参加の可否の意味とは?
職場でのメールや文書では、普段はあまり使用しないフレーズを目にすることがあるのではないでしょうか。今回紹介する「参加の可否」というフレーズもその一つです。このフレーズは、「出席」もしくは「欠席」を相手に促す際に用いられています。
肯定的な意思表示に用いられる「可」、また否定的な意思表示に用いられる「非」。このような異なる漢字が組み合わさることで、2つの意味を持つ熟語として成立しているのが「可否」です。
また「可否」は、物事に対する賛否を表現する際にも用いられます。なぜならこの言葉には、「賛成」と「反対」という意味も含まれているからです。
参加の可否を用いるシチュエーション
「参加の可否」というフレーズは、実はごく限られた場面でしか使用されていません。そのため用いる際には、適切な場面やシチュエーションをセレクトして使用する必要があります。
次は「参加の可否」というフレーズを使用する場面やシチュエーションを確認し、より適切な使い方ができるようにしていきましょう。
可否を用いるのに適した場面
「参加の可否」で用いられる「可否」という熟語は、基本的に日常生活で活用されることはありません。この熟語は、主にビジネスシーンや公的な場面で使われている言葉なのです。
そのため学生の方はもちろん、社会人の方でも職種によってはあまり馴染みがないという方もいらるのではないでしょうか。
また「可否」は、書き言葉として活用されるのが一般的で、会話中に用いられることはほとんどありません。そのため、主にビジネス文書やメールなどで使用されています。
可否を用いるのに適したシチュエーション
「参加の可否」というフレーズは、多くの回答をスピーディーかつ的確に集計できます。つまり大規模な会合などにおいて、参加者の人数を把握するのにとても便利なフレーズなのです。
一方「可否」は、企画に関する意見を求める際にも用いられています。つまり、ある対象に対して返答を求めるシチュエーションなどでも活用されているのです。
またこの言葉は、返答の判断をより明確に表現する便利な熟語としても用いられます。なぜなら、この問いかけには、「可能」か「不可能」かという2つの選択肢しか用いることできないからです。
参加の可否の使い方
基本的には文書やメールで使用されている「参加の可否」というフレーズ。しかし、後に残る文書やメールだからこそ言葉の使い方には注意が必要です。
一言に「可否」といっても、その熟語が意味する言葉は前後の文章により異なります。そのため利用する際には、対象となる出来事や前後の文章をしっかりと理解しなけれななりません。またビジネス文書では、どの相手にいつ送る文書であるかということも重要になります。
では実際に例文を用いて、「参加の可否」というフレーズの意味を確認しましょう。またシチュエーションや、前後の文によって異なる「可否」の意味の違いも紹介いたします。
例文①
まず1つの目の例文は、「参加の可否を期日までにお願いします」です。この例文では、「出欠」と「欠席」という意味で用いられています。
もちろん、「期日までに出席か欠席かの連絡をよろしくお願いいたします」という文章を用いてもOKでしょう。しかしこの表現だと文章が長すぎるため、分かりづらい印象を与えてしまうのです。
例文②
2つ目の例文は、「当社のプロジェクトに関する可否を問います」です。この例文では、「参加の可否」とは異なる「賛成」と「反対」の意味で用いられています。
他にも大規模な会議などでは、「当社のプロジェクトに関する可否を、挙手でお願いいたします」と問われることもあります。この場合は挙手が「賛成」という返答となり、多数決で何かを決定する際に用いられているのです。
例文③
3つ目の例文は、「記事作成の依頼の可否をご連絡いただきたく存じます」です。この例文では、「参加の可否」とは異なる「できる」と「できない」の意味で用いられています。
ビジネスシーンでは様々な取引先に、仕事の受注を確認するシチュエーションがあるのではないでしょうか。その際に「これらの依頼を受注できますか?できませんか?」という言い回しでは、取引先に対して失礼になる場合があります。
しかし「依頼の可否」というフレーズを用いると、丁寧な言い回しで相手に返答を促すこともできるのです。このように「可否」は、敬語と組み合わせることで、相手に柔らかに返答を促せる汎用性の高い言葉でもあるのです。
例文④
4つ目の例文は、「私では可否判断できません」という文章です。この例文では、「参加の可否」とは異なる「良い」か「悪い」かという意味で用いられています。
ビジネスシーンでは、ある対象に対する意見を個人に問うシチュエーションもあります。その際に、「私にはどちらか決められません」というような文章では、相手に幼稚な印象を与えてしまいます。そのため、このようなシチュエーションでは「可否判断」という言葉が適切になるのです。
有無や是非との違い
「参加の可否」とニュアンスや使い方が似ているフレーズがあります。それが「参加の是非」と「参加の有無」という2つのフレーズです。この2つの熟語は、もちろん意味はもちろん、ニュアンスや使い方も違います。
そのため使用する際には、各々の意味を理解して適切に活用していかなければなりません。次は、2つの熟語の意味の違いについてご紹介いたします。また同時にそれぞれの使い方や、ニュアンスの違いも確認していきましょう。
是非とは?
「是非」も「可否」と同様に、異なる意味の言葉が合体してできた熟語です。そのため、こちらも2つの意味を持つ言葉として、一般的に活用されています。
また「是非」には、「判断する」また「批評する」という意味があります。つまり、この「是非」という言葉は、物事にする善悪を表現する言語なのです。そのため「可否」とは意味が違います。
例として「出席の是非を問います」だと、参加という企画がある対象にとって「善い行い」か「悪い行い」かを相手に問うフレーズになってしまいます。つまり、この場合には「出席の確認」ではなく、「参加するのが、善い行いなのか悪い行いなのか」を相手に問うフレーズになるのです。
そのため、「出欠の可否」とは文章の意味に大幅な違いが出てしまいます。文章を組み立てる際は、この2つの意味の違いを把握したうえで、文章を組み立てるよう心がけましょう。
有無とは?
「有無」も、異なる意味の言葉が合体してできた熟語です。そのため、意味の違う言語が組み合わさった2つの意味を持つ言語として、一般的に活用されています。
「有無」には、その字の成り立ちどおり「有る」と「無い」という意味があります。そのため、「是非」とはもちろん、「可否」とも少しニュアンスが異なる表現になってしまうのです。
例として「参加の有無をお知らせ願います」だと、ある場所に現在その相手が「いる」のか「いない」のかを相手に問うフレーズになります。そのためこのフレーズは「当日の出席確認」などのシチュエーションには、とてもマッチした問いということになります。
しかし、このような文章は事前に「事前の出席確認」などのシチュエーションで使用する「参加の可否」とは意味が違います。一見似ているような2つの言葉ですが、そのシチュエーションによって意味の違いを見極めてから、文章を組み立てる必要があるのです。
参加の可否の注意点
「参加の可否」を使用する際には、まず「可否」という言葉の意味がそのシチュエーションに適しているかを考えましょう。そのためには、やはり各々の言葉の意味の違いやニュアンスを、その都度確認することが重要です。
この言葉は、事前にそのイベントの出欠を確認する際などに用いられる言葉です。一方、イベントに関する意見には「参加の是非」というフレーズが用いられますし、当日の出席状況を把握する際には「参加の有無」というフレーズを用いるのが正しい言葉の使い方です。
このように実際のビジネスシーンで「参加の可否」を用いる場合、だれに・いつ・何を問うのかを、しっかりと確認してから言葉を選ぶようにに注意する必要があります。
参加の可否は出席か否かを問うという意味
「参加の可否」というフレーズは、ある企画やプロジェクトに対して「出席」もしくは「欠席」の返答を問う意味で使用されます。しかし、そこに用いられている「可否」には複数の意味があり、その意味は前後の文章によって異なります。
また「可否」という言葉は敬語や謙譲語と使用することで、文章を柔らかく組み立てることができます。そのため「出席」か「欠席」か、または「賛成」か「反対」かという、質問を用いる際にとても便利な熟語なのです。
言葉を用いるシチュエーションをしっかりと把握し、「参加の可否」をビジネスシーンで正しく活用していきましょう。