国税専門官の年収を徹底調査!
国家公務員である、国税専門官という職業をご存知でしょうか。国税専門官とは、国税調査官、国税徴収官、国税査察官の3つの職種を総称したもので、国民が税金を正しく納めているかどうかを調査し、不正を正す職業です。
税金を滞納している人を最近ですと芸能界でも脱税についてのニュースが大きく取り上げられ、話題になりました。国税専門官は、よく聞く言葉でいうと「マルサ」と呼ばれている職業で、税金のスペシャリストたちです。
国税専門官になるには、国税専門官の採用試験に合格することが必要となります。採用試験に年齢は関係ないですが、大学卒業程度の学力が必要となり、受験者の多数が大卒です。倍率も高いため、年収も他の職業よりも高めになっています。そんな国税専門官の年収について徹底調査していきます。
国税専門官の年齢別の給料と平均年収
民法・憲法・経済学・会計学・社会学など、数多くの知識が必要とされる国税専門官。そんな難しい国税専門官の採用試験に合格した場合、初任給でいったいどれくらいの給料がもらえるのでしょうか?
国税専門官の初任給は国税庁のホームページに平成28年度(2016年度)の東京都特別区勤務の場合が記載されています。国税庁によると、初任給の月収は24万5160円となっています。
まだ仕事を覚え始めたばかりの1ヶ月目とは思えない高水準の給料となっていますが、さらに平均年収となると、500万円前後となっています。年齢とともにどのように給料は上がっていくのでしょうか?年齢別の給料と平均年収の詳細を見て行きましょう。
20代
国税専門官の平均年収とその年齢での年収による比率から算出された結果では、働き始めたばかりに値する20〜24歳では年収およそ420万円となります。
国税庁によると民間給与実態統計調査によると、20代前半の平均年収はおよそ248万円とされています。この時点でおよそ200万円もの差がついていて、やはり普通の職業とは違い、多くの専門知識を必要とする国税専門官は、スタートダッシュから安定した給料をもらえているようです。
働き始めてからだんだん慣れてきた頃になる25〜29歳の年収では、およそ520万円となります。まだ経験年数が少ないため20代の平均月収も26万〜32万ほどとされています。
30代
仕事を始めてからしばらくが経ち、仕事にも慣れてきて、こなせる業務が増え、また後輩も多くなってきて教える立場にもなってきた30代。30代の国税専門官の平均年収はどうなっていくのでしょうか?
30〜34歳の国税専門官の平均年収はおよそ570万円と算出されています。さらに40代に近づいてきた35〜39歳では、年収およそ650万円と、600万円を超えてきます。
月額給与にすると36万〜41万円ほどとなります。1年に1回の昇給で国税専門官の給料はどんどんと高水準になっていきます。30代後半の国民の平均年収は、442万2000円となっていて、200万円以上の差がついてきました。
40代
ベテランとなってきた40代の国税専門官。部下たちが多くを占めるようになり、部下への指導という仕事も多くなってくるでしょう。
このくらいの年齢になると、役職についている方も出てきます。そんな40代の年収は、どれくらいになるのでしょうか?
まず40代前半の40〜44歳で年収はおよそ730万円。そして、40代後半の45〜49歳にもなると、年収はおよそ820万円にも及びます。600万円代から700万円代、800万円代とどんどん桁数が上がって行きます。
月収にすると46万〜51万円になるといいます。年齢とともにどんどん給料が上がって行っているという印象です。
50代
50代になると、第二の人生を歩み始めるために、退社をする方が徐々に出てきます。しかし国税専門官をまだ辞めるのはもったいないくらい高水準な50代の国税専門官の年収はいくらになるのでしょうか?
50代の前半となる50〜54歳は、なんおおよそ880万円となり、月の給料だと55万円ほどとなります。しかし、50代前半が年収のピークとなります。
55〜59歳と50代後半になると、840万円。月収52万円と少しずつ下がってくる傾向にあるようです。それでもまだまだ高水準なことに変わりはありません。
60代
最後に国税専門官の60代の年収は、およそ590万円。月収にすると37万円と30代の前半並みに下がってしまいます。
60代を越えると年収が安くなってしまうことは国税専門官も普通の企業も一緒のようです。国税専門官だからといって60代を越えても上がり続けるということはありませんでした。
その一方で定年退職の場合の退職金はおよそ2271万円とかなり高額をもらえます。そして、すべての年代を振り返ってみると、50代の前半が1番給料が良かったということが分かりました。
国税専門官のボーナス事情
国税専門官は月収だけでも高水準な給料をもらっていることがわかりましたが、このご時世、ボーナスが出ない会社もある中、国税専門官はどれくらいボーナスをもらっているのでしょうか?
まだまだ働き始めたばかりの国税専門官の1年目のボーナス事情、そして、2019年度の夏と冬のボーナスを合計を調査しました。
国税専門官の1年目のボーナス
まだまだ働きだして間もない駆け出しの国税専門官ですが、ボーナスも高水準なのでしょうか?それとも、意外とそうでもなかったりするのか?扶養手当は無し、ボーナスは4.5ヶ月と仮定して算出したものがあります。
1年目のボーナスは、夏におよそ15.3万円。そして冬にはおよそ51.1万円ももらえるとされています。その合計はおよそ66.4万円となります。自分のボーナスの額と比べていかがでしょうか?国税専門官は1年目から、かなりいいボーナスがもらえるようです。
2019年度の夏と冬の合計額
国税専門官(平均年齢43.0歳)の2019年度(令和元年)における夏と冬のボーナスはいったいどれくらいもらえるのでしょうか?
国税専門官の夏と冬のボーナスを合計するとその金額は、およそ180万円となります。世の中にはボーナスなしの会社もあると思うととてつもない額になります。
さらに国家公務員の平均と比べても国税専門官のボーナスは15万円ほど多くもらえています。国家公務員と比べても多くもらえているのは、これはかなり高水準だと言えるでしょう。
国税専門官の生涯年収
働き始めてから退職するまでの給料、一生のうちに得る収入の総額をあらわす生涯年収ですが、1年目から多くのボーナスや月収をもらい、50代前半までどんどんと上がり続ける高水準の年収。
かなりいい額になることは想定できますが、国税専門官の生涯年収はいったいどれくらいもらうことができるのでしょうか?大学を卒業をした国税専門官の生涯年収と、他の職業の方の生涯年収と比較したものを見ていきましょう。
大卒の国税専門官の生涯年収
様々な知識を身につけ、大学を卒業し「税金のスペシャリスト」、国税専門官となった人の生涯年収はいったいどれくらいになるのでしょうか?
22歳から59歳の年齢別推計平均年収を累積したものを算出したものを見ると、その額、2億9953万4566円となります。内訳は、給与収入2億7681万5566円と退職金2271万9000円となっています。
パッと見すごい金額だなと思いますが、この金額は他の職業と比べてどれくらい多いものなのでしょうか?次の項目で比較していきます。
生涯年収を他職と比較
生涯年収を国家公務員や地方公務員、民間企業と比較すると国税専門官はどれくらい差があるのでしょうか?まず国全体に関わる業務を行う公務員「国家公務員」の生涯年収は、2億8018万2672円となります。同じ公務員でも、国税専門官とおよそ1900万円の差があります。
都道府県・市町村などの地方自治体で働く公務員「地方公務員」の生涯年収は2億5910万2281円となり、国税専門官との差はなんとおよそ4000万円。かなり差が開いています。
そして民間企業に勤める大卒の男性の生涯年収は2億8800万円となり、およそ1100万円の差が開いていることがわかりました。
国税専門官の年収は他職と比べても高い!
いかがでしたでしょうか?あこがれの職業である国家公務員以上に年収やボーナスがもらえる『税金のスペシャリスト』国税専門官。法律・税務・会計学など多くの知識が必要なだけあることが分かりました。