ドイツと日本のコンセントの形状の違い
日本のコンセントの形状は2本の金属から構成される四角い板といった形をしていますが、ドイツに限らず海外に行くとコンセントの形状は国によってもまちまちで日本の電化製品を持って行ってそのまま使いたいと考えてもまず無理な話です。
ではドイツに旅行や出張で訪れたり、留学のために長期滞在するという場合には、ドイツではどのようなコンセントの形状で、どのように使用することになるのでしょうか?ドイツにおけるコンセントの形状を具体的に見ていきましょう。
ドイツのコンセントのC・SEタイプとは
海外では日本で使用されているAタイプのコンセントに加え、Bタイプ、B3タイプ、BFタイプ、Cタイプ、Oタイプ、O2タイプ、SEタイプといった形状が違うタイプのコンセントが使用されています。ドイツで使用されているのはこのうちCタイプ、SEタイプで、丸い2つの穴があるタイプの電源です。
どちらもコンセントの先端に2本の棒という形状ですが、この棒の先が丸いことが特徴です。また電源部分も丸い穴が2つあいています。ちなみに「SEタイプ」という呼び方は日本独自で、ドイツでは「Type F」と表現されていることが多いです。
ドイツでは現在、SEタイプのコンセントの方がCタイプよりは比較的多いようです。CタイプもSEタイプもコンセントの形は似ていますが、SEタイプのコンセントの先端はCタイプと比較すると若干太いため、Cタイプの電源にSEタイプのコンセントを挿すことはできません。
ドイツの宿泊先のコンセントがCタイプかSEタイプのどちらか?という情報を事前に入手できる可能性はあまり高くないでしょう。そのため、ドイツに行く際にはCタイプ・SEタイプどちらにも対応できるよう、事前準備が必要な事が注意点として挙げられます。
ドイツのコンセントの電圧
日本以外の多くの海外の国では、日本とは異なる電圧を採用しているため、日本で使用している電化製品を海外に持って行っても、そのまま使用することはできません。ドイツもまた日本と電圧の大きさは異なります。日本の電化製品を海外で使用するには変圧器が必要となります。
加えて電源コンセントのプラグの形状も前述した通り、異なるケースが殆どです。日本の電化製品使用のためには変圧器に加えて電源コンセント用の変換プラグも必要です。
ではドイツではどのくらいの電圧が採用されているのでしょうか?また変圧器を使用する際の注意点や、変圧器を使用しないでドイツの電源コンセントに繋いでしまった場合に起こりうる危険についても説明します。
ドイツの電圧は230V
日本の電圧が100Vであるのに対して、ドイツの電圧は日本の倍以上の230Vです。日本の電化製品は電圧が100Vの日本国内で使用されることを想定して設計されているので、電圧の大きさが異なる国ではそのままでは使うことができません。
従って、ドイツで日本の電化製品を使う場合には変圧器が必要となります。電源側の電圧と電化製品側の電圧が違うと、電源コンセントに繋いでも電化製品を使うことはできません。
もし日本の電化製品を何もせずに無理やりドイツの電源コンセントに繋ごうとすると、使用できないばかりか大変な事態を招く危険もあるのです。
変圧器を使わずに無理に電化製品をコンセントに繋ぐと…
電圧が230Vのドイツで日本の電化製品を変圧器なしでコンセントに繋いで使用しようとすると、ショートしてしまう危険性があります。そもそも日本の電化製品は電圧が100Vの日本国内での使用を想定して設計され、製造されています。
従って日本よりも大きな電圧が電源コンセントに流れているドイツで、電圧が100Vの日本国内での使用を想定して製造されている日本の電化製品をこのまま繋いでしまうと、使用時にショートしてしまいます。
これは日本の電化製品では一般的に100Vを超える電圧がかかると、流しても良い電圧の許容量を超えてしまうためです。
最悪の場合、電圧が高い電源にコンセントに繋いでしまったために電化製品側がかかる電圧の高さの負荷に耐え切れなくなり、発火したり爆発してしまったりといった事故にも繋がりかねません。安全な使用のため、コンセントを使用する際には電圧の確認を忘れずに行うようにしましょう。
変圧器が必要なもの
変圧器が必要な電化製品は、製品の説明書や定格表示シールに「使用可能電圧:AC100-240V」という記載がないものとなります。これがないと、ドイツの高い電圧でそのまま使用すると前述の通り使用時に発火や爆発を招く危険性があり、事故の原因となってしまいます。
変圧器が必要な代表的な電化製品としては、スマートフォンの出現前から使用されている旧型の携帯電話(いわゆる「ガラケー」と呼ばれる端末)やドライヤー、電動シェーバーといったものが挙げられます。
一部には変圧器の使用の必要がない電化製品もありますが(詳しくはこの次の項目で説明します)、基本的に海外で日本の電化製品の使用を考えている場合には変圧器は必要なものと考え、使用前に必ず製品の説明書や定格表示シールで対応電圧を確認するようにしましょう。
変圧器が必要ないもの
日本で販売されている電化製品には主に日本での使用を想定したタイプと、日本国内に限らず海外使用にも対応しているタイプの2種類があります。海外使用に対応している主な電化製品はスマートフォン、デジカメ等で、近年に発売された製品は変圧器が製品に内蔵されている仕様となっています。
勿論、全ての製品が必ずしも海外対応モデルではなく、メーカーによっては日本国内での使用に限定されたものもあります。注意点としては製品を使用する前に、説明書や製品に添付されている定格表示シールなどで必ず詳細を確認することです。
説明書や仕様書を確認した結果、その製品の使用可能電圧がAC100-240Vであれば、ドイツの230Vの電圧でも変圧器なしで使用可能な電化製品ということになります。
ドイツのコンセントで日本の家電を使うには?
さて、これまでドイツでは日本よりも電圧が高いので日本の電化製品を直接挿して使うことはできず(高い電圧の流れる電源に、日本の低い電圧にしか対応していない電化製品のコンセントを挿して使うと事故に繋がる恐れがあります)、変圧器の使用が必須であることを説明してきました。
それに加えて、ドイツの電源コンセントは日本のそれとはプラグの形状も違います。従って(仮に電圧の違いの問題をクリアできたとしても)日本から持って行った電化製品をそのままコンセントに繋いで使用するのは不可能です。
では、ドイツで電源コンセントのプラグの形状が違う条件で日本の電化製品を使用するには、どうすれば良いのでしょうか?
変換プラグが必須
日本の電源コンセントは、2本の金属から構成される四角板の形をした電源プラグが使用されています。これに対して海外では金属が3本、もしくは先端が丸い形状のコンセントが採用されている国が多く、日本の電源プラグの形状のコンセントでは使用できません。
そこで海外旅行の際に頭に置いておくべき注意点として、海外で日本の電化製品、例えばドライヤーやパソコン、スマホを持ち込んで使用しようと考えている際に電源コンセント用の変換プラグが必要となる点が挙げられます。
変換プラグには二面に差込口が付いており、片方の差込口は日本で使用されているプラグと同じ形状となっており、そこに自分が使用したい電化製品の電源プラグを差し込みます。
もう片方の差込口が海外のコンセントに対応できる形状の電源プラグですので、この部分をドイツの滞在先の電源コンセントに差し込めば日本の電化製品を繋げて使用できる設計になっています。海外コンセント対策用の変換プラグは海外旅行で必需品であると言えるでしょう。
ドイツのコンセント用変換プラグの購入場所
ドイツで日本の電化製品を使用するには、ドイツの高い電圧で日本の電化製品を使用できるようにするための変圧器と、ドイツの電源コンセントでも日本の電化製品のプラグを挿せるようにするための変換プラグが必要であることをここまで説明してきました。
ではコンセント用の変換プラグはどこにいけば購入可能なのでしょうか?ここでは変換プラグの購入手段の紹介と、購入時の注意点について説明します。
ドイツに限った話ではないですが、海外へ渡航する際には一般的に準備にも時間と手間がかかりがちです。ドイツ渡航のために必要なものや注意点について事前に確認した上で、できるだけ早い段階で変換プラグを手に入れておく方がお得だと言えそうです。
近くの家電量販店で購入可能
コンセント用の変換プラグですが、ビッグカメラ、ヤマダ電機といった大きい家電量販店でならまず間違いなく手に入ります。特定の国向けの一種類の形状の変換プラグは勿論のこと、複数の形状のコンセントに対応できる「マルチタイプ変換アダプター」というものもあります。
最近ではコンビニや100円ショップでも変換プラグを置いてあるケースもありますが、国によっては複数の形状のプラグを持つコンセントがあったり(ドイツもCタイプとSEタイプがあります)、何か国か周遊する旅行では国ごとにコンセントのプラグの形状も違います。
このような場合、100円ショップの変換プラグでは対応できない可能性もあります。その点、大型の家電量販店や、通販サイトで購入できる「マルチタイプ変換アダプター」を選ぶと、複数の形状のコンセントにも対応可能ですので安心です。
通販サイトでも購入可能
またインターネットの通販サイトでもコンセント用の変換プラグは購入可能です。ネットで注文すれば、店舗に出向かなくても家にいながら受け取れるため、手間なく購入できるという点では非常に便利な手段です。
しかし注意点としては、コンセント用の変換プラグは単価が安いため、場合によっては送料の方が高くついてしまうケースもあることです。リーズナブルに買い物をしようという前提で考えると、通販サイトは必ずしもお得な手段とは言えないのも事実です。
ネット通販でも、例えばAmazonのプライム会員特典で送料無料のものを選んで購入するといった手段もありますが、今では家電量販店だけではなく、100円ショップでも取り扱っているお店もあります。できれば実際に店頭で実物を見てから購入する方が安心です。
ドイツのコンセント用変圧器の注意点
ここまでドイツに渡航する際にはコンセント用変換プラグや変圧器が必要となる点と、製品によって変圧器が必要なケースとそうでないケースがある点、また変換プラグや変圧器がどこで購入できるかについて説明してきました。
ところで変圧器を使用する際には、「ドイツ等日本よりも電圧が高い国に渡航して、低い電圧にしか対応していない電化製品を使用する」ケース、逆に「対応電圧が高い電化製品を、電圧が低い環境でも使えるようにする」ケースとがあります。
日本の電化製品を海外で使う場合が前者、逆にドイツ製等、海外の電化製品を日本の電源コンセントで使う場合が後者に当たります。
ここから変圧器が必要となる事例について、どの電化製品をどのような環境(=使用しようとしている電化製品の対応電圧が電源コンセントに流れる電圧よりも大きいのか、小さいのか)で使用するのか、またどのような変圧器を使えば良いか、そして変圧器を選ぶ際の注意点について説明していきます。
アップトランス・ダウントランスに注意
アップトランスとは対応電圧の違う海外の電化製品を、日本の100Vの電圧環境で使用できるようにする為の昇圧変圧器のことです。使用したい電化製品の本体や説明書に記載されている対応電圧が「110V-240V」のように表記に100Vが含まれない場合には、必ずアップトランスが必要です。
一方、ダウントランスは日本の電化製品を日本よりも電圧の高い海外で使いたい場合に使用できる降圧変圧器のことです。海外の高い電圧を下げて日本の電化製品の使用に適した電圧に調整します。
選ぶ際の注意点ですが、国によって電圧が異なりますので前もってこれから渡航する国の電圧を確認しましょう。また、使う電化製品の電力(W数)を事前に調べ、電力に余裕を持った変圧器を選択しましょう。熱製品(電気オーブン等)で1.5倍、モーター品で2.5倍の余裕が必要です。
ドイツに行く際はコンセント対策を徹底しよう!
本記事では日本国内と海外では電圧が違う(多くの場合、日本国内よりも高い電圧です)こと、また電源コンセントの形状も日本国内と海外では異なり、日本の電化製品を海外で使用する際には変圧器とコンセント用変換プラグが必要なことを説明してきました。
近年では交通手段や情報伝達手段の発達で海外へも気軽にアクセスできますが、やはり海外で日本の物を使用しようとすると使用環境や設備が異なるため、日本の製品を使えるように環境を整える必要があることも事実です。変圧器とコンセント用変換プラグの準備はその一つでしょう。
ドイツに渡航することになった際には前もって必要な準備についてしっかり確認し、また変圧器やコンセント用変換プラグを選ぶ際には、電化製品のスペックや対応電圧についての注意点を踏まえた上で、使いやすいものを選びましょう。あなたのドイツ滞在が快適なものとなることを願っています。