「招聘」の意味とは?
「招聘」の読み方は「しょうへい」という読み方をします。使い方としては「招聘する」「招聘を受ける」という使い方をする言葉でもあるのです。今回は、この「招聘」という言葉の意味や語源、使い方を例文でご説明していきます。
そして、「招聘」と似たような言葉として「招待」があるのですが、この「招待」と「招聘」の意味の違いについても解説していきましょう。
「招聘」と同じようなニュアンスの言葉は他にもあるのですがそれぞれ「招聘」とはニュアンスが違っています。それでは、「招聘」の意味からご説明していきます。
意味「礼を尽くして人を招くこと」
「招聘」の意味には「礼を尽くして人を招くこと」という意味があります。「招聘」には、ただ単に人を招くという意味ではなくて、「礼を尽くして」というのがポイントになる言葉でもあります。「招聘」の「聘」の読み方は「へい」という読み方をします。
常用漢字ではありません。ですので、「招聘」という漢字表記ではなく、「招へい」と表記する場合もあるので注意しましょう。
また、訪問の時に、感謝の気持ちを表すために相手に渡す贈り物のことを「聘物」といいます。「聘物」の読み方は「へいもつ」という読み方をするのです。
また、「待遇をよくして来てもらう」という意味でも「招聘」を使います。「招く側が招かれる側よりも立場上、上である」という認識のある言葉でもあるのです。よって、「招聘」の意味には「招く側が待遇、立場を用意して人に来てもらう」という意味があります。
「招聘」の語源
「招聘」の「聘」の字は「へい」という読み方をします。この漢字は「招聘」以外で使うことはあまりありません。「聘」の語源は中国の周王朝の時代が語源になっています。
中国の周王朝では、王から領地を与えられたものが家臣である大夫に他の国を訪問させる時に使ったのが「聘」であるとされています。よって「聘」の意味には「問う」「訪問する」という意味になりました。
そして、「人を招く」「迎える」という言葉に派生して「招聘」の語源になったとされているのです。「招聘」の「招」の字も「招く」という意味になるので、妻を迎えるという意味も同時にあるのです。
「聘納」や「聘内」には、妻をめとるときに贈り物をして丁重に迎えるという意味がありました。現代でいう「結納」の語源にもなっているのです。これが、「招聘」の漢字の語源となっています。
「招聘」の特徴
「招聘」と同じようなニュアンスで使われる言葉に「招待」があります。「招待」の読み方は「しょうたい」という読み方をします。「招待客」という使い方をするので聞いたり、使ったりしたことがある言葉でもあるでしょう。「招聘」と「招待」の意味や使い方の違いについてご説明していきます。
「招待」の意味
「招待」の意味には、「催しなどに来てもらう」「お客さんを呼んでおもてなしをすること」という意味があります。例えば、結婚式や会社などによっては式典などにお客さんを呼んでもてなす場合もあるでしょう。こういう場合に「招待」を使うことになります。
「招聘」と「招待」はどちらの意味も「招く」という意味では共通しています。しかし、「招聘」は、地位や待遇を容姿して招くという意味になるので、「招待」とはニュアンスが違ってくるのです。
「招聘」の類語
それでは、「招聘」の類語についてご紹介していきます。そもそも、「招聘」の類語とは「招聘」と同じ意味の言葉という意味になります。「招聘」の類語の意味と使い方についてご説明していきましょう。「招聘」の類語の意味と使い方を知ることで、より「招聘」への理解が深めることができます。
類語「お越しいただく」の意味
「招聘」の類語として「お越しいただく」があります。「招聘」の類語「お越しいただく」の意味には単純に相手に来てもらうという意味の敬語表現になります。「招聘」の意味には力関係が明確になっていますが、「お越しいただく」の意味には力関係はケースバイケースになっています。
類語「お招きする」の意味
「招聘」の類語「お招きする」があります。「招聘」の類語「お招きする」の意味には、催事の主催者がお客さんを呼ぶことという意味になります。立場は主催者とお客さんという関係性があります。
「来てもらう」ということに敬意を表すとともに「来てくださった方をもてなす」という意味が含まれる言葉になります。招待とほとんど同じ意味合いの言葉になります。「招聘」のように、目上の人が目下の人にというような立場の違いは「お招きする」にはありません。
類語「招致」の意味
「招聘」の類語として「招致」があります。「招聘」の類語「招致」の意味には「招き寄せる」「招いてきてもらう」という意味があります。「招致」も「招聘」のような立場の違いは明確には決まっていません。
「招致」したことによってかかるお金は招いた人が負担することになっています。「招待」された人は参加する場合は自費になるので、費用負担で違いがあるともいえるでしょう。
使い方としては、「2020年東京オリンピックの招致することに成功しました」「オリンピック招致を撤退する都市が増えています」という使い方になります。
類語「召喚」の意味
「招聘」の類語として「召喚」があります。「招聘」の類語「召喚」の読み方は「しょうかん」という読み方をし、意味は「指定した場所にくるように命令すること」という意味になるのです。来る人への命令という意味になります。裁判所が被告人や弁護士、証人へ法廷へ来るように命令する場合に使われる言葉でもあります。
「招聘」の使い方
「招聘」の使い方について例文を挙げながらご説明していきましょう。「招聘」の正しい使い方を知ることは、意味を知るとともに必要でもあります。「招聘」の正しい使い方についてご紹介していきましょう。それでは、「招聘」の使い方例文①からご紹介していきます。
例文①
「招聘」の使い方例文①として「教授・教員を招聘する」があります。教授、教員を招くという意味としても「招聘」を使うことがあります。使い方例文として「○○大学が○○大学の教授を助教授として招聘しました」という使い方例文となるのです。
例文②
「招聘」の使い方例文②として「モデルを招聘する」があります。人気があるモデルさんに来てもらう場合に「招聘」を使うことがあります。使い方例文として「○○社はイベントのキャンペーンのため人気モデルをイメージキャラクターに招聘しました」という使い方があります。
例文③
「招聘」の使い方例文③として「招聘状」があります。「招聘状」とは、入国先の企業や該当者が発行し、ビザの取得のときに使うことができる推薦状のことをいいます。
英語では「Invitation letter」という英語表記をします。「赴任先の企業から招聘状をもらいました」という英語表現は「I received an Invitation letter from the destination company.」となります。
例文④
「招聘」の使い方例文④として「招聘を受ける」があります。使い方例文として「彼は○○大学の哲学教授として招聘を受けました」という使い方になります。他に「招聘に応じる」があります。「○○社からの招聘に応じて副社長のポストへ就任が決まりました」となります。
「招聘」の注意点
「招聘」を使う場合は、目上の人が使う言葉なのか、目下が使う言葉なのかどちらが正しいのか注意しておきましょう。「招聘」は招く人の方が目上の場合に使う言葉でもあります。
「招聘」の意味には「礼を尽くして人を招く」という意味があるように、目上の人に対して尊敬し丁重にお招きする場合に使う言葉ではなく、立場が上の人が下の人に対して礼を尽くすという意味になります。目上の人やビジネスで取引先の方に使う場合は失礼な印象になるので注意しましょう。
「招聘」は「礼を尽くして人を招くこと」という意味
「招聘」の意味や使い方、類語、「招待」との違い、語源についてご説明してきました。「招聘」の意味には「目上の人が目下の人に待遇や地位を保証して招くこと」という意味があるので立場の違いがはっきりとした言葉でもあります。ビジネスで使う場合は注意して使うようにしましょう。
「招聘」にはたいくさんの類語がありますが、それぞれ「招聘」とはニュアンスの違う言葉でもあります。「招聘」との違いについてしっかりと理解した上で使うようにして下さい。