ガレットのきれいな食べ方を実践しよう!
その昔、フランス北西部にあるブルターニュ地方は、やせた土地が多く、育つ穀物と言えばソバくらいでした。
ガレットは、ソバ粉で作られた生地を薄く丸く焼き広げたもので、この地方では、長らく主食に値する日常的なソウルフードでした。そのため、この地方ではガレットは基本的には具材の少ないシンプルなものが多いようです。
現在日本でガレットというと、野菜や卵、サーモンやハムなどがたっぷりとのせられたきれいなインスタ映えする食べ方のものが多いです。
インスタ映えする美しいメニューはおおよそ食べ方の難しいものが多いですが、できることなら、きれいな食べ方で自然にいただきたいものです。
ガレットの故郷ブルターニュ
ガレットの故郷ブルターニュは、フランスの北西部、ドーバー海峡を渡ればイギリスという位置にあります。
ソバ粉の香りを楽しむ生地が主役であったガレットの食べ方は、海に近いブルターニュ地方の南部でとれる塩と、豊かな魚介類を活用したもので、ブルターニュ名物になりました。同じくブルターニュ特産のリンゴのお酒、シードルと一緒にいただくのが定番の食べ方だそうです。
世界地図を見てブルターニュに思いをはせると、本場のガレットの素朴な味わいを楽しむ食べ方への憧れがふくらむことでしょう。
ガレットの秘密
物知り話をひとつご紹介しましょう。そば粉を焼いて食べるガレットの食べ方は、紀元前7000年頃までさかのぼり、そば粉のおかゆを熱い石の上にこぼして焼きあがったのが初めだそうです。偶然のたまものでできた食べ方が、今の時代にまで続いているのですから、大流行したことでしょう。
お友達といっしょに、ガレットの写真をインスタグラムにアップしながら、この話題をガレットの秘密を披露してみてください。
ガレットの基本的な食べ方とマナー
同じ粉ものでも、日ごろなじんでいるピザやお好み焼きの食べ方と違って、ガレットの食べ方は初心者にはやっかいです。
日本でガレットを注文すると、ナイフとフォークが添えられて出てくることが多いです。具材や盛り付け方によっては、スプーンが添えられていたり、フォークだけということもありますが、一般的なおかずガレットの場合、基本的には、ナイフとフォークが添えられます。
この点で、ガレットは、内心、お箸が欲しいと身構えてしまいそうなメニューのひとつかもしれません。
食べ方①ナイフとフォークを上手に使用
郷に入っては郷に従えと言いますが、本来ガレットは大衆的な日常食でしたし、それに日本で楽しむ食事ですから、ナイフとフォークの左右を持ち替えての食べ方でも、また、お箸をオーダーしての食べ方でも、気おくれする必要はありません。
けれども、やはり基本のマナーに従って、きれいな食べ方を実践できると安心です。出てきたガレットの盛り付け方によって、ナイフ・フォークやスプーンを駆使したかっこいい食べ方でいただきましょう。
ナイフの役割とは?
ナイフの一番の役割は切り分けることです。ガレットの食べ方においても、具材や生地を切り分けるときに用いられます。他にも、広がった具材やソースを寄せたり、ソースを具材に塗ったりするときにも便利に使えます。
お箸での食生活が中心の日本では、ナイフをどちらの手にもってどちらに刃を向ければよいかすら緊張して考えてしまいがちですが、手指の代わりに自然に使えばガレットをきれいな食べ方でいただけるでしょう。
フォークの役割とは?
フォークは、食材を口に運ぶために使います。さしたり、すくったりできるフォークは、子どものころからお箸の使い方を注意され続けてきたおとなにも、とても嬉しいものです。
また、肉や魚でも柔らかいものであれば、切り分けたりつぶしたりできるので、フォークは本当に便利です。
ガレットに添えられてくるナイフとフォークを使うときには、マナーの難しい本格的コース料理をいただくときと違って、どのフォークかと悩むこともないので、さらに気が楽でしょう。
食べ方②一口目はガレットの生地のみ食べる
それでは、本場ブルターニュのガレットの食べ方、ガレットのマナーをご紹介します。カフェメニューにもよく見られるガレットですから、きれいな食べ方を知ったら、きっと挑戦してみたくなるでしょう。
ガレットが出されたら、まず生地だけを切り分けて、使用されているソバ粉の香りと味を楽しみましょう。ガレット通の食べ方です。
ガレットの材料であるソバ粉は、小麦や米と同様に、産地によって特色があります。ガレットはソバ粉が主役で作られますから、本場ブルターニュでも、日本のお米並みにソバ粉にはこだわりがあるようです。
日本で蕎麦通のうんちくを聞くように、ブルターニュ地方では、ガレットのそば粉のうんちくを聞くのでしょう。我が家のガレットの食べ方はなどと、各家庭の秘伝を聞くのも興味深いです。
食べ方③具材をのせて巻いて食べる
ソバ粉の香りがわかったら、クレープ状に薄く焼かれた生地で具材を巻いて食事を進めます。きれいに巻けるようになるまで、少し練習が必要かもしれませんが、試行錯誤も楽しんでください。
本場ブルターニュでは、そば粉の生地が主食で、食事としてのボリュームがありますから、3時のおやつのクレープをかじるのとは違った印象があります。そば粉と具材の味と食感を楽しみながら、きれいなガレットの食べ方を極めましょう。
ガレットの食べ方の手順
ガレットの食べ方は、基本的に、生地を切る、具材をとって生地にのせて、生地で巻いて口に運ぶの手順で進みます。
それぞれの手順には、コツがありますから、順番に、ご紹介しましょう。コツがわかれば、緊張することもありません。
手順①ナイフで生地をきれいに切る
ソバ粉の香りを楽しむ一口目の次からは、生地で具材を巻いていただきます。まず、生地を適度な広さにきれいに切りましょう。
カチャカチャとナイフとフォークの音が鳴るような食べ方や、引っ張って伸ばしたりするような食べ方はあまりかっこいいものではありません。
あちこち切り散らかす食べ方ではなく、手前から計画的に食事を進めましょう。3センチほどの幅に左下から縦にナイフを入れて、フォークで生地を巻き込んでいくと自然な食べ方になります。ガレットのきれいな食べ方のコツのひとつとして覚えておきましょう。
手順②具材を一口分取る
生地を広げたら、具材を取り分けて生地にのせます。このとき気持ち一口大より少な目と覚えておくと、巻くときにも口に入れるときにも楽になります。
クレソンやホウレン草などの葉物野菜は、大きいまま積み上げるような食べ方だと生地で巻いたときにはみ出してしまうので、口に入れる動作が美しくなくなります。
ガレットのおすすめ具材
オーソドックスなガレットの具材は、レタス、チーズ、ハムです。ブルターニュ地方特産のうすい塩味の生地の上にレタスとチーズをのせ、ハムで囲った真ん中に半熟卵をのせます。伝統的な食べ方です。
それから、生地の丸いふちをパッチワークのパターンのように中心に向けて折りたたむと、ザ・ガレット、典型的なガレットのできあがりです。
手順③生地に具材をのせて巻いて食べる
ガレットをきれいな食べ方でおいしく味わえるまでにあと少しです。そろそろ口に運んで、舌鼓を打ちたいでしょう。
生地を広げたスペースに適量を見計らった具材をナイフとフォークではさんでのせましょう。ソースが足りない場合は、ナイフの刃ですくってガレットの上にたっぷりと運ぶとおいしく味わえます。
そして、のせた具材をフォークで押さえて、ナイフの刃でささえながらフォークで生地を巻き上げていただきましょう。
ガレットをきれいに食べるコツ
ナイフとフォークでの慣れない食べ方の場合、小さく巻いたガレットをいただくときでも、半熟卵の黄身が頬についてしまうかもしれません。騒がず笑わず、平気な顔をしてペーパーナプキンなどでそっとぬぐうとマナー違反になりません。
ガレットをナイフとフォークを駆使してきれいなマナーでいただくことは、お箸の民族にとってはなかなか高度な作業で、一種の戦いになります。練習してコツを身につけることが、きれいな食べ方への近道になるでしょう
たとえば、普段、おうちでコンビニスイーツをいただくときにも、ナイフとフォークを用意して薄いお皿の上で練習すると、外出時に自然な動作食べ方ができてほめられるかもしれません。
最後に残るソースは生地ですくって食べる
ガレットの食べ方がきれいだったかどうかは、食べ終わった後のお皿の美しさでわかります。ガレットは生地と具材の量のバランスを見込みながら食べ進めましょう。
たとえば、野菜大盛りのガレットの場合、生地だけ先になくなってしまうと、野菜サラダにしかすぎなくなってしまいます。また、卵の黄身やソースを生地ですくって食べ進めていても、ソースがお皿に広がったまま残ってしまい、ソースの後が美しくなくて恥ずかしくなることもあるでしょう。
食事の最後に、お皿のソースをきれいにぬぐえるように、生地を少し残しておくと慌てずにすみます。ガレット上級者の食べ方のコツです。
自然とそのような配慮ができるようなガレットの食べ方のマナーを身につけて、いろいろなシチュエーションに慣れておきたいものです。
大人気スイーツガレット
ソバ粉の生地に卵や野菜、ベーコンなどを巻いていただく基本のガレットは、最近では、アイスクリームとフルーツに生クリームを添えた食べ方のものも一般的になりました。人気が定着しているクレープのように、ロールやおうぎ形にたたまれた形の食べ方のガレットの人気も高いです。
ガレットの故郷ブルターニュ地方特産の塩味で、同じくこの地方で盛んな酪農製品のバター・チーズを使って焼かれた伝統的な食べ方のガレットと並んで、イチゴやマンゴーなどのフルーツに甘い生クリームをたっぷり添えられたガレットがあると、どちらを注文しようか迷ってしまうことでしょう。
ガレットをきれいに食べて楽しい時間を過ごそう!
フランスはブルターニュ地方生まれのガレットは、そば粉を丸く薄く焼いた生地に具材を包んでいただきます。
薄いお皿に広げられたガレットをナイフとフォークのマナーを守りきれいな食べ方でいただくのは、お箸文化の日本ではとても難しい作業ですが、食べ方のコツを覚えておくと、スマートな食べ方で楽しめます。
ナイフとフォークを自然な動作で使ったガレットのきれいな食べ方を披露して、楽しい時間をお過ごしください。