「お含みおきください」の意味とは?
ビジネスメールやビジネス文書などの中で時折「お含みおきください」という言葉が使われていることがありますが、「お含みおきください」の正しい意味を聞かれた時に正しい意味をちゃんと答えられるという人は少ないでしょう。
「お含みおきください」という言葉はめったに使われない言葉で、「お含みおきください」を使うのは中高年でそれなりに国語をしっかりと理解している人が多いため、若い年代には「お含みおきください」はあまり使われません。
ですが「お含みおきください」という言葉を知っていれば、いざという時に目上の人から感心されることもありますので、覚えておくと良いでしょう。
「お含みおきください」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「お含みおきください」の意味についてご紹介しましょう。
心に留めておいてくださいという意味
「お含みおきください」の意味の一つ目は、「心に留めておいてください」という意味です。「お含みおきください」は「心に留めておいてください」の敬語表現で、目上の人に対して使える敬語になります。
何か心に留めておいてほしいことなどがある場合に、「お含みおきください」という敬語表現を添えてお願いすると、「若いのに難しい敬語を知っているな」と中高年の目上の人から一目置かれることもあります。
「お含みおきください」は「心に留めておいてください」の敬語表現で、目上の人に対して使えるということを覚えておきましょう。
理解してくださいという意味
「お含みおきください」の意味の二つ目は、「理解してください」という意味です。「お含みおきください」は「理解してください」という言い方の敬語表現でもありますので、「理解してください」を敬語で言う場合にも使えます。
「お含みおきください」の意味「理解してください」はさらに言えば「事情を良く理解してください」になり、目上の相手に対して深い理解を求める敬語表現になります。
何らかの事情があって相手の求める条件に応じられない場合などにも、「お含みおきください」という敬語表現を使って「こちらの事情を理解してください」とお願いすることができます。
忘れないで思い出してくださいという意味
「お含みおきください」の意味の三つ目は、「忘れないで思い出してください」という意味です。「お含みおきください」には「忘れないで思い出してください」の敬語表現という意味もあります。
こちらの意味で「お含みおきください」という言葉を使う場合もやはり、何らかの事情があって相手の条件に沿えない場合などで、「こういう事情があることを忘れないでください」ということを敬語表現する際に使われます。
「お含みおきください」という言葉は「心に留めておいてください」「理解してください」「忘れないで思い出してください」という意味がありますが、いずれの意味にしても敬語表現だということです。
「お含みおきください」の読み方
「お含みおきください」の意味の四つ目は、「お含みおきください」の読み方についてです。「お含みおきください」の読み方がわからないという人はそう多くないですが、敬語表現と聞いて「難しい読み方なのでは?」と思う人もいます。
「お含みおきください」という言葉の意味を知って、「敬語表現なら特別な読み方をするのだろう」と思ってしまい、そのため「お含みおきください」の読み方がわからないという人もいるでしょう。
「お含みおきください」という言葉はいったいどのような読み方をすれば良いのか、「お含みおきください」の読み方についてご紹介しましょう。
「お含みおきください」の読み方は「おふくみおきください」
「お含みおきください」の読み方はシンプルに「おふくみおきください」という読み方です。敬語表現というと何やら難しい読み方をしなければならないと思い込む人もいますが、ストレートに「おふくみおきください」という読み方でOKです。
日本にはとても難しい敬語表現もあり、そういう敬語は読み方まで複雑で難しい読み方である場合も多いので、「敬語」と言われると「読み方も難しい」と思ってしまう人も多く、そのため読み方を間違う人もいます。
ですが「お含みおきください」の読み方はシンプルにそのまま「おふくみおきください」なので、「お含みおきください」の読み方は「おふくみおきください」だと覚えておきましょう。
「お含みおきください」の類語
「お含みおきください」の意味についてご紹介しましたので、次は「お含みおきください」の類語についてご紹介します。
「お含みおきください」の意味は「心に留めておいてください」「理解してください」「忘れないで思い出してください」という意味なので、これらの意味に似た意味を持つ言葉が「お含みおきください」の類語になります。
「お含みおきください」と似た意味を持つ類語にはいったいどのような言葉があるのか、「お含みおきください」の類語についてご紹介しましょう。
ご了承願います
「お含みおきください」の類語の一つ目は、「ご了承願います」です。「ご了承願います」の意味は「ご理解ください」「ご納得下さい」という意味で、「お含みおきください」の意味「理解してください」と同じ意味を持つ類語です。
「ご了承願います」という言葉もかなり丁寧な言い方の敬語表現ではありますが、「お含みおきください」に比べるとちょっと堅いイメージがあります。
「お含みおきください」はとても柔らかい物言いで、その柔らかさのために好んで使う人もいますので、「ご了承願います」は「お含みおきください」の言い換えとしては少し足りないと言えます。
何卒お願い致します
「お含みおきください」の類語の二つ目は、「何卒お願い致します」です。「何卒お願い致します」の意味は「どうかお願いします」という意味で、一見すると何をお願いするのかが分からず「お含みおきください」とは異っています。
「何卒お願い致します」という言葉の「お願い」には「心に留めておいてください」「理解してください」「忘れないで思い出してください」といった三つの意味のどれを当てはめてもOKなので、「何卒お願い致します」も類語になります。
「何卒お願い致します」は「お願い」の内容にどのようなことを当てはめても大丈夫なので、「お留めおきください」の類語の一つであると言うことができるということです。
ご容赦ください
「お含みおきください」の類語の三つ目は、「ご容赦ください」です。「ご容赦ください」の意味は「どうか許して下さい」という意味なので、「お含みおきください」とは違う意味のようですが、「ご容赦ください」も類語の一つになります。
「ご容赦ください」という言葉には、何らかの事情があってそれを理解してほしいというニュアンスがありますので、「お含みおきください」の意味「理解してください」と似た意味があると言えます。
ですが「ご容赦ください」という言葉を「お含みおきください」の言い換えに使うことはできませんので、使い方という点では「お含みおきください」とは少し違うと言えます。
お知りおきください
「お含みおきください」の類語の四つ目は、「お知りおきください」です。「お知りおきください」の意味は「知っておいてください」という意味で、「お含みおきください」に極めて近い意味を持つ類語だと言えます。
「お知りおきください」という言葉は「心に留めておいてください」「理解してください」「忘れないで思い出してください」という「お含みおきください」の三つの意味すべてを当てはめることができる言葉です。
そのため「お知りおきください」も「お含みおきください」の類語になりますが、言い換えに使うには少しニュアンスが違いますので、使い方という点では「お含みおきください」とは違うと言えます。
お留めおきください
「お含みおきください」の類語の五つ目は、「お留めおきください」です。「お留めおきください」の意味は「留めておいてください」という意味で、「心に留める」という意味で使われることが多いため、類語だと言えます。
「お留めおきください」は「心に留める」という意味で使われることが多い敬語なので、「お含みおきください」の「心に留めておいてください」という意味に極めて近い意味を持つ類語になります。
ですが「お留めおきください」という言葉は「心に留める」という意味以外でも使うことがありますので、使い方という点では「お含みおきください」とは違うこともあると言えます。
ご理解願います
「お含みおきください」の類語の六つ目は、「ご理解願います」です。「ご理解願います」の意味は「理解してください」という意味なので、「お含みおきください」の意味「理解してください」と同じ意味を持つ類語になります。
「ご理解願います」は「理解してください」の敬語表現で、「お含みおきください」より使われることが多く、ビジネスシーンなどにおいて相手に何かを理解してほしいといった時に結構良く使われます。
「ご理解願います」はかなり堅いイメージの言い方で、「お含みおきください」の柔らかな言い方と比べると言われる側の受け取るイメージがかなり違いますので、そういった点では「お含みおきください」とは違います。
覚えておいてください
「お含みおきください」の類語の七つ目は、「覚えておいてください」です。「お含みおきください」には「忘れないで思い出してください」という意味がありますので、「覚えておいてください」はこの意味に近い意味の類語になります。
「覚えておいてください」は丁寧語ではありますが目上の相手に対して使うと失礼になる言い方なので、目上の人に対して使える「お含みおきください」とは使い方という点で異なります。
「お含みおきください」にはたくさんの類語がありますが、使い方まで「お含みおきください」と同じだという類語はほぼないと言えます。
「お含みおきください」の使い方・例文
「お含みおきください」の類語についてご紹介しましたので、次は「お含みおきください」の使い方の例文についてご紹介します。
「お含みおきください」には「心に留めておいてください」「理解してください」「忘れないで思い出してください」という意味がありますので、これらのことを表現したい場合に「お含みおきください」という言葉を使うことができます。
「お含みおきください」という言葉はいったいどのような使い方をすれば良いのか、「お含みおきください」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「お含みおきください」の使い方の例文の一つ目は、「こちらとしてはかなり苦しい条件なので、どうかお含みおきください」という例文です。
この例文では「理解してください」という意味で「お含みおきください」という言葉を使っていますが、ビジネスメールなどではこのような使い方をすることは結構多いと言えます。
取引先などに対して「お含みおきください」という言葉を使うことは結構ありますが、そういった場合には自分の苦しい立場や条件を理解してほしいといった意味で「お含みおきください」が使われます。
例文②
「お含みおきください」の使い方の例文の二つ目は、「今回の公演のチケットは払い戻しができませんのでお含みおきくださいますようお願い申し上げます」という例文です。
「お含みおきください」だけでも充分敬語表現になりますが、さらに「お願い申し上げます」をつけると最上級とも言える敬語表現になります。
ビジネスメールなどだけではなく、こういったイベント関連のお知らせなどでも「お含みおきください」という言い方を使うことは結構多く、「お含みおきください」という言葉は色々なシーンで使うことができると言えます。
例文③
「お含みおきください」の使い方の例文の三つ目は、「当店はゴールデンウイーク中は休業とさせていただきます。休業中もインターネットでのご注文はお受けできますが、商品の発送は休業後となりますのでお含みおきください」という例文です。
この例文でも「理解してください」という意味で「お含みおきください」が使われています。「お含みおきください」はこのようなネット販売の店からのお知らせなどの中で使うこともできます。
この例文での「お含みおきください」は「ご了承ください」と言い換えることもできますが、そうなると堅いイメージになるためあえて「お含みおきください」という柔らかな言葉を使っています。
例文④
「お含みおきください」の使い方の例文の四つ目は、「明日から入院することになりましたので、しばらく不在になりますことをお含みおきください」という例文です。
入院などで学校や会社などをしばらく休むといった場合に使える例文で、この例文では「心に留めておいてください」「理解してください」といった意味で「お含みおきください」という言葉が使われています。
このように「お含みおきください」という言葉は色々な場面で使うことができますので、使おうと思えば学校でも会社でも目上の人に対して使うことができると言えます。
「お含みおきください」と「ご承知おきください」の違い
「お含みおきください」の使い方の例文についてご紹介しましたので、次は「お含みおきください」と「ご承知おきください」の違いについてご紹介します。
「お含みおきください」と間違えて使われることのある言葉の中に、「ご承知おきください」という言葉がありますが、実は「ご承知おきください」は「お含みおきください」とは意味が違います。
「お含みおきください」と「ご承知おきください」という言葉にはいったいどのような違いがあるのか、「お含みおきください」と「ご承知おきください」の違いについてご紹介しましょう。
「ご承知おきください」は「あらかじめご理解ください」という意味
「お含みおきください」と「ご承知おきください」の違いは、「ご承知おきください」の意味は「あらかじめご理解ください」という意味だということです。
「お含みおきください」には「理解してください」という意味がありますので、「ご承知おきください」という言葉と混同してしまう人が多いですが、「お含みおきください」には「あらかじめ」というニュアンスはありません。
「お含みおきください」は現在の自分の状況や事情などを理解してほしい場合に使われますので、「あらかじめご理解ください」という意味である「ご承知おきください」とは使う状況が違います。
「お含みおきください」と言うべきところで「ご承知おきください」と言ったりしないよう、注意が必要だと言えます。
「お含みおきください」を使う際の注意点
「お含みおきください」と「ご承知おきください」の違いについてご紹介しましたので、次は「お含みおきください」を使う際の注意点についてご紹介します。
「お含みおきください」という言葉を使う際には、実は気をつけなければならない大きな注意点があります。その注意点を守らなければ、せっかく「お含みおきください」という難しい言葉を使っても自分の株を上げる役に立ちません。
「お含みおきください」という言葉を使う際にはどのような点に注意しなければならないのか、「お含みおきください」を使う際の注意点についてもご紹介しましょう。
口頭では使えない
「お含みおきください」を使う際の注意点は、「お含みおきください」は口頭では使えないということです。「お含みおきください」は基本的に書類などの中で使う言葉なので、ビジネスメールやビジネス文書の中で使います。
「お含みおきください」という言葉の使い方を知って、早速使ってみようと思う人もいるでしょう。ですが「お含みおきください」は口頭では使えませんので、上司や取引先などに対して口頭で使ってはいけません。
「お含みおきください」という言葉は口頭では使えませんので、「お含みおきください」を使う際にはメールや文書などの中で正しく使いましょう。
「お含みおきください」の由来
「お含みおきください」を使う際の注意点についてご紹介しましたので、次は「お含みおきください」の由来についてご紹介します。
日本語には語源や由来のある言葉が結構多いですが、「お含みおきください」という言葉にも由来があります。「お含みおきください」は故事成語のような語源はありませんが、構成する言葉の中にちゃんと由来はあります。
「お含みおきください」という言葉にはいったいどのような由来があるのか、「お含みおきください」の由来についてご紹介しましょう。
心に留めるという意味の言葉が由来
「お含みおきください」の由来は、「心に留める」という意味の言葉にあります。「お含みおきください」の中の「含みおく」には「心に留める」という意味があり、これが「お含みおきください」という言葉の由来になっています。
長い年月の間に、この「心に留める」という意味に「理解してください」「忘れないで思い出して下さい」などの意味が足されていったということです。
「お含みおきください」の英語表記
「お含みおきください」の由来についてご紹介しましたので、次は「お含みおきください」の英語表記についてご紹介します。
「お含みおきください」の三つの意味にそれぞれ対応する英語表記にはいったいどのような英語を使えば良いのか、「お含みおきください」の英語表記についてご紹介しましょう。
心に留めるという意味なら「please bear in mind」
「お含みおきください」の英語表記の一つ目は、「please bear in mind」という英語です。「お含みおきください」を「心に留めておいてください」という意味で英語表記する場合には、この「please bear in mind」が使われます。
理解するという意味なら「please understand」
「お含みおきください」の英語表記の二つ目は、「please understand」という英語です。「お含みおきください」を「理解してください」という意味で英語に訳したい場合には、この「please understand」を使うことが多いです。
思い出すという意味なら「please be reminded」
「お含みおきください」の英語表記の三つ目は、「please be reminded」という英語です。「お含みおきください」を「忘れないで思い出して下さい」と言う意味で英語に訳したい場合には、この「please be reminded」を使います。
「お含みおきください」は「心に留めておいてください」という意味
「お含みおきください」という言葉の意味や使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「お含みおきください」は「心に留めておいてください」という意味なので、正しい意味を理解して正しく使いましょう。