フランス料理のテーブルマナー
大切な食事の席で選ばれる事が多いフランス料理は、テーブルマナーが厳しいイメージがあります。その為、テーブルマナーを守った綺麗な食事や振る舞いができれば、あなたのイメージがグッと良くなり、ビジネスチャンスを掴むきっかけにもなるかもしれませんし、人として尊敬されるかもしれません。
そんな自分を魅力的にアピールすることもできる、知っておいて損は無い「フランス料理のテーブルマナー」について学びましょう。
ナイフ・フォーク・スプーンのマナー
フランス料理では、沢山のフォークやナイフ、スプーンが置かれているのが特徴です。沢山置かれているフォークやナイフ、スプーンは、前菜、魚料理用、肉料理用、デザート用に並んでいます。
なので、料理が出される順番に外側からカトラリーを使用していき、使用したフォークやナイフ、スプーンは、お皿と一緒に下げてもらいます。また、フランス料理を食べている途中でフォークやナイフを置く際は、必ず八の字に置きましょう。
フィンガーボールのマナー
他の料理ではあまり馴染みのないフィンガーボールは、中に水が入っており食事中に指先を洗うためのボールで、フランス料理では欠かせないマナーです。
フィンガーボールは必ず使わないといけないわけでは無く、フォークやナイフ、スプーンで食べることが困難な時に手を使った際、使用する物と覚えておくと良いです。フィンガーボールは、意外と知られていないマナーですが、知っておくとフランス料理をより美しく頂く事ができます。
パンを食べるマナー
次にパンを食べる際のマナーについて紹介します。パンを食べるベストなタイミングは、基本的にはスープが終わってからです。また、デザートの前までには食べ終わるようにします。
パンを食べた際は、必ずパンのお皿に戻すようにします。ただし、パン用のお皿がない場合はテーブルクロスの上に置くのはマナー違反とはなりません。ですが、普段やりがちなお皿に残ったスープをパンに付けて食べるなどの行為は、本格的なフランス料理で行うとマナー違反になるので覚えておきましょう。
フランス料理の食べる順番のマナー
フランス料理は、「オードブル(前菜)、スープ、パン、魚料理、ソルベ、肉料理、デザート」という順番に料理が運ばれてくるのが基本です。
その際に使うナイフやフォーク、スプーンの使い方なども違ってきます。正しいフランス料理の食べる順番のマナーを抑えて料理をしっかり味わいましょう。
オードブル(前菜)
フランス料理の一品目に出てくるのは「オードブル(前菜)」です。オードブル(前菜)の食べ方のマナーとしては、色とりどりの美しさを楽しみながら左側から少しずつ食べ進めていきます。
その際は、ナイフとフォークを使って一口大にし、ソースを塗る時にフォークを滑らせてナイフで綺麗に整えてから食べるのがマナーです。オードブル(前菜)を食べる際は、間違ってでも具材をいっぺんに混ぜたり、崩したりしないようにしましょう。
スープ
フランス料理の二品目に出てくるのは「スープ」です。スープの食べ方のマナーとしては、スプーンを手前から向こう側へすくうようにします。一回にスプーンにすくう量は、3分の2を目安にして食べます。
スープを飲む際は、お皿に顔を近づけると見栄えが悪いため、必ずスプーンを口元に近づけることを意識します。取っ手付きのカップの場合は持ち上げてそのまま口を付けて飲んでも構いません。ただし、間違ってでも熱いからといって息を吹きかけるなどの行為や、音を立てるなどの行為はしないようにしましょう。
パン
フランス料理の三品目に出てくるのは「パン」です。パンの食べ方のマナーとしては、お店の方にトング等でパンを取り分けてもら際は、必ず食べれる分だけお皿に載せてもらいます。
食べる際は、一口大にパンをちぎって片手で食べることがポイントです。また、バターなどを付けて食べる際は、一口大にちぎったパンにバターナイフかバタースプレッダーを使って付けながら食べるようにします。ただし、間違ってでもそのままかじりつくなどの行為はしないようにしましょう。
ポワソン(魚料理)
フランス料理の四品目に出てくるのは、「ポワソン(魚料理)」です。ポワソン(魚料理)の食べ方のマナーとしては、魚の身がぼろぼろにならないようにしっかりフォークで固定し、左側から一口大に切ってフォークの背に料理とソースを載せて食べ進めていきます。
身が硬い魚料理の場合は刃のついたナイフを使用し、身が柔らかい魚料理の場合はフィッシュスプーンを使用して食べるなど料理によって異なります。魚料理を食べる際は、間違ってでも骨がついているからといってひっくり返して食べるなどの行為はしないようにしましょう。
ソルベ(シャーベット)
フランス料理の五品目に出てくるのは「ソルベ(シャーベット)」です。ソルベ(シャーベット)の食べ方のマナーとしては、小さなガラスの器にシャーベットがもられている事が多い為、金属音を立てないように手前上から一口分をスプーンに取って食べます。
ソルベ(シャーベット)は、次のお肉料理を食べる際の口直しとしての役割を果たしてくれる存在です。
ヴィヤンド(肉料理)
フランス料理の六品目に出てくるのは、メインディッシュ「ヴィヤンド(肉料理)」です。ヴィヤンド(肉料理)の食べ方のマナーとしては、お肉の左側部分に奥側からナイフで切れ目を入れるように一口大に切り、お肉と付け合わせの野菜を交互に食べ進めていきます。
骨付き肉は骨のふちに沿ってナイフを入れるとお肉が綺麗に取ることができ、スムーズで美しい食べ方になります。肉料理を食べる際は、間違ってでもお肉を最初に全部カットするような行為はしないようにしましょう。ゆっくり一口大に切って味わいながら食べます。
デセール(デザート)
フランス料理の七品目に出てくるのは、「デセール(デザート)」です。デセール(デザート)の食べ方のマナーとしては、スプーンとフォークが用意された場合は、すくうデザートはスプーンで食べて、さすデザートはフォークで食べるなど使い分けるのが良いです。
デザートと一緒に頂く紅茶やコーヒーを飲む際は、左手にソーサーを持ち、右手でカップを持つのがマナーです。また、カップの柄に人差し指を通すと美しいです。
フランス料理でのナプキンのマナー
食べ方のマナーばかりに注目しがちですが、フランス料理を食べる際には食べ方のマナーだけでは無く、ナプキンのマナーについても知っておく必要があります。
素敵な料理を楽しむためにもフランス料理でのナプキンの使い方のマナーについてしっかり学びましょう。
口元の汚れを拭くとき
席についたら、ナプキンは二つ折りにして膝の上に置きます。口元の汚れを拭き取る際は、二つ折りにしていたナプキンの内側を使って拭き、拭いた部分の汚れが目に触れないようにします。
この時、ナプキンで拭いた部分の汚れが服につかないように注意しましょう。間違ってでもナプキンが汚れることを心配してテッシュや自分のハンカチなど出して、使用する行為はマナー違反になるので気をつけましょう。
オーダーが終わったとき
ナプキンを膝の上に置くタイミングは、全員が席に付きメニューのオーダーが終わってからです。オードブル(前菜)などの料理がでてくる前には、膝の上にナプキンを置くことを心がけると良いでしょう。
また、結婚披露宴などでナプキンを膝に置くタイピングとしては、着席してから料理が始まるまでの時間が長いため、乾杯の挨拶後にナプキンを膝の上に置くのがおすすめです。
自分に向けて置く
ナプキンを膝に置く際に気をつけるポイントとしては、二つ折りにしたナプキンの折り目が(輪となる方)を自分に向けて置くことがポイントです。
二つ折りにしたナプキンの折り目を自分に向けて置くことで、口元が汚れた時に内側の布を使用すれば、汚れを隠すことが出来きるからです。
フランス料理を食べ終わった後のマナー
フランス料理を食べる順番のマナーを守りながら食事を終えますが、食べ終わった後にもマナーはあるので覚えておく必要があります。
最後の最後まで気を抜かずにマナーを守った行動をすることにより、一緒に食事を共にした人やお店側への配慮になります。
食器の置き方
フランス料理を食べ終わった後の食器の置き方のマナーとしては、お皿にフォークとナイフを縦に平行にそろえる事で、お店側に食事が終わったのでお皿を下げても良いという合図になります。
料理が口に合わなかったり、量が多く食べきれず残してしまった場合は、周りに居るスタッフに一言伝え食器を下げてもらう事がマナーです。また、予め料理の感じが量が多く食べ切れないと感じた場合は、事前に量の件について相談すると料理を残す罪悪感も無くマナーに即して食事をすることが出来るのでおすすめです。
ナプキンの置き方
フランス料理を食べ終わった後のナプキンの置き方のマナーは、ナプキンをテーブルに置く事です。ナプキンをテーブルに置くタイミングとしては、レストランから帰る時に使用していたナプキンをテーブルに置きます。
テーブルにナプキンを置く際は、綺麗にたたまずさっと置くことがポイントです。そうすることにより、ナプキンをたたむのも忘れるぐらい美味しかったとお店側にその思いを伝える事ができます。
席を立つタイミング
フランス料理を食べ終わった後の席を立つタイミングとしては、食後すぐに席から立つのでは無く、食後のデザートを食べ終えコーヒーや紅茶も飲み終わった後に立つのがベストタイミングです。
食後すぐに席から立ち、レストランから帰ろうとするのはマナー違反になるので気をつけましょう。
会計のタイミング
フランス料理を食べた後のベストな会計のタイミングは、食事からデザートまで全て食べ終わった後が良いです。お店の人と目があったら軽くうなずいてお会計の合図を送るのも良いですし、片手をすっと軽くあげる程度にするのがマナーです。
フランス料理お会計は、その場で支払う事が多いので前もってお金を用意しておくことスムーズです。
フランス料理の服装のマナー
フランス料理で食事をする際の服装のマナーもその場の雰囲気を損なわないようにするために抑えておく必要があります。
男性、女性の服装は、お店のランクや雰囲気によって選び方が変わってくるのでしっかり学んでおきましょう。
男性の服装マナー
フランス料理店でも高級店や有名店で食事をする場合の男性の服装の選び方としては、内装にぴったり合うようなドレスコードがおすすめです。ジャケットに襟付きのトップスやワイシャツを合わせて革靴をチョイスしましょう。スーツを着用するのもおすすめです。
ノーマルなフランス料理店での服装の選び方としては、かしこまり過ぎずにジャケットに襟の無いシャツを合わせるのが良いでしょう。かしこまり過ぎずにとは言っても控えめな色合いの服装を選んだ方が無難です。
女性の服装マナー
女性の場合の服装の選び方としては、上品なワンピースに靴はヒールがあるものかパンプスを選ぶのがおすすめです。ジャケとやスーツスタイルでも良いです。アクセサリーを身につける際は、パールなどのフォーマルなものを選びましょう。
ノーマルなフランス料理店での服装の選び方としては、控えめな色合いの服装を選び、デニムなどのカジュアルな感じの服装でなければマナー違反にはなりません。オフィスカジュアルをイメージすると良いでしょう。
フランス料理を食べる際の座り方のマナー
忘れてはいけないフランス料理を食べる際の座り方のマナーについても抑えておきましょう。座り方の一つも自分を素敵に見せるマナーです。
基本的にフランス料理を食べる際の座り方は、女性がいる場合はレディーファーストが基本なので覚えておきましょう。
座り方
フランス料理を食べる際の座り方のマナーとしては、女性や目上の人から先に席に座ります。テーブルに着くとお店の方が椅子を引いてくれるので、横に立ちそれに合わせてゆっくり深く座ります。この時に後ろは振り向かないようにしましょう。
間違ってでも、自分で勝手に椅子を引いて座るという行為はしないようにしましょう。また、女性や目上の人が座ってから席につきましょう。
バッグの置き方
フランス料理を食べる際のバッグの置き方のマナーとしては、同じテーブルで空いている席に置くことはマナー違反ではありません。ですが、自分の方に椅子を引き寄せ、バッグを置いたりする行為はしないようにしましょう。
レストランによってはバッグを入れるケースを用意してくれる場合もあるので、その場合はケースを利用しましょう。間違ってでもやってはいけないのは、テーブルの上に置いたり、椅子の背にかけたりする事です。
フランス料理は固くならずに楽しもう!
今回は、フランス料理のテーブルマナーについて詳しくご紹介させていただきました。フランス料理はあまり身近に感じないかもしれませんが、社会人になれば大事な席に呼ばれることも増えるので、フランス料理のマナーについて知っておくことに損はないでしょう。
結婚披露宴やデート、会食の席でフランス料理を食べる際のマナーを知っていれば、仕事で大事な時や好意を抱く人にアピールするチャンスができるかもしれないので頭の隅に入れておくことをおすすめします。