「喜びもひとしお」の意味とは?語源や使い方の例文をまとめてチェック!

「喜びもひとしお」の意味とは?語源や使い方の例文をまとめてチェック!

「喜びもひとしお」という言葉を結婚式などで聞いたことがある人もいるでしょう。しかし、「喜びもひとしお」の意味をご存じでしょうか。今回は、「喜びもひとしお」の言葉の意味や語源、使い方の例文などについてまとめましたので、ご紹介します。

記事の目次

  1. 1.喜びもひとしおの意味とは?
  2. 2.喜びもひとしおの対義語・類義語
  3. 3.喜びもひとしおの使い方・例文
  4. 4.一入と一塩の違い
  5. 5.喜びはひとしおの語源・歴史
  6. 6.喜びもひとしおの英語表記
  7. 7.喜びもひとしおの漢字
  8. 8.喜びもひとしおとは、一段と喜ばしいという意味

喜びもひとしおの意味とは?

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「喜びもひとしお」という言葉を聞いたことがある方、使ったことのある方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか。結婚式のスピーチなどで使われることもあり、何となく知っている方、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

「喜びもひとしお」の「喜び」とは、誰もが知っている喜びの感情のことです。「ひとしお」とは、現在のある状況からさらにレベルの高い状態になることです。「さらに、一段と」などという意味を持っています。

「ひとしお」は、プラスの場面でも、マイナスの場面でも使うことがありますが、大抵はプラスの場面で使われることが多いです。この2つの言葉の意味が合わさった「喜びもひとしお」とは、喜びの状態が一段と高まった状態を表す意味の言葉になります。

喜びもひとしおの対義語・類義語

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「喜びもひとしお」には主に感情がプラスに高ぶった際に用いられます。初めに「喜びのひとしお」の類語をいくつかご紹介します。類語は類義語と同様の意味になります。

類語とは、意味の似ている言葉や、その言葉を言い換えることができる言葉のことを指します。例えば「大きい」の類語は「巨大」「偉大」などがあります。

類語を知ることで、その言葉の意味を、より様々な場面で使うことができるようになります。「喜びのひとしお」の意味に近い、喜びもひとしおの類語はいくつか存在します。それでは、「喜びもひとしお」の意味に似た使い方ができる類語をご紹介していきます。

感動もひとしお

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「喜びもひとしお」の類語1つ目は、「感動もひとしお」です。「感動もひとしお」は、「喜びもひとしお」と同様にプラスの感情が高ぶった際に使われますが、「喜びもひとしお」に比べ、感動の気持ちが大きい場面で使われます。

例文を挙げると、「頑張ってもなかなか成果が出なかった期間もあったけれど、ようやく成果を出すことができ、感動もひとしおです。」という使い方があります。「感動もひとしお」は、自分の中の深い感動を相手に表現するのにぴったりな言葉です。

心躍る

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「喜びもひとしお」の類語2つ目は、「心躍る」です。「心躍る」という言葉は、「喜びもひとしお」と同様に喜びの感情がさらに高ぶった状態の感情を表現します。そのため、「心躍る」は、「喜びもひとしお」の類語表現として使うことができます。

例文をあげると、「大好きな本の最新刊が今日発売されると知って、心躍る気持ちでいっぱいです」などという使い方をすることができます。

言い換えとして使うこともできるので、「喜びのひとしお」と表現するには少し砕けた場面で、喜びを表現したい場合に使う言い換えで使っても良いでしょう。

感無量

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喜びをひとしおの類語3つ目は、「感無量」です。感無量とは、嬉しい状況が起こった時、嬉しいという感情が計り知れないほど大きいことを意味する言葉です。「喜びをひとしお」の喜びを深く表現する言葉の類語表現として使うことができます。

喜びもひとしおの対義語

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まず初めに対義語とは、言葉の持つ意味の反対の意味を持つ言葉のことを指します。例えば「大きい」の対義語は「小さい」や「親」と「子」なども対義語の関係のある言葉です。では、「喜びのひとしお」の対義語はあるのでしょうか。

答えは「喜びもひとしお」の対義語ははっきりした言葉の中にはないです。しかし、「喜びもひとしお」の「ひとしお」は他の感情を表す言葉ともつなげる使い方をすることができ、様々な感情を表現することができます。

例えば、「喜び」の対義語である「悲しみ」に「ひとしお」を合わせ、「悲しみのひとしお」という言葉で悲しみが一段と高まった状態を表すことができます。

喜びもひとしおの使い方・例文

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「ひとしお」という言葉には、上品な要素が含まれている言葉であり、お祝の場面や手紙などに使うことが多いでしょう。日常的には、あまり使われませんが、改まった感謝の気持ちを伝える場面などで使うことはできます。また、ビジネスシーンでも、お祝の言葉を贈る際に使われることがあります。

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「喜びもひとしお」の使い方としては、3つのポイントがあります。「喜びもひとしお」の使い方1つ目は、嬉しいことが重なった場合です。自分に子供ができ、さらに友達にも子供ができた場合などがこの使い方に当てはまります。

「喜びもひとしお」の使い方2つ目は、相手の嬉しさが高まったであろうと考える場合です。相手の嬉し涙を見て、自分の嬉しさが込み上げてきた場合がこれに当てはまります。

「喜びもひとしお」の使い方3つ目は、単純にすごい嬉しい場合です。達成感などの嬉しさや感動が大きい時に使う時も「喜びもひとしお」という言葉はぴったり当てはまります。

このような「喜びもひとしお」の使い方を踏まえ、「喜びもひとしお」は実際に使うとなると、どのような使い方があるのでしょうか。実際に例文を見ていきましょう。

例文①

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喜びもひとしおの例文1つ目、「無事成人式を迎えることができ、娘の晴れ姿が見られ、喜びもひとしおでした。本日はとても良い日です。」という使い方があります。

成人式を迎えることで、一段と喜びが高まっているという状態です。とても良い日であるというプラス表現を付けることで、さらに喜びの感情を表現することができます。

例文②

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喜びもひとしおの例文2つ目、「AさんとBさんの結婚式をこのような形で迎えることができて、喜びもひとしおです。お二人の幸せそうな姿を見ていると、自分のことのように嬉しいです。」という使い方もあります。

結婚式の挨拶やスピーチでも取り入れることができる言葉です。喜びもひとしおですという言葉に、自分のことのように嬉しいなどの喜びの言葉を付けることで、さらに喜びを表現した言葉にすることができます。

例文③

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喜びもひとしおの例文3つ目、「先日、子供を無事出産することができました。痛みに負けそうになりそうになることもありましたが、夫が常に横で応援してくれており、乗り越えることができました。

2人の力で家族が増えたと感じることができ、喜びもひとしおです。」という使い方もあります。こちらは出産等の慶事に使うことができる例文です。

例文④

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喜びもひとしおの例文4つ目、「本日、高校1年生のころから入りたいと考えていた、第一志望の大学に無事合格することができました。

たくさんの人に支えられて、合格を勝ち取ることができたことを考えると、喜びもひとしおという気持ちでいっぱいです。」という使い方もできます。お世話になった先生や家族、友達などに感謝の気持ちを伝える際に使うとより喜びの気持ちを表現することができます。

例文⑤

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喜びのひとしおの例文5つ目、「ご長寿のお祝に私も参加させていただくことができて、喜びもひとしおのことと存じます。」という使い方もできます。喜びの気持ちを上品に伝えることができるので、ビジネス相手や目上の上司などにも使うことができます。

一入と一塩の違い

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「喜びもひとしお」の「ひとしお」とは漢字では「一入」と書きます。ここで使われる「ひとしお」には、初めにお伝えしましたが、「現在の状況から、さらに高い状態になることを指し、さらに、一段と」という意味があります。

この一入と同じ読み方をする、「一塩」とい言葉も日本には存在しますが、こちらの「一塩」は、「少しの塩を料理にさっと使う」という料理の用言で使われており、一入の意味は全く異なります。

書いて使う際は、間違うことがないでしょう。言葉に出して使う際は、読み方が一緒なので注意が必要です。しかし、あからさまに、前後の文章が異なるため、すぐに気づきます。そのため、間違えることは少ないかもしれません。

喜びはひとしおの語源・歴史

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言葉の語源を知ることで、その言葉について、いつからあるのか、どのように変化してきたのか、由来は何かなどを知ることができます。語源を辿っていくと、過去の意味と現在の意味とで、全く異なった意味を持っている言葉に出会うこともあり、面白みもあります。

一入の言葉の語源は、はっきりしたものがあります。一入の語源は、大和言葉にあります。「ひとしお」の「しお」の語源は、染色用の甕(かめ)に布地を入れる回数を表した言葉です。

「一入」とは、1回染色用の甕に入れたという意味でひとしおの語源ですが、当時は、当て字として使われていました。ちなみに2回染色用の甕に入れることを「再入(ふたしお)」、数回染色用の甕に入れることを「八入(やしお)」「千入(ちしお)」などと表現したそうです。

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この「甕に一回入れることを意味する一入が現在使われる語源となり、変化を重ね現在使われる「さらに、一段と」という意味になりました。現在使われる「さらに、一段と」の語源となったのは、染色用の甕に入れる過程の様子です。

この染色用の甕に布地を一度入れると鮮やかな藍色になります。この色は甕に付けるたびに色が濃くなり、鮮やかになっていく様からそのような意味で使われるようになったそうです。これは平安時代から使われるようになり、「喜びもひとしお」の語源をなっています。

喜びもひとしおの英語表記

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「喜びもひとしお」を英語で表現する場合には、「especially」「still more」を使うことで英語表現することができます。「especially」とは、特に、特段などの意味を持つ言葉です。

「喜びもひとしお」という言葉は、日本独特な言葉の表現であるので、英語では、「特に、(まして)喜びを感じた」という形で表現することになります。この「especially」を使った、「喜びもひとしお」を意味する英語表現の例文をご紹介します。

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それでは、「喜びはひとしお」の英語表記をした例文をご紹介します。英語で「She felt especially happy of going to Japan for the first time in ten years」と表します。

日本語にすると「彼女は、10年ぶりに日本に行くことができて、喜びもひとしおでした。」と言う意味になります。「喜びもひとしお」の「喜び」部分には、「happy」や「fortunate」という幸せという意味の英語表現を使うことができます。

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さらに別の「喜びもひとしお」を表現する英語の例文も紹介します。英語で「I feel especially happy,because my mother came to my home」と表します。

日本語では、「お母さんが私の家に来てくれたので、喜びもひとしおです。」という意味になります。英語でも深い喜びの感情を表現することで、「喜びもひとしお」と同様の意味を英語で表現することができます。

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最後にもう1つ「喜びもひとしお」を表現した別の例文をご紹介します。英語で「I felt especially happy because I went to Tokyo for the first time in five years」と表します。

日本語では、「5年ぶりに東京へ行ったので、喜びもひとしおでした。」という意味になります。様々な場面で喜びの表現を使うことができるので、ぜひ使ってみてください。

喜びもひとしおの漢字

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ひとしおの漢字は前にお伝えした通り「一入」と書きます。しかし、「一入」と書いて、きちんと読める人は少数です。

「一」は「いち」と読むことが多く「入」は「いり」と読むことが多いため、意味を知らず「いちいり」などと読んでしまう人もいます。そのため、漢字で「一入」と書く場面はすっくなく、ひらがなで「ひとしお」と書くことが一般的です。

相手に手紙やメールを送る際、「喜びのひとしお」という表現を使う場合には、ひらがなで書くとよいでしょう。しかし、「喜びも一入」と書いて間違いではないので、慌てて訂正を伝える必要はありません。

喜びもひとしおとは、一段と喜ばしいという意味

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今回は、「喜びもひとしお」という言葉の意味や語源、使い方や例文をご紹介してきました。「喜びはひとしお」という言葉の意味を理解し、正しく使うためにも言葉の語源や類語、対義語を知ることは重要です。「喜びもひとしお」は、大きな喜びを表すのにぴったりの言葉です。

この自分の中で抑えきれない喜びの感情を、相手に伝えることで、他の人にも喜びの感情を分けることができるかもしれません。また、「ひとしお」という言葉は、大和言葉であり、風情がある言葉です。

喜びの感情に、上品で思いやりのある意味合いを含むことができ、お祝の場面や手紙、ビジネスシーンでも使うことができます。

略語など言葉の大切さが薄れてきている現代ですが、今回を機に、日本語の本来の美しさを感じてみてはいかがでしょうか。きれいな言葉を使うことで、気持ちも穏やかにすることができるかもしれません。

f.lite
ライター

f.lite

普段は介護業界働いており、高齢者の日常生活のお手伝いをさせていただいています。人と関わることが好きなので、毎日楽しく働かせていただいています。休みの日は、映画鑑賞をしたり、時間が取れれば旅行に行ったりしています。ライターのお仕事は、まだ不慣れな点も多いですが、自分の言葉でわかりやすく伝えられるように一生懸命頑張ります。

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