「孤高」の意味とは?
「孤高」という言葉を耳にしたり、小説やビジネス書などの文章で「孤高」という言葉がでてくることがありますが、「孤高」の正確な意味はご存知でしょうか。
似たような言葉も多くあり、「孤高」の正確な言葉の意味が分からない方もいらっしゃるかと思います。「孤高」についての正しい意味や使い方をこれからご紹介していきます。
まずは、孤高の意味をご紹介します。孤高というのは、自分の美学、そして信念に基づき、他者と離れ集団に属しないことで必要以上の苦労を請け負うような人の特徴を指します。
また、他者と違い高い理想を持っている方も孤高の人と表現したりします。主に孤高という言葉は人を表現することに対して使うことが多い言葉になっています。
つまり、孤高な人とは、信念を貫く強さがあるので、世間体を気にしたり、常識にとらわれたりしません。自分の信念の為に1人になることを選択しているので、起きた問題も自分で解決できる思考力もあるため、人に頼らずに生きていくすべも身に着けています。
「孤高」の対義語・類義語
孤高というのは、自分の信念を貫く為にあえて1人になることを選び、苦労や努力をする人のことという意味だと分かりました。
そんな孤高という言葉には、反対の意味の対義語や、孤高と似たような意味の類義語が多数存在しています。それでは孤高の対義語と類義語の意味をいくつかご紹介します。
「孤高」の対義語
孤高の対義語はいくつかありますが「卑俗」や「衆愚」などがあげられます。「卑俗」というのは、上品さや教養がないという意味です。また「衆愚」とは多くの愚かな人という意味になります。
孤高の意味では、自分の信念や美学など高尚なイメージがあったのに対し、対義語の「卑俗」や「衆愚」では低俗で、あまり良いイメージがない意味の言葉が多いようです。
「孤高」の類義語
孤高と似た意味の類義語としてあげられるのは「独往」や「介立」などがあげられます。どちらの言葉も、周りや他人を頼ったりせずに、自分の信じている道を行くという意味があります。また、四文字熟語や複合名詞で「独立独歩」や「狷介孤高」なども同じような意味になります。
一匹狼の意味
孤高の類義語とは少しジャンルが違うかもしれませんが、一匹狼という表現も孤高の意味に似ている言葉のひとつです。一匹狼の意味は、1人で行動している人のことを指します。
一匹狼の場合は群れて行動するのを好まないため、自ら進んで1人で行動していますが、孤高の場合は自分の信念に基づいて1人で行動するためであって、協調性がないわけではありません。
「孤高」の使い方・例文
孤高の意味や、対義語、類義語の意味も分かったところで、実際に孤高という言葉の使い方について疑問に思った方もいらっしゃるかと思います。
なので、孤高を使った文章で、いくつか例文をご用意しました。こちらの例文を参考に、孤高という言葉の使い方を詳しく覚えていきましょう。
例文①
1つの作品を作る際に、徹底したこだわりや、技術を地道に磨いていく人に対して「孤高のプライドを感じました。」など、妥協せずに依頼主の求める最高の作品を作ろうとする姿勢に、プロフェッショナルな職人魂を感じる時などに使う事ができます。
例文②
今では日本のトップスターとして君臨している「孤高の大女優の彼女の人生はとても、壮絶なものでした。」と言うような、天才的な演技力や惜しみない努力によって、今のトップスターとして成果を出している人にも使うことができます。
例文③
仕事に対してとてもストイックな彼女は、「孤高で近寄りがたいイメージがありました。」などと、仕事とプライベートをしっかり分けており、自分の仕事に対してストイックに努力をしている場合も「孤高」という言葉を使用することができます。
例文④
例文④では他の例文とは違う「複合名詞」としての孤高の使い方をご紹介します。複合名詞の意味は通常2つに分かれている名詞を1つにして表した名詞のことです。
「孤高独歩」という複合名詞があります。意味は1人で歩くことという意味や、他に並ぶことのないほど優れているものという意味で使う言葉です。そのような人を「孤高独歩な人」と表現します。
「孤高」と「孤独」の違い
孤高と似たような言葉で「孤独」という言葉があります。しかし、孤独とは孤高とは似ているようで違う意味の特徴をもつ言葉になります。つい、同じ意味で使ってしまいそうな「孤高」と「孤独」ですがどんな違う特徴があるのか、それぞれの意味と使い方をご紹介します。
「孤独」は「独りぼっちで寂しい状態」という意味
孤独の意味は「独りぼっちで頼れる人がいない」ことや「仲間や身寄りがいない寂しい状態」という意味があります。孤高と孤独の意味では、どちらも「1人でいる」という点では似ているのです。
ですが、孤高は自分の意思で1人になる状態を指しているのに対し、孤独は仲間が欲しいにも関わらず、1人になってしまっているという特徴があります。
「孤高」を使う際の注意点
孤高の意味についてや類義語、対義語をこれまでご紹介してきましたが、実際に孤高という言葉を使って文章を書いていく際にはどのような点に注意すれば良いか気になる方も多いと思います。孤高を使って文章を書く場合の注意点をご紹介します。
「孤独」と同じ意味では使えない
先ほど意味の違いについてご紹介した「孤独」は、似ているイメージがあるのでつい同じ意味で使ってしまいそうになりますが、自分の信念を貫く為に、自らが進んで1人になる道を選んでいるという特徴があるのが「孤高」です。
「孤独」の特徴は、誰かと一緒にいたいのに1人になって寂しい思いをしていることなので、同じ1人でも意味がまったく違ってしまいます。その為、1人でいることを表現する場合にはこの2つの言葉の意味の使い分けに注意していきましょう。
「孤高」の由来・歴史
「孤高」という言葉にはどのような由来や歴史があるのでしょうか。孤高の意味や、使い方なども分かってきたところでより深く孤高という言葉について、その由来や歴史についても詳しく考察していきましょう。
由来
孤高という言葉の由来については見解など明確になっているものはインターネット上ではありませんでした。しかし、孤高の漢字の組み合わせを見ていくと、孤高の「孤」は、「孤独」や「孤立」など1人でいることに関して使われることが多い漢字です。
そして、孤高の「高」は「高貴」や「高価」など素質や階級などが上の意味で使われることが多い漢字なので、その2つを組み合わせた「孤高」という言葉には自立して自分の道を歩んでいるような場合に表す言葉だといえるでしょう。
歴史
「孤高」の歴史についても、由来と同様に明確なものはインターネット上でみつけることはできませんでした。なので、歴史も由来と同じように漢字を1文字ずつ分けて考察していきましょう。
孤高の「孤」という文字は形声文字であり、象形文字や指事文字を組み合わせた漢字の中では新し部類に入る文字です。漢字の80パーセントは形声文字になります。
そして「高」という文字は象形文字になり、形声文字よりも前にできた文字になります。どちらも「六書」という漢字の種類に分類されますが、このことから、形声文字が浸透して以降に「孤高」という言葉はできたのではないかと考察できます。
「孤高」の英語表記
孤高という言葉を英語で表現するにはどのような英語で表現すればよいのでしょうか。調べてみたところ、孤高を英語で表現するには直接的に孤高と訳すことのできる意味の英語はありませんでした。なので、孤高に似ている意味の英語を何種類かご紹介します。
aloofness
1つ目の英語は「aloofness」です。直訳すると「よそよそしいこと」や「超然としていること」といった意味になります。カタカナ読みでは「アルゥフナァス」になります。
isolation
2つ目の英語は「isolation」です。この英語の意味を直訳すると「隔離」や「孤立」という意味、そして「孤独」の場合にも同じ英語が使われます。カタカナ読みでは「アイソレイション」と読みます。
superiority
3つ目の英語は「superiority」です。この英語の意味は上記2つの英語とは少し違い「優越」という意味の英語になります。カタカナ読みは「スーペリオリティー」です。
「孤高」は「自分の意思で高い境地にいる」という意味
孤高の意味や使い方などご紹介しましたが、いかがでしたか。孤高とは自分の信念や目標の為に自分の意思で高い境地にいる、1人で理想の為に努力を惜しまない人のことを指します。この機会に孤高の意味を正しく覚えて使っていきましょう。