「マーベリック」の意味は？使い方や由来も分かりやすく解説！

「マーベリック」または「マーヴェリック」というカタカナ語、商品のブランド名になっていたり、映画の中で使われているのを見たことがありますか？見た目や音の響きから、かっこいい意味があるのかなと期待を抱く言葉ですが、この言葉にはどんな意味があるのでしょう。

この記事では、「マーベリック」「マーヴェリック」の意味・言葉の由来、使い方、「マーベリック」が使われているものなどをご紹介していきます。読んだ後はきっと、響き同様かっこいい意味のある「マーベリック」という言葉を使いたくなるはずです。

「マーベリック」「マーヴェリック」は英語由来のカタカナ語で、英語では「maverick」と書きます。「maverick」の意味を辞書で調べると、以下のような意味が出てきます。

「焼印のない牛」「（政治家や芸術家などの）無所属の人、異端者」「一匹オオカミ」一番最初の「焼印のない牛」という意味については、主にアメリカ合衆国で用いられている使い方です。

この言葉の意味合いとしては、ある特定のグループや集団には属さない・属したくない孤独を好む人を表す場合に使われることが大半です。芸術家に対しても、時代の流れや周囲の意見ではなく自分の意見を貫く人が「マーベリック（maverick）」の意味に当てはまるでしょう。

この「マーベリック（maverick）」という言葉は、周囲に流されることなく個人の思考を持ち、個人として行動できる芯を持った人間というポジティブな意味に捉えることができます。ですが、その一方で集団としてのルールや規則を守らない、協調性がない、というネガティブな意味にも捉えられます。

現在の意味の使い方を見るに、「マーベリック」という言葉はどちらかといえば後者の「ルールを守れない、協調性がない」といったネガティブな意味で使われる場合が多いようです。

英単語「maverick」は主に名詞として「焼印のない牛」「異端者」「一匹オオカミ」という意味を持っていましたが、「maverick」は形容詞としての意味で用いることもできます。

形容詞として用いる場合には、その意味が「無所属の」「行動または思考において独立している」という意味なります。「政治家」という意味の英単語「politicians」と合わせることで、「maverick politicians（一匹オオカミの政治家・無所属の政治家）」という意味にできるのです。

「異端者」という意味を持つ言葉「マーベリック（maverick）」ですが、そのような意味を持つこととなった由来はどこにあるのでしょうか？そこには、アメリカ合衆国テキサス州の開拓・独立に貢献した「サミュエル・A・マーベリック」という人物が関わってきます。

サミュエル・アウグストゥス・マーベリックは、1800年代にテキサス州で弁護士・政治家、そして牧場主として活動していました。アメリカでは、当時から牧場で飼っている牛に対して所有者を意味する「焼印捺し（やきいんおし）」をしていました。

ですが、サミュエル・A・マーベリックはそれを拒否したのです。理由には諸説ありますが、「彼ら（牛）に痛みを与えたくなかったから」という主張の元でした。

アメリカの牧場では牛に対して所有者を判別する意味として焼印を行うのが常識だったので、「焼印を押されていない牛」は持ち主であろう者の名前を由来として「マーベリック（maverick）」と呼ばれるようになったのです。

また、「牧場の牛に対しては、所有者がわかるように焼印を捺す」という慣習を頑なに拒否したサミュエル・A・マーベリック氏の「異端者」「一匹オオカミ」のようなスタンスや在り方自体を、こちらも名前に由来して「マーベリック（maverick）」と呼ぶようになりました。

テキサス州マーベリック郡の名前の由来にもなったマーベリック氏ですが、当時その姿勢をよく思わない人物もいたのでしょう。現在の使い方・意味合いも、この出来事から来ているのかもしれません。

ここからは「異端者」という意味の「マーベリック」の使い方について紹介していきます。日本において、日常生活で「マーベリック」を本来の意味で用いる機会は多くありません。

そのため、日常会話の一部を似た意味である「マーベリック」に置き換えた例文と「マーベリック」が商品名としての使い方をされている例をご紹介します。身近にある「マーベリック」の意味を感じてみましょう。

「マーベリック（maverick）」の使い方、例文一つ目です。「彼女は、周囲の意見を取り入れることなくマーベリックな判断を下した。」

これは、「マーベリック」を「独自の」という意味の使い方をした例文です。形容詞としての「マーベリック（maverick）」には「行動・思考が独立している」という意味がありました。「マーベリックな〇〇」とすることで、「独自の」「独自の考えを貫く」という意味にすることができます。

「マーベリック（maverick）」の使い方、例文二つ目です。「選挙で投票する立場として、私はマーベリックだ。政党ではなく、人を見て判断する。」

こちらは「マーベリック（maverick）」を「無所属の人」という意味の使い方をした例文です。名詞としての「マーベリック（maverick）」には「（政治家や芸術家などの）無所属の人、異端者」という意味がありました。

無党派の政治家本人を指して「マーベリック（maverick）」ということもできますが、どこかの政党や団体を贔屓しないスタンスをとっている人に対しても「マーベリック（maverick）」と使うことができます。

「焼印のない牛」「異端者」という意味の「マーベリック」ですが、英単語であることはもちろん、実は世間の様々な商品や団体の名前にも使われています。意外なところに使われている「マーベリック（maverick）」をいくつかご紹介していきます。

「マーベリック（maverick）」が名前に含まれている団体、一つ目は「MAVERICK DC GROUP」です。日本の音楽プロダクションで、著名な所属アーティストには「L'Arc〜en〜Ciel」「シド」がいます。

ヴィジュアル系バンドが多く所属していることから、「一匹オオカミ」「異端者」などの意味から用いられていると思われます。彼らの独自のスタイルを考えると、「マーベリック（maverick）」はぴったりの単語でしょう。

「マーベリック（maverick）」が名前に含まれているもの、二つ目は「AGM-65 マーベリック」です。これは実在するアメリカ合衆国製の対空地ミサイルの名称です。日本を含む世界30カ国で運用されています。意味に由来した命名かは定かではありません。

映画「マン・オブ・スティール」（2013）「トゥルーライズ」（1994）や、アニメ「東のエデン 劇場版I The King of Eden」、ゲーム「バトルフィールドシリーズ」などにも登場しています。

「マーベリック（maverick）」が名前に含まれている団体、三つ目は「ダラス・マーベリックス」です。こちらは現在もNBAで活躍中の、アメリカ・テキサス州ダラスに本拠地を置いているバスケットボールチームです。

名前自体の由来は、1960年頃のテレビ西部劇に由来しており、NBAにおいて地域・チーム名が変わっていないチームの一つとなっています。本拠地テキサスらしいネーミングで、広く愛されているチームです。単語の意味とは直接関係ありませんが、成り立ちと深く関わりがあります。

アメリカの有名映画「トップガン」にも「マーベリック（maverick）」は登場します。題名でもある「トップガン（アメリカ海軍戦闘機兵器学校）」を舞台にパイロットの青春群像を描いた映画で、当時主演を務めたトム・クルーズはこの映画がヒットしたことによりトップスターの仲間入りを果たしました。

この中で「マーベリック（maverick）」は主人公ピート・ミッチェルのコードネーム（コールサイン）として使われています。映画の中でパイロットのコールサインは性格を表したものになっており、主人公ピートは無鉄砲で型破り、協調性のない性格であると描かれています。

その性格や言動を表すために、「異端者」「一匹オオカミ」という意味の「マーベリック」がコールサインになったのでしょう。

いかがでしたでしょうか。この記事では「マーベリック」という言葉の意味・由来や、意味を踏まえてネーミングに使用された例、意味にあった使い方と例文をご紹介してきました。

思ったよりも身近に使われている「マーベリック」という言葉、一匹狼というとかっこいい響きですが、自分のことを指して使われた場合は「協調性がない」「変わり者」という意味で使われているかもしれません。「マーベリック」な存在になりすぎないよう、気をつけましょう。