「strange」の英語の意味
皆さんもご存じの通り、英語は世界で通用する言語です。今や日本の多くの企業が英語を話せる人を欲している状況です。また、来年からは小学校でも英語が必須科目となり、英語の必要性が高まっています。
そんな中、英語を日々学ぼうと頑張っている人たちがいます。しかしそこに立ちはだかっているものの1つに、英単語があります。
英語を学ぶ上で避けては通れない英単語。その意味を少しずつ知り、自分の英語のレベルをアップしていきたいところです。そこで今回は、「strange」について例文やスラング表現などを交えて解説していきます。
意味:奇妙な・変わった
まずは「strange」の意味を確認しましょう。「strange」は形容詞で、代表的な意味は「奇妙な、変わった」です。
正体が分からない物事に対して使う「strange」。他にも「変わった(変な)」という意味を表す英単語はありますが、「strange」が一般的に使われる英単語です。
「er」を組み合わせて人を表す意味となる
英単語の中には「er」や「or」をつけると、その英単語の意味に「人」や「もの」がつき、名詞となるものがあります。
これは接尾辞のはたらきによるものです。例えば「雇う」という動詞の「employ」に「er」をつけると、「employer」という名詞の「雇用者」、になります。
「strange」の使い方と例文
では、「strange」はどうなるのでしょうか?「strange」に「er」をつけると、「stranger」となります。これには3つの意味がありますので、次の項目でそれぞれの意味と使い方、例文を見ていきましょう。
知らない人
1つ目の意味は「知らない人」です。使い方は、自分が知らない人のことを指す際に、「stranger」の前に形容詞をつけて使います。
例えば、「stranger」の前に「完全な」という意味の「perfect」をつけて、「a perfect stranger」とし、意味は「赤の他人(全く知らない人)」となります。
例文を挙げます。「She is a stranger to me.」。「私は彼女のことを知りません。」という意味です(直訳すると、「彼は私にとって知らない人です」となります)。
初めて来た人
2つ目の意味は「初めて来た人」です。初めて来たのでその土地や地域の地理的情報に関して詳しくない人、という意味です。つまり、そこに訪問した人や外国の人を指します。
この意味での「stranger」に近い英単語として、「newcomer(新参者)」、「visitor(訪問者)」、「alien(外国人)」、「outsider(部外者)」などがあります。
「初めて来た人」という意味での使い方は、初めてその土地(場所)に来た人を指す名詞として使います。例文を挙げます。「He must be a stranger to this town.」。「彼はこの街に初めて来た人に違いないです。」という意味です。
補足1:「must be」の意味
ちなみにここで使われている「must」は「~しなければならない」ではなく、「must be」で「~に違いない」という意味の、可能性や推測として使われています。
可能性や推測を表す言葉として「may be」、「should be」などがありますが、その中でも「must be」は「ほぼ確実にそうに違いない」と根拠がある際に使われる言葉ですので、そういった使い分けも覚えておくと、英語学習も前進します。
補足2:「外国人」という意味を持つ「foreigner」
ちなみに、「外国人」の意味をもつ「foreigner」もありますが、これは差別的な意味(日本でいう「ガイジン」のニュアンス)を持つとして、近年は使われなくなってきています。代わりに「foreign people」と表すようになっています。
人によっては気にならない、差別的ではないと感じる人も確かにいますが、少しでも人に対して否定的なニュアンスを含むものではあるので、使用は控えると良いでしょう。
未経験な人
3つ目の意味は「未経験な人」です。ある特定の活動について未経験な人、という意味です。この意味での「stranger」はこのままで使うよりは、「be no stranger to~」という形での使い方が一般的です。
「be no stranger to~」には、「~になじみがある、慣れている」という意味があります。例文を挙げます。「He is no stranger to overtime.」。「彼は残業に慣れています。」という意味です。ここでの「overtime」は名詞の「残業」という意味で使っています。
スラング表現の「Hello stranger」とは
ここまでで、「strange」が「奇妙な、変わった」という意味で、「er」をつけた「stranger」には、「知らない人」、「初めて来た人」、「未経験な人」の3つの意味と使い方があることが分かりました。
そして英語を学習する上で(特に英会話や翻訳など、話す能力、読む能力が必要な場合)、スラング表現も避けては通れません。
スラングとは俗語のことですが、要するにくだけた物言いのことです。直訳だとどういう意味なのかわからないものがスラングは多いです。ここでは「strange」が入ったスラング表現、「Hello stranger」について解説します。
暫く会っていない人という意味
「Hello stranger」はスラング表現の1つです。他にも「Hi stranger」、「Hey stranger」などと表されます。これは親しい間柄からのメールなどの文頭によく来るものです。直訳だと、「こんにちは、知らない人」となります。
「親しい間柄なのに、知らない人ってどういうこと?」と疑問に思う人が多いでしょう。実はこのスラングの意味は、「暫く会っていない人」という意味なのです。
「長い間、連絡を取り合っていなかったので、あなたのことがわからない(知らない人のよう)」という意味から、こういった使い方になりました。
「久しぶり」と挨拶する表現として使われますので、久しぶりに会う人、連絡を取る人には使ってみると良いでしょう。
ドラマタイトル「stranger things」の意味
さて、「stranger」を使ったスラングを解説しましたが、同じく「stranger」を使った有名なドラマのタイトルについても解説しましょう。
そのドラマのタイトルは、「stranger things」。タイトルを一度は聞いたことがある人が多いのではないでしょうか?
米国最大の動画配信サービス、Netflixのオリジナルドラマで、話題にもなったSF作品です。このドラマのタイトルの意味はどういう意味になるのか、見てみましょう。
直訳では「より奇妙な事」
まず「stranger things」をそのまま訳してみましょう。直訳すると、「より奇妙な事」となります。この直訳を見ると疑問点が浮かんできます。それは「stranger」についてです。
当記事の2つ目の項目、『「strange」の使い方と例文』で、「stranger」は「知らない人、初めて来た人、未経験な人」、と書きました。
このままですと、「stranger」は知らない人などと訳すのに、「物、事」という意味のthingsもついてくるとどう訳せばいいのかわからなくなります。
ここでの「stranger」は比較級!
「そもそもこの文法であっているのか?」と思う人もいるでしょうが、文法的な間違いはないのです!では、どう捉えれば直訳の「より奇妙な事」になるのでしょうか?
実はここでの「stranger」は、形容詞の「strange」の比較級なのです!「より奇妙な」は、比較級で表します。
比較級は「er」がつくので、「stranger」となるのです。これで「より奇妙な事」という直訳になります。
イディオムの「stranger things have happened」との関わり
ドラマのタイトルである「stranger things」の意味は、直訳の意味のままでもわかりますが、元々はイディオムからきている言葉なのです。
そのイディオムが「stranger things have happened」というもの。これは「想定した事よりも、奇妙な事が起こった」時に使われます。比較級を使うことにより、「より驚いた」という感情を表しているのです。
また、「事実は小説よりも奇なり(truth is stranger than fiction)」ということわざがあります。このことわざにも「stranger」が比較級として使われていて、より驚きの感情を表していることが分かります。
「strange」とweirdの違い
「strange」について、使い方や意味、「stranger」を使ったスラングやドラマのタイトルをご紹介しました。では最後に、「strange」と意味が似ている英単語の代表である「weird」との違いを確認し、より理解を深めていきましょう!
「weird」は常にネガティブな意味
「strange(奇妙な、変わった)」に似ている英単語にはいくつかありますが、代表的なもので「weird」がよく出てきます。「strange」と「weird」の違いは何でしょうか?
「weird」の意味は「strange」の意味をネガティブにしたものです。言葉にすると「気味が悪い、不可解な」になります。
「strange」には「いつもと違う」というニュアンスはありますが、完全にネガティブというわけではありません。それに比べ「weird」は、人の行動に対して批判や良くない背景を連想するなど、ネガティブな意味で使われます。
例文でニュアンスの違いを確認!
例文で「strange」と「weird」のニュアンスの違いを見てみましょう。「It’s strange that he didn’t come.」は、「彼が来なかったのは変だ。」という意味で、特にネガティブなことを思ってない時に使います。
一方の「weird」の例文は、「Sorry for my weird English.」で、「変な英語でごめんなさい。」という意味です。自分の英語力に自信がなく、卑下する気持ち、つまりネガティブな気持ちが込められています。
このように、発話者にどんな思いがあるかによって、「strange」と「weird」は使い分けられているのです。
「weird」は口頭で使う
ネガティブな思いが込められている時に使われる「weird」。「strange」との違いは、ネガティブな考えが含まれているかどうかでした。しかし違いはそれだけではありません。
使う場面でも違いがあります。それは、文章ではなく、口頭で使われることが多いということです。なぜなら、フォーマルな場面でも日常会話でも使うことが出来る「strange」に対し、カジュアルな意味合いが強いのが「weird」だからです。
「odd」との違い
「strange」と「weird」の違いについては以上です。では、もう1つ「変な」と訳される「odd」についても触れておきます。
「odd」も確かに「変な、妙な」という意味で、一見「strange」や「weird」と同じように思えます。しかしネイティブからすると、「odd」は他の2つとはニュアンスが異なるそうです。ではどのように異なるのでしょうか?
「odd」は「常軌を逸した」というニュアンスに近く、訳し方としては「異常だ」が適しているとされています。「strange」や「weird」よりも奇妙奇天烈なニュアンスがあります。
「odd」の類語として「peculiar」、「eccentric」、「bizarre」があります。これらを見ると、「異常だ」という意味がより分かります。
補足:まだまだある!「変な」を意味する英単語
他にも「変な」という意味が含まれている英単語はあります。ここでいくつかご紹介しましょう。「queer」は古い言葉で、「奇妙な、不思議な」という意味があります。しかし、「ホモ」などの差別的な意味も含まれるので、使用は避けましょう。
「funny」は聞いたことがある人が多い英単語です。「笑える、ウケる」という意味で、「おかしい!」と口語的に使うことが多いです。
他にも、「wacky」は「突拍子もない、馬鹿げた」という意味で、「outlandish」は元々「異国風の」という意味でしたが、転じて「変わった」という意味でも使われます。
「strange」は奇妙な・変わったという意味を持つ
「strange」について、意味や使い方を例文で確認し、また、「strange」が使われているスラングやドラマのタイトル、似ている意味の「weird」との比較もしました。英語学習の助けになっていれば幸いです。
英語を習得するのはとても大変な事ではありますが、こうして1つずつ、単語やスラングの意味を知り、理解して楽しめると上達も早くなります。地道に楽しんで、英語を身に付けていきましょう!