充実の意味とは?
充実の意味とは不足しているものや欠点が何もなく、必要なだけ備わっている事や、力がしっかりと備わっている事を意味しています。
「充」という漢字には中身が一杯ある、満ちるという意味があり、「実」という漢字には十分にある、中身が備わるという意味があります。
似た意味の漢字を重ねて十分に足りている。中身が溢れんばかりに満ちているという事を強調した意味となっています。
充実の対義語・類語を紹介し、充実の使い方を例文を交えながら解説します。充実の類語である「満足」との使い方や意味の違いを比較します。「充実」を英語表記した表現と適切な使い方も合わせて紹介します。
充実の対義語・類語
「充実」の意味は不足や欠点がなく必要なだけ備わっている事と紹介しました。しかし同じ不足がない、十分に備わっていると意味する言葉は「充実」以外にもたくさん存在します。
「充実」の対義語と類語を紹介しながら「充実」の対義語・類語の意味や使われるニュアンスの違いを解説します。
対義語と意味①
対義語一つ目は「空虚」という言葉です。空虚は物や物事の内容の価値や拠り所となる所が何もないことを指します。充実が十分にある事を意味した漢字を重ねています。
対して、空虚はからっぽであるという意味の漢字を二つ並べて何もない、価値や内容が全くないという事を強調した言葉となっています。「空虚な生活」や「空虚な理論」などのように使われます。
対義語と意味②
対義語二つ目は「空白」という言葉です。空白は紙の上に何も書いていない所を指します。転じて実質的な内容のないことを意味しています。
漢字を見てもからっぽという意味の「空」と白紙や余白を意味する「白」を組み合わせて何も書かれていない場所を表現しています。
「歴史の空白を埋める」「記憶の空白な時期」など現在から過去に遡って何もない所を解明したり振り返ったりする表現を意味する時に使われます。
類語と意味①
類語一つ目は「満足」という言葉です。「満足」は望みを達せられて不平不満がないこと、満ち足りている事を意味します。また、定めた条件や基準を満たしている事もさします。
「満足が得られる」や「満足に口もきけない」など自分や常識から基準を見出し、基準を達成しているか、していないかを意味する言葉となっています。
「充実」との一番の違いは「満足」は結果を表しているニュアンス、「充実」は現在進行形であるかという時間軸が異なります。
類語と意味②
類語二つ目は「円満」という言葉です。円満は満ち足りていて、不満や争いがないことを意味します。円という漢字から角がない状態やその様子を表しています。
「夫婦円満」や「円満な人柄」など争いがなく穏やかな人間関係やその人自身の穏やかで角がない性格を指した使われ方をします。
心の様子を表す場合は「充実」と「満足」を使い、客観的に人間関係や人の性格をみて表現する場合は「円満」という言葉を使います。
充実の使い方・例文
「充実」は名詞として「充実の日」のようにつかわれます。動詞としても「充実する」「充実させる」のように使われます。
「充実感」と感情を表現する単語としても使われており、どの使い方も満ち足りている、十分に備わっているという事を表します。日常生活での「充実」の使い方と例文を解説します。
例文①
「充実した生活を過ごす」この例文は「充実」を名詞として使っており、十分に満ち足りた生活を過ごしていることを意味しています。気持ちや感情はあいまいですが、はつらつとした日々を送っている、過ごせているとのニュアンスが例文からは伝わります。
類語の「満足」でも説明したように「充実」は目標や理想に向かっている今の感情が満たされる事を表現した意味となっています。
例文②
「今年度の設備投資は充実している」この例文は「充実」を動詞として使っており、必要な物が豊富に備わり、準備されていることを表現しています。「設備投資は十分に備わっている」や「設備投資は不足なく足りている」と言い換える事もできます。
「充実」で数値的な物を表現するときでも結果に満足しているというよりは十分に備わっているものを使ってどういう結果を出そうかと現在進行形のニュアンスが含まれます。
例文③
「充実感を得ることができた」この例文は「充実」のあとに「感」をつけた複合名詞です。「感」つける事によって自分自身の気持ちが満ち足りている状態を表現しています。
充実感は客観的な基準がなくても自分が満ち足りているという感情を得た時に使う事がふさわしい表現となっています。主体的に自分が望む事に突き進んでいっている時に得られる感情を表すニュアンスが伝わる言葉です。
例文④
「国力充実」の例文も「充実感」と同じく複合名詞となっています。「充実感」とは違い具体的な事象や物事にも充実という言葉を使う事ができます。この例文は歴史などで使われている事が多くなっています。
時間軸としては過去の事を表現するというよりはこれから満たして行こうという前向きなニュアンスが込められています。感情を表す「充実感」は現在の気持ちを表現する事と少しニュアンスが異なります。
「国力充実」には国をこれから満たして行こうとするニュアンスが、「充実感」には今満たされていると感じているニュアンスが表現されています。
充実と満足の違い
先ほど説明した類語の「満足」と「充実」の違いを紹介します。充実・満足ともにパッと耳に入った時同じように満ち足りているというニュアンスはわかりますし、意識して使い分ける事もなかなかありません。しかし考えてみると状況や言葉の指す方向性が異なります。
まず「満足」は欲求が満たされた結果の状態であり、自分の望む形になっていれば得られる感覚です。CMなどでも「お客様満足NO1」などと言います。これは会社が提供したサービスを受けた時点で満ち足りていれば「満足」したという結果を得る事ができます。
対して「充実」は自分の望む形を実現しようと現在進行形で進んでいる状況を表現しているニュアンスとなっています。例文でも主体的に自分が目標に向かっている感覚を充実感と表現すると説明しましたが「満足」と比較してみるとよくわかるのではないでしょうか。
満足は結果的に満たされたという意味
「充実」は結果はどうなろうと自分が求める理想に進んで行こうとする活力溢れる様子を表現するニュアンスとなっていますが、「満足」は自分以外の誰かが与えてくれる事に対して過程はどうであれ結果的に満たされているという感覚を言葉に表しています。
また「充実」は具体的な数値に表す事は難しくなっていますが、「満足」は客観的な指標や基準が設けられている事が多くなっています。「充実感」は主体的、現在進行形と「満足感」は客体的、完了形と覚えておくとよいでしょう。
充実の英語表記
「充実」を英語で表現しようとするとたくさんの表記が存在します。主な英語表現としては「repletion,fullness」などがあります。「repletion」は「eat to repletion」はお腹一杯食べる。など満足に近いニュアンスの英語表現となっています。
「fullness」は「a feeling of fullness」のように充実感を意味しますので先ほど説明した主体的な意味を表すニュアンスを英語で表現したい場合は「fullness」を使うと充実している感覚が伝わります。
充実の英語表記の使い方を使い分ける場合としては与えられた結果を表現したい場合は「repletion」を使い、主体性を表現したい場合は「fullness」を使うと良いでしょう。
充実は今の状況に満たされているという意味
「充実」は主体的に現在進行形で満たされているという意味とニュアンスを表現したいときに使うとぴったりです。類語である「満足」や「円満」と比較しても「満足」は人から与えられた結果の感情を表現します。
「円満」は人間関係やその人の性格を表現します。充実の例文でも示したように名詞、複合名詞、動詞としても充実を使う事ができ、いずれも充実している主体は自分側であり、現在進行形の満ちている、備わっているということを表現します。
英語で充実を表現する時もここで説明した充実を相手に伝えたい場合は「fullness」を使うようにしましょう。意識的に「充実」と「満足」の使い分けをしてこなかったとしてもこれからは意識して使うようにしてみましょう。