経済的自由とは
「経済的自由」とは「働かなくても生活できる」ことです。いわゆる不労収入で生活費がまかなえる状態です。多くのサラリーマンは時間を切り売りして日々の生活の糧となるサラリー(給与)を得て生活しています。そこには物理的・精神的な代償が必ず伴います。
「経済的自由」が獲得できれば基本的にストレスフリーになります。時間を自分で自由に使うことができ、我慢して他人と付き合う必要もありません。好きなことができるのです。
ただ、気をつけないといけないのは、「経済的自由」イコール「幸福」ではないことです。無制限の自由は苦痛だとする考え方もあります。人はある程度の制約がないと落ち着かない面が否定できません。働くことを生きがいとする考え方を完全に否定することは難しいのです。
そうはいっても、働かなくても生活できる「経済的自由」は魅力的です。このような留意事項を抑えた上で、「経済的自由」とは具体的にどのようなことなのか見ていきましょう。
①働かなくても生活できる
「経済的自由」のある人は不労収入が生活費より多い人です。幾らたくさん稼いでる人でも働くことの対価としての収入で生活費をまかなっている人は「経済的自由」があるとはいいません。また不労収入が幾ら多くても生活費の方がそれより多い人も「経済的自由」があるとはいえません。
逆に年金生活者のようにそれほど多い不労収入がなくても、切り詰めた生活で生活費が年金収入内で納まっている人は「経済的自由」がある人です。「経済的自由」があるかどうかは働かないで得られる収入と生活費の大小関係で決まります。
少しややこしいですが、働いていても「経済的自由」を謳歌(おうか)している人はいます。働くことが苦痛でなく、例えその仕事がなくなっても生活に困らないだけの不労収入や貯蓄がある人です。その人にとって働くことは収入を得るための手段ではないのです。
②お金に制限されず好きな事ができる
「経済的自由」のある人は「お金」によって自分の行動が制限されることがありません。「お金」を稼ぐために何かを犠牲にする必要がないのです。一般のサラリーマンはそうではありません。生活費をまかなう収入を得るために時間を犠牲にし、自分の好きなことを我慢しています。
好きなことの中には「仕事をすること」も含めて構いません。つまり、生活費を稼ぐためではなく、自分の好きなこととして「仕事」をしている人も「経済的自由」を得ている人です。趣味の一環として「仕事」をしている、といういい方もできます。
経済的自由・3つの手法
「経済的自由」のある人は基本的に自分自身は生活のために働かないのですから、生活費をまかなうためには、膨大な貯蓄などの資産を持っているか、自分の代わりに何かに稼いでもらう必要があります。
誰かに養ってもらっているようなケースも、自分の代わりに何か(誰か)に稼いでもらうことにあてはまります。では、自分以外の何に稼いで貰うのかを三つのケースで見てみましょう。
①資産運用・お金が働く
一つ目は「資産運用」です。つまり「お金」自身に稼いでもらうのです。具体的な資産運用としては、株式投資と不動産投資があります。株式投資で利益を得る方法には、株売買の差益をねらう場合と配当金をもらう場合があります。ここでは商品先物取引なども株式投資の一種と考えます。
不動産投資の最も一般的な形は家賃収入です。アパートやマンションに投資して、毎月一定の家賃を入れてもらうのです。一定の手数料が必要ですが、建築・運営会社と提携すれば、ほとんど何もしないで収入が得られます。
②ビジネス・他人が働く
二つ目はかなり難易度が高めですが、ビジネスのオーナーになるやり方です。経営そのものも雇われ社長に任せてしまえば、ほとんど何もしないで一定のビジネス収入をポケットに収めることができます。このやり方が難しいのは、ビジネスをスタートさせて軌道に乗せることが並大抵ではできないからです。
また会社が個人商店から脱皮し、株式が一般に公開されれば、いくらオーナーといえども会社の利益を私物化することが難しくなります。その場合、オーナーは株主として最初のケースの形で不労収入を得ることになります。
ビジネスのオーナーとして比較的容易に不労収入を得るやり方として、フランチャイズオーナーになる道があります。店舗の立ち上げや運営が容易になりますが、初期費用やロイヤリティ支出が負担になる場合がありますので、注意が必要です。
③印税や年金・権利で稼ぐ
最後の方法は権利に稼いでもらう方法です。公的年金をもらうことも権利の一つです。権利で稼ぐ方法には、公的年金以外に著作権や特許権の印税やロイヤリティがありますが、一般の人にはチョット縁がありません。それなりの就業実績があれば、夫婦二人の年金を併せて何とか普通の生活をおくれないことはありませんが、あまり贅沢はできません。
年金制度は非常に複雑ですが、老後に一定の年金をもらうことは非常に重要な権利です。不勉強のため必要な手続きを怠ることは、この権利を放棄することに等しいのです。長年働いて獲得した権利です。しっかりと権利に働いてもらいましょう。
経済的自由・不動産投資がおすすめ
「経済的自由」を獲得する幾つかの方法を見てきました。公的年金以外はどれもそれなりにハードルが高い面があります。働かないで生活しようとするのですから、当たり前といえば当たり前です。しかしながら、難しい中でも一般の人が手を出しやすく、比較的実現性が高いのが不動産投資といえます。
①スキル・ノウハウがいらない
不動産投資による「経済的自由」は基本的に家賃収入での実現を目指します。そのために必要なのはアパートやマンションなどの不動産所有です。そしてその物件を所有するための資金です。手元に貯蓄などの資金がない場合は金融機関からの融資を仰ぎます。
もちろん、どの物件に投資するかを判断するための一定の目利き力は必要になりますが、不動産投資を取り扱う業者と連携すれば、管理・運営面のノウハウやスキルがなくても毎月一定の家賃収入を獲得するのはさほど難しいことではありません。
②手間が掛からない
株式投資もビジネスのオーナーも、軌道に乗せ安定した収入を得られるようになるまでには結構大変な手間とスキルが必要です。そして、何よりこれらは必ずしも安定収入が得られる保証がありません。
その点不動産投資はやり方を間違えなければ、さほど手間をかけずに安定収入を得ることが可能です。不動産の大家さんになれば、賃借人とのトラブル対応や補修・メンテナンスなど大変そうに思われがちですが、管理会社に運営を任せれば、面倒な対応は避けられます。
③安定した収入が得られる
物件の選択さえ間違えなければ、不動産投資による家賃収入は非常に安定した収入源になります。入居者が途切れない限りは安定収入が保証されるのです。家賃の金額も契約によって一定の期間の定額化は可能です。ただし、不動産投資を売り込む詐欺まがいの悪質な業者も存在しますので、その辺りの目利きと慎重な判断は必須です。
経済的自由・サラリーマンもできる貯蓄方法
ここからは一般のサラリーマンの目線で、「経済的自由」をどのようにして獲得すればよいのか見ていきましょう。実際若くしてサラリーマンという束縛から脱却して、「経済的自由」を手に入れた人は結構います。もちろん、莫大な遺産をもらったのでもなく、宝くじに当たったのでもない普通のサラリーマンです。
「経済的自由」獲得への近道はありません。王道は「節約し、貯蓄し、増やす」の三つです。「節約・貯蓄」は一見地味ですが、やはり計画性と地道な積み上げが基本なのです。
①支出を把握・退職生活の予算組み
まずは足下を見直すことから始めましょう。現在の家計におけるお金の流れを把握するのです。サラリーマンがいきなり収入を増やすことを考えても難しいことは明らかです。何にどのタイミングでどの程度の支出があるのか書き出してみます。
よく家計簿をつけてるからお金の流れは把握できているという話を聞きますが、単に支出を時系列につけているだけでは全体像を把握できているとはいえません。集計・分析作業が必要です。食費や付き合い、光熱・水道などの経費別に、また月別・季節別にチェックしてみましょう。
ここまでできれば、次は対策を考えることができます。何に節約のメスを入れるか考えるのです。お金の流れの全体像を把握しないで、思いつきで「節約・貯蓄」しようとしても必ず失敗します。退職後の生活設計と資金計画が必要なのはいうまでもありません。
②大きな買い物を減らす
当然ですが、お金は使わなければ減りません。もちろん、全くお金を使わないで生活することはできませんが、10使っていたものを5や6にすることは可能です。支出を一回り小さくするのです。残ったお金は最初からなかったものとして貯蓄に回します。
明日のために今日何を犠牲にできるのかを考えましょう。できるだけ早いタイミングでサラリーマン生活から抜け出し、自分のために時間を有効に使えるようにするためには、肉体的にも精神的にも余力がある若いうちに「経済的自由」を獲得する必要があります。そのための「節約・貯蓄」計画を今日から実行に移すのです。
③投資・副業でお金を増やす
節約し、貯蓄を続けることでも一定の効果は期待できますが、「経済的自由」のゴールに近づくためには「増やす」ことが重要なのはいうまでもありません。「投資」を考えましょう。節約と貯蓄で貯めた資金を原資にすることをまずは考えます。
少し調べれば投資対象は色々あることがわかります。ハイリスク・ハイリターンのものもローリスク・ローリターンのものもあります。金融機関などに相談してもよいでしょう。うまくバランスをとって貯蓄を着実に増やすことを考えましょう。
投資の原資は貯蓄などの手持ちの資金だけに限る必要はありません。自分の持っているリソースを今一度見直してみましょう。遊んでいる不動産や動産はないでしょうか。余っている時間も考えようによっては自分の重要なリソースです。コツコツと続けましょう。
経済的自由・時間的自由を得る
明日の飯のためだけに今日稼いでいる状態では、「経済的自由」を獲得することは困難です。いつまでも働き続けなければならなくなります。将来のために時間を割ける余裕を持ちましょう。いわゆる「時間的自由」を持つのです。仕事以外に使える「時間的自由」があれば、将来のために布石を打つことができます。
経済的自由・労働者から事業者へ
多くのサラリーマンは労働時間とサラリーをほぼ等価と考えがちです。毎月何時間働いているから幾らの給料をもらっているという考え方です。労働時間が増えればサラリーが増え、逆もまたしかりと考えるのです。
この考え方は「労働者」的考え方です。「事業者」的考え方にマインドを変えてみましょう。いわゆる時間に比例しない収入を理解しましょう。将来に布石を打っている間は幾ら時間をかけても収入を生みません。でも、その布石が功を奏し将来「経済的自由」を得られれば、全く時間を使わなくても自動的に収入が生まれます。
意識的に、使う時間と収入の比例関係から脱却できたら、「経済的自由」獲得に向けた道を歩き始めることができるのです。
フリーにできる仕事を探す
ベンチャービジネスを起こさなくても個人事業者になることは可能です。人に雇われるのではなく、自分の得意な分野でフリーにできる仕事を探すのです。フリーの翻訳家、フリーのライターなど世の中にはフリーにできる仕事がそれなりにあります。
軌道に乗せるまではある程度の期間無収入の状態が続くでしょう。でも時間と収入の比例関係から意識的に脱却できていれば、その期間を布石を打っている時間と割り切ることができます。
仕事に使っている時間を減らす
現在の仕事に使っている時間を見直してみましょう。ダラダラと無意識に時間を浪費していないでしょうか。自分の将来に投資できる時間、すなわち「時間的自由」をできるだけ確保するように努めましょう。
現在の仕事に対する取り組みがいい加減でいいということではありません。集中して最低限の時間で求められている成果を出すように努めるのです。空いた時間である「時間的自由」を将来「経済的自由」を獲得するために必要な布石に使いましょう。
会社には兼業規程や職務専念義務などの規程がある場合がありますので、その辺りに留意しながら空いた時間や出退社前後の時間などを有効に使いましょう。
経済的自由を得ると心にも余裕が出来る
「経済的自由」とは何か、そしてそれをどのようにして獲得するのかや「時間的自由」との関係などについて解説しました。「経済的自由」は一般のサラリーマンにとって必ずしも夢物語ではありません。少し意識を変えるだけで獲得することができるのです。
「経済的自由」と「時間的自由」は表裏一体です。「経済的自由」を獲得するためには「時間的自由」を持つ必要があり、「経済的自由」が得られれば「時間的自由」も広がります。そして、その「時間的自由」は「精神的自由」にもつながってくるのです。
人は皆豊かな人生をおくる権利を持っています。その権利を実現するためには「経済的自由」は必須です。今日からできるだけ早い「経済的自由」と「時間的自由」「精神的自由」獲得に向けて布石を打つ作業を始めましょう。