「どういたしまして」の意味と語源まとめ!ビジネスでの使い方や敬語表現は?

「どういたしまして」の意味と語源まとめ!ビジネスでの使い方や敬語表現は?

どういたしまして、という言葉はビジネスシーンでは失礼な印象を与える言葉なのでしょうか?本来の意味や実際に現代社会でつかわれている「どういたしまして」の敬語の言い換え、英語での表現方法など、例文を通して使い方やポイントをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.どういたしましての意味とは?
  2. 2.どういたしましての語源
  3. 3.どういたしましての特徴
  4. 4.どういたしましての敬語・英語表現
  5. 5.どういたしましての使い方
  6. 6.どういたしましての注意点
  7. 7.どういたしましてはありがとうという意味

どういたしましての意味とは?

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どういたしまてという言葉の本来の意味は「わたしはあなたに対してなにもしていない」という打ち消しを含む意味をもっており、会話としての意味は「大したことはしていないのできにしないでください」という謙遜の言葉です。

どういたしましては、ありがとうございますというお礼や感謝を表す言葉を受けた中で、返しの言葉として使われている一般的な言葉です。そんな「どういたしまして」という言葉ですが、英語での表現や語源、ビジネスシーンでの敬語での言い換え方法を紹介します。

さらに、どういたしましてのそれぞれの使い方などなど、例文を用いながら言い換えの例などについてビジネスシーンだけでなく一般的な会話のなかでどのようにして使い分けていくべきかについても紹介します。

どういたしましての語源

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どういたしましてはどのような語源から来た言葉なのでしょうか。語源の歴史には江戸時代にまでさかのぼると言われています。滑稽本にて「どういたしまして」と応えるシーンがあり、現代的な意味よりは感謝や遠慮としての本来の意味がより濃厚に意図されていた言葉でした。

どういたしましての語源を知る手法として、言葉を分解するとより語源を理解できます。「どうして」を意味する「どう」。「する」を謙譲して表現した「いたす」。丁寧語として「ます」に意味を反問させる「て」として語源を紐解けます。

どういたしましてのような謙遜の気持ちを僅かな言葉にそっと含める表現手法は、日本語ならではの表現だと言えます。すべてを繋げるとお礼と謙遜を意味した言葉として成立します。当時の言語文化が語源としながら、意味を変転させながら現代にも伝わる言葉のひとつと言えます。

どういたしましての特徴

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江戸時代を語源にする「どういたしまして」という言葉のもっとも特徴的な点は、なんといってもその語源に対しての意味合いが、現代では大きく違って解釈されてしまう点でしょう。どういたしましては、謙譲語にも拘わらずあまりいい意味では受け取れないという齟齬があります。

どういたしましては挨拶の一種

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語源や意味の項でも説明しましたが、元来「どういたしまして」は日常的な挨拶の一種です。「どうぞおかまいなく」や「恐れ入ります」などのような、お礼として用いられる言葉で、謙虚にふるまうための品格を表すような言い回しの一つです。

ですから極めて一般的なことばとして用いられてきた経緯がありましたが、近年ではそうした他者からの「お礼の言葉」に対して謙遜の挨拶としてちいられることは極めて稀で、むしろ「どういたしまして」にあまり好ましくない言葉としての印象があります。

どういたしましての敬語・英語表現

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では、江戸時代に語源をもつ「どういたしまして」という言葉をさまざまな形に言い換えるとしたらどのような言い方があるのでしょうか。ここからは「どういたしまして」という言葉を他の表現手段での言い換え方について説明します。

どういたしましての敬語

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まずは、江戸時代に語源をもつ「どういたしまして」を敬語で言い換えた場合についてご紹介します。ビジネスシーンでは一般的なお互いのビジネスへのお礼の言葉ですが、そのままの「どういたしまして」ではなく、敬語で言い換えるなら次のような言葉が適切です。

「とんでもございません」という敬語も、ビジネスシーンでのどういたしましての言い換えとして適切です。また、「お役に立てましたようで嬉しく思います」のような敬語でも良いでしょう。他の敬語表現でもいくつかどういたしましての言い換え方法があります。

「どうかお気になさらずにください」というのも敬語での使い方として良いでしょう。「そのようなお言葉を頂き、まことに光栄です」という敬語もビジネスシーンで言いやすい使い方の一つです。

どういたしましての英語

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どういたしまして、という言葉を英語で表現した場合はどのような表現で表すことができるのでしょうか。ごくごく一般的な言い回しとビジネスシーンでも使える英語表現について、例文を踏まえながらご紹介します。

英語としてもっとも一般的な「どういたしまして」を意味する言い回しは「You are welcome.(ユー アー ウェルカム)」ではないでしょうか。日常的に使用する場合に使われる英語表現で、日本でも馴染みの深いどういたしましての言い回しです。

英語の例文

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"I really appreciate what happened last time! Thank you." "You're welcome."「この前の件、本当に助かったよ!ありがとう」「いやいや、どういたしまして」という基本的な会話でのワンシーンです。

日本的な友人同士の会話のながれなどでも見られる光景といえます。相手からのお礼を「たいしたことないからそんなにお礼をいうほどのことしてないですよ」という本来のどういたしましての意味を持った返答をしているニュアンスでの使い方の英語表現となります。

ビジネス英語の例文①

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「"I know it was a little difficult work, but he accepted it well. I appreciate it."(難しい仕事を引き受けてくれてありがとう)”Not at all.”(どういたしまして)」ノット アット オールは「お礼なんていいですよ」という言い回しです。

ビジネスシーンでも活用できる比較的丁寧な言い回しとして使われます。どういたしてという日本語に含まれる「大したことはしていませんからそれほどお礼をするような必要はありませんよ」というニュアンスにかぎりなく誓い使い方です。

ビジネス英語の例文②

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「“It was hard, but it was really helpful that you were here, thank you.”(大変だったけど君たちがいてくれて本当に助かった、ありがとう。)”The pleasure is all mine.”(どういたしまして)」ザ プレジャー イズ オール マインには「こちらこそ」という意味もあります。

こちらもビジネスシーンで使うことができる比較的丁寧な使い方となります。こちら側としても助かりました、というようなニュアンスを持った言い回しで、英語表現独特の捉え方といえます。

ビジネス英語の例文③

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"It's an honor."(光栄です)。お互いの仕事に誇りをもって挑めた事に対して、過分な賛辞を頂けたことに「光栄です」と返すパターンです。「We are proud to work with you!(君たちと仕事が出来た事を誇りに思うよ!)」のような会話の返答として使える言葉です。

厳密には「どういたしまして」の表現ではなく類語としての使い方で、互いを湛え合う意味での返答になります。こういった表現も使いこなせるとビジネスシーンにおいてもよりよいパートナーシップを発揮できるでしょう。

ビジネス英語の例文④

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「”I didn't think it would be such a hard job. I'm sorry to have troubled you.”(こんなにも大変な仕事になるとは思わなかった。君たちには迷惑をかけてしまってすまない。)No problem.(問題ありませんよ)」

こちらも「どういたしまして」と同じようなニュアンスで使える英語表現と言えます。現在進行形で問題が発生し続けているような状況で使う言葉となります。

どういたしましての使い方

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続いては、どのようにして「どういたしまして」という言葉を使うのかについていくつか例文をご紹介します。基本的に使われるシーンには限りがありますが、限定的な場面における「どういたしまして」という表現の例をいくつかご覧ください。

例文①

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A「まったくなんてことだ、こんな状況になるなんて思いもしなかった。君たちには本当に迷惑をかけたが、君たちのおかげでなんとか最悪の状況を回避することができた。本当に助かった、ありがとう」B「どういたしまして」

こういった状況の時に、はっきりと「どういたしまして」と返答をしてしまうと、どうしても文学的にあまり良い印象を与えません。そこでもう少し柔らかな言葉に言い換えて返答をするとより印象が変わります。

例えば前述した言い換えの言葉の中で「恐れ入ります」や「恐縮です」と言った言葉で言い換えておくと相手方からの印象がよくなります。

例文②

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「いや本当に助かったよ、あの時お前が助けてくれなかったら、俺は今頃、海の藻屑になってたかもしれねぇ。持つべきものは竹馬の友ってやつだな」「どういたしまして」

気心の知れた関係性のある二人の会話を例文としてあげたものです。この場合の「どういたしまして」は、少しおどけた感じで冗談めかしてその場のシリアスな状況を和らげるような返しとして使っています。

お互いが対等な関係正常にある場合、「どういたしまして」という言葉は比較的使いやすい言葉として扱われます。気心の知れた間だからこそ何気ない会話の中で「どういたしまして」という言葉を簡単に言い合える状況が生まれます。

例文③

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「あのまま、誰の手も借りずに進んでいたとしたら、私は今頃この場所に立ってはいなかったかもしれない。あのとき君達の手を借りれたことを本当に感謝している。ありがとう」「それはそれは、どういたしまして」

こちらの使い方もあまり適切な使い方とは言えない例文となっています。礼を言っている相手が何らかの関係性上として、「どういたしまして」と返答している相手よりもへりくだっていますが、ビジネスの相手としてとらえた場合、少々不遜な対応と考えられます。

この場合に適切な返答として考えられたのは「あなたの助けになれたのなら幸いです」というような意味合いで「お役に立てて何よりです」や「光栄です」と返答しておけば余計な印象を与えずに好印象で会話を終えることができます。

例文④

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「どうしてあんなことをしていたのか私にはまるでわかりません。あの時私を止めていただいたことを本当に感謝しています。ありがとうございました」「どういたしまして、気にすることはありませんよ」

目下の関係にある相手がお礼を言ってくる場合は「どういたしまして」とそのまま返答しても特に問題はありません。この場合も関係正常は上司であるあなたが部下の暴走を止めたことに対してのお礼の返答として「どういたしまして」と返答している例です。

それでも最低限の礼節を忘れずに返すことで、あなたの人格形成そのものがより豊かであることを指し示すことができます。

どういたしましての注意点

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何度となく文中に登場していますが、「どういたしまして」という言葉は、語源となった江戸時代の会話の中での意味合いとしては謙譲語としての扱いでしたが、現在ではそうした謙遜した言い方として捉えられないという現状があります。

そのような「どういたしまして」という言葉が持つ意味合いなどから、使う上での注意点について補足があります。そしてどうしてそのような印象を持ってしまうことに繋がったのかについてもご紹介します。

どういたしましてという言葉を使う上で知っておきたいことや、注意しておきたいことは一体どのようなことなのでしょうか。

どういたしましては偉そうなイメージ

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どういたしまして、という言葉がどうして偉そうなイメージとして捉えられてしまうのか。そして普通に「どういたしまして」と答えるだけで「上から目線で気にくわないやつ」というような印象を持たれてしまうのかについてご紹介します。

そもそもそうしたイメージを持たれてしまうので目上の方や、立場上上の立場の人に対して使うことがはばかられる現状を理解しておきましょう。その上でそうしたイメージを作っている最大の理由は、相手のお礼を断っているという点にあります。

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相手が一生懸命こちらに対して礼を述べているのだから、その例を断るような言い回しになってしまう「どういたしまして」という言葉は聞こえようによっては「何を言っているんですか?」という意味に繋がります。

相手からの礼は素直に受け取るべきであるという現代的考え方から、「どういたしまして」という言葉が奥ゆかしい印象ではなく、相手の例も素直に受け取れないやつとしてのイメージを持たれかねない言葉になったのです。

どういたしましてはありがとうという意味

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元々の意味は「わざわざお礼していただかなくても大丈夫ですよ」という遠慮深く思慮深い考え方を相手に変な圧力を与えることがないようなイメージでの言葉でしたが、現代では注意でも述べたようにあまり良くない印象を与える言葉となっています。

 

ですから、相手からお礼を言われた時は、こちらこそあなたと仕事ができてとても嬉しかったです。というような、あなたからも「助かりました」とお礼を言い返すような返答が望ましいでしょう。より良い関係をお互いが築けるような言葉遣いを気をつけましょう。

五所川原銭男
ライター

五所川原銭男

ガジェット系を好む。雑食。暴食。時折暴走する。知る人ぞ知る某国産プロジェクトの中の人。

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