「ちなみに」の意味とは?
「ちなみに」は日常生活でも使われる言葉ですが、本来の意味で正しく使えているか分からない場合があります。「ちなみに」の意味やビジネスでも使える正しい「ちなみに」の使い方や例文など細かく紹介します。
「ちなみに」の意味は付け足し
「ちなみに」は何かを伝えた後の付け足しとしての意味で使われます。「ちなみに」の後にくる言葉は本来、言わなくても良いことですが相手に分かりやすく伝えたいときや追加情報などを伝えたい場合に「ちなみに○○です。」と使われることが多いです。
「ちなみに」は漢字にすると「因みに」になります。品詞は接続詞になります。ちなみに接続詞とは前の文章や語句と後ろの文章や語句の関係を表す言葉になります。接続詞には順接、逆接、並列、転換など様々な種類が存在します。
「ちなみに」は前の文を言い換えたり、理由を説明する「補足、理由説明」に分類されて同じ分類の接続詞には「つまり」、「なぜなら」、「要するに」などがあります。
「ちなみに」の由来
「ちなみに」という言葉の意味を紹介しましたが、意味は何となく理解して使っている方も多いでしょう。しかし「ちなみに」の語源を理解して使われてる方は少ないのではないのでしょうか。そこで「ちなみに」の語源を紹介します。
「ちなみに」の由来は「因み」と言われています。「因み」の品詞は動詞で意味は「関係があること」です。「ちなみに」の前の言葉と後ろの言葉は関係していることなので納得がいく意味になります。
その「因み」に助詞の働きをする「に」を付けることで接続詞として使える「因みに」になったと言われています。「因み」の意味は他にもあり、「結婚の約束をすること」や「親しく交わること」などがあります。
「ちなみに」の特徴
「ちなみに」の意味や由来を紹介しましたが、続いては「ちなみに」の特徴を紹介します。「ちなみに」を言い換える他の言い方や「ちなみに」を使う際の注意点など実際に「ちなみに」を使うときに役立つ情報を紹介します。
「ちなみに」の類語
「ちなみに」は他の言葉に言い換えることもできます。「補足すると」や「付け加えると」、「ついでながら」などが「ちなみに」の類語になります。それぞれの類語を細かく解説していきます。シーンによって上手に使い分けましょう。
「補足すると」の意味
「補足すると」は「ちなみに」と同じく、前に述べた内容に付け加えたいときに使う言葉です。「補足」の意味は「不十分のところを付け足し補うこと」です。「ちなみに」よりも補足であることが明快に分かる言葉になります。
「付け加えると」の意味
「ちなみに」の類語である「付け加えると」は「ちなみに」と同じく、何かを補足したいときに使う言葉です。「付け加える」は「すでにあるものの上に更に加える」という意味を持っています。
「付け加えると」を丁寧に言うと「付け加えますと」となります。「付け加えますと」は「ちなみに」より丁寧な言い方になるので会議や目上の人がいるときなどビジネスの場では「付け加えますと」の方が良いでしょう。
「ついでながら」の意味
「ちなみに」の類語である「ついでながら」の「ついで」を漢字で表すと「序で」になります。この「序で」は機会を意味しています。
「ついでながら」では「ついでで申し訳ありません。」と恐縮の意味も含まれており、取引先や上司など目上の方やビジネスで使うには最適でしょう。
疑問文には「ちなみに」NG
「ちなみに」を疑問文で使う場合がありますがそれは間違いです。例えば「可愛いペン。ちなみにどこに売ってるの?」という会話は間違った「ちなみに」の使い方です。
この場合に使う接続詞は「ところで」が正しい会話になります。ついつい「ちなみに」を疑問文に使いがちですが注意しましょう。
「ちなみに」と敬語の関係
類語の紹介で「ちなみに」よりも丁寧な言い方があることを紹介しましたが「ちなみに」は失礼な言葉なのでしょうか。「ちなみに」が敬語なのか、ビジネスで使えないのかなども踏まえて敬語との関係性を解説していきます。
敬語とは
「ちなみに」が敬語かどうか解説する前に敬語とは何かを紹介します。まず敬語とは尊敬語、謙譲語、丁寧語の3つに分類されます。まず尊敬語とは相手を立てる場合に使う言葉です。例えば「する」の尊敬語は「なさる」、「される」と言い換えます。
次に謙譲語とは自分がへりくだり相手を立てる場合に使います。「する」の謙譲語は「いたす」、「させていただく」に言い換えられます。最後に丁寧語は聞き手に対して丁寧に述べる場合に使う言葉です。
「する」を丁寧語に言い換えると「します」になります。動詞である「する」を例に挙げましたが名詞も敬語にすることも可能です。例えば「会社」は尊敬語ならば「貴社」、謙譲語なら「弊社」になります。
「ちなみに」は敬語ではない
「ちなみに」はかしこまった場などフォーマルなシーンでも良く聞かれる言葉です。しかし、「ちなみに」は敬語ではありません。「ちなみに」は接続詞や副詞と同じ働きをする言葉に分類されます。
「ちなみに」という接続詞は敬語ではありませんが気にするほど失礼な接続詞でもありません。しかし全ての接続詞が失礼でないわけでもなく、「だから」や「なので」など目上の人に対して使うには注意がいるものもあります。
「だから」は「ですから」、「なので」は「ですので」のように類語に言い換えるだけでビジネスや目上の方にも使える丁寧な言葉になります。
「ちなみに」を敬語のように使うには
「ちなみに」は敬語ではありませんが、失礼に値するほどの言葉でもありません。しかし、「ちなみに」は日常会話で使う言葉であり、言葉遣いに厳しい方の中には不快に思われる可能性もあります。
相手が目上の方で言葉遣いに気を付けたい場合などビジネスで使用したい場合は、「ちなみに申し上げますと」や先ほど紹介した「付け加えますと」や「ついでながら」に言い換えましょう。
特に「ちなみに申し上げますと」の「申し上げる」は謙譲語なので丁寧な言い方で相手に不快な思いにさせなくて済みます。
接続詞に敬語は無い
先程、敬語で紹介したように動詞を敬語にするには大体の決まりや良く使われる言葉を覚えておけば敬語にするのはさほど難しくありません。しかし活用しない接続詞は敬語が無いので敬語と同等の言葉にしようとするとかなり難しくなります。
「だから」など少し失礼にあたる可能性がある接続詞を避けたい場合は類語を上手く使いましょう。接続詞の類語で必ず丁寧な言葉に言い換えられます。
「ちなみに」の使い方
「ちなみに」の意味や類語などの特徴を理解できたところで、続いては「ちなみに」を実際はどのように使うのか、「ちなみに」の類語で言い換えるとどのような効果が期待できるのかを紹介します。「ちなみに」の例文を参考に正しい使い方を習得しましょう。
例文①
「来月、転勤になりました。ちなみに転勤先は京都です。」は「ちなみに」の一番、典型的な使い方です。転勤するという事実を伝えて、更に追加の情報として転勤先を伝えることでより詳しい情報を付け加えることができます。
例文②
「来週から夏のバーゲンを開始致します。ちなみに申し上げますと、セール期間中は全ての商品を20%オフにてご提供させて頂きます。」はお客様を相手にする例文なので「ちなみに」を「ちなみに申し上げます」と言い換えて、より丁寧に伝える使い方です。
この場合の「ちなみに」はセールという一番伝えたい情報を伝えて、追加で更にお得な情報を追加することで購買意欲を向上させる「ちなみに」の使い方です。
例文③
「お問合せ頂いた商品は品切れでございます。ちなみに色違いならご用意させて頂きます。」は問い合わせされた商品の品切れを相手に伝えて、他では代用できないかと提案している「ちなみに」の使い方です。
この場合は品切れで謝罪もしなくてはいけないので「ちなみに」の類語である「ついでながら」を置き換えると更に丁寧な文章になります。ビジネスでも使える「ちなみに」の使い方です。
例文④
「差し入れのお菓子です。ちなみにこのお菓子は今、1時間並ばないと購入することができない大人気の商品です。」は差し入れのお菓子を紹介して、お菓子の詳しい情報を入れることで食欲が増しお菓子を食べたいという気持ちにさせる「ちなみに」の使い方です。
「ちなみに」は補足という意味
「ちなみに」は情報を付け加えたり、補足するときにとても便利な言葉です。「ちなみに」を使うシーンに合わせて類語を使い分けたり、「ちなみに」の使い方をマスターして相手に分かりやすく伝わりやすい会話をしましょう。