの利用者の一部の人々の中には、「軽率に」を「気軽に」に近い意味で使用する場合もあるそうです。このような意味での使用は、気心が知れたごく親しい仲間の間で使用することは構わないかもしれません。
しかし、学校や職場などの場面では、「物事を深く考えずに軽々しく行うことや、そのさま」という「軽率」本来の意味での使用をおすすめします。この意味で「軽率」という言葉を使用する場合、自分以外の他人に対しての使用は、慎重になります。
これに対して、学校や職場などの場面で「軽率に」を「気軽に」に近い意味で使用したとしても、そのような意味で解釈されるとは限りませんから、思わぬ誤解を招く恐れがあるかもしれません。特に、他人の行動や発言に対して、「軽率」を使用すると問題になる恐れが高いかもしれません。
軽率の英語表記
「軽率」の形容詞である「軽率な」に対応する最も簡単な英語表記は、「careless」でしょう。また、名詞の「軽率」に対応する英語表記は、「carelessness」でしょう。まず、「careless」を使用した英語の例文とその意味を挙げておきます。
軽率の英語表記「careless」を使用した英語の例文とその意味
例えば、「It is careless of you to say such things.」という英語の例文は、「君がそんなことを言うなんて軽率だ」という意味です。
また、「It was careless of him to mention it in her hearing.」という英語の例文は、「彼女の聞いている所でその話をするなんて彼は軽率だった」という意味です。次に、「carelessness」を使用した英語の例文とその意味を挙げておきます。
軽率の英語表記「carelessness」を使用した英語の例文とその意味
例えば、「He had a reputation for carelessness.」という英語の例文は、「彼は軽率だという評判だった」という意味です。
また、「The failure is due to my carelessness.」という英語の例文は、「その失敗は私の軽率さのためだ」という意味です。
軽率は物事を深く考えずに軽々しく行うことという意味
以上、「軽率」の意味、対義語、類語、例文及び英語表現について説明してまいりましたが、いかがだったでしょうか。「軽率」は、物事を深く考えずに軽々しく行うことや、そのさまを意味します。「軽率」の意味を心に深く刻んで、くれぐれも「軽率」な行動をとらないように注意しましょう。