嬉しく存じますの意味とは?
「嬉しく存じます」という言葉は、社会的にも頻繁に使われている丁寧な敬語表現です。特に、嬉しく存じますという表現は、ビジネスシーンにて交わされ、接待の場所で耳にする言葉です。
この、嬉しく存じますについての正しい使い方や意味合いなどは、普段あまり意識しないまま使用している方のほうが多いのではないでしょうか?そこで今回は、嬉しく存じますについての使い方や英語への言い換え、正しい意味や例文なども含めてご紹介します。
基本は喜びを表現した定型句
嬉しく存じますの使い方とは、自分が喜んでいる状態を表現する際に用いる言葉として浸透しています。読んで字のごとく、嬉しいという気持ちを相手に伝えることで、より親しいコミュニケーションができます。
よくスポーツなどで勝利をおさめた選手に、今の気持ちを聞くというシーンが考えられます。その際に当人が「大変嬉しく存じます」という使い方をします。また、ビジネスでは目上の人物へ嬉しい気持ちを表現したい時に、嬉しく存じますと言うことがあります。
喜びを単刀直入に伝えられる
嬉しく存じますという響きから受ける効果は、相手との良好な関係が保てていて確認できている安心感です。嬉しく存じますという言葉は、いきなり単独で使うことはなく、ほとんどが前置きとして他の事情も絡んできます。
例えば、困っている自分をフォローしてくれたから、嬉しく存じますと言えるわけです。嬉しく存じますは、自分の嬉しさを相手へストレートに伝えようとする役割を持っている言葉です。
嬉しく存じますはビジネスの場で使われる
嬉しく存じますという言葉は、ビジネスの場面にて相手を敬う丁寧な表現として用いる場合に登場します。嬉しく存じますは、読んでわかるように「嬉しい」という言葉を、より丁寧に表現した敬語です。ビジネスでは当たり前な使い方の一つに数えられています。
職場で誰かに助けてもらったときやほめられたとき、感謝とともに嬉しさを上手に伝えられると良好な関係を築けるでしょう。しかし、 どうしてもビジネスシーンでは、それができて当り前といった風潮が蔓延ってしまいがちです。
素直に成果を出したのであれば、その嬉しい気持ちを伝えることも大切です。またそれを受けた側も素直に褒めたたえたりともに喜ぶという行動を見直すべきです。
日常では場をわきまえて使う
嬉しく存じますは、自分の嬉しい気持ちを表現した言葉です。そのため、プライベートの中でも使えないわけではありません。しかし、どこでどう扱うかのシチュエーションをわきまえなくては、場違いな使い方になってしまいます。
例えば友達と会話をしている状況で、嬉しく存じますと発するのは不自然に聞こえます。嬉しく存じますという表現は、目上の人物と接する時など、丁寧な言葉を使うべき場面かどうかを、プライベートの中でも考えながら活用しましょう。
嬉しく存じますの由来
嬉しく存じますと初めて表現したルーツや由来は、特に明らかにされてはいません。自然と形式的な表現として人々へ浸透していったものと考えられます。
「嬉しい」という表現は、他に「喜ばしい」という言い方に替えることもできます。しかし「喜ばしく存じます」という表現は、誇張が大きいこともあってビジネスシーンでは登場しにくい敬語です。
そこで「大変嬉しく存じます」という表現が一般的になりました「存じます」は、敬意を持っている表現です。「思う」という表現をより丁寧に、相手を問わず使えます。
嬉しゅうございますのほうが古い表現
嬉しく存じますとも似ている言葉で「嬉しゅうございます」という言い方があります。「嬉しゅう」という送り仮名が独特な響きを持ています。語尾に「ございます」が付くことで丁寧な敬語になっています。この 「ございます」という部分は、「あります」の丁寧語です。
しかし、この表現は大和言葉の一つです。古めかしい日本語とされて、現在のビジネスではあまり使われていません。嬉しゅうございますではなく、嬉しく存じますという表現のほうを定番化させておくようにしましょう。
嬉しく存じますの特徴
嬉しく存じますという言葉は、少し独特な響きを持っている為、特徴的な印象があります。ビジネスシーンでは頻繁に使われている反面、日常会話の中ではさほど登場しません。
「嬉しく」は凡庸な表現ですが、「存じます」の独特な響きや特徴があってのことだと考えられます。では、嬉しく存じますという表現が持っている、主な特徴についてさらに探っていきましょう。
何かをしてもらったら使う言葉
嬉しく存じますという言葉は、自分が今感じている気持ちを率直に伝える表現の一つとして用いられます。自分がそうしてほしいという理想があり、相手がその通りなことを実現した場合、その対象者へお礼をするような表現です。
ただし、伝えている相手が誰なのかが重要な分かれ目になってきます。相手が先輩や同僚といった、改まって気を使うほど目上の相手でなければ使う必要がありません。
いかにも尊敬できる人物や、明らかに折り目正しく接しておくべき人物へ、礼儀正しく嬉しさを伝える際に、この言葉の使い方がふさわしいとされています。
嬉しく存じますはワンセットとして覚えておく
嬉しく存じますの「嬉しく」とは、「嬉しい」という形容詞です。よく「嬉しいです」という言葉に言い換えられてしまいがちです。これだと厳密には誤った日本語として使われています。
嬉しいですというのは、話し言葉としてよく耳にするので浸透しているだけで、文法上では間違った使い方をしています。言葉は歴史とともに変化をするものです。
嬉しく存じますはフォーマット化されている
現在では、嬉しいですという言葉も一般的な敬語表現の一つとして通用します。親しい間柄の人物と交わすのであれば問題ありません。しかし、正規なビジネスシーンではふさわしくない表現です。
挨拶状、メール、立場の高い上司へ伝えるには、やはり、嬉しく存じますというかしこまった表現こそフォーマット化されています。
存じるがつくことで謙譲語になる
ビジネスシーンでは、自分の嬉しさを伝える時でも、へりくだって相手の立場を考慮する表現を使うのがルールです。嬉しく存じますの「存じます」という表現こそ、自分の感情を謙譲語で言い表している使い方です。
存じるとは「思う」という言葉の謙譲語です。存じますは無難な謙譲語としてよく使われています。 嬉しいだけではなく、他の感情を表現するときにも使える敬語です。
嬉しく思いますの言い換えた表現
嬉しく存じますとは、「嬉しく思います」を言い換えた言葉です。 「嬉しいです」という一般に浸透した表現の代わりに、「思います」を使ったほうが、いくらか柔らかい印象に言い換えることができます。
しかし「思います」は「思う」の丁寧語で、本来は違ったニュアンスです。 そこで、嬉しく存じますという謙譲表現のほうがしっくりくるということで自然と落ち着いています。ビジネスシーンにて目上の人物に対して問題なく使える表現です。
存じるは思うの謙譲語
「存じます」とは、「存じる」に「ます」が付いて成立します。存じるとは「思う」の謙譲語で、ますという丁寧語が後に続くことになっています。
嬉しく存じますの意味には、快く楽しく思う場合の他に、何かをしてくれたらありがたいという依頼の意味も含まれています。 時折、「大変」という言葉もプラスされ、「大変嬉しく存じます」という強調表現としても活用されています。
嬉しく存じますの類語
嬉しく存じますは、自分が喜ばしいと感じている状態を、目上や顧客などリスペクトすべき人に対して使う丁寧語として意味を成しています。この敬語と似ている表現はまだいくつかありそうです。
では、嬉しく存じますと近似している類語には、どのようなものがあるのでしょうか?ここでは、嬉しく存じますの意味に、関係性が近い類語についてご紹介します。
類語①感謝いたします
嬉しく存じますの類語で代表的なのが「感謝いたします」という言葉です。嬉しいと感じたのであれば、それに対する感謝もしているという意味も含まれています。そのため、この言い換え方には感謝という言葉が通用します。
現代社会では助け合いとは何かが問われています。そして、感謝の本質とは、何かを具体的にすることが重要です。誰かに感謝の気持ちを伝える以上は、その後どのような計らいをするのかを、相手にもわかりやすくするべきです。
類語②恐れ入ります
嬉しく存じますに似た類語として、「恐れ入ります」という言い換え方もあります。この言葉も、目上の人物に対する感謝の気持ちを表す言い回している敬語の一つとして頻繁に用いられています。
相手の言動などに対して、何か申し訳ないという気持ちや恐縮している気持ちを表現している言葉です。この言葉に関連したもう一つの類語に「痛み入ります」という言い方をしても、同じような意味合いの表現で取り扱うことができます。
類語③ありがたく存じます
嬉しく存じますとも響きが似た言い換えになっている類語に、「ありがたく存じます」があります。この言葉は、ありがとうという気持ちや意味を丁寧な敬語表現にしているのが特徴的です。
ここにも、存じますが入っていることで謙譲語が機能しています。自分への好意を感じてくれた相手に対し、そのありがたみと敬意を示したい時に活用することができます。
類語④とんでもございません
異色なイメージがある「とんでもございません」ですが、この言葉も、嬉しく存じますの類語の一つと言ってもよいでしょう。
やや誤解を招きやすい表現ですが、実は、とんでもございませんという言葉も、れっきとした敬語表現として公認されています。2007年、文科省直属「文化審議会」にて指針を発表し、日本語として間違いではないと定められました。
意味としては恐縮しますや恐れ入りますとも類語になり、自分をへりくだって相手の立場を尊重している言い換え方です。謙譲表現としてビジネスシーンでは昔から使われています。公文書やドキュメントでは使いにくい表現ですが、ビジネス上での話し言葉では成立していることがあります。
類語⑤お褒めいただき
嬉しく存じますの類語として「お褒めいただき」という言葉へも言い換えができます。この言葉は目上の人に対し、特にビジネスなどの場面で使うことが目立っています。
言い換えの表現としてはシンプルながら、かなり丁寧な敬語になっているので、定型文として覚えておき活用するといいでしょう。使い方の例文としては、「お褒めいただき、ありがとうございます。」などがあります
類語⑥嬉しい限りです
もし取引先などで、クライアントから感謝の言葉をかけてもらった場合、そのお返しとして、「お役に立てて嬉しい限りです」というフレーズを使ってみるのもいいでしょう。
ほぼ、嬉しく存じますと同等な類語という印象です。この表現も定型句として多くのシーンで使用されています。上手な言い換え方の一つなので、相手への信頼にもつながります。嬉しく存じますとセットで覚えておくといいでしょう。
類語⑦幸いに存じます
嬉しく存じますの類語として、「幸いに存じます」という敬語があります。嬉しいという表現は、相手へ行動を促したい場合にも活用できます。
普通は相手になにかしてほしいのなら「~してください」と言いますが、相手が目上の人物だとしたら命令口調になってしまい不快感を与えてしまいかねません。
そこで「幸い」という言葉を用いることで、そうしてもらうことが嬉しいことと同時に、一歩引いた控えめな態度を伝えることができます。例文として「次回までに製品を準備いただければ、幸いに存じます」という使い方をします。
類語⑧光栄に存じます
嬉しく存じますの意味と似た言葉に「光栄に存じます」という敬語があります。クライアントなどから褒められたり、上司から業績を認められた時に、返答する言葉として、光栄に存じますとを用いることがあります。
自分の働きを誇りに思っている気持ちも込められています。使い方の例文としては「御社と取引をさせていただけることを光栄に存じます。」などがあります。
「光栄」という言葉そのものは尊敬表現が含まれないため、「ございます」か「存じます」という丁寧語を付けて表現します。
類語⑨幸甚に存じます
嬉しく存じますをもっとかしこまって言い換えた表現が、「幸甚に存じます」です。幸甚は「こうじん」という読み方をします。
「甚」は「大変、非常に」という意味で、嬉しいという心の状態を最大限丁寧に表現している敬語の一つです。幸甚に存じますは、よく挨拶状や礼状を書く時に使用されているフレーズです。
使い方の例文としては、「このプロジェクトに参加できて、弊社にとって誠に幸甚に存じます。」などがあります。自分に近し関係の人に使う表現ではなく、役員クラスなどの上司やクライアントに使うのが適当な言葉です。
類語⑩痛み入ります
嬉しく存じますの言い換えとして、「痛み入ります」という敬語があります。「痛む」という言葉が含まれていることで、ネガティブな意味合いだろうと誤解を招きやすい表現の一つです。
実は、痛み入りますは、相手の心遣いについて、自分の心が痛んでしまうほど恐縮している状態にいるのだということを伝える表現です。自分をかなり低く見立てている古風な敬語です。そのため、目上の人物を上手くたてる使い方として成立しています。
例文としては、「この度は突然のお願いをご快諾いただいて、誠に痛み入ります。」などがあります。
類語⑪喜ばしい限りです
嬉しく存じますの言い換えとして「喜ばしい限りです」という表現方法も活用できます。これは「嬉しい限りです」という表現とも類似していて、ほとんど同じ意味合いとして考えていいでしょう。
嬉しい限りですと言うよりも、少し堅い感じの印象を与えます。 また、「喜ばしい限りでございます」と「~ございます」を付けることによって、より丁寧な響きになります。例文としては、「多くの方々に足をお運びいただいて、嬉しい限りでございます。」があります。
嬉しく存じますの英語表現
嬉しく存じますという表現に限っていることではありませんが、日本語の敬語という概念が、英語の世界の中ではとても希薄です。そのため、嬉しく存じますを英語にした際の最適表現というのは一概に言い切れません。
嬉しいという気持ちや感情そのものに、日本や英語圏での差などありません。たとえ敬語や謙譲語という概念が薄くても、嬉しいという気持ちを相手に伝えて感謝を述べる時の英語もたくさん存在します。その中から、嬉しく存じますに近い英語表現をご紹介します。
英語①I'm glad to
嬉しく存じますに一番近い意味で、しかも一般的に浸透している英語表現は、「I’m glad to~」です。意味は「~でうれしい」「~でよかった」です。英語の授業の初期の頃にも登場した熟語なので、親しみがあるフレーズではないでしょうか?
toがつくことによって、「I’m glad to here that.(それを聞いて嬉しいです)」や「I’m glad to see you.(会えて嬉しいです)」といった例文のような、不定詞表現として通常使われています。
英語②I'm happy
自分が嬉しいという状態を相手に伝える英語表現として、「I'm happy ~」という熟語もあります。happyという英単語は最も知れ渡っている言葉ですので、一般的な表現になると考えてよいでしょう。そのためカジュアルなシーンでの、ごく普通の会話の中で使われている表現でもあります。
例文としては、「I'm very happy to make your acquaintance.(お近づきになれて大変うれしく存じます)」が、もっとも嬉しく存じますに近い表現となります。
英語③I'm pleased
本来「pleased」という英語は、「喜んで」という日本語をやや堅苦しくした英語表現です。自分が満たされたということを明確に相手へ表現する際に、この言葉を使います。
そのため、ビジネスシーンやオフィシャルな場に適していてよく使われています。例文としては、「I am very pleased to hear the news.(その知らせをお聞きして大変喜ばしく存じます)」などの使い方があります。
英語④Thanks for saying that
嬉しく存じますに近似している英語表現としては、「Thanks for saying that.」があります。日本語に直訳した場合は、「それを言ってくれてありがとう」という意味になります。
相手へ感謝の意を述べている表現の一つなので、一般的な日常のシーンでも、ビジネスシーンでも頻繁に使われている英語表現です。そのままこのフレーズを覚えて活用するといいでしょう。
英語⑤It is such an honor
嬉しく存じますの英語表現に「It's such an honor to hear that.」があります。日本語に直訳すると、「そんなことを耳にできるなんて光栄です。」となり、転じて「そう言ってもらえるとは光栄です。」という意味合いで広く用いられています。
どちらかと言えば英語の中でも堅いイメージで、高揚感のある嬉しい感情を丁寧語にして表現したニュアンスと言えそうです。とくにコンテストなど公の場でスピーチをする場合、聴衆の面前で感謝の辞を伝えるフレーズとして定番とされています。
英語⑥I'm excited about it
嬉しく存じますに近い英語表現として、「I'm excited about it.」もあげておいてもよいでしょう。これは自分の心が、嬉しさで踊りだしそうな、とてもワクワクして興奮している状態を表現している英語です。
とてもカジュアルな表現でもあるので、かしこまった敬語という印象ではありませんが、嬉しい気持ちを相手に伝える良い意味の言葉なので、いろいろな場面で使われています。
嬉しく存じますの使い方
嬉しく存じますという言葉は、さほど意味を理解するのに困難な表現ではありません。ただし、取り扱うシーンが限定されているという特徴があります。
とくにビジネスシーンや冠婚葬祭といった社交辞令を発言する場所にて、自分よりも立場が上の人に対して使うようなことが多いので、正しい使い方を確認しておく必要があります。ここでは、嬉しく存じますの使い方について、例文を踏まえながらご紹介します。
例文①
嬉しく存じますは、よくビジネスの現場で使われるとは言いましたが、日常の中でも、ちょっと特別な計らいをする際にも登場する言葉です。
例えば冠婚葬祭を含めた時、贈り物をした際には、「ささやかですが、贈り物をさせていただきました。もし使っていただければ嬉しく存じます。」といった例文のような、気持ちを込めて何かを贈答する際に付け加える言葉として取り扱うことがあります。
例文②
お祝い事の賛辞として、嬉しく存じますという表現は頻繁に登場する機会があります。とくに結婚式のスピーチなどを頼まれた際、どこかに定型句として入れて話す場合があります。
この例文の「お喜びもさぞかしと、我がことのように嬉しく存じます。」といった使い方をします。やはりお祝いの場所がとても似合うフレーズです。
例文③
嬉しく存じますをビジネスで使う際は、未来への投資ができる喜びを表現するタイミングの時です。これから新しい企画やプロジェクトに挑戦すると決まって、自分もそのメンバーの中に参加することになったとすると、かなりわかりやすいでしょう。
例文としては「この度、新企画に参加できることを光栄に思います。自分の力がお役に立てられれば嬉しく存じます。」といった使い方をします。そこに参加できる自分の活躍が楽しみだというメッセージにもなります。
例文④
未来への投資に対する嬉しい気持ちを表現する使い方とは逆に、過去に起こったことへの感謝の気持ちを表す際にも、嬉しく存じますという言葉に言い換えて伝えることがあります。相手が自分のために何かをしてもらったことへのお礼の言葉で成立します。
例文としては「お心遣いいただき、とても嬉しく存じます。」といった使い方です。親切な対応などをしてもらった経験があり、そのことに感謝の気持ちを丁寧な敬語表現として伝えている例文です。
嬉しく存じますの注意点
嬉しく存じますという表現は謙譲語です。そのため、多くの社交辞令の場所で活用されています。使い方や言い換え方などを正しくマスターしておかなければ、間違いやミスをしてしまいかねません。ここでは、嬉しく存じますを取り扱う際の注意点について、確認の意味を込めてご紹介します。
嬉しいですは文法上では不適切
嬉しく存じますと混同しがちな表現が、「嬉しいです」という使い方です。この言い回し方は、とくにビジネスシーンで使用することがないよう心がけておきましょう。
語尾に「です」が付いているから丁寧な印象を与えているかもしれませんが、稚拙で幼い人物だと思われてしまいます。なぜなら、嬉しいですという表現そのものが文法でが誤りだからです。
「嬉しい」は形容詞なので、ですを付けて表現はできません。必ず、嬉しく存じますや、他の正しい類語で対応するようにしましょう。
フォーマルな場所で使うこと
基本的なことにはなりますが、嬉しく存じますという表現は、なるべくフォーマルなシーンで使い分けるよう心がけておきましょう。比較的に自分と立場が同じ、あるいはやや上くらいの先輩上司との会話上で使うと、かえってかしこまり過ぎてしまいます。
クライアントやリスペクトできる上長クラス、普段から目を掛けてくれているお得先など、謙譲語としてふさわしいシーンや人物に対して交わす言葉として、いつも自覚しておく必要があります。
手紙を書く際は細心な注意を払うこと
嬉しく存じますを取り扱う際に、最も注意すべきなのは手紙を書く場合です。手紙やはがきを書くというシーンは、何かしら改めて相手に報告をしなくてはならない理由があります。
そのため丁寧な敬語表現で書くことになり、言い回し方や言い換え方もある程度に定型化されていることが多いからです。それに初歩的なミスも起こしやすいというデメリットもあります。送り仮名のミスや誤字脱字がないよう、清書する前に十分な下書きをして文脈を練っておきましょう。
社交辞令だけで終わらせない
嬉しく存じますという、相手に対しての感謝や嬉しさを表現すること自体はとても大切なことです。しかし言葉をいくら丁寧に並べ立てても、それに伴った行動がなければ、かえって疑われてしまいます。
嬉しいや感謝とはという言葉は、あくまでも心の状態を伝えているだけなので、本質は行動や態度で示さなければ意味がありません。
このような丁寧な言葉ほど社交辞令のままで終わってしまいがちです。必ず言葉に見合った具体的な行動を心がけることが大切です。
嬉しく存じますは嬉しく思うという意味
嬉しく存じますは、嬉しく思うという言葉の丁寧語です。普段何気に嬉しいと思えることが起きたら、その相手に対して感謝の辞を述べるものです。
その際の相手が誰で、どのような立場に置かれた人物であるのかによって、「嬉しく思います」と発言するのか、それとも嬉しく存じますと言い換えておくのかの区別が大切です。
ビジネスの現場ではわりと頻繁に交わされます。嬉しく存じますというフレーズは思った以上に登場しますので、なるべくなら一つの形式的な表現として活用していく習慣を持っておくほうがよいでしょう。