早速のご返信の意味とは?
早速のご返信は二つの言葉から成り立っている言葉です。早速のご返信には「素早い返事」という意味になります。「早速」が「何かに応じてすぐ」「行動や対応がきわめてはやい」「ことに対してすぐ」という意味をもった言葉になっています。
くわえて、「返信」の意味は「返事をしたためた手紙やメール」、もしくは「返書」、「電報などへの返答」「手旗信号による返事」という意味をもった言葉です。これらの言葉を組み合わせて、「早速のご返信」という言葉を形成しています。
この記事では早速のご返信がどのような使い方が最適なのか、ビジネスのシーンにおいて、メールや手紙で早速のご返信をどういった使い方が正解といえるのか、さらには英語表記や敬語、例文によるビジネスシーンにそった使い方などもご紹介します。
早速のご返信の由来
早速のご返信という言葉が使われるようになったのはいつからなのでしょうか?いろいろと文献を調べましたが、明確な時期や由来の記述はみつかりませんでした。
早速が「若い」「はやい」「すぐ」など同じ意味を二重にして形成されてい熟語である点や、返信が電報や通信、電信や手紙、現代ではメールなどへの返事を意味する熟語である点が由来の一部として考えられます。
早速のご返信の特徴
早速のご返信ということばの特徴として、この言葉自体がすでに敬語として用いられることができるため、敬語としてあらゆるシーンに用いることができる、という特徴があります。どのような条件下でも使えますので、状況を選びません。
取引先とのメールのやりとりはもちろん、上司へのやりとりにも「早速のご返信」が敬語になっているのでそのまま使えるため、基本適なビジネス用語として覚えておくことはセオリー的な意味合いを持っています。
どのような状況であっても反射的に「早速のご返信ありがとうございます」のように返答ができることが、ビジネスマナーのような特徴をもった言葉であることが伺えます。
早速のご返信は手紙やメールで使う言葉
しかしながら、なんでもかんでも「早速のご返信ありがとうございます。」と返答を返せばよいわけではありません。メールや電話など、即座に応答を得られた時のなかでも、電信に関係する行動に限っての言葉であることを覚えておきましょう。
例えば、会話で即応を頂いた時に「早速のご返信」というのは無理があります。そうした場合は早速のご返信ではなく、「早速のご返答」として「信」を避けるのが無難です。早速のご返信が使える媒体としてはほかに「電報」や「手旗信号」なども冗談のようですが可能です。
早速のご返信が「信号」に対して掛けてある言葉なので、合図や信号にも「早速のご返信」として活用する事ができるのです。
「早速のご返信」は失礼?
目上の人や上長に対して、「早速のご返信」という返答は失礼なのでしょうか?答えは「NO」です。「早速のご返信」の特徴として、目上の人に対してもそのまま使う事ができるという点が挙げられます。
ですから、「早速のご返信」は、取引先や上長も含めた、人間関係上で敬うべき相手に対して、そのまま敬語として使える特徴をもっているので、「早速のご返信」と書き出しても失礼にはあたりません。
早速のご返信の言い換え
早速のご返信、とばかり序文に使っていてもしょうがありませんから、どうせならいろいろと早速のご返信を言い換えることでバリエーションを持たせるのも良いでしょう。テンプレ適に毎回「早速のご返信~」とやっていたのでは少々食傷気味になりかねません。
そこで、早速のご返信をほかの言葉に言い換えるいくつかの類似ワードをピックアップしていますのでご紹介します。全ての言葉が同じように使えるわけではなく、似たような意味に捉えられがちで間違って使ってしまうととんでもない恥をかく危険性をもった言葉もあります。
早速のご返信と同じ要領で使ってしまう前に、それぞれの類語が早速のご返信とどのような違いがあるのかについてや、それぞれの使い方、意味、例文、敬語表記そして英語表記に至るまでじっくりとご紹介します。
早々
こちらは「早速のご返信」の「早速」の類語として「早々」という言葉です。こちらも早速のご返信と同じように、同じ漢字や意味をもった文字を重ねることで、より意味を強調している言葉となっています。そのため、言い換え語として早速のご返信と同様に使えます。
この場合は「早々のご返信」という敬語で問題ありません。敬語表記として「ご返信」がそれにあたるため、メールでの記載においても問題なく使用できます。また、早々の例文としては「新年早々」や「早々に帰宅する」という使い方もできます。
早速のご返信と同様に、相手の手早い反応や対応について認め、感謝を述べる時の序文として使うことが出来る言葉です。英語では「as soon as」と表記できます。
迅速
「早速のご返信」の「早速」に掛かる類語で「迅速」です。意味としては「極めて速い」「風のように速い」のような意味をもった言葉です。こちらも早速のご返信と同じように、「迅速なご返信」としてメールなどに用いることができます。
敬語表記に関しても、他と同様に「ご返信」で表記されているので、早速のご返信や迅速なご返信の語句に他の装飾を入れる必要はありません。留意点として、早速のご返信は接続詞が「の」であるのに対して、迅速なご返信は「な」という違いがあります。
「の」とすると不自然になりますので「な」としてメールなどの言い換えに使うようにしましょう。早速のご返信と同じ意味合いで使う事の出来る序文なので、覚えておきましょう。英語では「fast」と訳せます。
早急
早速のご返信の「早速」の類語として「早急(さっきゅう・そうきゅう)」という言葉です。意味は「とにかく早く」「急いではやく」「他はさておきまずすべき内容として手早く」のような意味をもった言葉です。
この言葉は早速のご返信と同じように使うことは出来ません。早急は相手の行動を認めるという意味ではなく、命令や指示に分類される言葉だからです。使い方として「早急に対処してください」「早急な改善が必要です」「早急にお支払いください」といった文面が中心となります。
この言葉も、敬語は「早急」には掛かりません。そのあとに続く行動に対して敬語は付けられます。ビジネスでは「早急に書類を用意しておいて!」の例文のように、比較的頻繁に聞いたり目にすることの多い言葉と言えます。英語では「Urgently」と訳します。
返答
早速のご返信のなかで、返信に類する言葉の「返答」です。意味としては「応えの言葉」「返しの言葉」「こたえ」などの意味をもちます。敬語では返答に「ご」をつけて「ご返答」として表記します。英語表現ではなじみ深い「Reply」が一般的です。
早速のご返信のようなビジネスライクな使い方として「早速のご返答」としてメールなどでも言い換えて使うことができます。また他には「ご返答お待ちしております」「ご返答次第でどのようにでも対応させていただきます」のようなビジネス用語としても用いられます。
応答
早速のご返信の中でも返信の言い換えとして「応答」が挙げられます。応答の意味としては「質問等に対する応え」「会話による確認」「通信による確認」など、確認的な要素を多分に含んだ言葉としてもちられる事の多い言葉です。
英語表現では「response」となり、「Re」と略される言葉の一つとして知られています。敬語での表現としては、「ご応答」とは表記しません。応答そのものが対なる人間関係の会話そのものをあらわす言葉なので、「応答願います」などとして動詞を別に用意して敬語にします。
そのため、早速のご返信と同じような使い方が出来ない言葉です。例文として、「迅速な応答のほど、何卒宜しくお願い致します」のように、ビジネスシーンの中でもすこし固い言い方での使い方となります。
早速のご返信の英語表記
早速のご返信を英語で表記した場合はいくつかの書き換え方があります。例えば「prompt reply」や「quick response」「quick reply」「rapid response」「swift reply」などの英訳があげられます。どの英訳も基本的に「返事が速い」という意味で使われています。
それでは、じっさいにこれらの英訳をつかった場合の例文をいくつかご紹介します。意味合いとしてはどれも本質は同じなので、さほど難しい構文にはなりません。
英語表記による例文①
ビジネスシーンの定番英語としては「Thank you for your prompt reply.(早速のご返信ありがとうございます)」というのが日本的な序文にもっとも近い意味に使えます。同じように、「Thank you for your rapid response.(早速のご返信ありがとうございます)」としても使えます。
英語表記による例文②
「With your rapid response, our company's fate has been sealed.(早速のご返信のおり、わが社の命運は開かれました。)」返信の速さに救われた、という例文です。「I appreciate your quick response.(早速ご返信痛み入ります。)」というようにねぎらう言葉としても使います。
早速のご返信の使い方
早速のご返信を実際に例文を用いた使い方について、いくつかのビジネスシーンを例に挙げてご紹介します。基本的にメールや電信などに使われる言葉で、しかも日本独特の感性からうまれた言葉なので、現代日本のビジネスマナーとしての様相が強いことが特徴と言えます。
そうした環境の中で、ビジネスマナー的な要素としての早速のご返信や、早速のご返信の後に続ける言葉の例文、早速のご返信を言い換えた場合の例文などもご紹介しますので、実際のビジネスシーンにご活用ください。
例文①
「早速のご返信、誠にありがとうございます。つきましては…」ごく基本的な早速のご返信の使い方の一つとして紹介していましたが、こちらが基本形となります。返信を頂いたことに関してのお礼と、対応の速さに対しての礼が込められている例文となります。
早速のご返信のあとに、すぐさま礼を入れるというのはメールや電信(スラック、ディスコードなどのビジネス用連絡ツール)においては基本的な挨拶として用いられる傾向にあります。すんなりと書き出せるようにしたいものです。
例文②
「早速のご返信、痛み入ります。この度は...」なにか問題が発生し、それに関する情報を問うた場面や質問した場面での返信例と言えます。トラブルや問題が発生したためその確認の連絡を送ったところ、どうやら中々の問題が発生していた、というような場面に使います。
「自分たちも大変な時なのに、状況をしっかりと整理して分析し、影響をおよぼすであろう周りのビジネスパートナーにも配慮しつつ早速のご返信を頂けるとは本当に痛み入ります」というような意味で使用すればより効果的な文章として使用することが出来るでしょう。
例文③
「早速のご返信、恐れ入ります。正直に申し上げますと…」上司に質問をし、それに対して早速のご返信を頂いたことから自分の状況や悩み相談を打ち明ける、といった流れの例文です。早速のご返信は上長との連絡にも使われる言葉です。
なにか問題が発生し、その指示を仰いだ時であったり、相談事を持ち掛けた時であったりとさまざまなビジネスシーンで活用する場面が現れます。概して直上ではなく役員などかなりの上役との相談などでより効果を発揮する使い方と言えます。
例文④
「早速のご返信をいただきまして、誠にありがとうございます」「早々のご返答いただきまして、感謝の念にたえません」「迅速なご対応、ありがとうございます」のようにさまざまな言い換えからの序文を作ることが出来ます。
状況に合わせて早速のご返信以外の言葉で表現する方法はいくつかありますが、原則として「連絡を早い段階で頂けたことに対しての感謝」と「連絡を頂けたことに対しての感謝」が込められていることがキーポイントです。
早速のご返信の注意点
お互いに忙しい時間の合間をぬって、より正確、正しく情報を伝えるために連絡を行っているわけですから、「早速のご返信」のようなねぎらいの言葉や緩衝の言葉は入れることが、ビジネスマナーとして定着しつつあります。
むしろ、相手からの返信が「遅くなってしまい~」のような場合に「早速のご返信」などと打ってしまわないように注意しましょう。そういった状況の場合に正しい返信としては「お忙しい中ご返信いただき~」のように返答するのが正解です。
早速のご返信はメールの返事が早いという意味
相手からの返答がその日のうちに返ってくるような迅速な場合には「早速のご返信ありがとうございます」とすぐさま返信できるようにしておくことはもはや基本スキルです。連絡を円滑にするさまざまな風習や慣習はさっさと慣れてしまい、本質的なビジネスに意識を向けられるようにしましょう。
そうすることであなたのビジネスそのものの質も高まりますし、相手方や上長からの覚えも良くなります。ビジネスマナーは「慣れ」です。いろいろなマナーは社風によって違いはあるでしょうが、基本が「先方への感謝」が根幹にあることを忘れないようにしましょう。