「模様」の意味とは?
「模様」という言葉の意味で一番最初に連想されることは、手ぬぐいや巾着などの絵柄のデザインのことを「模様」という言葉でよく使うことがあります。
この「模様」という言葉は、装飾物でや図や形で使われる「模様」という言葉の他に、物事の状態や様子などをあらわすことや、しぐさや模範という意味で言葉の中に「模様」という言葉が使われることがあります。
ここからは、「模様」の由来についてや「模様」の類語や使う際の例文、「模様」という言葉が入る図形の種類を解説していきます。
「模様」の由来
「模様」の由来は、もともとは中国の言葉が日本に伝わり使われている中国ことばです。こういった古来の中国から来た言葉のことを「漢語」と呼びます。
「模様」は、この「漢語」という言葉に分類され、「漢語」での「模様」意味は、図や形などをあらわす言葉として使われてきました。
「雨模様」や天気の状態をあらわす言葉として「物事の動向を推測する」といった意味で「模様」という使い方がありますが、これは日本独特の表現で「漢語」の意味とは異なります。
「模様」の類語
「模様」と聞くと「水玉模様」や「唐草模様」などの意味で、「模様」という中国的用法の言葉の意味を連想される方が多いのではないでしょうか。
ここでは、「模様」の類語について紹介します。「模様」という言葉が使われる意味には、2つの使い方があります。
「模様」の1つ目の意味は、図形や絵柄などの形をあらわす際に使われる、中国的用法での「模様」での意味があります。
2つ目の「模様」の意味は、ありさまやらしい様子の名詞の下につけて物事の動きなどをあらわす意味で、日本的用法に分けられます。ここでは、日本的なありさまや様子をあらわす「模様」の類語について紹介します。
「様子」の意味
「模様」という類義語の1つ目は、「様子」という言葉です。「様子」の意味は、外からみてわかる、察せられる物事のありさまや、特別なわけや事情という言葉の意味を含んでいます。
「様子」という言葉は、普段の会話の中でも頻繁に使われる言葉です。体調が悪そうに見える方や挙動不審な方を見たときに、心配になり「ちょっと○○さんの体調の様子がおかしかったため、声をかけてみた。」などという感じで使われる言葉です。
「状態」の意味
「模様」の2つ目の類義語は、「状態」です。「状態」の意味は、その時にそうなっている物事のありさまや、外面からでもそれとわかる様子をあらわすさいに使う言葉です。
人や物事、事情などさまざまなタイミングの日常会話でもよく使われる言葉です。「危険な状態だった」、「体調が悪い状態が続く」といった危険や悪い物事のありさまをあらわしたりします。
「状況」の意味
3つ目の「模様」の類義語は、「状況」という言葉です。「状況」の意味は、時間とともに変化する物事のありさまやその瞬間の時の様子などをあらわす意味の言葉です。
「状況」は、環境的な変化や個体の内的変化の様子をあらわす意味としても使われています。天気の状態が思わしくない場合などに、その「状況」をあらわす使い方として「模様」という言葉があります。
「模様」の種類と意味
「模様」は、会話の中に含まれるありさまや兆候といった意味の言葉でも使われていますが、日常生活でも親しみのある絵柄や巾着や小銭入れなどのデザインでよく使われるものまであります。
ここからは、「模様」の由来とされている「漢語」の意味でもある、図や形をあらわす「模様」の種類について紹介します。
唐草模様
「唐草模様」は、蔓植物の葉や茎が伸びた様子をあらわしている「模様」です。日本では最も親しみのある「模様」で、風呂敷によく見る絵柄です。
また、「唐草模様」の絵柄の色は、背景が緑で「模様」の部分は白で構成された「唐草模様」が一般的です。
複数の曲がった線と渦巻の模様を組み合わせて、つるが絡み合った状態をそのままにあらわしている「唐草模様」や左右対称の渦巻柄だけの簡単な「唐草模様」など、一つに「唐草模様」といっても多種多様なデザインがあります。
幾何学模様
「幾何学模様(きかがくもよう)」は、見れば見るほどその世界に飲み込まれてしまいそうな神秘的なデザインです。
三角形や方形、ひし形などの多角形や、円形などの図形を反転や回転して、組み合わせて連続的に配列した抽象的な「模様」です。
紀元前にギリシャの人によって、初めて使われた「模様」であり現代では建築様式としても使われている「模様」です。
市松模様
「市松模様」は、2色の正方形を交互に並べた格子柄模様のことをいいます。「市松模様」が使われた由来は、江戸時代にはじまります。ちなみに格子柄模様は、幾何学模様も、同じカテゴリーに含まれます。
「市松模様」は、当時人気のあった歌舞伎役者の佐野川市松さんが、舞台の衣装に使ったのが「市松模様」のはじまりとされています。
ファッション小物などの柄に幅広く使われている「模様」で、ルイ・ヴィトンのモノグラム柄と同じく有名なダミエ柄も、この日本の「市松模様」をヒントに作られた柄と言われています。
曼荼羅模様
「曼荼羅模様」とは、様々な色を使って鮮やかな円の集合体をあらわした「模様」です。この「曼荼羅」は、サンスクリット語のまんだらという言葉を漢字であらわしたもので、「曼荼羅」の言葉の意味は「丸い」という意味があります。
「曼荼羅」には、大きく分けて3つの意味があります。宗教的な世界を表現した「曼荼羅」、宇宙の世界を表現した「曼荼羅」、人の生死の世界での輪廻転生を表現した「曼荼羅」です。
「曼荼羅」は、一言では言い尽くせないたくさんの意味を含んだ言葉です。このような、多次元の世界を2次元の平面にあらわした模様を「曼荼羅模様」といわれています。
「模様」の使い方
前項では、「模様」の言葉の由来や意味、絵柄の「模様」の種類について紹介しましたが、物事の動きを推測するときに使われる「模様」という意味で使われている言葉は、日本独特の表現方法です。
ここからは、普段の日常会話で使われている物事の動きを推測したりする意味のときに使う「模様」の使い方を紹介します。
例文①
例文①「電車が遅延していて、到着が遅れる模様です。」では、「模様」の類語である「様子」の意味である兆候、ありさまという意味で使った例文です。
電車が遅延しているから、予定の時間よりも到着が遅れるといった、物事の動きを推測しています。「何々らしい」という推測の意味の使い方なので、「状態」や「状況」などは置き換えると不自然な使い方となってしまいます。
例文②
続いて、例文②は「この街の模様も自分が住んでいた時よりも、だいぶ変わってしまった。」では、「状態」や「状況」などでも代用可能ですが、「模様」の類語である「様子」が最適です。
「様子」と同じく「模様」の類語でもある「状態」や「状況」は、この分の前か後に街の治安や経済の動向などが推測できる文が入っている場合に使われます。
例文③
例文③は、「交通事故があり、その現場の模様を詳細に伝えた。」では、「何々らしい」という物事の動きを憶測する言葉の「様子」という意味は最適ではありません。
ここでは、すでに起こってしまった物事、または、現在も継続している物事の「状態」や「状況」という言葉の意味で使うのが最適です。
例文④
例文④は、「ずっと雨が続いていたが、天気予報を見たら明日は晴れる模様。」この、「模様」の使い方は、天気予報の動向から予測して、晴れるという予想をしています。
ここでの「模様」は、ありさまを表現している「様子」が最も適切な置き換え方です。天気予報などでよく使われる「模様」は、この「様子」という言葉にも置き換えることができます。
よく天気の状態をあらわした会話の中で「雨模様」という言葉がありますが、この言葉は使い方に注意したい言葉です。
雨が降り出しそうな状態のことを「雨模様」といい、雨がすでに降っていたりやんだりする状態で「雨模様」という言葉は使いません。誤った使い方をされている言葉なので、使い方には注意しましょう。
また、「雨模様」の読み方は、「あめもよう」と発音してしまいますが、本来の読み方は「あまもよう」という読み方です。ただ「あめもよう」も誤った読み方ではなく、2種類の読み方が採用されています。
「模様」は物事のありさまや柄をあらわした意味
今回は、「模様」の意味を紹介しました。「模様」という言葉には、物事のありさまや兆候をあらわした日本独特の使い方である「模様」と、図形や絵図をあらわした柄である「模様」の2種類の意味があります。
日常の生活上でも「模様」という言葉は、天気予報やニュースなどのテレビを見る機会があるときに、たくさん使われている言葉です。「模様」という言葉を覚えておくと説明するときに役立つ言葉ですので、日常生活でも使ってみましょう。