玄米と白米の違いを比較して紹介!
昔から「白米の食べすぎは体に良くない」「玄米の方が体に良い」などと言われてきましたし、昨今では「玄米は体に良い」と謳った玄米入りのお菓子やシリアルなどが増えてきていて、玄米が生活の中に根付いてきています。
ですが玄米の何が白米に比べて体に良いとされているのか、玄米と白米の違いについてきちんと理解している人はそう多くはありません。ただ単に「玄米は体に良い」という噂に乗っかっているだけという人の方が多いでしょう。
含まれているカロリーや栄養素の種類と量など、玄米と白米にはどれぐらいの違いがあるのかをちゃんと理解すれば、玄米の良さも白米の良さも知ることができますので、玄米と白米の違いを比較してご紹介していきます。
玄米と白米の違い①米の状態
まずは米の状態での玄米と白米の違いについてご紹介します。米の状態での玄米と白米の違いを知らないという人は意外に多いです。白米しか食べたことがない人の中には、白米と玄米は全く違う物だと思っている人もいます。
農家の人や農家の親戚がいる人などなら玄米と白米の違いをちゃんと知っていますが、スーパーなどで販売されている白米しか購入したことがない人の中には玄米は玄米という種類の米だと勘違いしている人もいます。
玄米と白米とでは米の状態の時にはいったいどのような違いがあるのか、米の状態での玄米と白米の違いについてご紹介しましょう。
玄米の状態
米の状態での玄米と白米の違いの一つ目は、玄米の状態です。田んぼに実った稲を刈り取って稲穂の部分だけを取った後、米の周りの籾(もみ)を取り除いたものが玄米で、見た目は白米とは違い茶色っぽいです。
玄米が茶色っぽいのは糠(ぬか)が周囲についているからですが、この糠は健康食品としておなじみのぬか漬けに使うもので、ミネラルなどが含まれています。
また玄米には胚芽という稲が芽を出すための大切な部分がくっついている状態ですが、稲の苗を育てるためには米の籾を取り除かない状態である必要がありますので、玄米状態にすると稲の苗には育てられません。
ですがこの胚芽部分にはとても栄養がありますので、稲の苗を育てることは出来なくても人間が食べることによって健康に良い栄養素を取り入れることができます。
白米の状態
米の状態での玄米と白米の違いの二つ目は、白米の状態です。白米は玄米から胚芽と糠を取り除いて磨いた状態の米なので、玄米とは違って白く美しい見た目をしています。
スーパーなどのお米コーナーで販売されているのは精米後の白米の方が多いですが、それは一般的には玄米より白米の方が需要が高いからです。
農家の人などは玄米を精米機にかけて糠と胚芽を取り除き、糠は糠で大切に取っておいてぬか漬けに使ったりたけのこなどの野菜のあく抜きに使ったりします。
このように玄米と白米とは見た目など全く違いますが、精米するかしないかの違いだけで元は同じ稲の実です。玄米がダイヤの原石なら白米は磨き上げたダイヤのようなものなので、玄米と白米は別物だと勘違いしないようにしましょう。
玄米と白米の違い②カロリー
米の状態での玄米と白米の違いについてご紹介しましたので、次は玄米と白米のカロリーの違いについてご紹介します。玄米も白米も同じ稲の実なのでカロリーには違いがなさそうですが、実は玄米と白米はカロリーも違います。
白米は玄米から胚芽と糠を取り除いたものなので、玄米より白米の方がカロリーが低そうだと思う人もいるでしょう。
玄米と白米のカロリーには違いがあるのか、また玄米と白米のカロリーの違いとはどのぐらいなのかについて比較をしてご紹介しましょう。
玄米のカロリー
玄米と白米のカロリーの違いの一つ目は、玄米のカロリーです。玄米のカロリーは計量カップ一杯(一合・150g)で530キロカロリーで、そのうち糖質は107gです。
これを分かりやすく100gで換算すると100gあたりの玄米のカロリーは353キロカロリーになり、糖質は71gになります。
玄米を炊飯器で炊いてご飯として食べる場合には、お茶碗に軽く一杯で100g程度になりますが、お茶碗一杯で165キロカロリーになり糖質は34gになります。
炊いた玄米をお茶碗にそこそこ山盛りにすると150g程度で、150gで換算するとカロリーは248キロカロリーで糖質51gになります。
白米のカロリー
玄米と白米のカロリーの違いの二つ目は、白米のカロリーです。白米は一合150gで537キロカロリー糖質115.7gで、玄米と比較するとややカロリーは高めになります。
炊飯器で炊いた白米は100gで168キロカロリー糖質36.8gなので、お茶碗にしっかりと盛り付けた状態の150gなら252キロカロリー糖質55gです。
玄米は糠と胚芽がついた状態なので玄米の方がカロリーが高いと思ってしまう人がいても当然ですが、実は玄米の方が白米よりカロリーはやや低めなので「玄米の方が白米よりヘルシー」だと言われています。
玄米と白米の違い③栄養
玄米と白米のカロリーの違いについてご紹介しましたので、次は玄米と白米の栄養の違いについてご紹介します。先にもご紹介したように、玄米には糠と胚芽がついていますので、含まれる栄養素も白米とは少し違います。
健康食品と言われて人気が高まっているぬか漬けに使われている糠がついているため、玄米の方が栄養素がたくさん含まれていると思う人は多いでしょう。
実際に玄米と白米とでは含まれている栄養の種類や量にどのような違いがあるのか、玄米と白米の栄養の違いについてもご紹介しましょう。
食物繊維の量
玄米と白米の栄養の違いの一つ目は、食物繊維の量です。便秘がちな人にとって大切な便秘対策の栄養素の一つが食物繊維ですが、玄米と白米を比較するとこの食物繊維を含む量がかなり違います。
白米に含まれる食物繊維は「不溶性食物繊維」と呼ばれる食物繊維で、体内で水分を含んで膨らむため便秘に役立つと言われています。100gの白米に含まれる食物繊維はこの不溶性食物繊維が0.3gです。
それに対して玄米には不溶性食物繊維の他に「水溶性食物繊維」も含まれています。水溶性食物繊維は糖質やコレステロールを抑える働きがあります。
玄米100gに含まれる不溶性食物繊維の量は1.2gで水溶性食物繊維は0.3gで、白米と比較するとより多くの食物繊維を含んでいると言えます。
ビタミンEの量
玄米と白米の栄養の違いの二つ目は、ビタミンEの量です。ビタミンEは抗酸化作用があるだけではなく血液をさらさらにして血流を良くするため、動脈硬化予防などにも役立ちますが残念ながら白米には含まれません。
ですが玄米にはビタミンEが含まれていて、玄米100gあたりのビタミンEの量は0.5mgです。ビタミンEは特定の食品に多く含まれる栄養素なので、かなり気をつけて摂らないとしっかりと摂れない栄養素です。
白米を玄米に切り替えれば三度の食事できちんとビタミンEを摂ることができますので、主食を白米から玄米に変えると比較的手軽にビタミンEを摂取できるということです。
ミネラルの量
玄米と白米の栄養の違いの三つ目は、ミネラルの量です。米には微量ですがミネラルも含まれていて、白米100gあたり3mgのカルシウムと7mgのマグネシウム、0.3mgの亜鉛が含まれています。
これに対して玄米100gあたりにはカルシウム7mg、マグネシウム49mg、亜鉛0.8mgが含まれていますので、白米と比較すると玄米の方がミネラルはたくさん摂れると言えます。
玄米には他にも「フィチン酸」というミネラルが含まれていますが、こちらは体内の有害物質を排出するデトックス効果のあるミネラルなので、こういった点でも玄米は白米とはかなり違います。
玄米と白米の違い④値段
玄米と白米の栄養の違いについてご紹介しましたので、次は玄米と白米の値段の違いについてご紹介します。玄米も白米も同じ稲の実なので、値段は違わないと思う人が多いですが、実際に購入してみると値段が違います。
もちろん米のブランドなどによっても値段は違ってきますが、同じ品種の米で玄米と白米の値段を比較してもかなり違いがあります。
玄米と白米の値段を比較するといったいどちらの値段の方が高いのか、玄米と白米の値段の違いについてご紹介しましょう。
玄米の値段
玄米と白米の値段の違いの一つ目は、玄米の値段です。玄米の値段は1kgあたり600円から1,000円と意外に高いですが、それにはちゃんとした理由があります。
通常田んぼにはジャンボタニシなどの害虫が沢山湧きますので、消毒のために農薬を使用します。ですが玄米として出荷する場合には農薬を使用してはいけません。それは玄米の周りについている糠に農薬が残ってしまうからです。
玄米の需要はそう高くはありませんが一部の健康志向の人達からは需要がありますので、そういった人達に玄米を販売するためには農薬を使わず人間が手で害虫を駆除するというように大変な手間がかかり、そのせいで値段が高めになります。
白米の値段
玄米と白米の値段の違いの二つ目は、白米の値段です。白米は精米機を使って精米するため値段が高いと勘違いされがちですが、実は白米の方が値段は比較的安く1kgあたり400円から500円程度になります。
また白米は玄米とは違って糠を取り除くため農薬を使っても大丈夫なので、田んぼに湧く害虫駆除のために農薬を散布できるので人手があまりいりません。
農薬も結構高価ではありますが、農薬を田んぼに使用する際には希釈して使うため実際にはそう沢山の農薬は必要ありませんし、錠剤タイプの農薬などは比較的安価です。
このような理由で白米は玄米と比較すると結構値段的に安く、毎日食べる主食として考えれば玄米よりお手頃価格だと言えます。
玄米と白米の違い⑤炊き方
玄米と白米の値段の違いについてご紹介しましたので、次は玄米と白米の炊き方の違いについてご紹介します。玄米は白米と比べると体に良さそうなので玄米を主食にしたいと思う人も多いですが、玄米と白米の炊き方は違います。
昨今では炊飯器に玄米の水加減のラインや玄米の炊飯を選択するボタンなどもありますので、玄米も白米と同じように炊くことは可能ですが、そういったラインやボタンがない場合には玄米をどう炊けばよいのかわからない人もいるでしょう。
玄米と白米とでは炊飯前の水加減や炊飯に要する時間などにいったいどのような違いがあるのか、玄米と白米の炊き方の違いについてもご紹介しましょう。
玄米の炊き方
玄米と白米の炊き方の違いの一つ目は、玄米の炊き方です。玄米は糠に包まれているため水に浸す時間を長めにしないとなかなか中まで水分が浸透しません。そのため玄米を炊く場合には5時間から6時間程度水に浸す必要があります。
玄米は水に浸す時間も長いですが、炊き上がるまでにかかる時間もかなり長く、90分から120分もかかってしまいます。こちらもやはり玄米が糠に包まれているためなかなか炊けないというのが理由です。
玄米を水に浸す時間は5時間から6時間程度ですが、もっと長く浸すと変化が訪れます。玄米を24時間以上水に浸すと玄米の胚芽が活動し始めるため味が変化してきます。わざわざ味を変化させたい人のために「発芽玄米」というものもあります。
白米の炊き方
玄米と白米の炊き方の違いの二つ目は、白米の炊き方です。白米は玄米とは違って精米してありますので、30分から60分程度水に浸せば充分水分が米に染み込みます。また炊飯時間も30分から60分程度で、玄米より遥かに早く炊き上げることができます。
白米の場合は「急いで炊飯」などのボタンがある炊飯器も多く、洗った白米を炊飯器に入れてすぐに炊き始めることも可能で、急いで炊飯した白米でも普通に炊いたご飯と同じように食べることができます。
玄米は水に浸す時間も炊飯時間もとても長いため、毎日玄米を食べようとすると玄米にかける時間を捻出するため生活習慣をきっちりと決める必要がありますが、白米ならすぐにでも炊くことができますのでそういった点で白米の方が手軽だと言えます。
玄米と白米はどちらも違った良さがある
玄米と白米のカロリーの違いや栄養の違い、値段の違いや炊き方の違いなどについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
玄米には栄養素がたくさん含まれている上にカロリーも白米と比較すると低めなので身体に良いと言えますが、玄米は白米より高価で炊く際には手間がかかります。
玄米と白米にはどちらも違った良さがありますので、自分の生活において何が大切なのかをきちんと考えた上で玄米か白米かを選びましょう。