「起承転結」の意味とは?ビジネスや作文での使い方を簡単に解説!

「起承転結」の意味とは?ビジネスや作文での使い方を簡単に解説!

「起承転結」という言葉を何気なく使っている方も多いかもしれませんが、正しい意味で使用しないと相手に対し誤解を与えてしまいかねません。今回は「起承転結」という言葉の意味を解説するとともにビジネスシーンや作文における使い方を紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.「起承転結」の意味とは?
  2. 2.「起承転結」の由来
  3. 3.「起承転結」の特徴
  4. 4.「起承転結」の4つの項目のそれぞれの意味
  5. 5.「起承転結」の使い方
  6. 6.「起承転結」の注意点
  7. 7.「起承転結」は「話を分かりやすくする文章術」という意味

「起承転結」の意味とは?

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今回は、「起承転結」という言葉について、その意味や例文、作文における使い方や簡単な活用方法などについて紹介をしていきます。

「起承転結」は何かというと、「会話や作文を理解しやすくするための文章術」です。論文やレポートなどを作成する際に心がけるべき技法として知る機会が多い言葉です。

「起承転結」をきちんと理解し、作文やビジネス上の文章などに活用することができれば、明瞭な文章が作成でき、受け取る相手側にも簡単に誤解なく理解してもらえます。

「起承転結」の由来

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「起承転結」という言葉の由来にはどんなものがあるのでしょうか。「起承転結」は、日本で使われてきたような印象を持ちがちですが、実は発祥としては日本ではありません。

もともとは、中国の漢詩で用いられてきた文章構成技法です。漢詩の中でも特に短い文章で構成される「絶句」と呼ばれる漢詩において、「起承転結」が使われたのが起源だとされています。

「絶句」においては、短い言葉でいかに効率よく内容を伝えていくかという点が重要視されます。その方法の一つに、起句、承句、転句、結句という構成方法が考案され活用されました。

「起承転結」の特徴

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「起承転結」の言葉の由来について解説してきました。続いては、「起承転結」の言葉の特徴について紹介します。「起承転結」を使用する場面にはどんなシーンがあるのでしょうか。

ビジネスシーンで業務の報告をする場面や、高校や大学で作文や論文を作成する場面、研究所などにおける研究成果のまとめをする場面などが考えられます。「起承転結」を心がけて作成することで、簡単にまとまった文章構成にできます。

話の意味や流れをまとめるのに有効

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「起承転結」を心掛けて作文をすることで、話の意味や流れがまとめやすくなります。「起」が作文をする上での背景や事前情報を示し、「承」で文章のテーマの導入を示します。

「転」で「承」の内容が転じ、メインに伝えたいことが示されます。最後に「結」でまとめや結論を示すことになります。

作文に限らずビジネスでのレポートなどでも、全てにおいて「起承転結」の構成は使用できます。パターンを覚えてしまえば簡単に文章構成ができ、あとは内容の検討に注力できます。

各種レポートや論文作成における基本

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「起承転結」の作文構成方法は、ビジネスシーンにおける報告書や研究分野における研究成果発表用の論文、学生が作る卒業論文など様々なシーンで活用することができます。

言い回しや論点の延べ型のパターンを構築してしまえば、文章構成に悩む必要がなくなり、意味や内容の精査に集中することができます。

作文やビジネスシーンでの報告書作成が苦手な方は、「起承転結」で構成された例文を読んで、パターンを覚えてしまうと文章構成のコツが身につき、簡単に対応できます。

「起承転結」の4つの項目のそれぞれの意味

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「起承転結」の言葉の意味や特徴について紹介してきました。続いては「起承転結」を構成する4つの要素のそれぞれの意味について紹介します。

「起承転結」のそれぞれの4つの言葉が示す意味や役割を理解し、伝えたい内容において適切な割り当て方を考え、文章構成を適切に行えるようになりましょう。

「起」の意味

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「起承転結」を構成する文字のうち、一つ目は「起」の意味を解説します。「起」とは伝えたい内容における背景や事前の説明を示します。文章の最初の部分で、話の内容を伝えるうえで必要な説明となります。

「昔々あるところに」といった昔話の定番の始まり方も立派な「起」です。話の内容を伝えるうえで必要となる時代背景や状況を説明している要素になります。

「承」の意味

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「起承転結」を構成する文字のうち、二つ目は「承」の意味を解説します。「承」は話のテーマとなる部分に触れる前の準備部分となります。話の導入部分と言い換えることができます。

話の主題となる事項が起こる前の状態を示す要素です。「起」で説明した背景を受け、実際に伝えたいテーマに向かっていく最初の段階と言えます。論文などの文章構成の際には、最終的に結論付けたい内容に触れる箇所です。

論文などにおいては、「結」の部分で最終的に述べる結論と似通った内容になることが多い要素と言えます。

「転」の意味

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「起承転結」を構成する文字のうち、三つ目は「転」の意味を解説します。「起」と「承」で伝えられ展開したことが転じる部分です。

「結」でメインとして伝えたいことに向かって話が展開していく要素になります。各種論文やレポートにおいては、「承」で盛り込まれた主題に対して違う視点からの考察が加えられることが多いです。

結論を迎える前に、異なる視点からの検討を通じて最後に伝えたい事項を強調したり、
結論の有効性を表現する役割を担います。

「結」の意味

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「起承転結」を構成する文字のうち、四つ目は「結」の意味を解説します。「結」は文字通り結びの部分になります。最終的に伝えたい結論を述べる箇所になります。

「結」の部分で最終的な伝えたいことの主張をすることになりますが、前の「起」、「承」、「転」の内容から逸脱してしまってはちぐはぐな文章になってしまいます。前段階の内容を踏まえた内容にする必要があります。

逆に言えば、「結」でちぐはぐな印象になる場合はその前の要素の内容に問題があるのかもしれません。再度全体を見返す方がよいケースもあります。

「起承転結」の使い方

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「起承転結」の言葉を構成する4つの語のそれぞれの意味について解説しました。続いては、「起承転結」を意識して作文された例文及び使い方について紹介していきます。

想定している場面は、ビジネスシーンにおいて新たな事業を展開する際の発表用資料を作成している状況です。「起承転結」の意味をよく理解し、内容の意味が伝わりやすくまとまった構成にする想定です。

「起承転結」の使い方は、一度例文で覚えてしまえば比較的簡単です。「起承転結」のそれぞれの意味を考えながら文章構成を検討していきましょう。

例文①

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まず、「起」の部分の例文を紹介します。新しいプロジェクトを立ち上げるにあたり、現在の状況を説明する意味で設けられた箇所です。

「現在、わが社を取り巻く経済的な状況はかなり厳しく、現状のままでは既存の案件が先細っていき、経営面で下降傾向になっていくことが容易に想定されます。」

新規プロジェクトを立ち上げる意義、意味を伝える前段階として、厳しい現状を説明する意味で重要な箇所です。

例文②

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続いて、「起承転結」のうち、「承」の部分の例文です。「承」の使い方は、文章の内容により意味合いが異なってきますが、今回の例文においては新規プロジェクトを立ち上げることが重要であると一度結論を述べています。

「そこで今回提案したいのが、新規プロジェクトの創設です。新しいニーズをとらえ、今後大いに成長が期待される分野となります。」

例文③

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「起承転結」のうち、三番目の「転」の例文を紹介します。使い方としては、最後の結論に向けての展開となります。今回の例文においては、新規プロジェクト展開における状況予想を盛り込んでいます。

「新しいプロジェクトは、今後ニーズが増していくことが想定される分野です。あらかじめ調査したデータを見ても明らかです。新規プロジェクト創設における初期投資費用も予算の範囲内と確認しています。」

例文④

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「起承転結」のうち、最後の「結」の部分の例文を紹介します。ここまでくれば、最後の結論をはっきりと述べるだけなので、構成としては簡単です。ただ、強く相手に印象付けるために、明確に結論を述べるべきです。

「したがって、今回の新規プロジェクト創設には大いにメリットがあり、実施するべきではないかと考えています。ぜひご承認を賜りますようご検討お願いします。」

「起承転結」の注意点

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最後に、「起承転結」に関する注意点について解説します。「起承転結」は、文章構成をするうえで分かりやすく対応しやすい手法ではありますが、必ず使わなければならないという意味ではありません。

必ずしも「起承転結」に準じる必要はない

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例えば、ビジネスシーンにおいて、各種報告をする際にはまず結論先に述べるよう促される機会も多いです。伝えたい結論を明確に伝達する意味で、最初に結論を述べるというのも有効な手法です。

伝えたい内容の意味を良く吟味し、「起承転結」にこだわらない方がスムーズに意図が伝わるなら、あえて「起承転結」を使わず、結論の意味から話をするというのも状況によっては適切といえます。

「起承転結」は「話を分かりやすくする文章術」という意味

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以上、「起承転結」に関して紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。「起承転結」の文字ごとの意味、例文を通して正しい使い方を紹介してきました。

「起承転結」は内容を分かりやすくする意味では有効ですが、時と場合に応じて使い分けることが重要です。場合によっては結論を先に述べる方が適切となることもあるので注意しましょう。

yokatayama
ライター

yokatayama

サラリーマンとして得た知識と経験でわかりやすい記事を提供していきたいです。インターネット上にあふれる情報は信ぴょう性を確認することが難しいですが、可能な限り正確で時節に応じた内容の文章を提供します。

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