表裏一体の意味とは?
誰でも一度は聞いたことのある「表裏一体」という言葉はどういう意味かご存じでしょうか?まずは「表裏一体」の意味からチェックしていきます。
「表裏一体」は「ひょうりいったい」と読みます。意味は、簡単に言うと「コインの表と裏のように切り離せない関係」のことを指します。
詳しく説明すると、「ぱっと見まったく違う2つのものが実は2つで1つのもの」や「矛盾しているように見える2つのものが実は切り離せない密接な関係」のことを指します。
表裏一体の対義語・類語
「表裏一体」とは「コインの表と裏のように切り離せない関係」という意味ですが、「表裏一体」の対義語と類語にはどんな言葉があるのかチェックしていきます。
「表裏一体」の対義語には「二律背反」という言葉があり、類語には「相即不離」という言葉があります。この対義語「二律背反」と類語「相即不離」という言葉はどんな意味なのか詳しく解説していきます。
対義語「二律背反」の意味
「表裏一体」の対義語には「二律背反」という言葉があります。「二律背反」は「にりつはいはん」と読みます。対義語「二律背反」の意味は、「決して交わらない2つのものが並び立っている矛盾している様子」です。
わかりやすく説明すると、「明日は晴れです。この文章は嘘です。」のように正しいことと間違っていることがどちらも成り立つものなのに、どちらか1つのものしか存在できない状況のことを指します。
「表裏一体」は「切り離せない関係」なのに対し「二律背反」は「矛盾している様子」を指しているので「二律背反」は「表裏一体」の対義語となります。
類語「相即不離」の意味
「表裏一体」の類語には「相即不離」という言葉があります。「相即不離」は「そうそくふり」と読みます。類語「相即不離」の意味は、「2つのものがとても密接した関係で切り離すことができない様子」のことを指します。
わかりやすく説明すると、「私たちは双子でいつも一緒にいるので相即不離の関係となっています。」のように2つの関係がとても密接していて切り離すことができない様子のことです。
「表裏一体」も「相即不離」も「切り離せない関係」という意味なので「相即不離」は「表裏一体」の類語となります。
表裏一体の使い方・例文
ここまで「表裏一体」の意味と対義語・類語をチェックしてきましたが、次に「表裏一体」の使い方と例文を解説していきます。
「表裏一体」の意味は分かったけれど、いまいち使い方がわからないという方のために日常で正しく使えるよう「表裏一体」の使い方と例文をチェックしていきます。
「表裏一体」という言葉は「まったく違うように見える2つのものが実は2つで1つのもの」や「矛盾しているように見える2つのものが実は切り離せない密接な関係」という状況で使います。もっと詳しい使い方は例文でご紹介していきます。
例文①
自分の長所が思い当たらないと言っているけれど、短所と長所は「表裏一体」の関係なので考え方によってはあなたの短所は長所にもなりえる。
「表裏一体」は相反する2つの言葉が実は密接している関係という意味で使用することができます。この例文では、「長所と短所が密接している関係」だということを説明しています。
例文②
彼をとても愛しているけれど、憎い気持ちもある。この気持ちは「表裏一体」と言えるのかもしれない。「表裏一体」は矛盾しているように見える2つの言葉が実は切り離せない関係という意味で使用することができます。
この例文では、「愛している気持ちと憎い気持ちが矛盾している言葉だが切り離せない関係」ということを説明しています。
例文③
試合において攻めと守りは「表裏一体」の関係にあるといえる。得点を入れられないように攻めながら守り、守る必要がないくらい攻めて得点を稼ぐ。
「表裏一体」は逆の意味の言葉がコインの表と裏のように切り離せない関係という意味で使用することができます。この例文では、「攻めと守りは逆の意味の言葉だが切り離せない関係」という事を説明しています。
例文④
善と悪は考え方によって善にもなるし悪にもなる「表裏一体」の関係なので、わたしは物事の善悪を簡単に判断することはできない。
「表裏一体」は一見相反する2つの言葉が実は密接に関係しているという意味で使用することができます。この例文では、「善と悪は一見相反する言葉だが密接に関係している」という事を説明しています。
表裏一体と紙一重の違い
「表裏一体」と「紙一重」という言葉は一見似ているように感じますが、実は「紙一重」にはまったく異なる意味を成しています。では、「紙一重」とは一体どういう意味なのか?「表裏一体」とはどう違うのか?を解説していきます。
紙一重はほとんど差がないという意味
「紙一重」は「かみひとえ」と読みます。「紙一重」の言葉の意味は、紙1枚ほどの小さな差という意味でほとんど差がない事柄などに使用する言葉です。
「紙一重」は、ほとんど差がないという意味に対して「表裏一体」は、切り離せない関係という意味なので「紙一重」と「表裏一体」は似ているように見えてまったく違う意味の言葉になります。
表裏一体を使う際の注意点
「表裏一体」という言葉を使う際の注意点を解説していきます。「表裏一体」とは比較的よく見聞きする言葉で「ぱっと見まったく違う2つのものが実は2つで1つのもの」や「矛盾しているように見える2つのものが実は切り離せない密接な関係」という事柄に対して使用することができる言葉です。
例えば、例文でもご紹介したような「長所と短所」や「善と悪」などの言葉に「表裏一体」が当てはまります。
切り離すことができる関係のものでは使えない
「表裏一体」という言葉は、「切り離すことのできない密接な関係」という事柄に対して使用することができる言葉なので「切り離すことができる関係」の事柄に「表裏一体」という言葉を使用することができません。
「表裏一体」という言葉は「長所と短所」や「善と悪」のように相反する2つの言葉が実は密接している関係の意味で使用することができるのでまったく関係のない言葉同士や併存している言葉に対して使用することはできません。
表裏一体の語源・歴史
「表裏一体」の語源と歴史をチェックしていきます。「表裏一体」という言葉は四字熟語になります。四字熟語とは漢字を4つ組み合わせた熟語のことなので「表裏一体」もこの四字熟語に当てはまります。では、この四字熟語とはいつから広まっていったのか四字熟語の歴史も解説していきます。
語源
まず「表裏一体」の「表」の語源は会意文字で「衣」と「毛」からなっている漢字で、毛皮の衣をおもてにだして着るというところからきています。「裏」の語源も「表」と同じく会意文字で衣服の内側という意味からきています。
「表裏一体」の「一体」は「まとまっていて切り離せないもの」や「なぜ?という気持ちを強めて言う」場合に用いられます。「体」は仏像や彫像、仏様や神様そのものなどに用いられます。
歴史
「表裏一体」は、四字熟語です。四字熟語とは、漢字4つを組み合わせた熟語のことで「表裏一体」の他にもたくさんの四字熟語が存在します。
狭い意味での四字熟語という言葉は1985年以降に定着していきました。それ以前は書店などで故事熟語辞典やことわざ辞典はありましたが、四字熟語辞典という書籍は見当たらなかったそうです。
四字熟語のパズルがブームになると受験にも四字熟語が出題されるようになり、1990年以降著名人らが四字熟語を好んで用いていたこともあり一般的にも四字熟語の関心が高まっていきました。
表裏一体の英語表記
「表裏一体」を英語で表記すると「two sides of the same coin」となります。直訳すると「同じコインの表と裏」という意味になるので、日本語の「表裏一体」と同じ意味になります。
「two sides」が「表裏・両面」という意味を持ち、「same coin」が同じコインということを指しています。
表裏一体は切り離せない関係という意味
いかがでしたか?今回は「表裏一体」の意味を詳しく解説していきました。「表裏一体」の使い方の例文や語源、類語と対義語もチェックしていきましたが、「表裏一体」という言葉は簡単に言うと「コインの表と裏のように切り離せない関係」という意味です。
「表裏一体」の対義語は「二律背反(矛盾している様子)」で「表裏一体」の類語は「相即不離(切り離せない関係)」となります。
「表裏一体」と「紙一重」は一見似ているようでまったく違う言葉です。「紙一重」が「ほとんど差がない」という意味なのに対して「表裏一体」とは「長所と短所」のように切り離せない関係のことを指します。